地域活性化モデルケース報告書(平成25年度~平成30年度)

地域活性化モデルケース報告書(平成25年度~平成30年度)
令和2年3月

内閣府地方創生推進事務局
令和元年度地域活性化プラットフォーム推進事業
地域活性化モデルケース報告書

御 挨 拶
地域活性化へ向けた取組としては、安倍内閣発足以来、アベノミクスの効果を地方へ波及させるため、地
域が直面している「超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の形成」及び「地域産業の成
長・雇用の維持創出」の 2 つの課題に関して、政府一体となって取組を推進するということを大きく掲げ、
施策展開を行ってきたところです。
平成 25 年度より成長戦略の改定に向けて、これまでの施策の成果が実感できない地方において、新たな
活力ある地域づくりと地域産業の成長のためのビジョンを提供し、その具体化を図るため、「地域活性化プ
ラットフォーム」として、関係閣僚会議を設置し議論を重ねてまいりました。
当プラットフォームにおいて、政策テーマごとにモデルケースを選定し、地域活性化関連の政策をパッケ
ージ化して示していくこととし、内閣総理大臣出席のもと、地方公共団体等の首長や有識者等と、取組の成
果及び単なる財政支援にとどまらない地域全体の社会・経済構造の変革につながる要望について議論を行う
という新しい施策推進の仕組みを構築し、検討・展開を図ってまいりました。
また、政府において、関係閣僚会議の下に地方公共団体に対するワンストップの支援の具体化及び実務的
調整を行うため、連絡調整会議を設置し、さらに、モデルケース等の円滑な実施に向け、関係府省参加の下
に政策対応チームを設置し、モデルとなる地方公共団体等の支援を実施し、必要な政策の提案を行ってきた
ところです。
さらに、有識者で構成するワーキングチームを設置し、政策対応チームと連携してモデルケースの取組支
援を行い、毎年フォローアップおよび現地訪問を実施し、進捗管理をするなどの仕組みを構築してきまし
た。
こうした取組が、政府等のタテ割りを解消し、関係府省庁で連携したワンパッケージの施策を実現するこ
とで、地域の支援を行うといった、地方創生関連施策の事業推進の体制や仕組みなどに大きく影響を与え、
当プラットフォームで培われたプロセスやノウハウは各種施策推進において活かされており、新たな国の支
援の仕組みを構築できたものと考えております。
今回の報告書では、地域活性化モデルケースに選定された 33 の各団体の皆様に御協力いただき、5 ヵ年
の取組について取りまとめて、具体例として、それぞれの取組推進のプロセスや波及効果、進捗管理のため
の目標設定の工夫などを見える化させていただきました。
また、有識者によるワーキングチームの委員の皆様には大変ご尽力をいただき、各類型において具体的な
モデルケースの推進状況を踏まえて、成果や課題、今後の可能性などを整理して、わかりやすく取りまとめ
ていただきましたこと改めて感謝申し上げます。
この報告書を通じて,国民の皆様に地域活性化推進の取組等について理解を深めていただくとともに,地
方創生の取組推進が更に広がっていくことを願っております。
令和2年3月
内閣府地方創生推進事務局
– 2 –
Ⅰ.全体総括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P1
Ⅱ.地域活性化モデルケース報告書作成の経緯・・・・・・・・・・・P3
Ⅲ.類型別モデルケース紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6
① 地方都市型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6
② 農山漁村・過疎地域等型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P52
③ 地元地域資源活用型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P78
④ 広域地域資源活用型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P104
⑤ 産業集積活用型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P128
Ⅳ.地域活性化プラットフォームワーキングチーム・・・・・・・・・・・P153
目次
– 2 –
Ⅰ.全体総括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P1
Ⅱ.地域活性化モデルケース報告書作成の経緯・・・・・・・・・・・P3
Ⅲ.類型別モデルケース紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6
① 地方都市型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6
② 農山漁村・過疎地域等型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P52
③ 地元地域資源活用型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P78
④ 広域地域資源活用型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P104
⑤ 産業集積活用型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P128
Ⅳ.地域活性化プラットフォームワーキングチーム・・・・・・・・・・・P153
目次
– 3 –
地域活性化モデルケース:その取組と成果
1 プログラムの背景と必要性
地域活性化モデルケースの制度的基盤として、まち・ひと・しごと創生法と地域再生法を指摘することができる。前
者がまち・ひと・しごと政策の基本的方向を示すもの(基本法)で、後者が地域活性化の具体的事業計画を示すも
の(実施法)と位置付けられる。これらの法令の背景として、人口減少等がもたらす地域衰退の懸念とこれを克服す
る活性化方策の具体化の緊急性が指摘される。地域に対しては次のような課題解決を目指す地方版総合戦略の策
定が求められた。1 雇用創出、2移住促進、3結婚・出産・子育て支援、4小さな拠点・地域連携。このような背景
を受けて、関係省庁の地域活性化施策を横ぐしで組み合わせて支援する「地域活性化のプラットフォーム」の構築が提
案された。関係府省の施策を活用してこのプラットフォームの活動を支援し、政府一体となって地域活性化の取組を推
進することがその狙いである。
2 公募と選定
上記の背景を受けて、地域の課題解決に向けた具体的な事業計画の募集が政府(内閣府地方創生推進事務
局)により実施された。公募・選定に際しては、以下の 2 つのテーマと 5 つのカテゴリーが設定された。
テーマ1 超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の形成
カテゴリー:「地方都市型」と「農山漁村・過疎地域型」
テーマ2 地域産業の成長・雇用の維持創出
カテゴリー:「地元地域資源活用型」、「広域地域資源活用型」、「産業集積活用型」
この枠組みに沿って公募が実施され(2014 年 3 月)、135 件の提案があり、その中から 33 件がモデルケースと
して選定された(2014 年 5 月)。
選定されたモデルケースをカテゴリー別に日本地図上にプロットしたものを図1に示す。
Ⅰ.全体総括
村上 周三(むらかみ しゅうぞう)一般財団法人建築環境・省エネルギー機構 理事長
1942 年愛媛県生まれ。1985 年東京大学生産技術研究所 教授(~2001 年)、1999 年デンマーク工科大学
客員教授、2001 年慶應義塾大学理工学部 教授(~2008 年)、2003 年より東京大学 名誉教授。2003 年
より現職である建築環境・省エネルギー機構 理事長を務める。2005 年日本建築学会 会長(~2007 年)、2008
年建築研究所 理事長(~2012 年)のほか、2010 年環境未来都市構想有識者検討委員会(内閣府)等 座
長、2015 年新国立競技場整備事業の技術提案等審査委員会 委員長、2018 年自治体SDGs推進評価・調
査検討会(内閣府)座長を務める。
著書に、「低炭素社会におけるエネルギーマネジメント」(共著、慶應義塾大学出版会、2010 年)、「スリム&スマート
未来都市構想」(単著、エネルギーフォーラム、2012 年)、「SDGsの実践 自治体・地域活性化編」(共著、事
業構想大学院大学出版部)他多数。
– 4 –
3 実施事業と支援体制
上記 5 つのカテゴリーに対応して5つの部会が設置され、部会を軸として事業が推進された。事業推進を支援する
枠組みを図2に示す。選定された事業に対して、各省庁の政策選定された事業に対して、各省庁の政策担当者やワ
ーキングチームの有識者による現地調査、ヒアリング等が実施された。これらの支援活動は事業の成果達成に多大の
貢献を果たした。特に 5 年間にわたって毎年実施された有識者によるヒアリングにより、提案・実施内容は年ごとに充
実したものに成長していった。本報告書は 5 年間のプログラムの節目にあたっての成果報告である。
図 1 選定された自治体・企業 等 (33 団体)
図2 事業推進を支援する枠組み
- 1 -
– 3 –
地域活性化モデルケース:その取組と成果
1 プログラムの背景と必要性
地域活性化モデルケースの制度的基盤として、まち・ひと・しごと創生法と地域再生法を指摘することができる。前
者がまち・ひと・しごと政策の基本的方向を示すもの(基本法)で、後者が地域活性化の具体的事業計画を示すも
の(実施法)と位置付けられる。これらの法令の背景として、人口減少等がもたらす地域衰退の懸念とこれを克服す
る活性化方策の具体化の緊急性が指摘される。地域に対しては次のような課題解決を目指す地方版総合戦略の策
定が求められた。1 雇用創出、2移住促進、3結婚・出産・子育て支援、4小さな拠点・地域連携。このような背景
を受けて、関係省庁の地域活性化施策を横ぐしで組み合わせて支援する「地域活性化のプラットフォーム」の構築が提
案された。関係府省の施策を活用してこのプラットフォームの活動を支援し、政府一体となって地域活性化の取組を推
進することがその狙いである。
2 公募と選定
上記の背景を受けて、地域の課題解決に向けた具体的な事業計画の募集が政府(内閣府地方創生推進事務
局)により実施された。公募・選定に際しては、以下の 2 つのテーマと 5 つのカテゴリーが設定された。
テーマ1 超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の形成
カテゴリー:「地方都市型」と「農山漁村・過疎地域型」
テーマ2 地域産業の成長・雇用の維持創出
カテゴリー:「地元地域資源活用型」、「広域地域資源活用型」、「産業集積活用型」
この枠組みに沿って公募が実施され(2014 年 3 月)、135 件の提案があり、その中から 33 件がモデルケースと
して選定された(2014 年 5 月)。
選定されたモデルケースをカテゴリー別に日本地図上にプロットしたものを図1に示す。
Ⅰ.全体総括
村上 周三(むらかみ しゅうぞう)一般財団法人建築環境・省エネルギー機構 理事長
1942 年愛媛県生まれ。1985 年東京大学生産技術研究所 教授(~2001 年)、1999 年デンマーク工科大学
客員教授、2001 年慶應義塾大学理工学部 教授(~2008 年)、2003 年より東京大学 名誉教授。2003 年
より現職である建築環境・省エネルギー機構 理事長を務める。2005 年日本建築学会 会長(~2007 年)、2008
年建築研究所 理事長(~2012 年)のほか、2010 年環境未来都市構想有識者検討委員会(内閣府)等 座
長、2015 年新国立競技場整備事業の技術提案等審査委員会 委員長、2018 年自治体SDGs推進評価・調
査検討会(内閣府)座長を務める。
著書に、「低炭素社会におけるエネルギーマネジメント」(共著、慶應義塾大学出版会、2010 年)、「スリム&スマート
未来都市構想」(単著、エネルギーフォーラム、2012 年)、「SDGsの実践 自治体・地域活性化編」(共著、事
業構想大学院大学出版部)他多数。
– 4 –
3 実施事業と支援体制
上記 5 つのカテゴリーに対応して5つの部会が設置され、部会を軸として事業が推進された。事業推進を支援する
枠組みを図2に示す。選定された事業に対して、各省庁の政策選定された事業に対して、各省庁の政策担当者やワ
ーキングチームの有識者による現地調査、ヒアリング等が実施された。これらの支援活動は事業の成果達成に多大の
貢献を果たした。特に 5 年間にわたって毎年実施された有識者によるヒアリングにより、提案・実施内容は年ごとに充
実したものに成長していった。本報告書は 5 年間のプログラムの節目にあたっての成果報告である。
図 1 選定された自治体・企業 等 (33 団体)
図2 事業推進を支援する枠組み
- 2 -
– 5 –
4 成果の概要
今回の事業が基礎自治体や地域産業の活性化に貢献した役割は大変大きい。前述の 5 つのカテゴリー(地方都
市、過疎地域、地元資源、広域資源、産業集積)の下に展開された各種事業はまことに多様で、地域における多
様な課題の解決と経済活性化のモデルを示している。その具体的内容は本報告書に詳しい。5 年間の活動を通して
得た重要な結論の一つが、事業成功のカギを握るのは首長を含むリーダーの情熱と見識であるということである。今後こ
れらの成果を全国の自治体や企業が共有して、成果の波及に務めることが重要である。
今回のプログラムの特徴の一つとして、地域産業の振興計画に留意した点が指摘される。その際、次のような視点に
着目してその振興計画の改善を図った。1地域の産業構造の分析と社会経済動向の把握、2独自性のある振興計
画の立案、3プロジェクトマネジャーを含む執行体制の整備、4国・都道府県の制度の活用などである。
5 地域活性化の取組を成功させるための指針
今回のモデル事業のヒアリングや成果の評価を通して、自治体や地域産業の活性化に向けた取組を成功させるため
の多くの示唆、指針が得られた。それらを以下に示す。
1 提案の合理性 2 提案のモデル性、先導性
3 地域に適応した取組か 4 計画・取組の具体性、継続性・持続性
5 取組の実現可能性 6 推進組織のガバナンス
7 事業スキームと資金メカニズム 8 ステークホルダーの組織化
9 検証体制と情報発信などである。
上記の指針は、今回のモデル事業の大きな成果と位置付けることができ、地域活性化施策のデザインにおいて普遍
的に活用可能なものである。今後国・地域の行政施策や地域企業の経営計画の立案に際して幅広く活用されること
を期待するものである。
– 6 –
1 地域活性化プラットフォーム形成の経緯
地域が直面している2つの課題、①「超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の
形成」、②「地域産業の成長・雇用の維持創出」について、政府一体となった取組を推進することが必
要であることから、平成 26 年度に、地域活性化を総合的に支援する「地域活性化プラットフォーム」の
枠組みを構築した。また、都市・地域の構造や地域産業を総合的に改革する取組みを行う地方公共
団体等を「地域活性化モデルケース」として選定し、政府による政策対応チーム及び有識者によるワー
キングチームと連携し総合的な支援を行ってきた。
2 地域活性化モデルケースの選定
地域活性化モデルケースは、先に記載した政策課題である 2 テーマにおいて、その解決策となり得る
ベスト・プラクティスの形成を目指し、施策のパッケージ化とノウハウへのアクセスを目的にモデルケースとし
て見える化を行うもので、その選定については、政府により有識者で構成されるワーキングチームを設置
し、以下に示す 5 類型に分類し、平成 26 年3月 25 日~4月 21 日にかけて地域活性化モデルケ
ースの公募を実施。3日間延べ 22 時間に渡るヒアリングの結果、応募総数 135 件の内 33 件をワー
キングチームにより選定案とすることが決定された。これを受けて政府により当該モデルケースの 33 件を
「地域活性化モデルケース」として選定した。
地域活性化モデルケースにおいては、全国的な取組へ波及する、分野横断的かつ主体間の垣根を
超えた統合アプローチの提示、持続可能な都市・地域の将来像の提示、地方産業競争力協議会の
Ⅱ.地域活性化モデルケース報告書作成の経緯
- 3 -
– 5 –
4 成果の概要
今回の事業が基礎自治体や地域産業の活性化に貢献した役割は大変大きい。前述の 5 つのカテゴリー(地方都
市、過疎地域、地元資源、広域資源、産業集積)の下に展開された各種事業はまことに多様で、地域における多
様な課題の解決と経済活性化のモデルを示している。その具体的内容は本報告書に詳しい。5 年間の活動を通して
得た重要な結論の一つが、事業成功のカギを握るのは首長を含むリーダーの情熱と見識であるということである。今後こ
れらの成果を全国の自治体や企業が共有して、成果の波及に務めることが重要である。
今回のプログラムの特徴の一つとして、地域産業の振興計画に留意した点が指摘される。その際、次のような視点に
着目してその振興計画の改善を図った。1地域の産業構造の分析と社会経済動向の把握、2独自性のある振興計
画の立案、3プロジェクトマネジャーを含む執行体制の整備、4国・都道府県の制度の活用などである。
5 地域活性化の取組を成功させるための指針
今回のモデル事業のヒアリングや成果の評価を通して、自治体や地域産業の活性化に向けた取組を成功させるため
の多くの示唆、指針が得られた。それらを以下に示す。
1 提案の合理性 2 提案のモデル性、先導性
3 地域に適応した取組か 4 計画・取組の具体性、継続性・持続性
5 取組の実現可能性 6 推進組織のガバナンス
7 事業スキームと資金メカニズム 8 ステークホルダーの組織化
9 検証体制と情報発信などである。
上記の指針は、今回のモデル事業の大きな成果と位置付けることができ、地域活性化施策のデザインにおいて普遍
的に活用可能なものである。今後国・地域の行政施策や地域企業の経営計画の立案に際して幅広く活用されること
を期待するものである。
– 6 –
1 地域活性化プラットフォーム形成の経緯
地域が直面している2つの課題、①「超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の
形成」、②「地域産業の成長・雇用の維持創出」について、政府一体となった取組を推進することが必
要であることから、平成 26 年度に、地域活性化を総合的に支援する「地域活性化プラットフォーム」の
枠組みを構築した。また、都市・地域の構造や地域産業を総合的に改革する取組みを行う地方公共
団体等を「地域活性化モデルケース」として選定し、政府による政策対応チーム及び有識者によるワー
キングチームと連携し総合的な支援を行ってきた。
2 地域活性化モデルケースの選定
地域活性化モデルケースは、先に記載した政策課題である 2 テーマにおいて、その解決策となり得る
ベスト・プラクティスの形成を目指し、施策のパッケージ化とノウハウへのアクセスを目的にモデルケースとし
て見える化を行うもので、その選定については、政府により有識者で構成されるワーキングチームを設置
し、以下に示す 5 類型に分類し、平成 26 年3月 25 日~4月 21 日にかけて地域活性化モデルケ
ースの公募を実施。3日間延べ 22 時間に渡るヒアリングの結果、応募総数 135 件の内 33 件をワー
キングチームにより選定案とすることが決定された。これを受けて政府により当該モデルケースの 33 件を
「地域活性化モデルケース」として選定した。
地域活性化モデルケースにおいては、全国的な取組へ波及する、分野横断的かつ主体間の垣根を
超えた統合アプローチの提示、持続可能な都市・地域の将来像の提示、地方産業競争力協議会の
Ⅱ.地域活性化モデルケース報告書作成の経緯
- 4 -
– 7 –
議論を踏まえた地域の成長戦略の具体策の提示、活用する政策パッケージの提示、が求められてい
る。このため、地域活性化プラットフォームの枠組みにおいて、関係府省の関係施策等で最大限支援す
るとともに、民間、大学等の協力も得て、先進的プロジェクトとして実現、見える化を実施している。
3 報告書作成及び今後の方針
地域活性化モデルケースを現地コンサルティングやフォローアップ等行い、平成 26 年度から平成 30
年度までの 5 年間が経過し、その一つの節目として優れた取組であるモデルケースについて、それぞれの
提案者である地方公共団体及び地域事業者等より、多様なモデルとして、「取組概要」、「プロジェクト
の成果やアピールポイント」、「KPI 設定の工夫」、「波及効果や今後の展開」などをとりまとめいただき、
全取り組みを見える化した。
さらに有識者によるワーキングチームの座長より全体総括を、各類型主査委員より類型別総括をいた
だき、地域活性化プラットフォームの枠組みにおいて支援をしていただいた内容を踏まえて、モデルケース
の優れた魅力や今後期待すること、さらには地域活性化を成功させるための鍵など、地域活性化へ向
けた大きなヒントが盛り込まれたものとして、取りまとめることができた。
今後、当報告書を広く発信し普及活動を行うとともに、選定された地方公共団体等についても、当
該プロジェクトにおいて培った、課題解決や展開において工夫したポイント、モデル形成へ向けたプロセス
などについて、全国の類似地域への普及展開を図っていただきたい。また、当モデルケース形成のプロセ
スや、その支援の枠組みなど、関係府省においても参考としていただき今後の政策推進へ繋げていただく
ことを期待する。
– 8 –
①地方都市型
Ⅲ.類型別モデルケース紹介
- 5 -
– 8 –
①地方都市型
Ⅲ.類型別モデルケース紹介
- 6 -
– 9 –
No 団 体 名 提案タイトル
1 北海道旭川市 北のプラチナシティー“あさひかわ”を目指して~誰もが多様な生きがいを見つ
ける積雪寒冷都市~
2 北海道夕張市 持続可能な地域社会の構築と地域エネルギーの有効活用による元気創造
への取組
3 宮城県石巻市 東日本大震災からの復興まちづくりと被災者を支える地域包括ケアの展開
4 新潟県見附市ほか 超高齢化・人口減少社会を克服するスマートウェルネス都市
5 富山県富山市 富山市のコンパクトシティ政策を中心とした包括的アプローチによる持続可
能な都市・地域活性化モデルケース
6 長野県塩尻市 森林資源の循環活用による持続可能な田園都市づくり
7 静岡県浜松市 “都市
ま ち
だって元気になりたい”持続可能な都市経営モデルケース
8 奈良県橿原市ほか 「『飛鳥シティ・リージョン』の元気創造 ひとも元気に、まちも元気に、社会も
元気に」及び「~日本誕生の地~明日香村観光立村モデル事業」
9 熊本県熊本市 持続可能で創造的な多核連携都市の形成~熊本型のコンパクトシティを
目指して~
10 鹿児島県鹿児島市 世界につながる鹿児島・まちなか創造プロジェクト~ワンランク上の交流・定
住・癒しのステージへ~
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(① 地方都市型 一覧)
– 10 –
2014 年 3 月、「地域活性化モデルケース ~超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の形成
~」の公募が開始された。
地方都市型の提案として想定していたモデルは、①生活サービス機能の市街地中心部への集約と地域公共交通
の再編による「コンパクトシティ」、②健康に暮らすことのできる地域社会の形成と在宅を中心とした地域包括ケアシステ
ムの構築による「スマートウェルネスシティ」、③自立・分散的なエネルギー活用による低炭素・循環型の環境共生地域
の形成めざす「エコシティ」からなる3つの都市像であり、これに加えて、④市町村の範域を越えて相互に必要な機能の
補完をめざす地方中枢拠点都市圏や定住自立圏からなる「シティリージョン」と呼ぶべき広域の地域像であった。
地方都市型には、38 団体の応募があり、そのうち 18 団体を対象にヒアリングが行われ、最終的に 10 団体が採択
された。募集された提案に対する評価ポイントは、①地域活性化に向けた目標が示されているか、そして、②モデル性、
③地域適応性、④実現可能性、⑤持続性、さらに、⑥評価指標等の設定が的確に行われているか、であった。
採択された 10 団体の提案は、その後 2015 年 9 月に国連総会で採択された持続可能な開発目標 SDGs を先
取りするものでもあり、持続可能な都市・地域の形成をめざした戦略と方法、そして、過去5年間に及ぶ取り組みの成
果は他の自治体にも応用可能なものが多い。関係されたみなさんの熱意と努力に敬意を評したい。
以下、提案ごとにコメントを記す。
【北海道旭川市】
「プラチナシティ」と呼ぶ、シルバー世代がより充実した生活を送ることができる都市をめざして、地域資源を生かした
「食」と「健康」をテーマにいくつものプロジェクトを連鎖的に展開している。特に、中心部に「まちなかプラチナベース」(北
彩都ガーデン)を整備し中心市街地人口の増加をめざすとともに、「北の発酵 FOOD」や「積雪寒冷地・高齢者対応
ユニバーサル製品」の開発、「(仮称)SORA の駅」の整備などの取り組みが基軸となる提案で、その結果、「まちなか
居住人口」、「食料品製造出荷額」、「宿泊延べ数」などが増加に転じていることは評価できる。今後も、個々の成果
を「プラチナシティ」というコンセプトのもとに統合し、戦略的都市ブランディングの展開が継続されることを期待する。
【北海道夕張市】
炭鉱という自然資源に依存するために、広域分散した居住域を段階的に集約する取り組みを進めている。求心力
のあるコミュニティ拠点(図書館、市民会館、美術館機能の補完、バスターミナル機能ほか)や地場の木材を活用し
た低層公営住宅を整備し、周辺から中心部への移住を促すとともに、JR 夕張支線廃線後のバス路線の見直し、通
学バスの確保、デマンド交通の導入など交通体系の再編を市民と協働で行っている。特に、中高生によるスクールバス
予約システムの取り組みはユニークである。「コンパクトシティ」を掲げる自治体は多いが、その中でも先進的な位置づけ
を与えることができる。この5年間の市民と職員の献身的な努力により、財政破綻の混乱をおおよそ払拭できたと評価
できる。
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(① 地方都市型 総括)
後藤春彦(ごとうはるひこ)早稲田大学 教授
1957 年富山市生まれ。1980 年早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院修了・工学博士。
三重大学工学部建築学科助教授、早稲田大学理工学部助教授をへて、1998 年より早稲田大学理工学部教
授。現在、早稲田大学・理事。早稲田大学重点領域研究機構・医学を基礎とするまちづくり研究所・所長。日本建
築学会副会長。内閣府地方分権改革有識者会議・議員。これまでに、早稲田大学創造理工学部長、日本都市
計画学会会長、日本生活学会会長、世界居住学会副会長ほか歴任。
2005 年日本建築学会賞(論文)、2010 年土地活用モデル大賞・国土交通大臣賞、2010 年グッドデザイン
賞、2011 年日本都市計画学会賞(計画設計賞)ほか受賞。
著書に、「無形学」(水曜社)、「景観まちづくり論」(学芸出版社)、「医学を基礎とするまちづくり」(水曜社)ほ
か多数。
- 7 -
– 9 –
No 団 体 名 提案タイトル
1 北海道旭川市 北のプラチナシティー“あさひかわ”を目指して~誰もが多様な生きがいを見つ
ける積雪寒冷都市~
2 北海道夕張市 持続可能な地域社会の構築と地域エネルギーの有効活用による元気創造
への取組
3 宮城県石巻市 東日本大震災からの復興まちづくりと被災者を支える地域包括ケアの展開
4 新潟県見附市ほか 超高齢化・人口減少社会を克服するスマートウェルネス都市
5 富山県富山市 富山市のコンパクトシティ政策を中心とした包括的アプローチによる持続可
能な都市・地域活性化モデルケース
6 長野県塩尻市 森林資源の循環活用による持続可能な田園都市づくり
7 静岡県浜松市 “都市
ま ち
だって元気になりたい”持続可能な都市経営モデルケース
8 奈良県橿原市ほか 「『飛鳥シティ・リージョン』の元気創造 ひとも元気に、まちも元気に、社会も
元気に」及び「~日本誕生の地~明日香村観光立村モデル事業」
9 熊本県熊本市 持続可能で創造的な多核連携都市の形成~熊本型のコンパクトシティを
目指して~
10 鹿児島県鹿児島市 世界につながる鹿児島・まちなか創造プロジェクト~ワンランク上の交流・定
住・癒しのステージへ~
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(① 地方都市型 一覧)
– 10 –
2014 年 3 月、「地域活性化モデルケース ~超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の形成
~」の公募が開始された。
地方都市型の提案として想定していたモデルは、①生活サービス機能の市街地中心部への集約と地域公共交通
の再編による「コンパクトシティ」、②健康に暮らすことのできる地域社会の形成と在宅を中心とした地域包括ケアシステ
ムの構築による「スマートウェルネスシティ」、③自立・分散的なエネルギー活用による低炭素・循環型の環境共生地域
の形成めざす「エコシティ」からなる3つの都市像であり、これに加えて、④市町村の範域を越えて相互に必要な機能の
補完をめざす地方中枢拠点都市圏や定住自立圏からなる「シティリージョン」と呼ぶべき広域の地域像であった。
地方都市型には、38 団体の応募があり、そのうち 18 団体を対象にヒアリングが行われ、最終的に 10 団体が採択
された。募集された提案に対する評価ポイントは、①地域活性化に向けた目標が示されているか、そして、②モデル性、
③地域適応性、④実現可能性、⑤持続性、さらに、⑥評価指標等の設定が的確に行われているか、であった。
採択された 10 団体の提案は、その後 2015 年 9 月に国連総会で採択された持続可能な開発目標 SDGs を先
取りするものでもあり、持続可能な都市・地域の形成をめざした戦略と方法、そして、過去5年間に及ぶ取り組みの成
果は他の自治体にも応用可能なものが多い。関係されたみなさんの熱意と努力に敬意を評したい。
以下、提案ごとにコメントを記す。
【北海道旭川市】
「プラチナシティ」と呼ぶ、シルバー世代がより充実した生活を送ることができる都市をめざして、地域資源を生かした
「食」と「健康」をテーマにいくつものプロジェクトを連鎖的に展開している。特に、中心部に「まちなかプラチナベース」(北
彩都ガーデン)を整備し中心市街地人口の増加をめざすとともに、「北の発酵 FOOD」や「積雪寒冷地・高齢者対応
ユニバーサル製品」の開発、「(仮称)SORA の駅」の整備などの取り組みが基軸となる提案で、その結果、「まちなか
居住人口」、「食料品製造出荷額」、「宿泊延べ数」などが増加に転じていることは評価できる。今後も、個々の成果
を「プラチナシティ」というコンセプトのもとに統合し、戦略的都市ブランディングの展開が継続されることを期待する。
【北海道夕張市】
炭鉱という自然資源に依存するために、広域分散した居住域を段階的に集約する取り組みを進めている。求心力
のあるコミュニティ拠点(図書館、市民会館、美術館機能の補完、バスターミナル機能ほか)や地場の木材を活用し
た低層公営住宅を整備し、周辺から中心部への移住を促すとともに、JR 夕張支線廃線後のバス路線の見直し、通
学バスの確保、デマンド交通の導入など交通体系の再編を市民と協働で行っている。特に、中高生によるスクールバス
予約システムの取り組みはユニークである。「コンパクトシティ」を掲げる自治体は多いが、その中でも先進的な位置づけ
を与えることができる。この5年間の市民と職員の献身的な努力により、財政破綻の混乱をおおよそ払拭できたと評価
できる。
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(① 地方都市型 総括)
後藤春彦(ごとうはるひこ)早稲田大学 教授
1957 年富山市生まれ。1980 年早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院修了・工学博士。
三重大学工学部建築学科助教授、早稲田大学理工学部助教授をへて、1998 年より早稲田大学理工学部教
授。現在、早稲田大学・理事。早稲田大学重点領域研究機構・医学を基礎とするまちづくり研究所・所長。日本建
築学会副会長。内閣府地方分権改革有識者会議・議員。これまでに、早稲田大学創造理工学部長、日本都市
計画学会会長、日本生活学会会長、世界居住学会副会長ほか歴任。
2005 年日本建築学会賞(論文)、2010 年土地活用モデル大賞・国土交通大臣賞、2010 年グッドデザイン
賞、2011 年日本都市計画学会賞(計画設計賞)ほか受賞。
著書に、「無形学」(水曜社)、「景観まちづくり論」(学芸出版社)、「医学を基礎とするまちづくり」(水曜社)ほ
か多数。
- 8 -
– 11 –
【宮城県石巻市】
東日本大震災の復興を力強く進めることができたのは、被災前に地道に取り組んでいたまちづくりの蓄積があったから
だと気付かされた。特に、在宅看取りをめざす地域包括ケアの成果が基礎にある。震災後も、JR 石巻駅前の津波復
興拠点(市立病院、ささえあいセンター、防災センター)を核に、充実した医療・介護・福祉からなる地域包括ケアが
複雑なリアス式海岸の津々浦々まで行き届くことを目指している。施設と施設を結ぶことが地域包括ではなく、各施設
の医療・介護・福祉の機能を下支えできる温もりのある地域社会を育む取り組みは学ぶところが大きい。さらに、津波
被害を受けた旧北上川沿いの市街地では「かわまちづくり」がすすみ、にぎわいと文化芸術活動が花開きはじめている。
【新潟県見附市ほか】
「コンパクトシティ」、「持続可能な集落地域」、「地域公共交通」、「中心市街地活性」、「地域包括ケア」、「住み
替え」というテーマは全国の自治体が共通に抱える課題であるが、見附市では6つの施策パッケージの連携が、健康寿
命の延伸という究極のアウトカムズの獲得に寄与している。特に、充実した体制に学ぶところが多く、72 の KPI を5年
かけて達成するというロードマップを 5 つのワーキンググループが共有し、事業の進捗を徹底的に管理している。これまで
に 44 項目の KPI は完了、実施中のうち 23 項目の KPI が 93.1%達成と驚異的な成果を収めている。卓越した経
営能力を有する市長のリーダーシップに負うところが大きい印象だが、この5年間に地域コミュニティ組織を市内全域で
設立するなど、今後は、市民協働の「スマートウエルネスシティ」へさらなる展開をみせることが予想される。
【富山県富山市】
多くの自治体が「コンパクトシティ」を目標に掲げるものの道半ばにとどまっている中で、公共交通網を活用した中心市
街地への都市機能の集積や公共交通沿線への人口誘導が実現するなど多くの成果を上げ、「コンパクトシティ」のお手
本となっている。この成功を第一フェーズに位置づけ、現在、第二フェーズに挑戦している。その鍵が「生活の質」であり、
「食べる」「出かける」「繋がる」ことによる健康寿命の延伸がテーマである。その中でも極めてユニークなのが、えごまの6
次産業化である。コンパクトシティ政策で見落とされがちな都市近郊や中山間地域における産業の振興と市民の健康
向上に相乗効果が生まれることが期待される。第二フェーズは社会的空間の質の向上へと向かう意欲的なこころみで
ある。
【長野県塩尻市】
「森林資源」と「森の文化」に徹底的なこだわりをもち、持続可能な田園都市像を描き出そうとしている。県や民間
事業者との連携による「信州 F・POWER プロジェクト」をはじめ、産業と雇用の創出、地域エネルギー供給システムの
構築、森林再生、農業再生、市街地の公共施設整備、担い手育成などのプロジェクトが展開している。今後、木質
バイオマス発電所の本格稼働により、資源循環がより一層進むことが予想される。森林文化に対する市民意識の改革
とともに、バイオマス推進協議会にみられるように、民間事業者や各種団体、金融機関など、様々な主体が参加し、収
益性のあるビジネスとして事業を成立させることが、この壮大なプロジェクトの持続可能性につながるに違いない。
【静岡県浜松市】
「中心市街地活性化」は悩ましいテーマで、様々な主体が、それぞれのロードマップで、あちこちで良いと思う取り組みを
しても不協和音が生じることがままある。オーケストラに例えるならば、コンダクターを中心に陣形を整えて、共通の楽譜
の中に各主体が自らの役割を見出し、周囲と拍子を整えながら音色を奏でなくてはならない。都市が縮減をはじめた時
代、都市経営の視点から、自治体には俯瞰的なコーディネート能力が求められる。浜松市では「主体の役割」や「取り
– 12 –
組み」が上手に整理され成果が上がりはじめている。中でもリノベーションスクールによる人材育成と環境整備はわかりや
すい事例だろう。個別成果を統合して全体像をまとめあげ、指揮棒を振り下ろす機会は整いつつあるように思う。
【奈良県橿原市】
高齢化社会が進む中で、健康寿命の延伸は喫緊の課題である。「医学を基礎とするまちづくり」は医学的な知見を
まちづくりに生かす先進的な考え方であり、「ひとも元気に、まちも元気に、社会も元気に」のスローガンは時代の要請と
も言える。また、医療と観光は究極の3次産業であり、両者の相性は良く、転地療法や湯治などの例を引くまでもなく
医療と観光の一体的なサービスはビジネスモデルとしても魅力的である。わが国を代表する伝統的な町並みである今井
町を擁する橿原市が、地元の奈良県立医科大学と協働で今井町およびその周辺において「医学を基礎とするまちづく
り」に取り組むことは大きな意義を有する。この壮大なコンセプトの実現へむけた継続的な努力を期待したい。
【熊本県熊本市】
大地震に見舞われたが、熊本城をシンボルとする復興への取り組みはとても心強い。震災以前から描いていた「多核
連携都市構想」が復興の青写真になっているに違いない。中心市街地と 15 の地域拠点を都市機能誘導区域として
設定し大きな骨格を形成するとともに、近隣 17 市町村と連携中枢都市圏協約を締結するなど、日本版の「シティ・リ
ージョン」の先駆けに位置付けられる。ぜひ、母都市としてのリーダーシップを発揮して、周辺市町村の自立性を維持し
つつ、地域交通や地域医療などの分野を中心に、相互補完の関係を形成してひとつの「シティ・リージョン」として機能さ
せることが望まれる。一方、中心部はバスターミナルをはじめとした中心市街地の強化策が功を奏しており、これを契機
に、ぜひとも創造的な復興を遂げてほしい。
【鹿児島県鹿児島市】
地域活性化モデルケース開始時から現在までの5年間のもっとも大きな社会背景の変化はインバウンドの急激な増
加である。鹿児島市もクルーズ船寄港の増加により外国人宿泊観光客数は目標値を大幅に超えている。これに
NHK 大河ドラマ効果も加わって、鹿児島市の観光の入り込みは大きく増えた。また、路面電車の停留所と連携したコ
ミュニティサイクルのポートの設置効果もあり、コミュニティサイクル利用者数、路面電車利用者数ともに目標値を上回っ
ている。こうした活性化の流れを持続ないし向上させることが必要である。たとえば、現在検討されているようにウォーター
フロント地区へも路面電車の路線を新設することができれば、市街地構造は大きく変わることが予想される。
- 9 -
– 11 –
【宮城県石巻市】
東日本大震災の復興を力強く進めることができたのは、被災前に地道に取り組んでいたまちづくりの蓄積があったから
だと気付かされた。特に、在宅看取りをめざす地域包括ケアの成果が基礎にある。震災後も、JR 石巻駅前の津波復
興拠点(市立病院、ささえあいセンター、防災センター)を核に、充実した医療・介護・福祉からなる地域包括ケアが
複雑なリアス式海岸の津々浦々まで行き届くことを目指している。施設と施設を結ぶことが地域包括ではなく、各施設
の医療・介護・福祉の機能を下支えできる温もりのある地域社会を育む取り組みは学ぶところが大きい。さらに、津波
被害を受けた旧北上川沿いの市街地では「かわまちづくり」がすすみ、にぎわいと文化芸術活動が花開きはじめている。
【新潟県見附市ほか】
「コンパクトシティ」、「持続可能な集落地域」、「地域公共交通」、「中心市街地活性」、「地域包括ケア」、「住み
替え」というテーマは全国の自治体が共通に抱える課題であるが、見附市では6つの施策パッケージの連携が、健康寿
命の延伸という究極のアウトカムズの獲得に寄与している。特に、充実した体制に学ぶところが多く、72 の KPI を5年
かけて達成するというロードマップを 5 つのワーキンググループが共有し、事業の進捗を徹底的に管理している。これまで
に 44 項目の KPI は完了、実施中のうち 23 項目の KPI が 93.1%達成と驚異的な成果を収めている。卓越した経
営能力を有する市長のリーダーシップに負うところが大きい印象だが、この5年間に地域コミュニティ組織を市内全域で
設立するなど、今後は、市民協働の「スマートウエルネスシティ」へさらなる展開をみせることが予想される。
【富山県富山市】
多くの自治体が「コンパクトシティ」を目標に掲げるものの道半ばにとどまっている中で、公共交通網を活用した中心市
街地への都市機能の集積や公共交通沿線への人口誘導が実現するなど多くの成果を上げ、「コンパクトシティ」のお手
本となっている。この成功を第一フェーズに位置づけ、現在、第二フェーズに挑戦している。その鍵が「生活の質」であり、
「食べる」「出かける」「繋がる」ことによる健康寿命の延伸がテーマである。その中でも極めてユニークなのが、えごまの6
次産業化である。コンパクトシティ政策で見落とされがちな都市近郊や中山間地域における産業の振興と市民の健康
向上に相乗効果が生まれることが期待される。第二フェーズは社会的空間の質の向上へと向かう意欲的なこころみで
ある。
【長野県塩尻市】
「森林資源」と「森の文化」に徹底的なこだわりをもち、持続可能な田園都市像を描き出そうとしている。県や民間
事業者との連携による「信州 F・POWER プロジェクト」をはじめ、産業と雇用の創出、地域エネルギー供給システムの
構築、森林再生、農業再生、市街地の公共施設整備、担い手育成などのプロジェクトが展開している。今後、木質
バイオマス発電所の本格稼働により、資源循環がより一層進むことが予想される。森林文化に対する市民意識の改革
とともに、バイオマス推進協議会にみられるように、民間事業者や各種団体、金融機関など、様々な主体が参加し、収
益性のあるビジネスとして事業を成立させることが、この壮大なプロジェクトの持続可能性につながるに違いない。
【静岡県浜松市】
「中心市街地活性化」は悩ましいテーマで、様々な主体が、それぞれのロードマップで、あちこちで良いと思う取り組みを
しても不協和音が生じることがままある。オーケストラに例えるならば、コンダクターを中心に陣形を整えて、共通の楽譜
の中に各主体が自らの役割を見出し、周囲と拍子を整えながら音色を奏でなくてはならない。都市が縮減をはじめた時
代、都市経営の視点から、自治体には俯瞰的なコーディネート能力が求められる。浜松市では「主体の役割」や「取り
– 12 –
組み」が上手に整理され成果が上がりはじめている。中でもリノベーションスクールによる人材育成と環境整備はわかりや
すい事例だろう。個別成果を統合して全体像をまとめあげ、指揮棒を振り下ろす機会は整いつつあるように思う。
【奈良県橿原市】
高齢化社会が進む中で、健康寿命の延伸は喫緊の課題である。「医学を基礎とするまちづくり」は医学的な知見を
まちづくりに生かす先進的な考え方であり、「ひとも元気に、まちも元気に、社会も元気に」のスローガンは時代の要請と
も言える。また、医療と観光は究極の3次産業であり、両者の相性は良く、転地療法や湯治などの例を引くまでもなく
医療と観光の一体的なサービスはビジネスモデルとしても魅力的である。わが国を代表する伝統的な町並みである今井
町を擁する橿原市が、地元の奈良県立医科大学と協働で今井町およびその周辺において「医学を基礎とするまちづく
り」に取り組むことは大きな意義を有する。この壮大なコンセプトの実現へむけた継続的な努力を期待したい。
【熊本県熊本市】
大地震に見舞われたが、熊本城をシンボルとする復興への取り組みはとても心強い。震災以前から描いていた「多核
連携都市構想」が復興の青写真になっているに違いない。中心市街地と 15 の地域拠点を都市機能誘導区域として
設定し大きな骨格を形成するとともに、近隣 17 市町村と連携中枢都市圏協約を締結するなど、日本版の「シティ・リ
ージョン」の先駆けに位置付けられる。ぜひ、母都市としてのリーダーシップを発揮して、周辺市町村の自立性を維持し
つつ、地域交通や地域医療などの分野を中心に、相互補完の関係を形成してひとつの「シティ・リージョン」として機能さ
せることが望まれる。一方、中心部はバスターミナルをはじめとした中心市街地の強化策が功を奏しており、これを契機
に、ぜひとも創造的な復興を遂げてほしい。
【鹿児島県鹿児島市】
地域活性化モデルケース開始時から現在までの5年間のもっとも大きな社会背景の変化はインバウンドの急激な増
加である。鹿児島市もクルーズ船寄港の増加により外国人宿泊観光客数は目標値を大幅に超えている。これに
NHK 大河ドラマ効果も加わって、鹿児島市の観光の入り込みは大きく増えた。また、路面電車の停留所と連携したコ
ミュニティサイクルのポートの設置効果もあり、コミュニティサイクル利用者数、路面電車利用者数ともに目標値を上回っ
ている。こうした活性化の流れを持続ないし向上させることが必要である。たとえば、現在検討されているようにウォーター
フロント地区へも路面電車の路線を新設することができれば、市街地構造は大きく変わることが予想される。
- 10 -
– 13 –
◆団体名 北海道旭川市

