農村地域における経済活動連携事業(EU)|地域活性化100 海外事例

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農村地域における経済活動連携事業
EU
面積:429万㎢(外務省2015)人口:5億567万人(2013年暫定値、Eurostat)

EUの地域の概要

欧州連合条約に基づく、経済通貨統合、共通外交・安全保障政策、警察・
刑事司法協力等のより幅広い分野での協力を進めている政治・経済統合体。
欧州の28か国が加盟している。経済・通貨統合については、国家主権の
一部を委譲。域外に対する統一的な通商政策を実施する世界最大の単一市
場を形成している。その他の分野についても、加盟国の権限を前提としつ
つ、最大限EUとしての共通の立場を取ることで、政治的にも「一つの声」
で発言している。

取り組みの概要:農村地域における経済活動連携事業

▼地域の課題
EU地域の農村では、グローバリゼーションの進展により、農業、地元
工業、商業の衰退のなかで、新たな産業の構築や生活諸条件の改善が広く
課題となっている。特に、規制緩和に伴う大規模店舗の進出による、地元
商店の後退やそこでの就業場面の喪失は深刻である。農村での地域再生(む
らづくり)は、社会的課題である。
▼取り組みの概要
むらづくりの動きを支える政策として、LEADER事業がある。これはフ
ランス語で「農村地域における経済活動連携」という。LEADER事業は、
農村住民が主体となって実施するボトムアップ型の農村活性化事業に対し
て、EUが財政支援を行うものである。支援の対象者は、農家だけでなく
非農家も含み、対象となる事業内容も、農家民宿等を中心としたグリーン・
ツーリズム、農業特産物の生産、中小企業振興、農村在住の女性や若者へ
の就業促進事業、個人によるクラフトショップの企業、地域の有志による
コミュニティーバスの運行、地域ぐるみの共同売店設立など実に多彩な事
業を見ることができる。
例えば国立公園事務所に計画担当者として勤務していたカヴァデールさ
んは2011年の春に、この地域の最も奥地に立地する村の景観にあこがれ
転居した。そして、古い倉庫を自ら改造し、カフェ兼日用品小売店舗を開
店している。この事業費の50%は助成金である。カフェは、今では村の人々
の交流の場ともなり地域振興に貢献している。このような個人への助成も、
むしろ「地域の構造を変える革新投資」としてみなされている。

農村地域における経済活動連携事業の成果

ボトムアップ型の事業を支援することで、住民主体での地域活性化を実
現させることが可能になった。また、このLEADER事業の運用の事例か
ら地域振興には人材育成が課題であることが浮き彫りになった。そこで
EUは「農村アニメーター」という農村振興のプロを育成する欧州修士プ
ログラムを2009年より始めており、今後この農村アニメーターによる更
なる農村振興が期待されている。
過去の農村開発の反省から、外からのアプローチではなく住民自身が行
動を起こすことの重要性を意識した事業である。個人への助成も積極的に
行われているが、助成金は事業費の25%~50%となっているため、助成
金頼りではなく事業の主体となる人が責任を持って事業を遂行することが
求められる。

出典

■F-15欧州地域農村地域における経済活動連携事業
むらづくりとその政策小田切徳美http://www.jc-so-ken.or.jp/pdf/ja_report_writer/T-Odagiri/22-12SM-T-Odagiri.pdf#search=’%E5%B0%8F%E7%
94%B0%E5%88%87%E5%BE%B3%E7%BE%8E+%E8%8B%B1%E5%9B%BD+%E4%BA%8B%E4%BE%8B
欧州連合(EU)の農村振興政策―LEADER事業―http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/refer/200308_631/063103.pdf
農林水産政策研究所http://www.maff.go.jp/primaff/koho/seika/project/pdf/24rokujika_2.pdf