旭川市は,北海道のほぼ中心に位置し,日本最北の拠点都市であると同時に,良質な食材の宝庫で,多くの
医療機関が集積するなどの強みを持っている。
一方で,平成10年から人口減少が続き,高齢化率が全国を上回る水準で増加しており,今後も拠点都市とし
てのハブ機能を維持・発展させていくためには,少子高齢化に対応するための「都市機能の整備・集積」を図りながら
も,経済の動脈である「地域産業の成長」を一体的に推進していく必要がある。
そこで本モデルケースでは,超高齢化・人口減少社会にあって,高齢者(シルバー世代)がより充実した生活を
送ることができる活力ある都市(プラチナシティー)を実現するべく,地域資源を生かした「食」と「健康」をテーマに,
中心市街地での高齢者等の多様な生きがいの実現や,健康で安心な暮らしの提供によるまちなか居住の促進,観
光客誘致に係る利便性や魅力向上や,北北海道の農・畜・海産物を活用した健康食などの商品開発と販路拡大
による産業の活性化などの各種事業を実施する。
【事業全体イメージ図(申請時)】
1.北のプラチナシティー”あさひかわ”を目指して ~誰もが多様な生きがいを見つける積雪寒冷都市~
◆団体名
◆全体概要
– 14 –
・まちなかプラチナベースの整備(北彩都ガーデンの整備・活用,移住 PR 等)
中心市街地人口(まちなか居住人口):9,775 人(H30.10 時点),移住相談件数:50 件(H30 実
績),北彩都ガーデン等でのイベント来客数 19,659 人(H30 実績)
・北の発酵 FOOD 開発及び積雪寒冷地・高齢者対応ユニバーサル製品の開発
食料品製造出荷額:753 億円(H29 年度),商品開発数:10 件(H30 年度)
・(仮称)SORA の駅の整備(食と物産などの多様な地域の情報発信拠点としての空港の整備)
旭川空港乗降客数:113.5 万人(H30 年度),宿泊延べ数:1,933,828 泊(H30 年度)
○JR 旭川駅南側の北彩都ガーデンの整備について
市内中心部に,市民協働の植栽などにより自然と都市機能が調和した空間
づくりが進み,それを活用したイベントも充実してきている。また,隣接地には民間
資本により医療や健康に寄与する施設や高層住宅の建築も進んでおり,誰もが
住みやすいエリアづくりが進んでいる。
○北の発酵 FOOD の開発及び積雪寒冷地・高齢者ユニバーサル製品開発について
新たな視点のものづくり支援に関しては,最終的に53件の試作品開発及び商品開発支援を行った。これらにつ
いては,一部の試作品に関しては,これまでの取組を経て今後本格的な商品化がなされる予定であり,すでに企業
によっては商品化され販路が拡大しているものも出てきている。
〇(仮称)SORAの駅の整備について
旭川空港ターミナルでは,本年 5 月には地元グルメであるジンギスカンを楽しめるジンギスカンテラスの設置,本年
9 月には,旭川ラーメンなど地域の食や産品を集めたフードコート「そらいち」を開設し,観光客をはじめとする多くの人
が集まり楽しめる地域の魅力の発信拠点としての機能強化が進んでいる。
①握力が弱くても軽くて握りやすい木製のコップ
②背フレームを多段階に角度調整できる様々な体型の人
に対応できる椅子 黒大豆味噌 展示会出展の様子
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
北彩都ガーデンでのヨガイベント
① ②
国際線ターミナルビル ジンギスカンテラス フードコートそらいち
- 11 -
– 13 –
◆団体名 北海道旭川市

旭川市は,北海道のほぼ中心に位置し,日本最北の拠点都市であると同時に,良質な食材の宝庫で,多くの
医療機関が集積するなどの強みを持っている。
一方で,平成10年から人口減少が続き,高齢化率が全国を上回る水準で増加しており,今後も拠点都市とし
てのハブ機能を維持・発展させていくためには,少子高齢化に対応するための「都市機能の整備・集積」を図りながら
も,経済の動脈である「地域産業の成長」を一体的に推進していく必要がある。
そこで本モデルケースでは,超高齢化・人口減少社会にあって,高齢者(シルバー世代)がより充実した生活を
送ることができる活力ある都市(プラチナシティー)を実現するべく,地域資源を生かした「食」と「健康」をテーマに,
中心市街地での高齢者等の多様な生きがいの実現や,健康で安心な暮らしの提供によるまちなか居住の促進,観
光客誘致に係る利便性や魅力向上や,北北海道の農・畜・海産物を活用した健康食などの商品開発と販路拡大
による産業の活性化などの各種事業を実施する。
【事業全体イメージ図(申請時)】
1.北のプラチナシティー”あさひかわ”を目指して ~誰もが多様な生きがいを見つける積雪寒冷都市~
◆全体概要
– 14 –
・まちなかプラチナベースの整備(北彩都ガーデンの整備・活用,移住 PR 等)
中心市街地人口(まちなか居住人口):9,775 人(H30.10 時点),移住相談件数:50 件(H30 実
績),北彩都ガーデン等でのイベント来客数 19,659 人(H30 実績)
・北の発酵 FOOD 開発及び積雪寒冷地・高齢者対応ユニバーサル製品の開発
食料品製造出荷額:753 億円(H29 年度),商品開発数:10 件(H30 年度)
・(仮称)SORA の駅の整備(食と物産などの多様な地域の情報発信拠点としての空港の整備)
旭川空港乗降客数:113.5 万人(H30 年度),宿泊延べ数:1,933,828 泊(H30 年度)
○JR 旭川駅南側の北彩都ガーデンの整備について
市内中心部に,市民協働の植栽などにより自然と都市機能が調和した空間
づくりが進み,それを活用したイベントも充実してきている。また,隣接地には民間
資本により医療や健康に寄与する施設や高層住宅の建築も進んでおり,誰もが
住みやすいエリアづくりが進んでいる。
○北の発酵 FOOD の開発及び積雪寒冷地・高齢者ユニバーサル製品開発について
新たな視点のものづくり支援に関しては,最終的に53件の試作品開発及び商品開発支援を行った。これらにつ
いては,一部の試作品に関しては,これまでの取組を経て今後本格的な商品化がなされる予定であり,すでに企業
によっては商品化され販路が拡大しているものも出てきている。
〇(仮称)SORAの駅の整備について
旭川空港ターミナルでは,本年 5 月には地元グルメであるジンギスカンを楽しめるジンギスカンテラスの設置,本年
9 月には,旭川ラーメンなど地域の食や産品を集めたフードコート「そらいち」を開設し,観光客をはじめとする多くの人
が集まり楽しめる地域の魅力の発信拠点としての機能強化が進んでいる。
①握力が弱くても軽くて握りやすい木製のコップ
②背フレームを多段階に角度調整できる様々な体型の人
に対応できる椅子 黒大豆味噌 展示会出展の様子
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
北彩都ガーデンでのヨガイベント
① ②
国際線ターミナルビル ジンギスカンテラス フードコートそらいち
- 12 -
– 15 –
旭川市総合政策部において,期間,予算,エリア,ステークホルダー等の観点から計画全体を統括し,庁内各
部との連絡調整を行った。
①まちなかプラチナベースの整備については,商工会議所や商店街,不動産事業者,②ユニバーサル製品及
び健康に寄与する食品の開発にあたっては,医療・福祉機関,大学,金融機関,③空港の機能強化について
は,近隣町の観光関係者や民間活力を導入するなど,各事業の実施にあたり多様な関係者との連携により,そ
れぞれの視点を取り入れ,役割分担しながら実施した。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
まちなか居住人口
9,679(H25 年度)→9,775 人(H30 年度)
食料品製造出荷額
500 億(H24 年度)→753 億円(H30 年度)
宿泊延べ数
1,152,189 泊(H24)→1,933,828 泊(H30 年度)
北のプラチナシティ

”あさひかわ”を目
指して
-誰もが多様な生
きがいを見つける
積雪寒冷都市-
・北彩都ガーデン等でのイベント来客数
・商品開発数 53 件
(H30 年度累計)
・旭川空港乗降客数 113.5 万人
(H30 年度)
19,659 人(H30 年度)
◆KPI 設定の工夫・達成状況
9,679 9,779
10,300
H25 H30.10 目標値
①まちなか居住人口
1,152,189
1,933,828
1,200,000
H24 H30 目標値
③宿泊延べ数
500
753
550
H24 H29 目標値
②食料品製造出荷額
①旭川駅周辺に,健康増進に活用できる都市機能と自然が調和した空間である北彩都ガーデンを整備した。ま
た,移住に係る基本構想を作成するとともに,移住体験ツアーや各種 PR を継続して行った。
②旭川食品産業支援センターが中心となり企業と連携し,地場農産物の機能性成分の分析と,これに基づく健
康に寄与する食品の開発,販路拡大や商品ブラッシュアップなどの支援を実施した。
③旭川空港ターミナルでは,本年 5 月のジンギスカンを楽しめるテラスの設置,本年 9 月に地域の食や産品を集
めたフードコート「そらいち」をオープンさせるなど,食の集積地としての PR を継続して実施した。
【設定 KPI】
①まちなか居住人口【H25:9,679 人 → H30.10:9,775 人】
②食料品製造出荷額【H24:500 億円 → H29:753 億円】
③宿泊延べ数【H24:1,152,189 人 → H31:1,933,828 人】
達成状況は以下のとおりで,①まちなか居住人口については,目標値には達していないが,市全体で人口減少
が進行する中で微増傾向にあり,事業効果があったと考えられる。
②食料品製造出荷額,③宿泊延べ数についてはいずれも最終目標値を上回っている。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
9,775
– 16 –
1 まちなかプラチナベースの整備
北彩都ガーデンに関しては,市民や観光客に対し,積極的にPRを図るとともに,イベントを充実していき健康づく
りのフィールドや憩いの場としての有効活用を図っていく。移住の促進に当たっては,これまでに培ってきたノウハウや具
体的取組をベースに,官民連携体制を構築し,一体的または役割分担しながら,各種PRや暮らし体験などの移
住定住の取組と雇用の確保をセットにした取組などを進めていく。
2 北の発酵 FOOD の開発及び積雪寒冷地・高齢者対応ユニバーサル製品の開発
これまでに開発した試作品の商品化や,事業者の販路拡大を支援していくとともに,本事業で培った製品開発のノ
ウハウを生かし,新たな付加価値や高い付加価値を備えた商品の開発支援を引き続き進め,ものづくり産業の活性
化に生かしていく。
3 (仮称)SORA の駅の整備
これまでに整備してきたジンギスカンテラスやフードコート「そらいち」を,地域の食や食文化,産品などの魅力が発信
できる拠点として位置づけ,観光客のみならず,圏域住民に向けても広くPRを展開する。併せて,来年度に予定
される道内7空港の一括民営化も踏まえ,運営事業者等との連携などにより,さらなる空港利用の拡大につなげ
る。
◆今後の展開及び課題
- 13 -
– 16 –
1 まちなかプラチナベースの整備
北彩都ガーデンに関しては,市民や観光客に対し,積極的にPRを図るとともに,イベントを充実していき健康づく
りのフィールドや憩いの場としての有効活用を図っていく。移住の促進に当たっては,これまでに培ってきたノウハウや具
体的取組をベースに,官民連携体制を構築し,一体的または役割分担しながら,各種PRや暮らし体験などの移
住定住の取組と雇用の確保をセットにした取組などを進めていく。
2 北の発酵 FOOD の開発及び積雪寒冷地・高齢者対応ユニバーサル製品の開発
これまでに開発した試作品の商品化や,事業者の販路拡大を支援していくとともに,本事業で培った製品開発のノ
ウハウを生かし,新たな付加価値や高い付加価値を備えた商品の開発支援を引き続き進め,ものづくり産業の活性
化に生かしていく。
3 (仮称)SORA の駅の整備
これまでに整備してきたジンギスカンテラスやフードコート「そらいち」を,地域の食や食文化,産品などの魅力が発信
できる拠点として位置づけ,観光客のみならず,圏域住民に向けても広くPRを展開する。併せて,来年度に予定
される道内7空港の一括民営化も踏まえ,運営事業者等との連携などにより,さらなる空港利用の拡大につなげ
る。
◆今後の展開及び課題
- 14 -
– 17 –
◆団体名 北海道夕張市

夕張市は、北海道のほぼ中央、空知地方南部に位置し、山や丘陵に囲まれ炭鉱の坑口周辺ごとの集落が形成された街
である。
夕張市は、人口減少を見据えたコンパクトで持続可能なまちづくりを目指し、広域分散型の都市構造を段階的に集約化
を進めながら、「新たなコミュニティ拠点整備」、 「地域エネルギーの活用」 、「新たな交通ネットワーク形成」を柱として各種
事業に取り組んでいる。
■企業版ふるさと納税を活用して、市中心部に新しいコミュニティ拠点として拠点複合施設を整備
(R2 年 3 月供用開始)
■廃校の活用事業者と連携した集落コミュニティの活性化や自主防災組織の設立
■災害リスクのあるズリ山を活用した石炭採取事業(新産業)と減災の取組
■JR 夕張支線廃線後の新たな交通体系を市民との協同により構築
2.持続可能な地域社会の構築と地域エネルギーの有効活用による元気創造への取組
◆団体名
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
①新たなコミュニティ拠点整備 ➁地域エネルギーの活用
③新たな交通ネットワーク形成
コンパクトシティの推進状況
拠点複合施設イメージ
木造平屋の公営住宅
廃校に地域の郵便局が移転
ズリ山での石炭採取事業
自宅前で乗車できるデマンド交通
スクールバス予約システムに
意見する高校生
タクシー乗車差額補助(区間指定)
– 18 –
①新たなコミュニティ拠点整備
財政破綻以降に閉鎖した図書館、市民会館、美術館機能を補完し、バスターミナル機能や公園などを併設する拠
点複合施設の整備を進めており(R2 年 3 月供用開始予定)、その周辺には地場の木材を活用した低層公営住
宅や若者向けの民間賃貸住宅建設促進を図り、新たな都市拠点整備を進めている。また、防災拠点である廃校は
民間による再活用を促進し、地域コミュニティの場、関係人口との交流の場として活用している。
➁地域エネルギーの活用
安定化していた市有のズリ山が、近年の異常気象等により崩壊し、土砂が流れ出る災害が発生した。ズリ山の安定
化とズリから石炭を採取する水洗炭事業を連動させる官民連携事業として、地元企業が平成 27 年度から操業を始
め、10 名の雇用を創出する事業となった。
③新たな交通ネットワーク形成
(1)JR 夕張支線廃線後の交通体系構築
JR 夕張支線の廃線後の交通体系の構築に向け、非効率的な既存の路線バス、子供たちの通学バスの確保など、
全ての課題を可視化し、地域公共交通協議会において議論を重ねた。並行して利用率の低いバス路線の見直しや、
デマンド交通、タクシー乗車補助などによる代替え交通の可能性調査、拠点複合施設の整備による交通ハブ機能と
連動させ、南北軸を路線バス、その他のフィーダー系統はデマンド交通によりネットワーク化しを完成させた。このことによ
り、路線バス赤字額の大幅な改善、運転手の省力化、更にタクシー会社の収益改善が図られたことを踏まえ、JR 夕
張支線は廃線した。
(2)中高生によるスクールバス予約化への取組
上記の取組の中で、課題の一つであったスクールバスの休日等の部活対応便の乗車人数と車両のミスマッチによる運
行コストの増大と運行事業者の負担増を改善することを目指し、市、高校生が協同で乗車予約システムを開発し、平
成 30 年度から中学校、高校で運用を開始した。公共交通を利用する権利と義務の在り方について、若年層にも自
分事として考える力の醸成を期待したもので、本システムの運用による経費の削減効果は 130 万円/年に達し、これ
ら持続可能な公共交通体系の構築に向けた中高校生の取組が「令和元年過疎地域自立活性化優良事例」に選
定された。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
外部委員による推進組織「夕張市地方人口ビジョン及び地方版総合戦略策定委員会」を設置し、事業評価、見
直しを行っている。
(JR 夕張支線廃線
後の新たな交通ネッ
トワーク形成の取組
路線バス維持に係る市の
赤字補填額 60%削減
地域経済効果
1,150 万円
◆プロジェクトのアピールポイント
- 15 -
– 17 –
◆団体名 北海道夕張市

夕張市は、北海道のほぼ中央、空知地方南部に位置し、山や丘陵に囲まれ炭鉱の坑口周辺ごとの集落が形成された街
である。
夕張市は、人口減少を見据えたコンパクトで持続可能なまちづくりを目指し、広域分散型の都市構造を段階的に集約化
を進めながら、「新たなコミュニティ拠点整備」、 「地域エネルギーの活用」 、「新たな交通ネットワーク形成」を柱として各種
事業に取り組んでいる。
■企業版ふるさと納税を活用して、市中心部に新しいコミュニティ拠点として拠点複合施設を整備
(R2 年 3 月供用開始)
■廃校の活用事業者と連携した集落コミュニティの活性化や自主防災組織の設立
■災害リスクのあるズリ山を活用した石炭採取事業(新産業)と減災の取組
■JR 夕張支線廃線後の新たな交通体系を市民との協同により構築
2.持続可能な地域社会の構築と地域エネルギーの有効活用による元気創造への取組
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
①新たなコミュニティ拠点整備 ➁地域エネルギーの活用
③新たな交通ネットワーク形成
コンパクトシティの推進状況
拠点複合施設イメージ
木造平屋の公営住宅
廃校に地域の郵便局が移転
ズリ山での石炭採取事業
自宅前で乗車できるデマンド交通
スクールバス予約システムに
意見する高校生
タクシー乗車差額補助(区間指定)
– 18 –
①新たなコミュニティ拠点整備
財政破綻以降に閉鎖した図書館、市民会館、美術館機能を補完し、バスターミナル機能や公園などを併設する拠
点複合施設の整備を進めており(R2 年 3 月供用開始予定)、その周辺には地場の木材を活用した低層公営住
宅や若者向けの民間賃貸住宅建設促進を図り、新たな都市拠点整備を進めている。また、防災拠点である廃校は
民間による再活用を促進し、地域コミュニティの場、関係人口との交流の場として活用している。
➁地域エネルギーの活用
安定化していた市有のズリ山が、近年の異常気象等により崩壊し、土砂が流れ出る災害が発生した。ズリ山の安定
化とズリから石炭を採取する水洗炭事業を連動させる官民連携事業として、地元企業が平成 27 年度から操業を始
め、10 名の雇用を創出する事業となった。
③新たな交通ネットワーク形成
(1)JR 夕張支線廃線後の交通体系構築
JR 夕張支線の廃線後の交通体系の構築に向け、非効率的な既存の路線バス、子供たちの通学バスの確保など、
全ての課題を可視化し、地域公共交通協議会において議論を重ねた。並行して利用率の低いバス路線の見直しや、
デマンド交通、タクシー乗車補助などによる代替え交通の可能性調査、拠点複合施設の整備による交通ハブ機能と
連動させ、南北軸を路線バス、その他のフィーダー系統はデマンド交通によりネットワーク化しを完成させた。このことによ
り、路線バス赤字額の大幅な改善、運転手の省力化、更にタクシー会社の収益改善が図られたことを踏まえ、JR 夕
張支線は廃線した。
(2)中高生によるスクールバス予約化への取組
上記の取組の中で、課題の一つであったスクールバスの休日等の部活対応便の乗車人数と車両のミスマッチによる運
行コストの増大と運行事業者の負担増を改善することを目指し、市、高校生が協同で乗車予約システムを開発し、平
成 30 年度から中学校、高校で運用を開始した。公共交通を利用する権利と義務の在り方について、若年層にも自
分事として考える力の醸成を期待したもので、本システムの運用による経費の削減効果は 130 万円/年に達し、これ
ら持続可能な公共交通体系の構築に向けた中高校生の取組が「令和元年過疎地域自立活性化優良事例」に選
定された。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
外部委員による推進組織「夕張市地方人口ビジョン及び地方版総合戦略策定委員会」を設置し、事業評価、見
直しを行っている。
(JR 夕張支線廃線
後の新たな交通ネッ
トワーク形成の取組
路線バス維持に係る市の
赤字補填額 60%削減
地域経済効果
1,150 万円
◆プロジェクトのアピールポイント
- 16 -
– 19 –
①新たなコミュニティ拠点整備
・都市拠点地域での公営住宅の整備 (H25 から 53 戸(KPI は 53 戸)建設)
・民間賃貸住宅建設促進 (H25 から 98 戸(KPI は 40 戸)創出)
※拠点複合施設の整備
➁地域エネルギーの活用
・石炭ズリ山採取事業雇用数(H25:0 名➡H31:10 名達成)
③新たな交通ネットワーク形成
・生活路線維持費補助削減 (H25 基準に対して 60%(KIP は 30%)の削減達成)
【付帯効果】
※JR 夕張支線の廃線後、地元バス会社、タクシー会社の収益改善
※路線バス人員の省力化、タクシー会社の雇用増
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①市内の若年層向けの民間賃貸住宅は、公営住宅と比較して極端に少なく、且つ近隣市町と比較しても高家賃で
あったことから、若年層の市外流出が進んできた。こうした反省を踏まえ、民間賃貸住宅建設事業に対して、市が定め
る建築基準や上限家賃をクリアする事業者に対して、建設費の一部を助成する制度を創出したことにより、目標の 2
倍以上の建設が促進され、若者の入居が進んでいる。
➁ズリの崩壊というピンチにおいて、産学金の知恵を集め、あらゆる可能性について議論をしたことにより、事例の少ない
水洗炭事業に可能性を見出してきた。このピンチを公共工事で対応した場合、市の持ち出しは数億円となると見込ま
れたが、発想の転換により、地元民間事業者による石炭の採取事業と併せて、ズリ山の整形を依頼し、雇用数 10
名、年間生産額 1 億円以上の事業創出となった。なお、本事業によりズリ山の崩壊リスクは大幅に軽減し、市にとって
一石四鳥以上の効果をもたらした。
③JR 夕張支線の廃線を逆提案した背景には、市内の公共交通事業者間の連携が図られず、非効率で利用しにく
い状況が続き、更に小中学校の一校化に伴うスクールバス事業の増便により、その非効率さが更に増し、危機的な状
況と判断した市が、関係機関で構成する「夕張市地域公共交通協議会」を設置し、そうした構造を抜本的に見直す
ための協議を重ね、存続を望めない鉄路に固執せず、持続可能な公共交通体系の構築のための改革を断行した。
①新たなコミュニティ拠点整備
人口移動だけを目的とすることなく、各集落ごとのコミュニティや生活の質の確保、利便性の向上を目指していく。
➁地域エネルギーの活用
夕張市は、森林、水力、炭層メタンガス(CBM)、石炭などエネルギー資源に恵まれた地の利を生かし、民間力を
取り入れた活用を模索していく。
③新たな交通ネットワーク形成
今後は更にサービス提供側の人材の確保が大きな課題となる。地域で人材を創るという発想や地域内での連携に
主眼を置き、交通体系の維持に取り組んでいく。
◆今後の展開及び課題
◆KPI 設定の工夫・達成状況
– 20 –
財政破綻による混乱が収まり始めた時期に地域活性化モデルケースにエントリーを行い、地域の再生に向けた基本
理念の再確認と地域資源の総点検を行った。5 年間の取り組みでは地域課題を可視化し、多様な知恵の交流から
課題解決を進めていくことの重要性に気づくキッカケとなり、この考え方が、現在のまちづくりの基本方針となっている。本
モデルケースで位置づけた事業の大半が、「できない」と決めつけられた事業であったが、芽吹いた事業では、次の課題
に果敢に challenge するための連携のカタチを構築しようとする行動や「できる」ための議論の場が増えた。また、主体
的にまちづくりに関わろうとする地域のワカモノが増えたことや夕張の課題を自分事として興味を持ち、域外からまちづくり
に参画する関係人口が増加しており、そうした芽をしっかりと紡ぎ、地域の元気創造に challenge を続けていく。
◆取組の総括
- 17 -
– 19 –
①新たなコミュニティ拠点整備
・都市拠点地域での公営住宅の整備 (H25 から 53 戸(KPI は 53 戸)建設)
・民間賃貸住宅建設促進 (H25 から 98 戸(KPI は 40 戸)創出)
※拠点複合施設の整備
➁地域エネルギーの活用
・石炭ズリ山採取事業雇用数(H25:0 名➡H31:10 名達成)
③新たな交通ネットワーク形成
・生活路線維持費補助削減 (H25 基準に対して 60%(KIP は 30%)の削減達成)
【付帯効果】
※JR 夕張支線の廃線後、地元バス会社、タクシー会社の収益改善
※路線バス人員の省力化、タクシー会社の雇用増
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①市内の若年層向けの民間賃貸住宅は、公営住宅と比較して極端に少なく、且つ近隣市町と比較しても高家賃で
あったことから、若年層の市外流出が進んできた。こうした反省を踏まえ、民間賃貸住宅建設事業に対して、市が定め
る建築基準や上限家賃をクリアする事業者に対して、建設費の一部を助成する制度を創出したことにより、目標の 2
倍以上の建設が促進され、若者の入居が進んでいる。
➁ズリの崩壊というピンチにおいて、産学金の知恵を集め、あらゆる可能性について議論をしたことにより、事例の少ない
水洗炭事業に可能性を見出してきた。このピンチを公共工事で対応した場合、市の持ち出しは数億円となると見込ま
れたが、発想の転換により、地元民間事業者による石炭の採取事業と併せて、ズリ山の整形を依頼し、雇用数 10
名、年間生産額 1 億円以上の事業創出となった。なお、本事業によりズリ山の崩壊リスクは大幅に軽減し、市にとって
一石四鳥以上の効果をもたらした。
③JR 夕張支線の廃線を逆提案した背景には、市内の公共交通事業者間の連携が図られず、非効率で利用しにく
い状況が続き、更に小中学校の一校化に伴うスクールバス事業の増便により、その非効率さが更に増し、危機的な状
況と判断した市が、関係機関で構成する「夕張市地域公共交通協議会」を設置し、そうした構造を抜本的に見直す
ための協議を重ね、存続を望めない鉄路に固執せず、持続可能な公共交通体系の構築のための改革を断行した。
①新たなコミュニティ拠点整備
人口移動だけを目的とすることなく、各集落ごとのコミュニティや生活の質の確保、利便性の向上を目指していく。
➁地域エネルギーの活用
夕張市は、森林、水力、炭層メタンガス(CBM)、石炭などエネルギー資源に恵まれた地の利を生かし、民間力を
取り入れた活用を模索していく。
③新たな交通ネットワーク形成
今後は更にサービス提供側の人材の確保が大きな課題となる。地域で人材を創るという発想や地域内での連携に
主眼を置き、交通体系の維持に取り組んでいく。
◆今後の展開及び課題
◆KPI 設定の工夫・達成状況
– 20 –
財政破綻による混乱が収まり始めた時期に地域活性化モデルケースにエントリーを行い、地域の再生に向けた基本
理念の再確認と地域資源の総点検を行った。5 年間の取り組みでは地域課題を可視化し、多様な知恵の交流から
課題解決を進めていくことの重要性に気づくキッカケとなり、この考え方が、現在のまちづくりの基本方針となっている。本
モデルケースで位置づけた事業の大半が、「できない」と決めつけられた事業であったが、芽吹いた事業では、次の課題
に果敢に challenge するための連携のカタチを構築しようとする行動や「できる」ための議論の場が増えた。また、主体
的にまちづくりに関わろうとする地域のワカモノが増えたことや夕張の課題を自分事として興味を持ち、域外からまちづくり
に参画する関係人口が増加しており、そうした芽をしっかりと紡ぎ、地域の元気創造に challenge を続けていく。
◆取組の総括
- 18 -
– 21 –
◆団体名 宮城県石巻市

石巻市は、旧北上川の河口に位置し、宮城県北東部地域を代表する風光明媚な都市である。
昭和 60 年頃から続く人口減少傾向に加え、平成 23 年3月の東日本大震災による人口流出が重なる危機的
な状況に直面することとなった。
そこで、本市の地域課題解決のため、「①津波復興拠点を核とした地域包括ケアの展開」、「②かわまちづくりと連
動した賑わいと安らぎのある歩いて暮らせるまちづくりの推進」、「③文化芸術活動の推進による人との豊かなふれあいと
歴史的資源を活かした安らぎのある空間づくりの推進」の3つを柱とした各種事業に取り組む。
○津波復興拠点整備(市立病院の移転新設、防災センター、(仮称)ささえあいセンター整備等)
○地域包括ケアの推進に必要な医療・介護・福祉等の専門職の人材確保のための奨学金返還支援
○中心市街地における市街地再開発や復興公営住宅(5 箇所 201 戸整備)等による住宅整備
○かわまち交流拠点整備(生鮮マーケット(いしのまき元気いちば)、交流センター、堤防一体空間整備等)
○市指定文化財2施設(旧観慶丸商店、旧ハリストス正教会教会堂)復元
3.東日本大震災からの復興まちづくりと被災者を支える地域包括ケアの展開
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
1.津波復興拠点を核とした地域包括ケアの展開 3.文化芸術活動の推進による
人との豊かなふれあいと
歴史的資源を活かした
安らぎのある空間づくりの推進
2.かわまちづくりと連動した賑わいと安らぎのある
歩いて暮らせるまちづくりの推進



市立病院
(仮称)ささえあいセンター
防災センター





★ ★
★ ★
★ ★
市街地再開発
・区画整理事業等
・中心市街地の商業・観光拠点づくり
旧北上川の中瀬周辺に生鮮マーケット(いしのまき元気いち
ば)をはじめとした商業施設等を整備
・被災元地活用による安らぎのあるまちづくり
定住、交流人口の拡大につながる復興祈念公園、中瀬公園
等の公共施設を整備
いしのまき元気いちば かわまち交流センター
文化芸術等の発信・創造・継承や歴史的建
造物の保存整備、観光資源としての活用な
どを通じて住民が潤いと誇りを取り戻し、復
興を実感できる心豊かな生活を実現


中瀬公園
旧観慶丸商店
旧石巻ハリストス
正教会教会堂
[JR 石巻駅前の津波復興拠点整備] ・仮設住宅から公営住宅等へ住まいを移す被災者等を見守る
次世代型地域包括ケアの推進
・JR 石巻駅前に医療・福祉・防災等の拠点機能を集約。医療機関・
福祉施設を拠点に地域包括ケアを展開
– 22 –
1.津波復興拠点を核とした地域包括ケアの展開
JR石巻駅周辺に保健・福祉・医療・行政・防災等の拠点を集約整備し、災害時の市民・来訪者の避難及び
市民生活の復旧支援を迅速かつ確実に実施するとともに、市立病院と連携し、地域包括ケアシステムを市内各地
で展開した。
2.かわまちづくりと連動した賑わいと安らぎのある、歩いて暮らせるまちづくりの推進
市街地再開発事業等の住宅整備やかわまち交流拠点整備により、定住人口の増加や、水産業界の販路開拓
及び農産品の振興が図られ、観光客だけでなく市民の買物の利便性の向上が図られることで、中心市街地に賑わ
いが生み出されるとともに、交流人口の拡大が図られた。
◆プロジェクトのアピールポイント
医療・介護・福祉関係者による
寸劇発表
茶々会(保健推進員が
中心となり地区サロンとして
月1回活動)
<JR 石巻駅前の津波復興拠点化>
市立病院
(H28 年 9 月開院)
防災センター
(H30 年 5 月供用開始)
(仮称)ささえあいセンター
(R2 年 3 月完成予定)
<地域包括ケア普及啓発研究会> <奨学金返還支援>
医療・介護分野の人材確保
保育環境の充実
いしのまき元気いちば(H29 年 6 月オープン)
・地元産の野菜・鮮魚等の販売及びレストラン
・民間事業者㈱元気いしのまきが整備・運営
かわまち交流センター(H30 年 9 月オープン)
・観光案内や交流スペース等を整備し、市民や
観光客が集える憩いの場を提供
水辺の緑のプロムナード堤防一体空間(R1年7月完成)
・かわとまちをつなぐ親水空間として一体的に整備
市街地再開発等による住宅等の整備
中央一丁目地区(区画整理)まちびらき
- 19 -
– 21 –
◆団体名 宮城県石巻市

石巻市は、旧北上川の河口に位置し、宮城県北東部地域を代表する風光明媚な都市である。
昭和 60 年頃から続く人口減少傾向に加え、平成 23 年3月の東日本大震災による人口流出が重なる危機的
な状況に直面することとなった。
そこで、本市の地域課題解決のため、「①津波復興拠点を核とした地域包括ケアの展開」、「②かわまちづくりと連
動した賑わいと安らぎのある歩いて暮らせるまちづくりの推進」、「③文化芸術活動の推進による人との豊かなふれあいと
歴史的資源を活かした安らぎのある空間づくりの推進」の3つを柱とした各種事業に取り組む。
○津波復興拠点整備(市立病院の移転新設、防災センター、(仮称)ささえあいセンター整備等)
○地域包括ケアの推進に必要な医療・介護・福祉等の専門職の人材確保のための奨学金返還支援
○中心市街地における市街地再開発や復興公営住宅(5 箇所 201 戸整備)等による住宅整備
○かわまち交流拠点整備(生鮮マーケット(いしのまき元気いちば)、交流センター、堤防一体空間整備等)
○市指定文化財2施設(旧観慶丸商店、旧ハリストス正教会教会堂)復元
3.東日本大震災からの復興まちづくりと被災者を支える地域包括ケアの展開
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
1.津波復興拠点を核とした地域包括ケアの展開 3.文化芸術活動の推進による
人との豊かなふれあいと
歴史的資源を活かした
安らぎのある空間づくりの推進
2.かわまちづくりと連動した賑わいと安らぎのある
歩いて暮らせるまちづくりの推進



市立病院
(仮称)ささえあいセンター
防災センター





★ ★
★ ★
市街地再開発
・区画整理事業等
・中心市街地の商業・観光拠点づくり
旧北上川の中瀬周辺に生鮮マーケット(いしのまき元気いち
ば)をはじめとした商業施設等を整備
・被災元地活用による安らぎのあるまちづくり
定住、交流人口の拡大につながる復興祈念公園、中瀬公園
等の公共施設を整備
いしのまき元気いちば かわまち交流センター
文化芸術等の発信・創造・継承や歴史的建
造物の保存整備、観光資源としての活用な
どを通じて住民が潤いと誇りを取り戻し、復
興を実感できる心豊かな生活を実現


中瀬公園
旧観慶丸商店
旧石巻ハリストス
正教会教会堂
[JR 石巻駅前の津波復興拠点整備] ・仮設住宅から公営住宅等へ住まいを移す被災者等を見守る
次世代型地域包括ケアの推進
・JR 石巻駅前に医療・福祉・防災等の拠点機能を集約。医療機関・
福祉施設を拠点に地域包括ケアを展開
– 22 –
1.津波復興拠点を核とした地域包括ケアの展開
JR石巻駅周辺に保健・福祉・医療・行政・防災等の拠点を集約整備し、災害時の市民・来訪者の避難及び
市民生活の復旧支援を迅速かつ確実に実施するとともに、市立病院と連携し、地域包括ケアシステムを市内各地
で展開した。
2.かわまちづくりと連動した賑わいと安らぎのある、歩いて暮らせるまちづくりの推進
市街地再開発事業等の住宅整備やかわまち交流拠点整備により、定住人口の増加や、水産業界の販路開拓
及び農産品の振興が図られ、観光客だけでなく市民の買物の利便性の向上が図られることで、中心市街地に賑わ
いが生み出されるとともに、交流人口の拡大が図られた。
◆プロジェクトのアピールポイント
医療・介護・福祉関係者による
寸劇発表
茶々会(保健推進員が
中心となり地区サロンとして
月1回活動)
医療・介護・福祉関係者による
茶々会(保健推進員が
<JR 石巻駅前の津波復興拠点化>
市立病院
(H28 年 9 月開院)
防災センター
(H30 年 5 月供用開始)
(仮称)ささえあいセンター
(R2 年 3 月完成予定)
<地域包括ケア普及啓発研究会> <奨学金返還支援>
医療・介護分野の人材確保
保育環境の充実
いしのまき元気いちば(H29 年 6 月オープン)
・地元産の野菜・鮮魚等の販売及びレストラン
・民間事業者㈱元気いしのまきが整備・運営
かわまち交流センター(H30 年 9 月オープン)
・観光案内や交流スペース等を整備し、市民や
観光客が集える憩いの場を提供
水辺の緑のプロムナード堤防一体空間(R1年7月完成)
・かわとまちをつなぐ親水空間として一体的に整備
市街地再開発等による住宅等の整備
中央一丁目地区(区画整理)まちびらき
- 20 -
– 23 –
3.文化芸術活動の推進による人との豊かなふれあいと、歴史的資源を活かした安らぎのある空間づくりの推進
市指定文化財の保存・整備に併せ、様々な催し等の実施により市民の生きがいづくりや絆づくりの形成に寄与し
た。今後は、現在整備を進めている複合文化施設を文化芸術の発信・創造・継承の拠点として、さらなる交流人
口の拡大を図っていく。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
○外部委員による推進組織「石巻市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進会議」を設置し、客観的視点により進捗
管理している。委員の選定に当たっては、産官学金労等、幅広い分野の関係団体から委員の推薦を受け、ま
た、関係団体の協力のもと、女性や若者の登用を積極的に行った。
○国や県、民間事業者と連携し、円滑な事業の推進に努めている。特に、中心市街地の再開発等は民間主体で
あり、また、かわまち交流施設の中核となる「いしのまき元気いちば」は、地域商社「(株)元気いしのまき」による民
設民営で、地域の人材育成の場としての役割も担っており、官民共同によるまちづくりを進めている。
東日本大震災か
らの復興まちづくり
と被災者を支える
地域包括ケアの
展開
中心部定住人口の増加:67 人増
(H25:2,805 人→H30:2,872 人)
中心市街地施設利用者数の増加:1,164,047 人増
(H25:241,208 人→H30:1,405,255 人)
歩行者・自転車通行量の増加:2,788 人増
(H25:15,002 人→H30:17,790 人)
旧ハリストス正教会教会堂(H30 年9 月復元)
・現存する木造教会堂建築としては日本最古
旧観慶丸商店(H29 年 11 月再開館)
・木造洋風建物で石巻市最初の百貨店
(Reborn-Art Festival では作品展示場
やオフィシャルショップとして活用)
(仮称)石巻市複合文化施設
(R2 年度完成予定)
・壊滅的な被害を受けた市民会館及び文化センターに
代わる施設として、博物館・生涯学習機能及び文化ホ
ール機能を有する複合文化施設を整備
・文化芸術の発信・創造・継承の拠点として活用予定
– 24 –
【設定 KPI】
①中心部定住人口
【H25 実績:2,805 人 → H31 目標:3,812 人(補正前 3,610 人)】
②中心市街地施設利用者数
【H25 実績:241,208 人 → H31 目標:1,241,200 人(補正前 1,109,489 人)】
③歩行者・自転車通行量
【H25 実績:15,002 人 → H31 目標:16,950 人(補正前 15,356 人)】
当モデルケースでは、3つの柱が関連し合うことにより生まれる効果を KPI に設定した。
達成状況等は以下のとおりで、①中心部定住人口については、市街地再開発事業等による住宅整備等により
平成 28 年度までは増加傾向が見られたが、その後、道路拡幅工事に伴う移転等により減少傾向となった。今後は、
民間主導で進められている優良建築物等整備事業等による人口増加が見込まれる。
②中心市街地施設利用者数、③歩行者・自転車通行量については、いずれも平成 30 年度実績において最終
目標値を上回っている。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①中心市街地における復興公営住宅整備や民間事業者による市街地再開発等により、住宅や店舗を併せ持つ
施設等が整備され、中心部の賑わい創出及び人口増加に貢献
②、③かわまち交流拠点整備事業や歴史的建造物の保存・整備事業等により、交流人口が拡大。津波復興拠
点整備事業による市立病院の石巻駅前移転等により、歩行者等が増加
1.津波復興拠点を核とした地域包括ケアの展開
奨学金返還支援の継続及び利用拡大に努めることで必要な人材確保を進める。また、令和 2 年 3 月完成予
定の(仮称)ささえあいセンターを拠点に、地域包括ケアの推進及び市全体への展開を図っていく。
2.かわまちづくりと連動した賑わいと安らぎのある、歩いて暮らせるまちづくりの推進
水辺の緑のプロムナードの堤防一体空間の活用や、中心市街地及び中瀬公園の石ノ森萬画館等との連携によ
り、賑わいを周辺エリアへ波及させる仕組みづくりやソフト事業の充実を図っていく。
3.文化芸術活動の推進による人との豊かなふれあいと、歴史的資源を活かした安らぎのある空間づくりの推進
かわまちづくりと一体的に賑わいのある水辺の空間を創出する中で、旧観慶丸商店や旧石巻ハリストス正教会等
の本市の歴史的文化と触れ合える場を創出し、また、様々な催しを展開することで市民の参加を促し、交流人口の
拡大を図っていく。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
①中心部定住人口(人)
②中心市街地施設利用者数(人) ③歩行者・自転車通行量(人)
- 21 -
– 23 –
3.文化芸術活動の推進による人との豊かなふれあいと、歴史的資源を活かした安らぎのある空間づくりの推進
市指定文化財の保存・整備に併せ、様々な催し等の実施により市民の生きがいづくりや絆づくりの形成に寄与し
た。今後は、現在整備を進めている複合文化施設を文化芸術の発信・創造・継承の拠点として、さらなる交流人
口の拡大を図っていく。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
○外部委員による推進組織「石巻市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進会議」を設置し、客観的視点により進捗
管理している。委員の選定に当たっては、産官学金労等、幅広い分野の関係団体から委員の推薦を受け、ま
た、関係団体の協力のもと、女性や若者の登用を積極的に行った。
○国や県、民間事業者と連携し、円滑な事業の推進に努めている。特に、中心市街地の再開発等は民間主体で
あり、また、かわまち交流施設の中核となる「いしのまき元気いちば」は、地域商社「(株)元気いしのまき」による民
設民営で、地域の人材育成の場としての役割も担っており、官民共同によるまちづくりを進めている。
東日本大震災か
らの復興まちづくり
と被災者を支える
地域包括ケアの
展開
中心部定住人口の増加:67 人増
(H25:2,805 人→H30:2,872 人)
中心市街地施設利用者数の増加:1,164,047 人増
(H25:241,208 人→H30:1,405,255 人)
歩行者・自転車通行量の増加:2,788 人増
(H25:15,002 人→H30:17,790 人)
旧ハリストス正教会教会堂(H30 年9 月復元)
・現存する木造教会堂建築としては日本最古
旧観慶丸商店(H29 年 11 月再開館)
・木造洋風建物で石巻市最初の百貨店
(Reborn-Art Festival では作品展示場
やオフィシャルショップとして活用)
(仮称)石巻市複合文化施設
(R2 年度完成予定)
・壊滅的な被害を受けた市民会館及び文化センターに
代わる施設として、博物館・生涯学習機能及び文化ホ
ール機能を有する複合文化施設を整備
・文化芸術の発信・創造・継承の拠点として活用予定
– 24 –
【設定 KPI】
①中心部定住人口
【H25 実績:2,805 人 → H31 目標:3,812 人(補正前 3,610 人)】
②中心市街地施設利用者数
【H25 実績:241,208 人 → H31 目標:1,241,200 人(補正前 1,109,489 人)】
③歩行者・自転車通行量
【H25 実績:15,002 人 → H31 目標:16,950 人(補正前 15,356 人)】
当モデルケースでは、3つの柱が関連し合うことにより生まれる効果を KPI に設定した。
達成状況等は以下のとおりで、①中心部定住人口については、市街地再開発事業等による住宅整備等により
平成 28 年度までは増加傾向が見られたが、その後、道路拡幅工事に伴う移転等により減少傾向となった。今後は、
民間主導で進められている優良建築物等整備事業等による人口増加が見込まれる。
②中心市街地施設利用者数、③歩行者・自転車通行量については、いずれも平成 30 年度実績において最終
目標値を上回っている。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①中心市街地における復興公営住宅整備や民間事業者による市街地再開発等により、住宅や店舗を併せ持つ
施設等が整備され、中心部の賑わい創出及び人口増加に貢献
②、③かわまち交流拠点整備事業や歴史的建造物の保存・整備事業等により、交流人口が拡大。津波復興拠
点整備事業による市立病院の石巻駅前移転等により、歩行者等が増加
1.津波復興拠点を核とした地域包括ケアの展開
奨学金返還支援の継続及び利用拡大に努めることで必要な人材確保を進める。また、令和 2 年 3 月完成予
定の(仮称)ささえあいセンターを拠点に、地域包括ケアの推進及び市全体への展開を図っていく。
2.かわまちづくりと連動した賑わいと安らぎのある、歩いて暮らせるまちづくりの推進
水辺の緑のプロムナードの堤防一体空間の活用や、中心市街地及び中瀬公園の石ノ森萬画館等との連携によ
り、賑わいを周辺エリアへ波及させる仕組みづくりやソフト事業の充実を図っていく。
3.文化芸術活動の推進による人との豊かなふれあいと、歴史的資源を活かした安らぎのある空間づくりの推進
かわまちづくりと一体的に賑わいのある水辺の空間を創出する中で、旧観慶丸商店や旧石巻ハリストス正教会等
の本市の歴史的文化と触れ合える場を創出し、また、様々な催しを展開することで市民の参加を促し、交流人口の
拡大を図っていく。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
①中心部定住人口(人)
②中心市街地施設利用者数(人) ③歩行者・自転車通行量(人)
- 22 -
– 25 –
◆団体名 新潟県見附市ほか

見附市は新潟県の中心部に位置し、面積 77.91 ㎢、人口 40,341 人(平成 31 年 4 月 1 日)の都市である。
市内には、信濃川水系の刈谷田川が流れ、豊かな水と清涼な空気に恵まれた県内でも有数の田園地帯を保有する
とともに、国道 8 号や北陸自動車道などの交通網に恵まれた立地条件から、さまざまな業種の企業が進出し、繊維
中心の産業から多種多様な業種で支えるバランスの取れた産業構造へと変革してきた。
これまで当市では、1 人当たり年間約 10 万円の医療費抑制等のエビデンスが確認された健康運動教室など健康
増進に重点を置いた取り組みを行ってきた。しかし、高齢化の進展が著しい地方都市にあって高齢化率は 31.8%に
達している。また運動習慣の定着した成人住民の割合は 35%程度であり、将来を見据えた場合、残りの 65%(健
康づくり無関心層)も巻き込んで施策展開をしなければ、超高齢化・人口減社会への課題に対応できないと認識し
ている。
そこで将来に向けた医療費、介護費の抑制という課題を解決
する上で、まちづくりと住民の生活スタイルを「歩いて暮らせる」という
方向に大きくシフトさせ、「歩いて暮らせるコンパクトシティ」を次の
6 つの施策パッケージとして推進するものである。
(1)コンパクトシティの形成、誘導
(2)持続可能な集落地域づくり
(3)地域公共交通の再生
(4)中心市街地の活性化
(5)地域包括ケアシステムの構築
(6)総合的な住み替え施策の推進
これらのパッケージ施策によって、地方都市における過度の車依存から
脱却するためにまちをコンパクトにし、中心市街地の魅力も高めることに
より、自然と街なかで歩く習慣が定着することを目指す。
これにより、結果的に糖尿病等の生活習慣病罹患者の減少、外出
機会の増大による高齢者の健康寿命の延伸をもたらすなどを目的と
している。
・コミュニティバスの利用者・・・H26 年度 110,225 人⇒H30 年度 182,155 人
・住宅取得補助金実績・・・H26 年度(新築 10 件、中古 13 件)⇒H30 年度(新築 43 件、中古 30 件)
・空き家バンク成約件数・・・H27 年度~H30 年度(累計 29 件)
・商店街の空き店舗(補助金活用件数)・・・H27 年度~H30 年度(9 件の新規出店)
・介護老人保健施設 ケアプラザ見附の通所リハビリテーションの 1 日平均利用者数
・・・H27 デイケアセンター整備前 13.4 人⇒整備後 27.2 人
・社会動態(H29 年 10 月~H30 年 9 月)・・・△9 人(県内 20 市の中で最も低い減少率)
4.超高齢化・人口減社会を克服するスマートウェルネス都市
◆団体名 新潟県見附市ほか
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 26 –
〇モデルケースの各施策を着実に進めるため5つのワーキンググループを各課横断的に組織し、グループリーダーを中心
に具体的な事業の推進、進捗状況の確認や課題解決などが図られるよう実施してきた。
〇また5つのワーキンググループ毎に設定された72KPIを5年間のロードマップという形で進捗管理し、計画的に
取り組むことにより確実な事業推進を図った。
◆関連する地域波及効果
健幸施策を具現化した
理想的な住宅地「ウエル
ネスタウンみつけ」を造成
・市有地 4.5ha に 74 区画
造成
・令和元年 7 月現在、14 区画
分譲済
造成工事と住宅建設に
よる
地域経済効果
68 億円
◆プロジェクトのアピールポイント
ウエルネスタウンみつけの住宅 住宅街に流れるプロムナード
- 23 -
– 25 –
◆団体名 新潟県見附市ほか

見附市は新潟県の中心部に位置し、面積 77.91 ㎢、人口 40,341 人(平成 31 年 4 月 1 日)の都市である。
市内には、信濃川水系の刈谷田川が流れ、豊かな水と清涼な空気に恵まれた県内でも有数の田園地帯を保有する
とともに、国道 8 号や北陸自動車道などの交通網に恵まれた立地条件から、さまざまな業種の企業が進出し、繊維
中心の産業から多種多様な業種で支えるバランスの取れた産業構造へと変革してきた。
これまで当市では、1 人当たり年間約 10 万円の医療費抑制等のエビデンスが確認された健康運動教室など健康
増進に重点を置いた取り組みを行ってきた。しかし、高齢化の進展が著しい地方都市にあって高齢化率は 31.8%に
達している。また運動習慣の定着した成人住民の割合は 35%程度であり、将来を見据えた場合、残りの 65%(健
康づくり無関心層)も巻き込んで施策展開をしなければ、超高齢化・人口減社会への課題に対応できないと認識し
ている。
そこで将来に向けた医療費、介護費の抑制という課題を解決
する上で、まちづくりと住民の生活スタイルを「歩いて暮らせる」という
方向に大きくシフトさせ、「歩いて暮らせるコンパクトシティ」を次の
6 つの施策パッケージとして推進するものである。
(1)コンパクトシティの形成、誘導
(2)持続可能な集落地域づくり
(3)地域公共交通の再生
(4)中心市街地の活性化
(5)地域包括ケアシステムの構築
(6)総合的な住み替え施策の推進
これらのパッケージ施策によって、地方都市における過度の車依存から
脱却するためにまちをコンパクトにし、中心市街地の魅力も高めることに
より、自然と街なかで歩く習慣が定着することを目指す。
これにより、結果的に糖尿病等の生活習慣病罹患者の減少、外出
機会の増大による高齢者の健康寿命の延伸をもたらすなどを目的と
している。
・コミュニティバスの利用者・・・H26 年度 110,225 人⇒H30 年度 182,155 人
・住宅取得補助金実績・・・H26 年度(新築 10 件、中古 13 件)⇒H30 年度(新築 43 件、中古 30 件)
・空き家バンク成約件数・・・H27 年度~H30 年度(累計 29 件)
・商店街の空き店舗(補助金活用件数)・・・H27 年度~H30 年度(9 件の新規出店)
・介護老人保健施設 ケアプラザ見附の通所リハビリテーションの 1 日平均利用者数
・・・H27 デイケアセンター整備前 13.4 人⇒整備後 27.2 人
・社会動態(H29 年 10 月~H30 年 9 月)・・・△9 人(県内 20 市の中で最も低い減少率)
4.超高齢化・人口減社会を克服するスマートウェルネス都市
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 26 –
〇モデルケースの各施策を着実に進めるため5つのワーキンググループを各課横断的に組織し、グループリーダーを中心
に具体的な事業の推進、進捗状況の確認や課題解決などが図られるよう実施してきた。
〇また5つのワーキンググループ毎に設定された72KPIを5年間のロードマップという形で進捗管理し、計画的に
取り組むことにより確実な事業推進を図った。
◆関連する地域波及効果
健幸施策を具現化した
理想的な住宅地「ウエル
ネスタウンみつけ」を造成
・市有地 4.5ha に 74 区画
造成
・令和元年 7 月現在、14 区画
分譲済
造成工事と住宅建設に
よる
地域経済効果
68 億円
◆プロジェクトのアピールポイント
ウエルネスタウンみつけの住宅 住宅街に流れるプロムナード
- 24 -
– 27 –
・パティオにいがたの利用者数・・・H30 年度実績 116 万人(目標値 80 万人)
・コミュニティ銭湯の利用者数・・・H30 年度実績 19.9 万人(目標値 20 万人)
・介護認定率の抑制・・・H30 年度実績 17.73%に抑制(目標値 18%)
・入居系施設の充足度(介護4と5)・・・H30 年度実績 114%(目標値 100%)
・住み替え支援(調整区域⇔市街化区域)・・・H30 年度実績 10 件(目標値 10 件)
◆推進体制
〇5つのワーキンググループを各課横断的に組織し、
グループリーダーを中心に具体的な事業を推進した。
〇担当者を明確にすることにより、着実な進捗や
課題解決が図られるよう実施した。
【設定KPI】
【KPI達成のプロセスやポイント】
〇KPI設定の工夫としては、年度ごとに実施内容を定め、着実に推進することにより実績を積み上げ、
5年後のKPIが達成されるよう設定した。
〇提案時に設定したKPIは13であるが、着実に推進されるよう市独自に詳細なKPIを72設定
し、ロードマップによる計画的な取組みを行った。
〇市独自に設定した72KPIの進捗状況は、完了44項目+実施中23項目と進捗状況93.1%
となり、順調に取り組みが進められるよう進捗管理を行った。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
– 28 –
◆地方創生関係交付金等の活用有無
(1)コンパクト化と持続可能な集落地域・・・立地適正化計画の策定において、平成 28 年度は都市機能誘導区域の
設定を行い、さらに平成 30 年度には居住誘導区域および地域コミュニティゾーンを設定した。地域コミュニティゾーン設
定により、今後、住み替え誘導施策が推進される予定である。また、平成 30 年6月には地域コミュニティ組織が市内
全域で設立され、市民の 100%をカバーしている。
(2)公共交通の整備・・・コミュニティバスやバスシェルターなどロードマップに沿って計画的に整備を進めているなかで、バス
運転手の確保などが全国的な課題となっている。また、どの地域からでもまちなかへ移動できるよう、郊外地域からの公共
交通としてデマンドタクシーを運行しているが、利用数の向上や知名度アップが必要である。
(3)中心市街地活性化・・・平成 28 年8月にオープンしたコミュニティ銭湯と商店街での各種イベントや新店舗出店な
どの相乗効果により、まちなかの賑わいに繋がり中心市街地の活性化が図られた。
(4)地域包括ケアシステムの構築・・・介護サービスの提供体制の整備を進めている。また地域包括ケア体制において、
保健、医療、介護等の多職種の連携体制を構築させ、まち全体で支える仕組みを目指している。
(5)総合的な住み替え施策の推進・・・立地適正化計画における居住誘導区域および地域コミュニティゾーンが設定さ
れ、エリア内への転入・転居に対する補助制度等を検討中である。
◆今後の展開及び課題
⇒(1)~(5)の今後の展開や課題については、
見附市総合戦略の4本柱の1つに『モデルケースの伸展』を掲げることにより、
継続して対応している
- 25 -
– 27 –
・パティオにいがたの利用者数・・・H30 年度実績 116 万人(目標値 80 万人)
・コミュニティ銭湯の利用者数・・・H30 年度実績 19.9 万人(目標値 20 万人)
・介護認定率の抑制・・・H30 年度実績 17.73%に抑制(目標値 18%)
・入居系施設の充足度(介護4と5)・・・H30 年度実績 114%(目標値 100%)
・住み替え支援(調整区域⇔市街化区域)・・・H30 年度実績 10 件(目標値 10 件)
◆推進体制
〇5つのワーキンググループを各課横断的に組織し、
グループリーダーを中心に具体的な事業を推進した。
〇担当者を明確にすることにより、着実な進捗や
課題解決が図られるよう実施した。
【設定KPI】
【KPI達成のプロセスやポイント】
〇KPI設定の工夫としては、年度ごとに実施内容を定め、着実に推進することにより実績を積み上げ、
5年後のKPIが達成されるよう設定した。
〇提案時に設定したKPIは13であるが、着実に推進されるよう市独自に詳細なKPIを72設定
し、ロードマップによる計画的な取組みを行った。
〇市独自に設定した72KPIの進捗状況は、完了44項目+実施中23項目と進捗状況93.1%
となり、順調に取り組みが進められるよう進捗管理を行った。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
– 28 –
◆地方創生関係交付金等の活用有無
(1)コンパクト化と持続可能な集落地域・・・立地適正化計画の策定において、平成 28 年度は都市機能誘導区域の
設定を行い、さらに平成 30 年度には居住誘導区域および地域コミュニティゾーンを設定した。地域コミュニティゾーン設
定により、今後、住み替え誘導施策が推進される予定である。また、平成 30 年6月には地域コミュニティ組織が市内
全域で設立され、市民の 100%をカバーしている。
(2)公共交通の整備・・・コミュニティバスやバスシェルターなどロードマップに沿って計画的に整備を進めているなかで、バス
運転手の確保などが全国的な課題となっている。また、どの地域からでもまちなかへ移動できるよう、郊外地域からの公共
交通としてデマンドタクシーを運行しているが、利用数の向上や知名度アップが必要である。
(3)中心市街地活性化・・・平成 28 年8月にオープンしたコミュニティ銭湯と商店街での各種イベントや新店舗出店な
どの相乗効果により、まちなかの賑わいに繋がり中心市街地の活性化が図られた。
(4)地域包括ケアシステムの構築・・・介護サービスの提供体制の整備を進めている。また地域包括ケア体制において、
保健、医療、介護等の多職種の連携体制を構築させ、まち全体で支える仕組みを目指している。
(5)総合的な住み替え施策の推進・・・立地適正化計画における居住誘導区域および地域コミュニティゾーンが設定さ
れ、エリア内への転入・転居に対する補助制度等を検討中である。
◆今後の展開及び課題
⇒(1)~(5)の今後の展開や課題については、
見附市総合戦略の4本柱の1つに『モデルケースの伸展』を掲げることにより、
継続して対応している
- 26 -
– 29 –
◆団体名 富山県富山市

本市は、水深 1,000mの「海の幸の宝庫」富山湾から標高 3,000m級の北アルプス立山連峰までの標高差
4,000mに及ぶ 1,241.77 ㎢の自然豊かな市域を有する反面、モータリゼーションの進展や高い道路整備率、戸建
て志向等を背景として急速に市街地が外延化した。その結果として、本市の市街地は全国の県庁所在都市の中で
最も低密度となり、都市インフラの維持管理やごみ収集、除雪等の行政コストの増加に加え、都心部の空洞化による
税収低下や過度に車に依存した都市構造が課題となっていた。
また、明治 22 年(1889 年)の市制施行以来、市の中心部を大きく蛇行して流れる「神通川」の治水対策とと
もに進めた明治 41 年(1908 年)の富山駅の開業が「南北市街地の分断」の淵源となっていた。
本市では、この百年にわたる課題の解決を視野に入れつつ、将来世代に責任が持てる持続可能なまちづくりを実現
するため「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり」による富山型都市経営の取組を続けてきた。
【第1フェーズ】:公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりの推進
地方都市としては比較的公共交通網に恵まれている特徴を生かし、公共交通に対し市が積極的に投資することに
より鉄軌道や幹線バス等の活性化を図るとともに、中心市街地や公共交通沿線への人口誘導政策や都市機能の集
積など都市インフラの再構築を進め、歩いて暮らすことのできるまちづくりや中心市街地の賑わい創出に努めてきた結
果、転入人口の増加や中心市街地の地価上昇等の成果が現れてきている。
【第2フェーズ】:地域特性を生かした産業振興と質の高い魅力的な市民生活の実現
コンパクトシティ政策の深化に向けた新たな段階として、これまでの取組に加え「環境未来都市」の施策等を包括的
に展開することで、市民の生活を支える産業の育成と雇用の確保を図るとともに、歩いて暮らせるまちづくりを通じて整
備された都市インフラを最大限に活用し、市民生活の「歩くライフスタイルへの転換」を目指すことで、多くの市民がまち
に出かけ様々な世代が交流することのできるまちづくりを推進する。
こうした取組を「地域活性化モデルケース」に位
置付け推進することにより、市民一人ひとりの健康
寿命の延伸を図り、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)
の向上によって少子高齢社会にあっても健康で豊
かな質の高 い生活を送ることのできるまちづくりを
目指す。
5.富山市のコンパクトシティ政策を中心とした包括的アプローチによる持続可能な都市・地域活性化モデルケース
◆団体名
◆全体概要
中心部
都市の低密度化(増減) 南北市街地の分断
JR 北陸本線
(現:あいの風とやま鉄道)
分断
富山駅
– 30 –
1 本市のコンパクトシティ政策の特徴
本市では、立地適正化計画に基づく都市機能の誘導や公共交通の活性化等のハード面の整備にとどまらず、常に
市民の生活目線に立ちながら、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の人々が中心市街地や公共交通沿線地域に
「住みたくなる」「訪れたくなる」「歩きたくなる」仕掛け作りを切れ目なく展開し、積極的に人々の行動変容を促すことで
行政と市民が一体となった公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを推進している。
このコンパクトシティ政策は、行政経営の効率化と人口減少の抑制等による持続可能なまちづくりの実現を目指す
ものであるが、そのためには、従来の都市構造や市民の生活意識・行動を大きく転換する必要があり、20 年後、30
年後を見据えた取組を進めている。また、こうした政策を進めるにあたっては、市の中心部及び公共交通沿線地域に
居住する住民だけではなく、現在も本市の人口の約6割を占める郊外や中山間地域に居住する住民に対しても、本
市のコンパクトシティ政策の意義について理解を得ることが重要である。
本市では、中心市街地の地価上昇等により得られた固定資産税等の増収分を中山間地域の活性化事業の財源
として活用すること(市中心部から市内全域への税の還流)によって、中山間地域等の地域特性に応じた産業の育
成や、地域住民の生活基盤や地域独自の伝統・文化の維持に努めており、そのことが市域全体の持続可能性を高め
ることにも繋がっている。
2 コンパクトシティ政策の深化(「地域活性化モデルケース」事業への展開)
本市の地域活性化モデル事業は、これまでのコンパクトシティ政策や環境未来都市の取組等により得られた成果を
市民の QOL(生活の質)の向上へと昇華させるものである。
本市では、「健康寿命の延伸」が市民の QOL の向上に不可欠であると考え、「食べる」「出かける」「繋がる」をキー
ワードに ①中山間地域におけるえごまの6次産業化による新産業の育成 ②「歩いて暮らせるまち」としての都市イン
フラを活用した高齢者の外出機会の創出 ③中心市街地に整備した「総曲輪レガートスクエア」における地域包括ケア
システムの構築に取り組むこととした。
(1)食べる(えごまの6次産業化)
本市の地場産業である薬業のノウハウを活用した産業振興の取組として、薬用植物であるえごまの特産化を目指す
「富山市えごま6次産業化推進グループ」を組織し、中山間地域に整備した植物工場で生産したえごまの葉と耕作
放棄地等で露地栽培したえごまの実・油を活用した「富山えごま」認定商品や地元飲食店による新メニューの開発に
取り組むことで、地域経済の活性化や雇用創出を図るとともに、市内の学校や病院の給食等として提供することによ
り、えごまの消費を促進し市民の健康寿命の延伸を図ることとした。
◆特徴的な取組・成果 (事業のアピールポイント)
- 27 -
– 29 –
◆団体名 富山県富山市

本市は、水深 1,000mの「海の幸の宝庫」富山湾から標高 3,000m級の北アルプス立山連峰までの標高差
4,000mに及ぶ 1,241.77 ㎢の自然豊かな市域を有する反面、モータリゼーションの進展や高い道路整備率、戸建
て志向等を背景として急速に市街地が外延化した。その結果として、本市の市街地は全国の県庁所在都市の中で
最も低密度となり、都市インフラの維持管理やごみ収集、除雪等の行政コストの増加に加え、都心部の空洞化による
税収低下や過度に車に依存した都市構造が課題となっていた。
また、明治 22 年(1889 年)の市制施行以来、市の中心部を大きく蛇行して流れる「神通川」の治水対策とと
もに進めた明治 41 年(1908 年)の富山駅の開業が「南北市街地の分断」の淵源となっていた。
本市では、この百年にわたる課題の解決を視野に入れつつ、将来世代に責任が持てる持続可能なまちづくりを実現
するため「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり」による富山型都市経営の取組を続けてきた。
【第1フェーズ】:公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりの推進
地方都市としては比較的公共交通網に恵まれている特徴を生かし、公共交通に対し市が積極的に投資することに
より鉄軌道や幹線バス等の活性化を図るとともに、中心市街地や公共交通沿線への人口誘導政策や都市機能の集
積など都市インフラの再構築を進め、歩いて暮らすことのできるまちづくりや中心市街地の賑わい創出に努めてきた結
果、転入人口の増加や中心市街地の地価上昇等の成果が現れてきている。
【第2フェーズ】:地域特性を生かした産業振興と質の高い魅力的な市民生活の実現
コンパクトシティ政策の深化に向けた新たな段階として、これまでの取組に加え「環境未来都市」の施策等を包括的
に展開することで、市民の生活を支える産業の育成と雇用の確保を図るとともに、歩いて暮らせるまちづくりを通じて整
備された都市インフラを最大限に活用し、市民生活の「歩くライフスタイルへの転換」を目指すことで、多くの市民がまち
に出かけ様々な世代が交流することのできるまちづくりを推進する。
こうした取組を「地域活性化モデルケース」に位
置付け推進することにより、市民一人ひとりの健康
寿命の延伸を図り、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)
の向上によって少子高齢社会にあっても健康で豊
かな質の高 い生活を送ることのできるまちづくりを
目指す。
5.富山市のコンパクトシティ政策を中心とした包括的アプローチによる持続可能な都市・地域活性化モデルケース
◆全体概要
中心部
都市の低密度化(増減) 南北市街地の分断
JR 北陸本線
(現:あいの風とやま鉄道)
分断
富山駅
– 30 –
1 本市のコンパクトシティ政策の特徴
本市では、立地適正化計画に基づく都市機能の誘導や公共交通の活性化等のハード面の整備にとどまらず、常に
市民の生活目線に立ちながら、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の人々が中心市街地や公共交通沿線地域に
「住みたくなる」「訪れたくなる」「歩きたくなる」仕掛け作りを切れ目なく展開し、積極的に人々の行動変容を促すことで
行政と市民が一体となった公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを推進している。
このコンパクトシティ政策は、行政経営の効率化と人口減少の抑制等による持続可能なまちづくりの実現を目指す
ものであるが、そのためには、従来の都市構造や市民の生活意識・行動を大きく転換する必要があり、20 年後、30
年後を見据えた取組を進めている。また、こうした政策を進めるにあたっては、市の中心部及び公共交通沿線地域に
居住する住民だけではなく、現在も本市の人口の約6割を占める郊外や中山間地域に居住する住民に対しても、本
市のコンパクトシティ政策の意義について理解を得ることが重要である。
本市では、中心市街地の地価上昇等により得られた固定資産税等の増収分を中山間地域の活性化事業の財源
として活用すること(市中心部から市内全域への税の還流)によって、中山間地域等の地域特性に応じた産業の育
成や、地域住民の生活基盤や地域独自の伝統・文化の維持に努めており、そのことが市域全体の持続可能性を高め
ることにも繋がっている。
2 コンパクトシティ政策の深化(「地域活性化モデルケース」事業への展開)
本市の地域活性化モデル事業は、これまでのコンパクトシティ政策や環境未来都市の取組等により得られた成果を
市民の QOL(生活の質)の向上へと昇華させるものである。
本市では、「健康寿命の延伸」が市民の QOL の向上に不可欠であると考え、「食べる」「出かける」「繋がる」をキー
ワードに ①中山間地域におけるえごまの6次産業化による新産業の育成 ②「歩いて暮らせるまち」としての都市イン
フラを活用した高齢者の外出機会の創出 ③中心市街地に整備した「総曲輪レガートスクエア」における地域包括ケア
システムの構築に取り組むこととした。
(1)食べる(えごまの6次産業化)
本市の地場産業である薬業のノウハウを活用した産業振興の取組として、薬用植物であるえごまの特産化を目指す
「富山市えごま6次産業化推進グループ」を組織し、中山間地域に整備した植物工場で生産したえごまの葉と耕作
放棄地等で露地栽培したえごまの実・油を活用した「富山えごま」認定商品や地元飲食店による新メニューの開発に
取り組むことで、地域経済の活性化や雇用創出を図るとともに、市内の学校や病院の給食等として提供することによ
り、えごまの消費を促進し市民の健康寿命の延伸を図ることとした。
◆特徴的な取組・成果 (事業のアピールポイント)
- 28 -
– 31 –
①えごまの 6 次産業化の取組を象徴する施設として、温泉熱等を活用したえごま栽培工場を整備。→ 水耕栽
培による高品質なえごまの供給が可能となった。
②市内の約 24ha の耕作放棄地等(市が取得し県のほ場整備事業によって大規模優良農地として再生)を
活用したえごまの大規模露地栽培を実施。→ 平成 30 年度の作付面積は市全体で約 30.1ha にのぼり、市
町村単位では全国トップクラスとなっている。
③生活習慣病等の改善効果が期待できる「オメガ3系脂肪酸」をはじめ、強い抗酸化作用を持つ「ロズマリン酸」
等を豊富に含むえごまの特徴を生かしたオリジナルメニューや新商品を開発。→ 「富山えごま」のブランド化を進め
るとともに、学校給食や病院給食等として提供することにより、市民の健康増進にも役立てている。
(2)出かける(高齢者健康増進端末機(おでかけっち)研究開発)
GPS、歩数計機能、歩行促進アプリを内蔵した高齢者健康増進端末機(おでかけっち)を開発し高齢者等に携
帯していただくことで、交通行動やまちなかでの移動目的等を分析し、本市の都市政策や交通政策への活用を検討
するなど、高齢者の外出機会の創出による健康寿命の延伸を目指した。
① 「おでかけっち」を活用し、65 歳以上の方が市内の公共交通機関を 100 円で利用することができる「おでかけ
定期券」の効果を平成 28、30 年にそれぞれ検証。→ おでかけ定期券の非所有者、非利用者では平均歩
数が少なく、2年後の平均歩数も大きく減少する中で、おでかけ定期券を所有しかつ利用していた人は、両年
とも平均歩数が多く、さらに、経年による減少幅も少ないとの結果が得られた。
【平成 28 年度と平成 30 年度の平均歩数の比較】
平成 28・30 年ともおでかけ定期券を所有し、かつ利用していた人 5,287 歩 → 4,920 歩 ▲367 歩
平成 28・30 年ともおでかけ定期券を所有したが、利用しなかった人 4,546 歩 → 4,147 歩 ▲399 歩
平成 28・30 年ともおでかけ定期券を所有しなかった人 4,954 歩 → 4,361 歩 ▲593 歩
② 国民健康保険等のデータをもとに「おでかけっち」で得られた歩行数と医療費の関係について追跡調査を実施
(平成 28→29 年度)。→ 前期高齢者では 1 日の歩行数が 4,000 歩以上の人の平均医療費が減少
し、後期高齢者では1日の歩行数が 8,000 歩以上の人の平均医療費が減少しているとの結果が得られた。
【平成 28 年度と平成 29 年度の平均医療費の比較】
前期高齢者 331,084 円 → 238,273 円 (国平均 508,340 円)
後期高齢者 318,926 円 → 309,083 円 (国平均 922,352 円)
これらの公共交通を利用した「歩くライフスタイル」がもたらす医療費の削減効果について、実際の医療費のデータに
基づいて算定するなど、全国的にも例のないデータが得られ、市の施策の効果を検証する上でも貴重なエビデンスとな
った。
(3)繋がる(地域包括ケアシステムの構築)
高齢化が著しい中心市街地において、平成 29 年度に都市型の地域包括ケア拠点となる「まちなか総合ケアセンタ
ー」を整備し、乳幼児や高齢者、障害者等、地域住民が安心して健やかに生活できる健康まちづくりを推進している。
① 「まちなか総合ケアセンター」では、(ⅰ)全国にも例のない、市と医師会との連携により安定的な在宅医療サービ
スを提供する「まちなか診療所」 (ⅱ)自治体の直営事業として全国初となる「産後ケア応援室」 (ⅲ)同じく自
治体の直営事業として全国初となる「お迎え型病児保育事業」を実施する病児保育室を開設し、先進的な
地域包括ケアシステムを構築。→ 本センターの開設後も、地域の開業医や病院、医師会等と継続して現状
や課題を共有し、市と医療機関との相互連携による円滑な事業運営に取り組んでいる。
主治医不在時の往診代行 20 件(平成 30 年度実績)
産後ケア応援室延利用者 宿泊 287 人 472 泊、デイケア 237 人、教室 507 人(平成 30 年度実績)
お迎え型病児保育事業登録者 122 名(平成 30 年度実績)
– 32 –
※民間施設において、平成 30 年 11 月、平成 31 年 4 月にそれぞれ 1 ヵ所ずつ新たに事業実施
さらに、まちなか総合ケアセンターが立地する官民複合施設「総曲輪レガートスクエア」(PPP による小学校跡地の
再開発事業)では、レガートスクエア内のスポーツクラブ、看護専門学校等との連携により、市民や学生、大学、NPO
等の関係機関が協働することで、子どもから高齢者までの幅広い年代を対象とした質の高い暮らしを支えるための多彩
なメニューを提供することが可能となり、市民や企業による自主的な健康まちづくりの取組も始まっている。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
限られた財源・資源の中で、各種課
題に対応した持続可能な都市を実現
するためには、従来の縦割り的な政
策・施策ではなく、包括的な施策連携
による事業展開が必要であり、さらにそ
の効果を見える化・共有化することで、
多様な主体と連携したまちづくりを推
進している。
【設定KPI】 農業サポーター登録者数、中心市街地の居住人口の社会増、健康な高齢者の割合 等
公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを推進するため、分野を横断した様々な連携施策を行って
いることから、KPI 設定については、多方面から成果を把握できるよう 15 の指標を用いた。モデルケース事業の取組に
より全体の 6 割以上の指標で目標を達成している。
◆地方創生関係交付金等の活用有無
令和2年3月に富山駅の南北を走る路面電車の「南北接続事業」が完了する予定であり、本市の「百年の夢」であ
る富山駅周辺の南北一体化が実現することから、平成 27 年に開通した北陸新幹線と相まって富山駅の交通結節
機能がさらに強化され、人々の流れに大きな変化をもたらすことが予想される。
この機会を逃すことなく、本市がこれまで進めてきた「コンパクトシティ戦略による富山型都市経営」をさらに発展させ
るため、今後とも地域活性化モデル事業に掲げた3つの事業とともに、新しい時代のニーズを捉えた様々な施策を適
時・的確に展開することで、全ての市民が健康で豊かな質の高い生活を送ることのできる持続可能なまちづくりに向け
官民一体となった取組を続けてまいりたい。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 事業内容
あり
富山市地域再生戦略事業 1,195,500 千円 1/2 以内(直接事業)
1/3 以内(間接事業)
・えごまカプセル工場の整備
・高齢者健康増進端末機の開発
富山型生涯活躍のまちを見据
えたコンパクトシティの深化 365,023 千円 1/2
・高齢者健康増進端末機を活用した
高齢者等の交通行動の調査・分析
・地域包括ケアシステムの構築
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
えごまの
6次産業化
【スマート農業実証モデル事業の実施】
えごま生産の効率化と作業精度の向上等を目
的として、AI トラクタ-やドローンの導入、株間
除草ロボット等の開発等を進め効果を検証
【他の農作物の栽培への応用】
高齢化や後継者不足等、本市の農
業全体の課題解決に繋がる可能性
- 29 -
– 31 –
①えごまの 6 次産業化の取組を象徴する施設として、温泉熱等を活用したえごま栽培工場を整備。→ 水耕栽
培による高品質なえごまの供給が可能となった。
②市内の約 24ha の耕作放棄地等(市が取得し県のほ場整備事業によって大規模優良農地として再生)を
活用したえごまの大規模露地栽培を実施。→ 平成 30 年度の作付面積は市全体で約 30.1ha にのぼり、市
町村単位では全国トップクラスとなっている。
③生活習慣病等の改善効果が期待できる「オメガ3系脂肪酸」をはじめ、強い抗酸化作用を持つ「ロズマリン酸」
等を豊富に含むえごまの特徴を生かしたオリジナルメニューや新商品を開発。→ 「富山えごま」のブランド化を進め
るとともに、学校給食や病院給食等として提供することにより、市民の健康増進にも役立てている。
(2)出かける(高齢者健康増進端末機(おでかけっち)研究開発)
GPS、歩数計機能、歩行促進アプリを内蔵した高齢者健康増進端末機(おでかけっち)を開発し高齢者等に携
帯していただくことで、交通行動やまちなかでの移動目的等を分析し、本市の都市政策や交通政策への活用を検討
するなど、高齢者の外出機会の創出による健康寿命の延伸を目指した。
① 「おでかけっち」を活用し、65 歳以上の方が市内の公共交通機関を 100 円で利用することができる「おでかけ
定期券」の効果を平成 28、30 年にそれぞれ検証。→ おでかけ定期券の非所有者、非利用者では平均歩
数が少なく、2年後の平均歩数も大きく減少する中で、おでかけ定期券を所有しかつ利用していた人は、両年
とも平均歩数が多く、さらに、経年による減少幅も少ないとの結果が得られた。
【平成 28 年度と平成 30 年度の平均歩数の比較】
平成 28・30 年ともおでかけ定期券を所有し、かつ利用していた人 5,287 歩 → 4,920 歩 ▲367 歩
平成 28・30 年ともおでかけ定期券を所有したが、利用しなかった人 4,546 歩 → 4,147 歩 ▲399 歩
平成 28・30 年ともおでかけ定期券を所有しなかった人 4,954 歩 → 4,361 歩 ▲593 歩
② 国民健康保険等のデータをもとに「おでかけっち」で得られた歩行数と医療費の関係について追跡調査を実施
(平成 28→29 年度)。→ 前期高齢者では 1 日の歩行数が 4,000 歩以上の人の平均医療費が減少
し、後期高齢者では1日の歩行数が 8,000 歩以上の人の平均医療費が減少しているとの結果が得られた。
【平成 28 年度と平成 29 年度の平均医療費の比較】
前期高齢者 331,084 円 → 238,273 円 (国平均 508,340 円)
後期高齢者 318,926 円 → 309,083 円 (国平均 922,352 円)
これらの公共交通を利用した「歩くライフスタイル」がもたらす医療費の削減効果について、実際の医療費のデータに
基づいて算定するなど、全国的にも例のないデータが得られ、市の施策の効果を検証する上でも貴重なエビデンスとな
った。
(3)繋がる(地域包括ケアシステムの構築)
高齢化が著しい中心市街地において、平成 29 年度に都市型の地域包括ケア拠点となる「まちなか総合ケアセンタ
ー」を整備し、乳幼児や高齢者、障害者等、地域住民が安心して健やかに生活できる健康まちづくりを推進している。
① 「まちなか総合ケアセンター」では、(ⅰ)全国にも例のない、市と医師会との連携により安定的な在宅医療サービ
スを提供する「まちなか診療所」 (ⅱ)自治体の直営事業として全国初となる「産後ケア応援室」 (ⅲ)同じく自
治体の直営事業として全国初となる「お迎え型病児保育事業」を実施する病児保育室を開設し、先進的な
地域包括ケアシステムを構築。→ 本センターの開設後も、地域の開業医や病院、医師会等と継続して現状
や課題を共有し、市と医療機関との相互連携による円滑な事業運営に取り組んでいる。
主治医不在時の往診代行 20 件(平成 30 年度実績)
産後ケア応援室延利用者 宿泊 287 人 472 泊、デイケア 237 人、教室 507 人(平成 30 年度実績)
お迎え型病児保育事業登録者 122 名(平成 30 年度実績)
– 32 –
※民間施設において、平成 30 年 11 月、平成 31 年 4 月にそれぞれ 1 ヵ所ずつ新たに事業実施
さらに、まちなか総合ケアセンターが立地する官民複合施設「総曲輪レガートスクエア」(PPP による小学校跡地の
再開発事業)では、レガートスクエア内のスポーツクラブ、看護専門学校等との連携により、市民や学生、大学、NPO
等の関係機関が協働することで、子どもから高齢者までの幅広い年代を対象とした質の高い暮らしを支えるための多彩
なメニューを提供することが可能となり、市民や企業による自主的な健康まちづくりの取組も始まっている。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
限られた財源・資源の中で、各種課
題に対応した持続可能な都市を実現
するためには、従来の縦割り的な政
策・施策ではなく、包括的な施策連携
による事業展開が必要であり、さらにそ
の効果を見える化・共有化することで、
多様な主体と連携したまちづくりを推
進している。
【設定KPI】 農業サポーター登録者数、中心市街地の居住人口の社会増、健康な高齢者の割合 等
公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを推進するため、分野を横断した様々な連携施策を行って
いることから、KPI 設定については、多方面から成果を把握できるよう 15 の指標を用いた。モデルケース事業の取組に
より全体の 6 割以上の指標で目標を達成している。
◆地方創生関係交付金等の活用有無
令和2年3月に富山駅の南北を走る路面電車の「南北接続事業」が完了する予定であり、本市の「百年の夢」であ
る富山駅周辺の南北一体化が実現することから、平成 27 年に開通した北陸新幹線と相まって富山駅の交通結節
機能がさらに強化され、人々の流れに大きな変化をもたらすことが予想される。
この機会を逃すことなく、本市がこれまで進めてきた「コンパクトシティ戦略による富山型都市経営」をさらに発展させ
るため、今後とも地域活性化モデル事業に掲げた3つの事業とともに、新しい時代のニーズを捉えた様々な施策を適
時・的確に展開することで、全ての市民が健康で豊かな質の高い生活を送ることのできる持続可能なまちづくりに向け
官民一体となった取組を続けてまいりたい。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 事業内容
あり
富山市地域再生戦略事業 1,195,500 千円 1/2 以内(直接事業)
1/3 以内(間接事業)
・えごまカプセル工場の整備
・高齢者健康増進端末機の開発
富山型生涯活躍のまちを見据
えたコンパクトシティの深化 365,023 千円 1/2
・高齢者健康増進端末機を活用した
高齢者等の交通行動の調査・分析
・地域包括ケアシステムの構築
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
えごまの
6次産業化
【スマート農業実証モデル事業の実施】
えごま生産の効率化と作業精度の向上等を目
的として、AI トラクタ-やドローンの導入、株間
除草ロボット等の開発等を進め効果を検証
【他の農作物の栽培への応用】
高齢化や後継者不足等、本市の農
業全体の課題解決に繋がる可能性
- 30 -
– 33 –
◆団体名 長野県塩尻市

塩尻市は、長野県の中央部に位置し、北は北アルプス、南は中央アルプスに連なる山並みを背景に田園風景が
広がる扇状地であり、森林や水資源などの豊かな自然環境に恵まれている。
本市においても進む人口減少、少子高齢化や就労人口の減少は、都市機能の低下や既存産業の衰退などを招
いている。特に農山村部においては顕著化しており産業活力の減退は著しく、市全体の地域力の低下へとつながって
いる。
こうした中、本市では、長野県及び民間事業者と連携し、「信州F・POWERプロジェクト」(以下、FPプロジ
ェクト)に取り組んでいる。本事業は、木材を建築用資材に加工し、その端材を間伐材とともに木質バイオマス発電に
活用、森林資源の有効活用と循環型地域社会の形成を目指している。
FPプロジェクトを地域活性化の中心に据え、地域に豊富に存在しながら生かしきれなかった森林資源を、多様な
産業の創出に繋げ、市民生活の中で活用される環境を整備する。そして、そこから生まれる「雇用・木製品・エネルギ
ー・収益」と「市民の森林への関心」を地域の中で有機的に循環させる仕組みを作り上げ、都市部と農山村部とが融
合し、「森の文化」を醸成させていくことにより、本市の市民生活における付加価値や魅力となることで「選ばれる地域」
の構築を目指すものである。
1 森林資源を活用した新たな産業と雇用の創出(製材工場の稼働、生産年齢人口の維持)
2 森林資源を活用した地域エネルギー供給システムの構築(塩尻市森林公社による小売電気事業の開始)
3 FPプロジェクトの実施による森林再生・森林資源を活用した農業再生(市民による間伐材の持ち込み量の増
加)
4 森林資源を生かした市街地の整備(広丘地区の拠点施設「えんテラス」の建設・供用、CLT工法採用)
5 「森の文化」の担い手の育成―市民の意識改革と教育再生―(ウッドスタート事業による木育)
6.森林資源の循環活用による持続可能な田園都市づくり
◆団体名
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 34 –
1 森林資源を活用した新たな産業と雇用の創出
FPプロジェクトの製材工場の稼働により、素材生産・運搬、製材に新たな雇用が生まれている。今後、令和
2年度予定の木質バイオマス発電所の本稼働により、雇用の増加も期待できる。
2 森林資源を活用した地域エネルギー供給システムの構築
農林水産省の補助金を活用し、塩尻市森林公社による小売り電気事業者の事業可能性を検証し、収益が
確保できる見込みとなり、平成31年3月より公共施設29施設、農業施設3施設に小売電気事業を開始
し、地域エネルギーの地産地消を図った。
3 FPプロジェクトの実施による森林再生・森林資源を活用した農業再生
塩尻市森林公社による身近な森林資源の活用と自伐林家育成支援の「山のお宝ステーション事業」を実施
し、間伐材の搬入量が増加し、事業への登録者も増加した。
4 森林資源を生かした市街地の整備
令和元年7月に塩尻市広丘地区の拠点施設である北部交流支援センター(通称 えんてらす)が、オープ
ンし、数多くの市民でにぎわっている。この施設は、塩尻市内の森林から切り出された木材を含み、長野県初のC
LT工法を採用した。
5 「森の文化」の担い手の育成―市民の意識改革と教育再生―
塩尻商工会議所と連携したウッドスタート事業を行い、市民の木育を図った。この事業は、出生児に木のおも
ちゃをプレゼントし、「木の大切さの理解」「自然・森林への関心」を高めることを目的とするものである。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
市村、民間事業者、県、大学、林業団体、農業団体、金融機関等幅広い分野から構成し、様々な視
点から事業成果の検証や森林資源の活用等について協議している。
◆プロジェクトのアピールポイント
「森の文化」の担い
手の育成―市民
の意識改革と教育
再生―
体験学習の開催回数(KPI数値)
(H26:2 回→H30:5 回)
市民満足度調査
森林に親しみを感じる市民の割合
(H29:79.9%)
- 31 -
– 33 –
◆団体名 長野県塩尻市

塩尻市は、長野県の中央部に位置し、北は北アルプス、南は中央アルプスに連なる山並みを背景に田園風景が
広がる扇状地であり、森林や水資源などの豊かな自然環境に恵まれている。
本市においても進む人口減少、少子高齢化や就労人口の減少は、都市機能の低下や既存産業の衰退などを招
いている。特に農山村部においては顕著化しており産業活力の減退は著しく、市全体の地域力の低下へとつながって
いる。
こうした中、本市では、長野県及び民間事業者と連携し、「信州F・POWERプロジェクト」(以下、FPプロジ
ェクト)に取り組んでいる。本事業は、木材を建築用資材に加工し、その端材を間伐材とともに木質バイオマス発電に
活用、森林資源の有効活用と循環型地域社会の形成を目指している。
FPプロジェクトを地域活性化の中心に据え、地域に豊富に存在しながら生かしきれなかった森林資源を、多様な
産業の創出に繋げ、市民生活の中で活用される環境を整備する。そして、そこから生まれる「雇用・木製品・エネルギ
ー・収益」と「市民の森林への関心」を地域の中で有機的に循環させる仕組みを作り上げ、都市部と農山村部とが融
合し、「森の文化」を醸成させていくことにより、本市の市民生活における付加価値や魅力となることで「選ばれる地域」
の構築を目指すものである。
1 森林資源を活用した新たな産業と雇用の創出(製材工場の稼働、生産年齢人口の維持)
2 森林資源を活用した地域エネルギー供給システムの構築(塩尻市森林公社による小売電気事業の開始)
3 FPプロジェクトの実施による森林再生・森林資源を活用した農業再生(市民による間伐材の持ち込み量の増
加)
4 森林資源を生かした市街地の整備(広丘地区の拠点施設「えんテラス」の建設・供用、CLT工法採用)
5 「森の文化」の担い手の育成―市民の意識改革と教育再生―(ウッドスタート事業による木育)
6.森林資源の循環活用による持続可能な田園都市づくり
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 34 –
1 森林資源を活用した新たな産業と雇用の創出
FPプロジェクトの製材工場の稼働により、素材生産・運搬、製材に新たな雇用が生まれている。今後、令和
2年度予定の木質バイオマス発電所の本稼働により、雇用の増加も期待できる。
2 森林資源を活用した地域エネルギー供給システムの構築
農林水産省の補助金を活用し、塩尻市森林公社による小売り電気事業者の事業可能性を検証し、収益が
確保できる見込みとなり、平成31年3月より公共施設29施設、農業施設3施設に小売電気事業を開始
し、地域エネルギーの地産地消を図った。
3 FPプロジェクトの実施による森林再生・森林資源を活用した農業再生
塩尻市森林公社による身近な森林資源の活用と自伐林家育成支援の「山のお宝ステーション事業」を実施
し、間伐材の搬入量が増加し、事業への登録者も増加した。
4 森林資源を生かした市街地の整備
令和元年7月に塩尻市広丘地区の拠点施設である北部交流支援センター(通称 えんてらす)が、オープ
ンし、数多くの市民でにぎわっている。この施設は、塩尻市内の森林から切り出された木材を含み、長野県初のC
LT工法を採用した。
5 「森の文化」の担い手の育成―市民の意識改革と教育再生―
塩尻商工会議所と連携したウッドスタート事業を行い、市民の木育を図った。この事業は、出生児に木のおも
ちゃをプレゼントし、「木の大切さの理解」「自然・森林への関心」を高めることを目的とするものである。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
市村、民間事業者、県、大学、林業団体、農業団体、金融機関等幅広い分野から構成し、様々な視
点から事業成果の検証や森林資源の活用等について協議している。
◆プロジェクトのアピールポイント
「森の文化」の担い
手の育成―市民
の意識改革と教育
再生―
体験学習の開催回数(KPI数値)
(H26:2 回→H30:5 回)
市民満足度調査
森林に親しみを感じる市民の割合
(H29:79.9%)
- 32 -
– 35 –
【設定 KPI】
①生産年齢人口【H26:40,761 人→H31:39,883 人】
②素材生産量【H26:4,085 ㎥→H31:5,402 ㎥】
③木質ペレット年間消費量【H26:36t→H31:214t】
【KPI 達成のプロセスやポイント】
① 生産年齢人口については、FPプロジェクトの製材工場の稼働により、素材生産・運搬、製材に新たな雇
用が生まれている。また、大手製造業の事業所拡張により、市街地の人口が増加している地区もある。達成
率は97%であるが、今後、住宅系の区画整理事業の完了に伴い、人口が増加することを期待している。
② 素材生産量の増加については、塩尻市森林公社の設立「山のお宝ステーション」事業や信州FPプロジェク
トによる製材工場稼働により、間伐材の持ち込みが増えていることにより、素材生産量が増加している。 令和
2年度の木質バイオマス発電所の本稼働により、燃料材の持ち込みの増加により、市内の素材生産量の増
加も期待される。
③ 木質ペレットの年間消費量については、公共施設にペレットストーブを導入し、需要の拡大を図ってきた。現
在、目標値の年間 500tには達していないが、木質バイオマス発電所の本稼働後、おが粉の調達や民間事
業者を含め製造者など を検討していく。
1 森林資源を活用した新たな産業と雇用の創出
令和2年度にFPプロジェクトの木質バイオマス発電所が本稼働する。燃料材の供給に向けて、林業従事者の
増加や素材生産量の増加をより一層図っていく。
2 森林資源を活用した地域エネルギー供給システムの構築
おが粉の活用については、おが粉の確保に目途が立っていないが、木質バイオマス発電所の本稼働後、製造業
者、製造量等の検討を進めていく。
塩尻市森林公社による小売電気事業については、引き続き事業を進めていく中で、森林、地域に利益を還元す
る仕組みを構築していく。
3 FPプロジェクトの実施による森林再生、森林資源を活用した林業再生
FPプロジェクトの目的である木材の安定需要及び安定供給を果たすため、塩尻市森林公社による森林経営
計画策定や林業事業体の育成、支援を図るなど林業に携わる者を増やすことを進める。
また、ウッドスタート事業や森林塾の開催などを通じて、市民の森林への関心の醸成を図る。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
– 36 – - 33 -
– 35 –
【設定 KPI】
①生産年齢人口【H26:40,761 人→H31:39,883 人】
②素材生産量【H26:4,085 ㎥→H31:5,402 ㎥】
③木質ペレット年間消費量【H26:36t→H31:214t】
【KPI 達成のプロセスやポイント】
① 生産年齢人口については、FPプロジェクトの製材工場の稼働により、素材生産・運搬、製材に新たな雇
用が生まれている。また、大手製造業の事業所拡張により、市街地の人口が増加している地区もある。達成
率は97%であるが、今後、住宅系の区画整理事業の完了に伴い、人口が増加することを期待している。
② 素材生産量の増加については、塩尻市森林公社の設立「山のお宝ステーション」事業や信州FPプロジェク
トによる製材工場稼働により、間伐材の持ち込みが増えていることにより、素材生産量が増加している。 令和
2年度の木質バイオマス発電所の本稼働により、燃料材の持ち込みの増加により、市内の素材生産量の増
加も期待される。
③ 木質ペレットの年間消費量については、公共施設にペレットストーブを導入し、需要の拡大を図ってきた。現
在、目標値の年間 500tには達していないが、木質バイオマス発電所の本稼働後、おが粉の調達や民間事
業者を含め製造者など を検討していく。
1 森林資源を活用した新たな産業と雇用の創出
令和2年度にFPプロジェクトの木質バイオマス発電所が本稼働する。燃料材の供給に向けて、林業従事者の
増加や素材生産量の増加をより一層図っていく。
2 森林資源を活用した地域エネルギー供給システムの構築
おが粉の活用については、おが粉の確保に目途が立っていないが、木質バイオマス発電所の本稼働後、製造業
者、製造量等の検討を進めていく。
塩尻市森林公社による小売電気事業については、引き続き事業を進めていく中で、森林、地域に利益を還元す
る仕組みを構築していく。
3 FPプロジェクトの実施による森林再生、森林資源を活用した林業再生
FPプロジェクトの目的である木材の安定需要及び安定供給を果たすため、塩尻市森林公社による森林経営
計画策定や林業事業体の育成、支援を図るなど林業に携わる者を増やすことを進める。
また、ウッドスタート事業や森林塾の開催などを通じて、市民の森林への関心の醸成を図る。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
– 36 – - 34 -
– 37 –
◆団体名 静岡県浜松市

浜松市は、全国で 2 番目の広大な面積(1,558.06k㎡)を有し、市域全体に市民が分散して居住している(DID
人口率 59.16%、DID 面積率 5.48%(ともに平成 27 年国勢調査))。
この結果、管理道路延長は 8,400 ㎞を超え、基礎自治体では最も多く、公共インフラや公共資産の最適化(集約
と再構築)が優先的な課題となる。さらに、年間商品販売額は平成 3 年をピークに減少しており、とりわけ、中心市
街地については、大型商業施設の撤退もあり、にぎわいを取り戻せずにいる。こうした課題に加え、超高齢化、人口減
少という将来の課題も見据え、「まち」全体をコンパクト化・最適化する。コンパクトシティ、地域公共交通の再生及び
中心市街地の活性化を実現し、将来にわたり持続可能な都市経営のモデルづくりを目指す。
○中心市街地の活性化 《事業実施の状況》
(1) Rental Cycle はままつペダル(実証実験事業) ※平成 31 年 1 月より民間主導に移行して運営中
(2) べんがら横丁の再整備(遠州鉄道高架下の利活用)

(3) リノベーションスクール
空き室の利活用推進を図りつつ新たな起業候補者やクリエイターの発掘及び育成を推進し、スクール参加者か
らまち なかの企業と連携し、リノベーションによるまちづくりや様々なイベント等の取組みを企画、立案する人材が
育っている。
(4)「Any」 運営:浜松まちなかにぎわい協議会(浜松まちなかマネジメント㈱)
商店街にあった商業ビル(パチンコ店)をコワーキングスペース、セミナー&ワークショップスペース、展示スペース
機能を備えたコミュニティスペース「Any」として多くの人材が活躍できる施設に再生した。

(5)はままつスタートアップ協議会(浜松で創業を目指す起業希望者のために、地域の産学官金の機関が連携
して、
起業に必要な知識習得、資金調達、販路開拓支援など、総合的な支援を目的に平成 27 年度に組織された協
議会)
7.“都市ま ち だって元気になりたい”持続可能な都市経営モデルケース
◆団体名
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
平成 30 年度 来場者 479,155 人
イベント件数(展示・物販・セミナー等)1,038 件
コワーキングスペース利用者 2,433 人
平成 29 年度 来場者 244,800 人
イベント件数(展示・物販・セミナー等) 792 件
コワーキングスペース利用者 1,437 人
開催期間:平成 27 年 1 月~平成 31 年 3 月 開催回数: 6 回 受講者数: 140 人
リノベーションまちづくりに係わった人数:約 1,700 人 成果:19 物件中 9 件事業化 5 件検討中
実証実験期間:平成 29 年 1 月 21 日~平成 30 年 12 月 貸出台数 7,897 台 1 日あたり 11.5
NHK大河ドラマ「女城主 直虎」情報館「浜松 出世の館」 H29.1~H30.1 来館者数 210,183 人
マリンスポーツの聖地等、浜松の魅力を発信する情報館「THE GATE HAMAMATSU」 H31.1~
浜松まちなかにぎわい協議会「Any」で創業もしくは中心市街地で事業展開を開始した社数 30 社
– 38 –
(6)中心市街地の発展と役割を考える会

(7)まるたま市
まちなか起業候補者の発掘・育成及び「雑貨のまち」としてのエリアブランディングに
よるまちなかでの新たな市場の創出を目的に開催。
(8)まちなか部活動

(9)子育て世代の親&子供向けイベント
(10)「くるくるチケット」
まちなかへの来街の動機となり、来街者の回遊性向上や店舗集客に
結び付けるために、まちづくり組織、まちなかの物販、飲食等の商業者と
駐車場事業者が連携して、「くるくるチケット」を実施している。
(11)公共空間の利活用
《バスターミナル地下広場》 当該区域を新たなにぎわい創出の空間として有効活用することを目的に、道路除外
し、規制を緩和することによって、経済活動を含むイベント等に活用しやすい環境整備を行った。
.

《アクト通り「アクト通りふれあいデイ」》 地域コミュニティの形成促進及び公共空間を活用した中心市街地のにぎ
わい創出を目的に、まちづくり組織、自治会、大学等と連携して地域農産物や工芸品を中心とした朝市を開催
している。
≪推進体制≫ アクト地区自治会連合会・静岡文化芸術大学・浜松市・(一財)浜松まちづくり公社【事務局】
≪開催状況≫ 毎月第 3 日曜日 年間 12 回開催 平成 27 年 12 月~ 来場者数累計:約 20,000 人
平成 29 年 5 月~ 年 3 回 合計 6 回開催
参加店舗数 述べ540店舗(1 回あたり90店舗)
チケット販売総額 400万円
平成 27 年度~ 私立高校、大学等を中心に述べ20校 約 350 人が参
平成 25 年 11 月~ 12 回開催 1 回当たりの来場者数 約 9,000 人
1 回当たりの参加ブース数 約 80 ブース
《浜松こども館来館者数》
平成 30 年度 228,702 人、平成 29 年度 206,264 人、平成 28 年度 207,058 人、
平成 27 年度 203,265 人(※こどもプロジェクト設置)、平成 26 年度 181,050 人
≪推進体制≫
浜松市・浜松まちなかにぎわい協議会・(一財)浜松まちづくり公社【事務局】
≪稼働状況 平成 27 年 8 月~≫
平成 30 年度 稼働日数 66 日 稼働率 18.1% 来場者数 3,510 人
平成 29 年度 稼働日数 136 日 稼働率 37.2% 来場者数 7,420 人
平成 28 年度 稼働日数 107 日 稼働率 29.3% 来場者数 6,945 人
平成 27 年度 稼働日数 68 日 稼働率 27.9% 来場者数 2,864 人
中心市街地のメインストリート=「鍛冶町大通り」をにぎわい創出の起爆剤にするために、自治会と商店街が手
を携えて、利活用方法を含めた将来の理想像を検討し、市民に愛され、市民が活躍する鍛冶町大通りを提案
するとともに、市民協働の担い手となることを目的に設立され、ワークショップやヒアリングを実施し、鍛冶町通りの
将来像模型を作製して展覧会や実際に鍛冶町通りを活用した歩道に人工芝を貼る等のイベント等を開催し
た。
- 35 -
– 37 –
◆団体名 静岡県浜松市

浜松市は、全国で 2 番目の広大な面積(1,558.06k㎡)を有し、市域全体に市民が分散して居住している(DID
人口率 59.16%、DID 面積率 5.48%(ともに平成 27 年国勢調査))。
この結果、管理道路延長は 8,400 ㎞を超え、基礎自治体では最も多く、公共インフラや公共資産の最適化(集約
と再構築)が優先的な課題となる。さらに、年間商品販売額は平成 3 年をピークに減少しており、とりわけ、中心市
街地については、大型商業施設の撤退もあり、にぎわいを取り戻せずにいる。こうした課題に加え、超高齢化、人口減
少という将来の課題も見据え、「まち」全体をコンパクト化・最適化する。コンパクトシティ、地域公共交通の再生及び
中心市街地の活性化を実現し、将来にわたり持続可能な都市経営のモデルづくりを目指す。
○中心市街地の活性化 《事業実施の状況》
(1) Rental Cycle はままつペダル(実証実験事業) ※平成 31 年 1 月より民間主導に移行して運営中
(2) べんがら横丁の再整備(遠州鉄道高架下の利活用)

(3) リノベーションスクール
空き室の利活用推進を図りつつ新たな起業候補者やクリエイターの発掘及び育成を推進し、スクール参加者か
らまち なかの企業と連携し、リノベーションによるまちづくりや様々なイベント等の取組みを企画、立案する人材が
育っている。
(4)「Any」 運営:浜松まちなかにぎわい協議会(浜松まちなかマネジメント㈱)
商店街にあった商業ビル(パチンコ店)をコワーキングスペース、セミナー&ワークショップスペース、展示スペース
機能を備えたコミュニティスペース「Any」として多くの人材が活躍できる施設に再生した。

(5)はままつスタートアップ協議会(浜松で創業を目指す起業希望者のために、地域の産学官金の機関が連携
して、
起業に必要な知識習得、資金調達、販路開拓支援など、総合的な支援を目的に平成 27 年度に組織された協
議会)
7.“都市
ま ち
だって元気になりたい”持続可能な都市経営モデルケース
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
平成 30 年度 来場者 479,155 人
イベント件数(展示・物販・セミナー等)1,038 件
コワーキングスペース利用者 2,433 人
平成 29 年度 来場者 244,800 人
イベント件数(展示・物販・セミナー等) 792 件
コワーキングスペース利用者 1,437 人
開催期間:平成 27 年 1 月~平成 31 年 3 月 開催回数: 6 回 受講者数: 140 人
リノベーションまちづくりに係わった人数:約 1,700 人 成果:19 物件中 9 件事業化 5 件検討中
実証実験期間:平成 29 年 1 月 21 日~平成 30 年 12 月 貸出台数 7,897 台 1 日あたり 11.5
NHK大河ドラマ「女城主 直虎」情報館「浜松 出世の館」 H29.1~H30.1 来館者数 210,183 人
マリンスポーツの聖地等、浜松の魅力を発信する情報館「THE GATE HAMAMATSU」 H31.1~
浜松まちなかにぎわい協議会「Any」で創業もしくは中心市街地で事業展開を開始した社数 30 社
– 38 –
(6)中心市街地の発展と役割を考える会

(7)まるたま市
まちなか起業候補者の発掘・育成及び「雑貨のまち」としてのエリアブランディングに
よるまちなかでの新たな市場の創出を目的に開催。
(8)まちなか部活動

(9)子育て世代の親&子供向けイベント
(10)「くるくるチケット」
まちなかへの来街の動機となり、来街者の回遊性向上や店舗集客に
結び付けるために、まちづくり組織、まちなかの物販、飲食等の商業者と
駐車場事業者が連携して、「くるくるチケット」を実施している。
(11)公共空間の利活用
《バスターミナル地下広場》 当該区域を新たなにぎわい創出の空間として有効活用することを目的に、道路除外
し、規制を緩和することによって、経済活動を含むイベント等に活用しやすい環境整備を行った。
.

《アクト通り「アクト通りふれあいデイ」》 地域コミュニティの形成促進及び公共空間を活用した中心市街地のにぎ
わい創出を目的に、まちづくり組織、自治会、大学等と連携して地域農産物や工芸品を中心とした朝市を開催
している。
≪推進体制≫ アクト地区自治会連合会・静岡文化芸術大学・浜松市・(一財)浜松まちづくり公社【事務局】
≪開催状況≫ 毎月第 3 日曜日 年間 12 回開催 平成 27 年 12 月~ 来場者数累計:約 20,000 人
平成 29 年 5 月~ 年 3 回 合計 6 回開催
参加店舗数 述べ540店舗(1 回あたり90店舗)
チケット販売総額 400万円
平成 27 年度~ 私立高校、大学等を中心に述べ20校 約 350 人が参
平成 25 年 11 月~ 12 回開催 1 回当たりの来場者数 約 9,000 人
1 回当たりの参加ブース数 約 80 ブース
《浜松こども館来館者数》
平成 30 年度 228,702 人、平成 29 年度 206,264 人、平成 28 年度 207,058 人、
平成 27 年度 203,265 人(※こどもプロジェクト設置)、平成 26 年度 181,050 人
≪推進体制≫
浜松市・浜松まちなかにぎわい協議会・(一財)浜松まちづくり公社【事務局】
≪稼働状況 平成 27 年 8 月~≫
平成 30 年度 稼働日数 66 日 稼働率 18.1% 来場者数 3,510 人
平成 29 年度 稼働日数 136 日 稼働率 37.2% 来場者数 7,420 人
平成 28 年度 稼働日数 107 日 稼働率 29.3% 来場者数 6,945 人
平成 27 年度 稼働日数 68 日 稼働率 27.9% 来場者数 2,864 人
中心市街地のメインストリート=「鍛冶町大通り」をにぎわい創出の起爆剤にするために、自治会と商店街が手
を携えて、利活用方法を含めた将来の理想像を検討し、市民に愛され、市民が活躍する鍛冶町大通りを提案
するとともに、市民協働の担い手となることを目的に設立され、ワークショップやヒアリングを実施し、鍛冶町通りの
将来像模型を作製して展覧会や実際に鍛冶町通りを活用した歩道に人工芝を貼る等のイベント等を開催し
た。
- 36 -
– 39 –

浜松まちなかにぎわい協議会、浜松ま
ちづくり公社等のまちづくり組織やゆりの
木通り商店街、肴町発展会等の商店
街、さらにはこれまでの取り組みによって
発掘された起業候補者やクリエイター
が目標としたテーマに沿って連携する中
で、それぞれの役割を担って事業を推
進する等、民間の力を最大限に活か
した官民学連携による中心市街地活
性化のオール浜松体制による新たなモ
デルが構築できつつある。
◆関連する地域波及効果
JR浜松駅前にイベント広場として整備された浜松市ギャラリーモール(通称「ソラモ」)における年間イベント利
用日数が平成 30 年度 344 日(稼働率 94.2% ※市が主催のイベント 4 日)、中心市街地の道路等の公
共空間を活用したイベント件数が平成 30 年度 78 件となる等、多くのプレーヤーの民間活力によるにぎわい創出の
ための取り組みが進展している。
◆推進体制
多くのプレーヤーによって実施
されている様々な取り組みは、
中長期的に持続できる取り組
みとなるようボトムアップ型でも
最適となる事業推進体制をバ
ランスよく整えている。特にまち
づくり組織が機動的に動けるよ
う定期的な協議等を行いなが
ら全体の把握に努めている。
◆プロジェクトのアピールポイント
《行政とまちづくり団体の推進体制》
《テーマ別の取り組み》 《テーマ別の役割》
– 40 –
当モデルケースの KPI 設定の工夫としては、短期目標とし、まずは持続可能な都市経営モデル構築のための準備
段階として、人口集約を推進する地域の利便性の向上、地域公共交通の再生、中心市街地活性化に向けた取り
組みを行う事業数をKPIに設定した。
【設定 KPI①】 中心市街地活性化に向けた事業件数【10 件/年】
【達成状況】 平成 26 年 10 件、平成 27 年 11 件、平成 28 年 12 件、平成 29 件 13 件、平成 30 年 13 件
【設定 KPI②】 拠点への人口集約化に向けた事業件数【10 件/年】
【達成状況】 平成 26 年 10 件、平成 27 年 11 件、平成 28 年 12 件、平成 29 件 11 件、平成 30 年 10 件
拠点への人口集約化に向け、都市機能を集積する拠点と、居住を集約するエリアを示す「立地適正化計画」の
策定や、市街地開発事業等の基盤整備、拠点における交通結節機能の強化等の事業を行った。
【拠点への人口集約化に向けた事業の実施状況】
【設定 KPI③】 地域公共交通再生に向けた事業件数【5 件/年】
【達成状況】 平成 26 年 6 件、平成 27 年 7 件、平成 28 年 6 件、平成 29 件 6 件、平成 30 年 5 件
◆地方創生関係交付金等の活用有無(有る場合は事業名)
中心市街地活性化については、まちづくり組織、商工会議所、商店街、商店主、中心市街地に拠点を置く地元企
業、さらには各種取り組みによって発掘された起業家やクリエイター等のプレーヤーが順調に増え、中心市街地活性化
に向けた新たなモデルが構築されつつある中で、引き続きネットワークの強化を図りつつ、イベント等の各種取り組みにつ
いて、自らが主体者となって、開催、運営できるためのレベル及びスキルアップを図るとともに、新たな人材等を引き続き
発掘していく。
コンパクトシティの形成については、今後は、継続中の市街地開発事業や新規事業による一層の基盤整備を図ると
同時に、都市機能と居住の誘導に資する施策の充実を図り、持続可能な「コンパクトでメリハリのある拠点ネットワーク
型都市構造」の実現を目指す。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり ・ なし 浜松市地域再生戦略事業 15,487,134 円 1/2 中心市街地への創業支援
◆今後の展開及び課題
◆KPI 設定の工夫・達成状況
都市機能と居住を集約するエリアを明示
○立地適正化計画策定(H27~30)
市街地開発事業の推進
〇上島駅周辺土地区画整理事業(H15~29)
○高竜土地区画整理事業 (H9~29)
〇旭・板屋A地区市街地再開発事業(H28~R1)
〇常磐町西街区優良建築物整備事業(H29~R1)
〇高塚駅北土地区画整理事業(H26~H30)
その他
〇都市計画マスタープランの改定(H28~R2)
〇都市再開発方針調査検討(H29~R2)
〇市街地開発等と連携した都市計画の決定、変更
〇道路ネットワークの形成
〇総合的な交通安全対策の実施
拠点における交通結節機能の強化
○JR 天竜川駅橋上駅舎化・自由通路等整備事業(H26~30)
〇JR 高塚駅橋上駅舎化・自由通路等整備事業(H23~28)
〇高塚駅北通り線街路事業(H26~30)
〇浜松駅南地下駐車場改良(H26)
- 37 -
– 39 –

浜松まちなかにぎわい協議会、浜松ま
ちづくり公社等のまちづくり組織やゆりの
木通り商店街、肴町発展会等の商店
街、さらにはこれまでの取り組みによって
発掘された起業候補者やクリエイター
が目標としたテーマに沿って連携する中
で、それぞれの役割を担って事業を推
進する等、民間の力を最大限に活か
した官民学連携による中心市街地活
性化のオール浜松体制による新たなモ
デルが構築できつつある。
◆関連する地域波及効果
JR浜松駅前にイベント広場として整備された浜松市ギャラリーモール(通称「ソラモ」)における年間イベント利
用日数が平成 30 年度 344 日(稼働率 94.2% ※市が主催のイベント 4 日)、中心市街地の道路等の公
共空間を活用したイベント件数が平成 30 年度 78 件となる等、多くのプレーヤーの民間活力によるにぎわい創出の
ための取り組みが進展している。
◆推進体制
多くのプレーヤーによって実施
されている様々な取り組みは、
中長期的に持続できる取り組
みとなるようボトムアップ型でも
最適となる事業推進体制をバ
ランスよく整えている。特にまち
づくり組織が機動的に動けるよ
う定期的な協議等を行いなが
ら全体の把握に努めている。
◆プロジェクトのアピールポイント
《行政とまちづくり団体の推進体制》
《テーマ別の取り組み》 《テーマ別の役割》
– 40 –
当モデルケースの KPI 設定の工夫としては、短期目標とし、まずは持続可能な都市経営モデル構築のための準備
段階として、人口集約を推進する地域の利便性の向上、地域公共交通の再生、中心市街地活性化に向けた取り
組みを行う事業数をKPIに設定した。
【設定 KPI①】 中心市街地活性化に向けた事業件数【10 件/年】
【達成状況】 平成 26 年 10 件、平成 27 年 11 件、平成 28 年 12 件、平成 29 件 13 件、平成 30 年 13 件
【設定 KPI②】 拠点への人口集約化に向けた事業件数【10 件/年】
【達成状況】 平成 26 年 10 件、平成 27 年 11 件、平成 28 年 12 件、平成 29 件 11 件、平成 30 年 10 件
拠点への人口集約化に向け、都市機能を集積する拠点と、居住を集約するエリアを示す「立地適正化計画」の
策定や、市街地開発事業等の基盤整備、拠点における交通結節機能の強化等の事業を行った。
【拠点への人口集約化に向けた事業の実施状況】
【設定 KPI③】 地域公共交通再生に向けた事業件数【5 件/年】
【達成状況】 平成 26 年 6 件、平成 27 年 7 件、平成 28 年 6 件、平成 29 件 6 件、平成 30 年 5 件
◆地方創生関係交付金等の活用有無(有る場合は事業名)
中心市街地活性化については、まちづくり組織、商工会議所、商店街、商店主、中心市街地に拠点を置く地元企
業、さらには各種取り組みによって発掘された起業家やクリエイター等のプレーヤーが順調に増え、中心市街地活性化
に向けた新たなモデルが構築されつつある中で、引き続きネットワークの強化を図りつつ、イベント等の各種取り組みにつ
いて、自らが主体者となって、開催、運営できるためのレベル及びスキルアップを図るとともに、新たな人材等を引き続き
発掘していく。
コンパクトシティの形成については、今後は、継続中の市街地開発事業や新規事業による一層の基盤整備を図ると
同時に、都市機能と居住の誘導に資する施策の充実を図り、持続可能な「コンパクトでメリハリのある拠点ネットワーク
型都市構造」の実現を目指す。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり ・ なし 浜松市地域再生戦略事業 15,487,134 円 1/2 中心市街地への創業支援
◆今後の展開及び課題
◆KPI 設定の工夫・達成状況
都市機能と居住を集約するエリアを明示
○立地適正化計画策定(H27~30)
市街地開発事業の推進
〇上島駅周辺土地区画整理事業(H15~29)
○高竜土地区画整理事業 (H9~29)
〇旭・板屋A地区市街地再開発事業(H28~R1)
〇常磐町西街区優良建築物整備事業(H29~R1)
〇高塚駅北土地区画整理事業(H26~H30)
その他
〇都市計画マスタープランの改定(H28~R2)
〇都市再開発方針調査検討(H29~R2)
〇市街地開発等と連携した都市計画の決定、変更
〇道路ネットワークの形成
〇総合的な交通安全対策の実施
拠点における交通結節機能の強化
○JR 天竜川駅橋上駅舎化・自由通路等整備事業(H26~30)
〇JR 高塚駅橋上駅舎化・自由通路等整備事業(H23~28)
〇高塚駅北通り線街路事業(H26~30)
〇浜松駅南地下駐車場改良(H26)
- 38 -
– 41 –
290 290 296 307 318
96 95 98 99 99
0
50
100
150
200
250
300
350
H27 H28 H29 H30 H31
大和八木駅周辺 橿原市全域
◆団体名 奈良県橿原市、公立大学法人奈良県立医科大学

橿原市は、橿原神宮、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている今井
町、飛鳥・藤原の遺跡群など他の地域には類を見ない価値ある歴史資産を有し
ている。
さらに、県内唯一の医育機関である奈良県立医大(以下、「医大」という。)
が立地し、医大附属病院をはじめその周辺には医療機関が充実している。また
医大では MBT(Medicine-Based Town:医学を基礎とするまちづくり)を
進めており、医大などの高度医療機関と様々な分野の企業が連携し、医学的
知見を生かした便利で安全なまちづくりに取組んでいる。
一方で本市は、平成22年度をピークに人口減少傾向に転じており、超高
齢社会の到来により、税収の減少、社会保障費の増大など本市の財政状況
は厳しさを増している。
併せて空き家の増加も大きな問題となっている。特に重要伝統的建造物群保
存地区に選定されている今井町において空き家が増加傾向にあり、家屋の老朽化による建物の倒壊や空地の増加に
より歴史的景観が阻害されている。
本モデルケースでは、八木駅・医大周辺を中心に8つのまちづくりの目標を掲げており、そのうち「八木駅周辺の拠点
整備」や「医大・医大附属病院の今井町への展開と地域包括ケアの実践」を通して課題解決に取組んだ。
・重点整備地区内における医療と観光の一体化サービスの構築
・空き家化した伝統的町家の再生
1.重点化区域内における医療と観光の一体化サービスの構築
大和八木駅前に、市民生活に密接にかかわる
窓口業務を集約した分庁舎と、宿泊施設などの観
光施設を兼備えた複合施設がオープンした。市民が
各種手続きに訪れるだけでなく、複合施設最上階の
展望台や飲食店等賑わいの拠点として観光客の利
用も多く、また周辺店舗
への波及効果も大きく地
域の活性化に大きく貢献
している。複合施設の
オープンを契機に、大和
八木駅前付近の公示地価は上昇している。
8.「『飛鳥シティ・リージョン』の元気創造 ひとも元気に、まちも元気に、社会も元気に」
及び「~日本誕生の地~明日香村観光立村モデル事業」
◆団体名
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
大和八木駅周辺地区のイベント 大和八木駅周辺、橿原市全域の公示地価(単位:千円)
– 42 –
2.空き家化した伝統的町家の再生
医大において、今井町内の老朽化が進んだ伝統的
建造物を修繕し、医大ゲストハウスとして再利用した。
このゲストハウスを含め地域内の町家にて、地域団体や
自治会との連携により、医療と医学、地域貢献を目的と
した「MBT健康長寿フェア」や「健康教室」「音楽療法」
「認知症予防教室」などを開催し、本市の健康増進に寄
与する取組みを行っている。また、今井町での「居住」「起
業」ニーズなど若返りの機運の高まりを受け、老朽化した
伝統的建造物の修繕・活用が進み、歴史的景観が保全
され、観光客の増加に繋がり、更なる「居住」「起業」ニー
ズが高まる好循環が生まれている。
厳しい財政状況の中、県内地価は下落傾向にあるが、橿原市全域の公示価格は上昇しており、特に大和八木
駅周辺の公示価格がこの 5 年間で 1.1 倍となっており、結果、市の固定資産税が増収している。
プロジェクトマネージャーを中心に、医大やMBTコンソーシアム参画事業者との定期的な協議会の開催を通して
進捗管理を行っている。
重点化区域内における
医療と観光の一体化サ
ービスの提供
大和八木駅周辺公示価格
H27:290(千円)→H31:318(千円)
橿原市全域の公示価格
H27:96(千円)→H31:99(千円)
固定資産税
H27:6,000(百万円)→
H30:6,260(百万円)
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
橿原市役所
(地域創造課・関係各課)
奈良県立医科大学
MBTコンソーシアム
(金融機関・民間企業等)
プロジェクトマネージャー
(地域活性監)
医大ゲストハウス
改修前 改修後
医大・今井町共催健康行事 医大・自治会共催健康教
- 39 -
– 41 –
290 290 296 307 318
96 95 98 99 99
0
50
100
150
200
250
300
350
H27 H28 H29 H30 H31
大和八木駅周辺 橿原市全域
◆団体名 奈良県橿原市、公立大学法人奈良県立医科大学

橿原市は、橿原神宮、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている今井
町、飛鳥・藤原の遺跡群など他の地域には類を見ない価値ある歴史資産を有し
ている。
さらに、県内唯一の医育機関である奈良県立医大(以下、「医大」という。)
が立地し、医大附属病院をはじめその周辺には医療機関が充実している。また
医大では MBT(Medicine-Based Town:医学を基礎とするまちづくり)を
進めており、医大などの高度医療機関と様々な分野の企業が連携し、医学的
知見を生かした便利で安全なまちづくりに取組んでいる。
一方で本市は、平成22年度をピークに人口減少傾向に転じており、超高
齢社会の到来により、税収の減少、社会保障費の増大など本市の財政状況
は厳しさを増している。
併せて空き家の増加も大きな問題となっている。特に重要伝統的建造物群保
存地区に選定されている今井町において空き家が増加傾向にあり、家屋の老朽化による建物の倒壊や空地の増加に
より歴史的景観が阻害されている。
本モデルケースでは、八木駅・医大周辺を中心に8つのまちづくりの目標を掲げており、そのうち「八木駅周辺の拠点
整備」や「医大・医大附属病院の今井町への展開と地域包括ケアの実践」を通して課題解決に取組んだ。
・重点整備地区内における医療と観光の一体化サービスの構築
・空き家化した伝統的町家の再生
1.重点化区域内における医療と観光の一体化サービスの構築
大和八木駅前に、市民生活に密接にかかわる
窓口業務を集約した分庁舎と、宿泊施設などの観
光施設を兼備えた複合施設がオープンした。市民が
各種手続きに訪れるだけでなく、複合施設最上階の
展望台や飲食店等賑わいの拠点として観光客の利
用も多く、また周辺店舗
への波及効果も大きく地
域の活性化に大きく貢献
している。複合施設の
オープンを契機に、大和
八木駅前付近の公示地価は上昇している。
8.「『飛鳥シティ・リージョン』の元気創造 ひとも元気に、まちも元気に、社会も元気に」
及び「~日本誕生の地~明日香村観光立村モデル事業」
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
大和八木駅周辺地区のイベント 大和八木駅周辺、橿原市全域の公示地価(単位:千円)
– 42 –
2.空き家化した伝統的町家の再生
医大において、今井町内の老朽化が進んだ伝統的
建造物を修繕し、医大ゲストハウスとして再利用した。
このゲストハウスを含め地域内の町家にて、地域団体や
自治会との連携により、医療と医学、地域貢献を目的と
した「MBT健康長寿フェア」や「健康教室」「音楽療法」
「認知症予防教室」などを開催し、本市の健康増進に寄
与する取組みを行っている。また、今井町での「居住」「起
業」ニーズなど若返りの機運の高まりを受け、老朽化した
伝統的建造物の修繕・活用が進み、歴史的景観が保全
され、観光客の増加に繋がり、更なる「居住」「起業」ニー
ズが高まる好循環が生まれている。
厳しい財政状況の中、県内地価は下落傾向にあるが、橿原市全域の公示価格は上昇しており、特に大和八木
駅周辺の公示価格がこの 5 年間で 1.1 倍となっており、結果、市の固定資産税が増収している。
プロジェクトマネージャーを中心に、医大やMBTコンソーシアム参画事業者との定期的な協議会の開催を通して
進捗管理を行っている。
重点化区域内における
医療と観光の一体化サ
ービスの提供
大和八木駅周辺公示価格
H27:290(千円)→H31:318(千円)
橿原市全域の公示価格
H27:96(千円)→H31:99(千円)
固定資産税
H27:6,000(百万円)→
H30:6,260(百万円)
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
橿原市役所
(地域創造課・関係各課)
奈良県立医科大学
MBTコンソーシアム
(金融機関・民間企業等)
プロジェクトマネージャー
(地域活性監)
医大ゲストハウス
改修前 改修後
医大・今井町共催健康行事 医大・自治会共催健康教
- 40 -
– 43 –
【設定 KPI】
①重要伝統的建造物群保存地区内修理・修景件数 目標値:300 件
【H24:275 件→H30:324 件】
②街路(今井地区)整備率 目標値:100%
【H23:49.0%→H30:100.0%】
当モデルケースでは、今井地区内の伝統的町家の再生状況を把握するKPIとして「重要伝統的建造物群
保存地区内修理・修景件数」を設定し、間接的な要因として街路(今井地区)整備率を設定しており、両指
標とも目標を達成している。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
90
93
96
98 100
85
90
95
100
H26 H27 H28 H29 H30
街路整備
今井地区街路整備率(単位:%)
279
300
308
316
324
240
260
280
300
320
340
H26 H27 H28 H29 H30
重伝建地区内修理・修景
重要伝統的建造物群保存地区内修理・修景件数(単位:
件) 改修前
改修後
畝傍駅前通り線
今井・五井線
– 44 –
【KPI 達成のプロセスやポイント】
当初の想定では、MBT コンソーシアムによる今井町の町家を活用した健康・医療関連の新規サービスの立上
げを想定していたが、空き家活用に関する補助金の要綱改正があったことから補助金の適用外となり、MBT コン
ソーシアムの取組みとして空き家の利活用が進まなかった。しかし今井町地区内の無電柱化の促進や道路整備
などのハード事業と併せて、「町並み散歩」等各種イベントの開催などのソフト事業による魅力向上に努め、地区
内の定住人口の増加による空き家の利活用だけでなく、空き家を活用した飲食・雑貨等の店舗が増加し、地域
の活性化に大きく寄与するとともに、空き家件数が減少している。
①重要伝統的建造物群保存地区内 飲食・雑貨等店舗数・
【H26 年度:8 件 → H30 年度末:21 件】
②重要伝統的建造物群保存地区内 空き家件数
【H26 年度:92 件 → H30 年度末:55 件】
医大では健康・医療関連の新規サービスの立上
げのひとつとして、今井町の空き家等を活用した
MBT の展開を目指しているが、空き家活用に関す
る補助金の要綱改正があったことから補助金の適用
外となり、医大の取組みとしての空き家の利活用が
進んでいない。
しかしながら「MBE, 医学を基礎とする工学」の
成果となる製品・サービス(例えば,「MBT リンク」、
「~耳石に優しい~睡眠頭位調節マットレス」、「妊
娠時からの子育て世代包括見守りの実証」等)が次
々と誕生している。また、医大と地域の共催による健
康にかかる各種地域貢献活動(「健康教室」や「認
知症予防教室」等のソフト事業)は軌道に乗っている。
今後、こうした製品・サービスをまちの中に埋め込み、
「MBT,医学を基礎とするまちづくり」を実現するための、
ハード整備にかかる財源確保が大きな課題となっている。
◆今後の展開及び課題
町並み散歩 今井六斎市
見守り機器となる 医大・自治会共催の認知症予防教室
MBT リンク
- 41 -
– 44 –
【KPI 達成のプロセスやポイント】
当初の想定では、MBT コンソーシアムによる今井町の町家を活用した健康・医療関連の新規サービスの立上
げを想定していたが、空き家活用に関する補助金の要綱改正があったことから補助金の適用外となり、MBT コン
ソーシアムの取組みとして空き家の利活用が進まなかった。しかし今井町地区内の無電柱化の促進や道路整備
などのハード事業と併せて、「町並み散歩」等各種イベントの開催などのソフト事業による魅力向上に努め、地区
内の定住人口の増加による空き家の利活用だけでなく、空き家を活用した飲食・雑貨等の店舗が増加し、地域
の活性化に大きく寄与するとともに、空き家件数が減少している。
①重要伝統的建造物群保存地区内 飲食・雑貨等店舗数・
【H26 年度:8 件 → H30 年度末:21 件】
②重要伝統的建造物群保存地区内 空き家件数
【H26 年度:92 件 → H30 年度末:55 件】
医大では健康・医療関連の新規サービスの立上
げのひとつとして、今井町の空き家等を活用した
MBT の展開を目指しているが、空き家活用に関す
る補助金の要綱改正があったことから補助金の適用
外となり、医大の取組みとしての空き家の利活用が
進んでいない。
しかしながら「MBE, 医学を基礎とする工学」の
成果となる製品・サービス(例えば,「MBT リンク」、
「~耳石に優しい~睡眠頭位調節マットレス」、「妊
娠時からの子育て世代包括見守りの実証」等)が次
々と誕生している。また、医大と地域の共催による健
康にかかる各種地域貢献活動(「健康教室」や「認
知症予防教室」等のソフト事業)は軌道に乗っている。
今後、こうした製品・サービスをまちの中に埋め込み、
「MBT,医学を基礎とするまちづくり」を実現するための、
ハード整備にかかる財源確保が大きな課題となっている。
◆今後の展開及び課題
町並み散歩 今井六斎市
見守り機器となる 医大・自治会共催の認知症予防教室
MBT リンク
- 42 -
– 45 –
◆団体名 熊本県熊本市

熊本市は九州の中央、熊本県の西北部に位置し、豊かな自然や歴史と文化に恵まれ、また医療や高等教育機関
が充実し、快適な都市機能も備わった「暮らしやすく住みやすいまち」である。
高度経済成長期の人口増加、モータリゼーションの進展により郊外部への市街地の拡大が進んできたが、郊外部で
は、高齢化が進み、自家用車の利用が困難な買い物弱者が生まれていることや、高齢の単身世帯や空き家が増加し
人口密度が低下している状況も見られる。
そのような地域課題解決のため、熊本市では超高齢化・人口減少社会に対応したコンパクトで持続可能な『多核
連携都市』を実現するため、中心市街地や15箇所の地域拠点への都市機能の維持・確保を図るとともに、利便性
の高い公共交通で中心市街地と地域拠点を結ぶとともに、公共交通軸沿線に居住を誘導するなど、公共交通と一
体的となったまちづくりを推進している。
〇コンパクトシティの形成(中心市街地や 15 の地域拠点を都市機能誘導区域に設定し、都市機能を維持・確保)
〇地域公共交通の再生(IC カードの導入、市電の電停改良、バス待合環境の改善等を実施)
○中心市街地の活性化(桜町地区再開発事業や熊本駅周辺整備事業及び熊本城の復旧)
〇地方中枢拠点都市(圏)の形成(近隣の 17 市町村と連携中枢都市圏協約を締結) など
9.持続可能で創造的な多核連携都市の形成~熊本型のコンパクトシティを目指して~
◆団体名
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 46 –
多核連携都市の実現に向けては、医療・福祉、地域公共交通、公共施設
施設再編、中心市街地活性化などの密接に関係する様々な施策と連携し、
相乗効果等を考慮しつつ、総合的・一体的な取組として進めていくことが重要
であり、立地適正化計画の推進にあたって、都市機能誘導区域における都市
機能の維持・確保、公共交通ネットワークの充実、居住誘導区域における人口
密度の維持、地域コミュニティの維持活性化の4つの視点を軸に取り組みを進
めてきた。
都市機能誘導区域内に都市機能を維持・確保する施策としては、社会福祉
(高齢介護)施設の整備費の一部を民間事業者へ補助を行う際の補助事
業者選定基準の中に、施設が都市機能誘導区域内に立地される場合には、
配点上の優遇措置を設け、平成 28 年度から計 5 件の立地を促進した。
◆推進体制
多核角連携都市の推進については、外部委員
による推進組織「熊本市多核連携都市推進協
議会」を設置し、都市機能や居住に関する具体
的施策について検討している。
また、協議会を円滑に運営するため、庁内会
議を設置するとともに、誘導区域や具体的施策
を検討する部会や WG を分野ごとに設置して
いる。
【設定 KPI(主なもの)】
① コンパクトシティの形成
居住促進エリア内人口密度:61.8 人/ha(H22 国勢調査)→低下させない
⇒その後、立地適正化計画で定めた居住誘導区域の人口密度である 60.8 人/ha に基準値を変更
② 地域公共交通の再生
公共交通機関の年間利用者数:55,834 千人(H20)→増加(H30)
③ 中心市街地の活性化
中心市街地の歩行者通行量:277,017 人/日(H22)→310,000 人/日(H28)
当モデルケースでは、多核連携都市の実現に向けた進捗状況を管理するため、評価指標を設定し、指標ごとに数
値目標(KPI)を設定した。
達成状況としては、①、②については、平成 30 年度実績においてともに目標を下回っているが、③については、平
成 28 年熊本地震における復興需要も働き、H28 年度は 333,023 人/日と目標達成しており、その後も H30 年
度まで目標値を上回っている。
◆プロジェクトのアピールポイント
◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 43 -
– 45 –
◆団体名 熊本県熊本市

熊本市は九州の中央、熊本県の西北部に位置し、豊かな自然や歴史と文化に恵まれ、また医療や高等教育機関
が充実し、快適な都市機能も備わった「暮らしやすく住みやすいまち」である。
高度経済成長期の人口増加、モータリゼーションの進展により郊外部への市街地の拡大が進んできたが、郊外部で
は、高齢化が進み、自家用車の利用が困難な買い物弱者が生まれていることや、高齢の単身世帯や空き家が増加し
人口密度が低下している状況も見られる。
そのような地域課題解決のため、熊本市では超高齢化・人口減少社会に対応したコンパクトで持続可能な『多核
連携都市』を実現するため、中心市街地や15箇所の地域拠点への都市機能の維持・確保を図るとともに、利便性
の高い公共交通で中心市街地と地域拠点を結ぶとともに、公共交通軸沿線に居住を誘導するなど、公共交通と一
体的となったまちづくりを推進している。
〇コンパクトシティの形成(中心市街地や 15 の地域拠点を都市機能誘導区域に設定し、都市機能を維持・確保)
〇地域公共交通の再生(IC カードの導入、市電の電停改良、バス待合環境の改善等を実施)
○中心市街地の活性化(桜町地区再開発事業や熊本駅周辺整備事業及び熊本城の復旧)
〇地方中枢拠点都市(圏)の形成(近隣の 17 市町村と連携中枢都市圏協約を締結) など
9.持続可能で創造的な多核連携都市の形成~熊本型のコンパクトシティを目指して~
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 46 –
多核連携都市の実現に向けては、医療・福祉、地域公共交通、公共施設
施設再編、中心市街地活性化などの密接に関係する様々な施策と連携し、
相乗効果等を考慮しつつ、総合的・一体的な取組として進めていくことが重要
であり、立地適正化計画の推進にあたって、都市機能誘導区域における都市
機能の維持・確保、公共交通ネットワークの充実、居住誘導区域における人口
密度の維持、地域コミュニティの維持活性化の4つの視点を軸に取り組みを進
めてきた。
都市機能誘導区域内に都市機能を維持・確保する施策としては、社会福祉
(高齢介護)施設の整備費の一部を民間事業者へ補助を行う際の補助事
業者選定基準の中に、施設が都市機能誘導区域内に立地される場合には、
配点上の優遇措置を設け、平成 28 年度から計 5 件の立地を促進した。
◆推進体制
多核角連携都市の推進については、外部委員
による推進組織「熊本市多核連携都市推進協
議会」を設置し、都市機能や居住に関する具体
的施策について検討している。
また、協議会を円滑に運営するため、庁内会
議を設置するとともに、誘導区域や具体的施策
を検討する部会や WG を分野ごとに設置して
いる。
【設定 KPI(主なもの)】
① コンパクトシティの形成
居住促進エリア内人口密度:61.8 人/ha(H22 国勢調査)→低下させない
⇒その後、立地適正化計画で定めた居住誘導区域の人口密度である 60.8 人/ha に基準値を変更
② 地域公共交通の再生
公共交通機関の年間利用者数:55,834 千人(H20)→増加(H30)
③ 中心市街地の活性化
中心市街地の歩行者通行量:277,017 人/日(H22)→310,000 人/日(H28)
当モデルケースでは、多核連携都市の実現に向けた進捗状況を管理するため、評価指標を設定し、指標ごとに数
値目標(KPI)を設定した。
達成状況としては、①、②については、平成 30 年度実績においてともに目標を下回っているが、③については、平
成 28 年熊本地震における復興需要も働き、H28 年度は 333,023 人/日と目標達成しており、その後も H30 年
度まで目標値を上回っている。
◆プロジェクトのアピールポイント
◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 44 -
– 47 –
【KPI 達成のプロセスやポイント】
① コンパクトシティの形成
居住誘導区域や都市機能誘導区域を選択してもらう“きっかけ”づくりとして、都市再生特別措置法に基づく届出
制度を活用し、届出者に対して事務連絡文書を渡すことで、人口減少下において見込まれる課題やまちづくりの方向
性等の情報提供を実施。
② 地域公共交通の再生
公共交通の利便性向上に向け、IC カードの導入、新駅の設置、電停改良、市電ロケーションシステムの導入、バ
ス待合環境の改善等を実施。
③ 中心市街地の活性化
中心市街地活性化計画区域である熊本城地区、通町筋・桜町地区、新町・古町地区、熊本駅周辺地区では、
熊本城の復旧・復興、通町筋等の中心商店街及び桜町地区における再開発、良好な歴史的景観を形成する建屋
等の復旧・保存、在来線高架化等の熊本駅周辺整備など、震災による甚大な被害を乗り越え、いずれも取り組みは
順調に進捗しており、震災復興の下支えや創造的復興、都市圏域全体の経済浮揚に向けたリーディングプロジェクト
としての役割と成果を発現しつつあり、くまもとの顔・玄関口としての拠点整備が整いつつある。
1 コンパクトシティの形成
実態調査を含めた、立地適正化計画の評価・分析等をすることとしており、その中で、本計画の検討及び各種
課題解決に資する施策案を検討していく。
2 地域公共交通の再生
熊本桜町バスターミナルの開業をはじめ、バスロケーションシステムの導入やバスの行先案内記号の改善等により、
公共交通の利便性向上を図ることで地域公共交通の再生を進める。また、事業者と行政が一緒になってバス路線
網の再編や運行体制の見直しについて検討をすすめていく。
3 中心市街地の活性化
JR 熊本駅白川口駅前広場の整備や JR 熊本駅ビルの完成など拠点整備が更に進む中心市街地の多様な都
市機能と魅力の十分な活用と連携を図りながら、観光客等の交流人口の増大や居住人口の拡大等に繋げてい
く。
◆今後の展開及び課題
– 48 – - 45 -
– 48 – - 46 -
– 49 –
◆団体名 鹿児島県鹿児島市

鹿児島市は、人口約 60 万人規模の都市機能と豊かな自然が共生す
る南九州の拠点都市である。高齢化率は、国や県の高齢化率を下回って
いるものの急速に進行しており、ひとり暮らし・高齢者夫婦のみの世帯の割
合は全国平均より高い。また、人口は特に 20 歳~29 歳において大幅な
転出超過となっている。
本市の都市機能、自然、歴史等のポテンシャルを最大限に生かし、超高
齢化・人口減少社会に対応した持続可能な地方拠点都市を実現するた
め、「中心市街地の活性化」を基軸に、「地域公共交通の再生」、「低炭素・循環型の都市地域の形成」の3つの政
策パッケージの統合的な活用により、地域の活性化を目指すこととした。
(1)世界を視野に入れた観光戦略の展開
・本市の構成資産を含む「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録(平成 27 年)
・クルーズ船の誘致(平成 30 年:鹿児島港に 100 隻の入港)
・ネクスト“アジア・鹿児島”イノベーション戦略の策定(平成 30 年)
・民間事業者によるオープンバス「かごんま そらばす」の運行開始(平成 30 年)
(参考)年間宿泊観光客数 H24 年:317.1 万人→H30 年:410.0 万人
年間外国人宿泊観光客数 H24 年:7.8 万人→H30 年:38.8 万人
(2)にぎわいと緑に満ちた安心まちなか空間の形成
・大規模空閑地(市立病院跡地)への公園施設「加治屋まちの杜公園(仮称)」を整備中
・コミュニティサイクルの導入 年間利用者数 H25 年度:0 千人→H30 年度:165 千人
(3)海と陸の玄関の結節機能強化と回遊性の向上
・「陸の玄関」鹿児島中央駅周辺の再開発や、「鹿児島発祥の地」鹿児島駅周辺のリニューアルが進捗
・海の玄関鹿児島港と桜島を結ぶ桜島港の新フェリーターミナルの供用開始(平成 30 年)
10.世界につながる鹿児島・まちなか創造プロジェクト~ワンランク上の交流・定住・癒しのステージへ~
◆団体名
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 50 –
・市内の構成資産が「明治日本の産業革命遺産」の一部として世界文化遺産登録に登録されたほか、世界ジオパー
クの認定に向けた取組が進められるなど、世界を視野に入れた観光戦略を展開することができた。
・コミュニティサイクルの導入や自転車走行空間の整備、緑化空間の創出により、回遊性の向上や、自転車・公共交
通による移動への転換を推進することができた。
・市内各所における再開発やまちなか図書館の整備に向けた取組など、今後の中心市街地活性化の基盤づくりを進
めることができた。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
【地域住民・民間事業者等との連携体制】
・民間企業等が主体となる事業について、協議・連携を図りながら推進
・事業の計画段階においては、関係機関や市民団体、学生などが参加する協議の場を設置
・学識経験者、関係団体、民間事業者・市民などからなる、第2期鹿児島市観光未来戦略推進会議等を通し
て、取組を推進
◆プロジェクトのアピールポイント
・世界を視野に入れた観
光戦略の展開
・にぎわいと緑に満ちた安
心まちなか空間の形成
・海と陸の玄関の結節機
能強化と回遊性の向

・年間宿泊観光客数
H24 年:317.1 万人
→H30 年:410.0 万人
・年間外国人宿泊観光客数
H24 年: 7.8 万人
→H30 年:38.8 万人
・コミュニティサイクルの年間利用者数
H25 年度: 0 千人
→H30 年度:165 千人
・桜島港の新フェリーターミナルが平成
30 年 3 月に供用開始
・観光消費額
H24 年: 97,043 百万円
→H30 年:121,960 百万円
・中心市街地人口
H26 年度:31,549 人
→H30 年度:34,344 人
・商業地(天文館周辺)における地価
の平均変動率
H26 年:△1.4%
→H30 年:1.8%
・サクラジマアイランドビュー利用者数
H24 年:37,801 人
→H30 年:113,792 人
- 47 -
– 49 –
◆団体名 鹿児島県鹿児島市

鹿児島市は、人口約 60 万人規模の都市機能と豊かな自然が共生す
る南九州の拠点都市である。高齢化率は、国や県の高齢化率を下回って
いるものの急速に進行しており、ひとり暮らし・高齢者夫婦のみの世帯の割
合は全国平均より高い。また、人口は特に 20 歳~29 歳において大幅な
転出超過となっている。
本市の都市機能、自然、歴史等のポテンシャルを最大限に生かし、超高
齢化・人口減少社会に対応した持続可能な地方拠点都市を実現するた
め、「中心市街地の活性化」を基軸に、「地域公共交通の再生」、「低炭素・循環型の都市地域の形成」の3つの政
策パッケージの統合的な活用により、地域の活性化を目指すこととした。
(1)世界を視野に入れた観光戦略の展開
・本市の構成資産を含む「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録(平成 27 年)
・クルーズ船の誘致(平成 30 年:鹿児島港に 100 隻の入港)
・ネクスト“アジア・鹿児島”イノベーション戦略の策定(平成 30 年)
・民間事業者によるオープンバス「かごんま そらばす」の運行開始(平成 30 年)
(参考)年間宿泊観光客数 H24 年:317.1 万人→H30 年:410.0 万人
年間外国人宿泊観光客数 H24 年:7.8 万人→H30 年:38.8 万人
(2)にぎわいと緑に満ちた安心まちなか空間の形成
・大規模空閑地(市立病院跡地)への公園施設「加治屋まちの杜公園(仮称)」を整備中
・コミュニティサイクルの導入 年間利用者数 H25 年度:0 千人→H30 年度:165 千人
(3)海と陸の玄関の結節機能強化と回遊性の向上
・「陸の玄関」鹿児島中央駅周辺の再開発や、「鹿児島発祥の地」鹿児島駅周辺のリニューアルが進捗
・海の玄関鹿児島港と桜島を結ぶ桜島港の新フェリーターミナルの供用開始(平成 30 年)
10.世界につながる鹿児島・まちなか創造プロジェクト~ワンランク上の交流・定住・癒しのステージへ~
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 50 –
・市内の構成資産が「明治日本の産業革命遺産」の一部として世界文化遺産登録に登録されたほか、世界ジオパー
クの認定に向けた取組が進められるなど、世界を視野に入れた観光戦略を展開することができた。
・コミュニティサイクルの導入や自転車走行空間の整備、緑化空間の創出により、回遊性の向上や、自転車・公共交
通による移動への転換を推進することができた。
・市内各所における再開発やまちなか図書館の整備に向けた取組など、今後の中心市街地活性化の基盤づくりを進
めることができた。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
【地域住民・民間事業者等との連携体制】
・民間企業等が主体となる事業について、協議・連携を図りながら推進
・事業の計画段階においては、関係機関や市民団体、学生などが参加する協議の場を設置
・学識経験者、関係団体、民間事業者・市民などからなる、第2期鹿児島市観光未来戦略推進会議等を通し
て、取組を推進
◆プロジェクトのアピールポイント
・世界を視野に入れた観
光戦略の展開
・にぎわいと緑に満ちた安
心まちなか空間の形成
・海と陸の玄関の結節機
能強化と回遊性の向

・年間宿泊観光客数
H24 年:317.1 万人
→H30 年:410.0 万人
・年間外国人宿泊観光客数
H24 年: 7.8 万人
→H30 年:38.8 万人
・コミュニティサイクルの年間利用者数
H25 年度: 0 千人
→H30 年度:165 千人
・桜島港の新フェリーターミナルが平成
30 年 3 月に供用開始
・観光消費額
H24 年: 97,043 百万円
→H30 年:121,960 百万円
・中心市街地人口
H26 年度:31,549 人
→H30 年度:34,344 人
・商業地(天文館周辺)における地価
の平均変動率
H26 年:△1.4%
→H30 年:1.8%
・サクラジマアイランドビュー利用者数
H24 年:37,801 人
→H30 年:113,792 人
- 48 -
– 51 –
【設定 KPI】
①宿泊観光客
【H24 年:317 万人→H30 年:365 万人(補正前 367 万人)】
②外国人宿泊観光客数
【H24 年:7.8 万人→H30 年:24 万人(補正前 20 万人)】
観光客による交流人口の増加や海外からの誘客強化に係る事
業効果を客観的に評価するために設定。
③中心市街地における歩行者通行量
【H25 年度:153 千人/日→H30 年度:171 千人/日】
④中心市街地における市民一人当たりの施設緑地面積
【H25 年度:3.2 ㎡→H30 年度:4.4 ㎡(補正前 5.4 ㎡)】
中心市街地における都市機能や各種サービスの充実による活
気と賑わいあふれるまちづくり、ヒートアイランド現象の緩和やまち
なかの緑のうるおい空間の創出に係る事業効果を客観的に評価
するために設定。
⑤コミュニティサイクル利用者数
【H25 年度:0 千人/年
→H30 年度:155 千人/年(補正前 23 千人/年)】
⑥自転車走行空間整備済区間
【H24 年度:11km→H30 年度:29km(補正前 35km)】
自家用車等から自転車プラス公共交通による移動への転換を
促進するという事業効果を客観的に評価するために設定。
⑦路面電車利用者数
【H24 年度:10,749 千人/年
→H30 年度:10,868 千人/年(補正前 10,866 千人/年)】
公共交通の結節機能強化と回遊性の向上に係る事業効果
を評価するために設定。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
④中心市街地における市民一人当たりの
施設緑地面積
⑤コミュニティサイクル利用者数
⑦路面電車利用者数
②外国人宿泊観光客数
– 52 –
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①② 当初、国内外の観光客数が伸び悩みを見せたが、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放送や訪日外国人増加の
追い風を受ける中で、いずれも目標数を達成。
③④ 中心市街地における歩行者通行量は当初目標値に達しなかったものの、平成 26 年度以降、最高値となるな
ど、減少傾向に歯止めをかけられている。
中心市街地における市民一人当たりの施設緑地面積については、中心市街地区域の人口増加などにより目
標値に達しなかったが、令和 2 年度に、市立病院跡地約 13,700 ㎡を都市緑地として供用開始予定である。
⑤⑥ コミュニティサイクルは、運用開始からの利用状況が非常に好調。平成 29 年度にコミュニティサイクルポートの民
間設置に対して助成することで、回遊性・利便性の向上が図られた。
自転車走行空間の整備については、関係機関との協議に時間を要したことから計画値を下方修正。近年、社
会資本整備総合交付金の内示率が低いこともあり計画値を下回った。
⑦ 目標値を達成し、平成 30 年度は、平成 26 年度以降、最高値となった。
(1)世界を視野に入れた観光戦略の展開について
今後も、鹿児島市ならではの資産である桜島や錦江湾、世界文化遺産などをより活かした施策や、インバウンド
対応の充実をさらに進めていく。
(2)にぎわいと緑に満ちた安心まちなか空間の形成について
緑化空間や自転車走行空間の整備を着実に推進するとともに、コミュニティサイクルについては、サイクルポート配
置の移設・再配置によりさらなる利便性・回遊性の向上を図る。また、今後の市街地各所での再開発、まちなか図
書館の整備など、にぎわい創出の施策をさらに進めていく。
(3)海と陸の玄関の結節機能強化と回遊性の向上
クルーズ船寄港数の増加に伴い、渋滞等の課題が顕在化しているが、海上交通を利用した 2 次交通の実証実
験を行うなど官民一体となった取組を展開していく。また、路面電車のウォーターフロント地区への観光路線新設に
向けた取組を推進していく。
◆今後の展開及び課題
- 49 -
– 51 –
【設定 KPI】
①宿泊観光客
【H24 年:317 万人→H30 年:365 万人(補正前 367 万人)】
②外国人宿泊観光客数
【H24 年:7.8 万人→H30 年:24 万人(補正前 20 万人)】
観光客による交流人口の増加や海外からの誘客強化に係る事
業効果を客観的に評価するために設定。
③中心市街地における歩行者通行量
【H25 年度:153 千人/日→H30 年度:171 千人/日】
④中心市街地における市民一人当たりの施設緑地面積
【H25 年度:3.2 ㎡→H30 年度:4.4 ㎡(補正前 5.4 ㎡)】
中心市街地における都市機能や各種サービスの充実による活
気と賑わいあふれるまちづくり、ヒートアイランド現象の緩和やまち
なかの緑のうるおい空間の創出に係る事業効果を客観的に評価
するために設定。
⑤コミュニティサイクル利用者数
【H25 年度:0 千人/年
→H30 年度:155 千人/年(補正前 23 千人/年)】
⑥自転車走行空間整備済区間
【H24 年度:11km→H30 年度:29km(補正前 35km)】
自家用車等から自転車プラス公共交通による移動への転換を
促進するという事業効果を客観的に評価するために設定。
⑦路面電車利用者数
【H24 年度:10,749 千人/年
→H30 年度:10,868 千人/年(補正前 10,866 千人/年)】
公共交通の結節機能強化と回遊性の向上に係る事業効果
を評価するために設定。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
④中心市街地における市民一人当たりの
施設緑地面積
⑤コミュニティサイクル利用者数
⑦路面電車利用者数
②外国人宿泊観光客数
– 52 –
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①② 当初、国内外の観光客数が伸び悩みを見せたが、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放送や訪日外国人増加の
追い風を受ける中で、いずれも目標数を達成。
③④ 中心市街地における歩行者通行量は当初目標値に達しなかったものの、平成 26 年度以降、最高値となるな
ど、減少傾向に歯止めをかけられている。
中心市街地における市民一人当たりの施設緑地面積については、中心市街地区域の人口増加などにより目
標値に達しなかったが、令和 2 年度に、市立病院跡地約 13,700 ㎡を都市緑地として供用開始予定である。
⑤⑥ コミュニティサイクルは、運用開始からの利用状況が非常に好調。平成 29 年度にコミュニティサイクルポートの民
間設置に対して助成することで、回遊性・利便性の向上が図られた。
自転車走行空間の整備については、関係機関との協議に時間を要したことから計画値を下方修正。近年、社
会資本整備総合交付金の内示率が低いこともあり計画値を下回った。
⑦ 目標値を達成し、平成 30 年度は、平成 26 年度以降、最高値となった。
(1)世界を視野に入れた観光戦略の展開について
今後も、鹿児島市ならではの資産である桜島や錦江湾、世界文化遺産などをより活かした施策や、インバウンド
対応の充実をさらに進めていく。
(2)にぎわいと緑に満ちた安心まちなか空間の形成について
緑化空間や自転車走行空間の整備を着実に推進するとともに、コミュニティサイクルについては、サイクルポート配
置の移設・再配置によりさらなる利便性・回遊性の向上を図る。また、今後の市街地各所での再開発、まちなか図
書館の整備など、にぎわい創出の施策をさらに進めていく。
(3)海と陸の玄関の結節機能強化と回遊性の向上
クルーズ船寄港数の増加に伴い、渋滞等の課題が顕在化しているが、海上交通を利用した 2 次交通の実証実
験を行うなど官民一体となった取組を展開していく。また、路面電車のウォーターフロント地区への観光路線新設に
向けた取組を推進していく。
◆今後の展開及び課題
- 50 -
– 53 –

– 54 –
②農山漁村・過疎地域等型
Ⅲ.類型別モデルケース紹介
- 51 -
– 53 –

– 54 –
②農山漁村・過疎地域等型
Ⅲ.類型別モデルケース紹介
- 52 -
– 55 –
No 団 体 名 提案タイトル
1 北海道沼田町 沼田町農村型コンパクトエコタウン構想
2 北海道下川町 しもかわ経済自立発展モデル~持続可能な農林総合産業構築による良質
なくらしづくり~
3 愛知県設楽町ほか 「奥三河」北設楽郡3町村の強みを活かした「住んでよし」「訪れてよし」の田
舎の実現

京都府京丹後市、
京都府宮津市ほか
「グリーン・ウェルネスな新公共交通体系の構築とそれを核とした環境調和・健
康未来創造スマートコミュニティの実現」及び「竹を資源として活用した里山
経済圏形成モデルプロジェクト」
5 島根県海士町ほか 持続可能な未来をつくる「学びの島」
6 岡山県真庭市 循環型の地域づくりを通じた「真庭ライフスタイル」の構築と交流・定住の促進
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(② 農山漁村・過疎地域等型 一覧)
– 56 –
1.農山村・過疎地域のモデルケース
この類型では6地区9市町村が対象である。これらの地区は、同じ農山村・過疎地域といえども、それぞれの地域
は実に多様な存在である。立地条件で言えば、平地農村から山村、離島まであり、また人口規模では最小の豊根村
(1144 人、2015 年国勢調査)から5万人を超える京丹後市(55,054 人)までの幅がある。
しかし、そうしたなかでも、この活性化を実現するにはいくつかの共通点がある。それは農山村における「地域づくりのポ
イント」として、従来から指摘されてきた「内発性」「総合性・多様性」「革新性」の3点である。具体的な例を挙げて説
明してみよう。
2.内発性―取り組みの共通性①―
第1は、地域活性化の「内発性」である。農山村・過疎地域は、地域の困難性から、ともすれば外部による開発に
頼ることが多かった。例えば、1980 年代後半から始まり、農山村を席巻するバブル期のリゾート開発は、典型的な外
来型開発であった。外部資本により、カネも意思も外部から注入され、地域の住民は土地や労働力の提供者に過ぎ
ないケースが少なくなかった。しかし、今回のいずれの事例も、自らの意思で地域住民と自治体が立ち上がるというプロ
セスを持つ実践である。
その内発性の出発点には、「地域を創るのは自分たちだ」という住民の当事者意識があり、これが作れるか否かが、
地域づくりのポイントとなる。それを典型的に実践したのが、沼田町の事例である。ここでは、「住民が住み慣れた地域
で安心して暮らし続けるために、高齢者が歩いて往復できる距離の中で、医療・介護・予防・生活支援・住まいを一体
的に提供し、来るべき超高齢化社会に備える」ようなコンパクトタウンの建設が行われた。このような計画づくりは、施設
の設置というハード事業を伴うこともあり、行政が主導する例が多いが、ここではあえて「住む町のことは、住む人が決め
る」の原則を立て、徹底したワークショップを行った。それにより「住民は新設した複合的な空間を、自分が建てた家のよ
うに愛着を持ち、自分たちの施設として空間を使いこなしている」ことは大きな成果である。つまり、コンパクトタウンの建
設過程自体が住民の人材づくりプロセスにもなっている点が注目される。
また、経済的開発においては、地域資源の利活用という意味での内発性も重要であり、それは特に「森林総合産
業の構築」を目指す下川町の取り組みが体現している。林業における「循環型森林経営の推進、高性能林業機械の
導入、高密度路網整備、伐採・造林一貫システムの導入、共同施業団地の推進等」はもちろん、 林産業として、
「加工流通システムの高度化、公共建築物等の建設に地域材を活用、広葉樹材等の新たな加工と需要の創出」を
行い、さらに森林バイオマス熱電併給プラントにより、雇用増加も実現している。地域内資源による内発的産業・雇用
づくりの好例と言えよう。その際、毎年約 50ha を伐採し、その面積分の植林を繰り返す「循環型森林施業」をおこなっ
ていることも注目される。内発性を維持するためには、地域資源を利活用するだけでなく保全していかなくてはならない
のである。
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(② 農山漁村・過疎地域等型 総括)
小田切 徳美(おだぎり とくみ)明治大学農学部 教授
1959年、神奈川県生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程単位取得退学。高崎経済大
学助教授、東京大学大学院助教授などを経て、2006年より現職。
日本学術会議会員、日本地域政策学会会長、ふるさとづくり有識者会議座長(内閣官房)、国土審議会委
員(国土交通省)、過疎問題懇談会委員(総務省)、今後の農林漁業・農山漁村のあり方に関する研究会
座長(全国町村会)などを兼任。
著書・編著に『農山村は消滅しない』(岩波書店)、『世界の田園回帰』(共編著、農文協)『内発的農村発
展論』(共編著、農林統計出版)、『農山村からのの地方創生』(共著、筑波書房)など多数。
- 53 -
– 55 –
No 団 体 名 提案タイトル
1 北海道沼田町 沼田町農村型コンパクトエコタウン構想
2 北海道下川町 しもかわ経済自立発展モデル~持続可能な農林総合産業構築による良質
なくらしづくり~
3 愛知県設楽町ほか 「奥三河」北設楽郡3町村の強みを活かした「住んでよし」「訪れてよし」の田
舎の実現

京都府京丹後市、
京都府宮津市ほか
「グリーン・ウェルネスな新公共交通体系の構築とそれを核とした環境調和・健
康未来創造スマートコミュニティの実現」及び「竹を資源として活用した里山
経済圏形成モデルプロジェクト」
5 島根県海士町ほか 持続可能な未来をつくる「学びの島」
6 岡山県真庭市 循環型の地域づくりを通じた「真庭ライフスタイル」の構築と交流・定住の促進
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(② 農山漁村・過疎地域等型 一覧)
– 56 –
1.農山村・過疎地域のモデルケース
この類型では6地区9市町村が対象である。これらの地区は、同じ農山村・過疎地域といえども、それぞれの地域
は実に多様な存在である。立地条件で言えば、平地農村から山村、離島まであり、また人口規模では最小の豊根村
(1144 人、2015 年国勢調査)から5万人を超える京丹後市(55,054 人)までの幅がある。
しかし、そうしたなかでも、この活性化を実現するにはいくつかの共通点がある。それは農山村における「地域づくりのポ
イント」として、従来から指摘されてきた「内発性」「総合性・多様性」「革新性」の3点である。具体的な例を挙げて説
明してみよう。
2.内発性―取り組みの共通性①―
第1は、地域活性化の「内発性」である。農山村・過疎地域は、地域の困難性から、ともすれば外部による開発に
頼ることが多かった。例えば、1980 年代後半から始まり、農山村を席巻するバブル期のリゾート開発は、典型的な外
来型開発であった。外部資本により、カネも意思も外部から注入され、地域の住民は土地や労働力の提供者に過ぎ
ないケースが少なくなかった。しかし、今回のいずれの事例も、自らの意思で地域住民と自治体が立ち上がるというプロ
セスを持つ実践である。
その内発性の出発点には、「地域を創るのは自分たちだ」という住民の当事者意識があり、これが作れるか否かが、
地域づくりのポイントとなる。それを典型的に実践したのが、沼田町の事例である。ここでは、「住民が住み慣れた地域
で安心して暮らし続けるために、高齢者が歩いて往復できる距離の中で、医療・介護・予防・生活支援・住まいを一体
的に提供し、来るべき超高齢化社会に備える」ようなコンパクトタウンの建設が行われた。このような計画づくりは、施設
の設置というハード事業を伴うこともあり、行政が主導する例が多いが、ここではあえて「住む町のことは、住む人が決め
る」の原則を立て、徹底したワークショップを行った。それにより「住民は新設した複合的な空間を、自分が建てた家のよ
うに愛着を持ち、自分たちの施設として空間を使いこなしている」ことは大きな成果である。つまり、コンパクトタウンの建
設過程自体が住民の人材づくりプロセスにもなっている点が注目される。
また、経済的開発においては、地域資源の利活用という意味での内発性も重要であり、それは特に「森林総合産
業の構築」を目指す下川町の取り組みが体現している。林業における「循環型森林経営の推進、高性能林業機械の
導入、高密度路網整備、伐採・造林一貫システムの導入、共同施業団地の推進等」はもちろん、 林産業として、
「加工流通システムの高度化、公共建築物等の建設に地域材を活用、広葉樹材等の新たな加工と需要の創出」を
行い、さらに森林バイオマス熱電併給プラントにより、雇用増加も実現している。地域内資源による内発的産業・雇用
づくりの好例と言えよう。その際、毎年約 50ha を伐採し、その面積分の植林を繰り返す「循環型森林施業」をおこなっ
ていることも注目される。内発性を維持するためには、地域資源を利活用するだけでなく保全していかなくてはならない
のである。
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(② 農山漁村・過疎地域等型 総括)
小田切 徳美(おだぎり とくみ)明治大学農学部 教授
1959年、神奈川県生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程単位取得退学。高崎経済大
学助教授、東京大学大学院助教授などを経て、2006年より現職。
日本学術会議会員、日本地域政策学会会長、ふるさとづくり有識者会議座長(内閣官房)、国土審議会委
員(国土交通省)、過疎問題懇談会委員(総務省)、今後の農林漁業・農山漁村のあり方に関する研究会
座長(全国町村会)などを兼任。
著書・編著に『農山村は消滅しない』(岩波書店)、『世界の田園回帰』(共編著、農文協)『内発的農村発
展論』(共編著、農林統計出版)、『農山村からのの地方創生』(共著、筑波書房)など多数。
- 54 -
– 57 –
宮津市における竹資源活用の構想も、一部の事業は中断しているが、同様の地域資源の保全的活用を目標とし
たものであろう。
3.総合性・多様性―取り組みの共通性②―
第2の共通点は、取り組みの「総合性・多様性」である。「活性化」というとその字面から経済的な活力づくりのみが
意識されるケースが少なくない。そのため、先にも触れたバブル経済期のリゾートブームが典型であったが、どこでも同じよ
うな開発計画がならぶ、「金太郎アメ」的な地域振興が行われがちであった。そのような単品型・画一的な地域活性化
から、福祉や環境等を含めた総合型、そして地域の実情を踏まえた多様性に富んだ取り組みへの転換が求められ、そ
れぞれの事例はそれを体現している。
真庭市の「真庭ライフスタイル」の構築という課題設定には特にその点が重要視されている。ここで、「ライフススタイ
ル」とは、「多彩な地域資源を活かし、環境の保全、エネルギーや経済の地域内循環、自然共生、農林畜産業の活
性化等を図り、持続可能性の高い地域形成に貢献しようとする『価値観』『暮らし方』『働き方』など」を意味しており、
住民の生活全般に関わる多様な課題の同時追求を目標とされている。しばしば見られる行政的発想による縦割り型
ではなく、一人ひとりの住民から見た場合には自ら「総合性」が求められることを「ライフスタイル」という言葉で表現し、そ
の視覚から活性化を目指そうとする点は高く評価できる。
同じように、京丹後市でも多面的な取り組みが行われている。①グリーン・ウェルネス新公共交通体系の実現、②伝
統産業の再生と未来型グリーン産業の創造、③大学連携を中心としつつも、④再生可能エネルギー、⑤観光振興、
⑥地域包括ケアまでも今回の事業で取り組まれている。そして、それらが相互に関連しており、その好循環が目標とされ
ている点も注目される。
4.革新性―取り組みの共通性③―
そして、第3に「革新性」(イノベーティブ)である。地域における困難性を上述のように内発的エネルギーにより対
応していくとなれば、必然的に従来とは異なる仕組みが必要である。特に、人口減少が著しい農山村・過疎地域では
人口が多かった時代の仕組みに寄りかかり、それが機能しないことを嘆くことがしばしば見られた。そうではなく、むしろ人
口減少を前提として、地域運営の仕組みを地域自らが再編し、新しいシステムを創造する「革新性」が求められる。
そのような「新しい仕組みづくり」という点では、愛知県北設楽郡 3 町村の連携による取り組みは革新的である。3町
村は同一郡内にありながら、従来は「ライバル」関係にあり、必ずしも有効な連携は取られていなかったが、地元の高校
魅力化のために連携が始まり、具体的には地域内の就職先を紹介する「お仕事フェア」を3町村合同で行い、卒業生
の地域内就職も果たしている。またこの延長に出てきたスローガンが、「住んでよし」「訪れてよし」「移住してよし」であり、
生活交通から観光、移住対策までの一体的取り組みに挑戦している。自治体連携はたやすい課題ではなく、その実
践は革新性の典型であろう。
そして、こうした革新性の先発事例としては海士町がある。①グローカル人材の育成(ふるさと教育をベースとした課
題解決型の授業により身近な課題を見つめながらも広い視野も養い、起業家精神をもった地域の担い手の育成)、
②公立塾「隠岐國学習センター」(学校の学習をサポートするほか、各自の興味や問題意識から考えを深め、島内
外、国内外の大人との対話の場を作る「夢ゼミ」も実施)、③地元高校への島留学(全国から意欲の高い多彩な生
徒を受け入れることで、学力や生きる力を相互に伸ばしあい、異文化・多文化の中で協働する力を培う学習環境の実
現)という取り組みはよく知られているが、いずれも革新性に満ちている。その結果、廃校の危機にあった島前高校への
入学希望者は増加に転じ、過疎地の高校としては異例の学級増を果たした。そのため、教職員数も増え、学校全体
の活力が高まった。これらは「社会の期待を背負った未来実験・挑戦」と言われている。
– 58 –
5.新たなる展開へ―SDGs と横展開―
このように3つの要素は、農山村・過疎地域における地域活性化の原則としての「内発性」、その中身の「総合性・
多様性」、そしてその仕組みとしての「革新性」と位置づけることができ、6つの地区の実践とそのプロセスからこのことを
確認することができよう。
そして、本事業で注目すべきは、これらの挑戦の一部が次のステージへとつながっている点である。
そのひとつは、国連で提唱され、わが国における重要課題となり始めている SDGs の推進である。6地区の中で、下
川町(「未来の人と自然へ繋ぐしもかわチャレンジ 2000」、)と真庭市(地域エネルギー自給率 100%
2030“SDGs”未来都市真庭の実現」)は「SDGs 未来都市」にも選定され、全国のモデルとして活動している。この
ことは、地域活性化の実践と SDGs の取り組みの親和性を伝えている。それはある意味、当然のことである。SDGs 未
来都市とは、「SDGs の理念に沿った基本的・総合的取組を推進しようとする都市・地域の中から、特に、経済・社
会・環境の三側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い都市・地域として
選定されるもの」(内閣府「SDGs 未来都市等募集要領」)とあるように、それを農山村で実施するためには、「内発
性」「総合性・多様性」「革新性」が、強く要請されているからである。
なお、その際、次の点にはあえて論じておきたい。SDGs はその 17 ゴールの一つとして、「多様なステークホールダーと
の連携」を求めている。しかし、これは「内発性」と矛盾しない。むしろ、地域活性化における「内発性」は、地域内に閉
じられたものではなく、外のつながりにより、陶冶され、さらに安定性を持つものと考えられるからである。むしろ、重要なこ
とは、多様な連携の実現とその持続を担保する地域の主体性の強化(一層の当事者意識の醸成)だろう。
もうひとつは、活性化モデルとしての横展開である。その点は海士町の取り組みで積極的に行われている。そこでは、
海士町の「何を行った」(know-what)ではなく、「どう行った」(know-how、ノウハウ)を掘り下げることにより、
「双方向の『学びの島』プログラム」を創造している。そして、それは他市町村への応用だけでなく、海士町内における横
展開に資する手法開発でもあった。
農山村・過疎地域では、厳しい与件が強まっている一方で、本事業の対象地域のように、そこから再生する地域も
生まれ始めており、むしろ都市-農村という格差(まち・むら格差)だけではなく、農村内部の格差(むら・むら格差)
が顕在化している。このため、横展開の実践は喫緊の政策課題となっており、その方向性もモデルケースが示唆している
のである。
- 55 -
– 57 –
宮津市における竹資源活用の構想も、一部の事業は中断しているが、同様の地域資源の保全的活用を目標とし
たものであろう。
3.総合性・多様性―取り組みの共通性②―
第2の共通点は、取り組みの「総合性・多様性」である。「活性化」というとその字面から経済的な活力づくりのみが
意識されるケースが少なくない。そのため、先にも触れたバブル経済期のリゾートブームが典型であったが、どこでも同じよ
うな開発計画がならぶ、「金太郎アメ」的な地域振興が行われがちであった。そのような単品型・画一的な地域活性化
から、福祉や環境等を含めた総合型、そして地域の実情を踏まえた多様性に富んだ取り組みへの転換が求められ、そ
れぞれの事例はそれを体現している。
真庭市の「真庭ライフスタイル」の構築という課題設定には特にその点が重要視されている。ここで、「ライフススタイ
ル」とは、「多彩な地域資源を活かし、環境の保全、エネルギーや経済の地域内循環、自然共生、農林畜産業の活
性化等を図り、持続可能性の高い地域形成に貢献しようとする『価値観』『暮らし方』『働き方』など」を意味しており、
住民の生活全般に関わる多様な課題の同時追求を目標とされている。しばしば見られる行政的発想による縦割り型
ではなく、一人ひとりの住民から見た場合には自ら「総合性」が求められることを「ライフスタイル」という言葉で表現し、そ
の視覚から活性化を目指そうとする点は高く評価できる。
同じように、京丹後市でも多面的な取り組みが行われている。①グリーン・ウェルネス新公共交通体系の実現、②伝
統産業の再生と未来型グリーン産業の創造、③大学連携を中心としつつも、④再生可能エネルギー、⑤観光振興、
⑥地域包括ケアまでも今回の事業で取り組まれている。そして、それらが相互に関連しており、その好循環が目標とされ
ている点も注目される。
4.革新性―取り組みの共通性③―
そして、第3に「革新性」(イノベーティブ)である。地域における困難性を上述のように内発的エネルギーにより対
応していくとなれば、必然的に従来とは異なる仕組みが必要である。特に、人口減少が著しい農山村・過疎地域では
人口が多かった時代の仕組みに寄りかかり、それが機能しないことを嘆くことがしばしば見られた。そうではなく、むしろ人
口減少を前提として、地域運営の仕組みを地域自らが再編し、新しいシステムを創造する「革新性」が求められる。
そのような「新しい仕組みづくり」という点では、愛知県北設楽郡 3 町村の連携による取り組みは革新的である。3町
村は同一郡内にありながら、従来は「ライバル」関係にあり、必ずしも有効な連携は取られていなかったが、地元の高校
魅力化のために連携が始まり、具体的には地域内の就職先を紹介する「お仕事フェア」を3町村合同で行い、卒業生
の地域内就職も果たしている。またこの延長に出てきたスローガンが、「住んでよし」「訪れてよし」「移住してよし」であり、
生活交通から観光、移住対策までの一体的取り組みに挑戦している。自治体連携はたやすい課題ではなく、その実
践は革新性の典型であろう。
そして、こうした革新性の先発事例としては海士町がある。①グローカル人材の育成(ふるさと教育をベースとした課
題解決型の授業により身近な課題を見つめながらも広い視野も養い、起業家精神をもった地域の担い手の育成)、
②公立塾「隠岐國学習センター」(学校の学習をサポートするほか、各自の興味や問題意識から考えを深め、島内
外、国内外の大人との対話の場を作る「夢ゼミ」も実施)、③地元高校への島留学(全国から意欲の高い多彩な生
徒を受け入れることで、学力や生きる力を相互に伸ばしあい、異文化・多文化の中で協働する力を培う学習環境の実
現)という取り組みはよく知られているが、いずれも革新性に満ちている。その結果、廃校の危機にあった島前高校への
入学希望者は増加に転じ、過疎地の高校としては異例の学級増を果たした。そのため、教職員数も増え、学校全体
の活力が高まった。これらは「社会の期待を背負った未来実験・挑戦」と言われている。
– 58 –
5.新たなる展開へ―SDGs と横展開―
このように3つの要素は、農山村・過疎地域における地域活性化の原則としての「内発性」、その中身の「総合性・
多様性」、そしてその仕組みとしての「革新性」と位置づけることができ、6つの地区の実践とそのプロセスからこのことを
確認することができよう。
そして、本事業で注目すべきは、これらの挑戦の一部が次のステージへとつながっている点である。
そのひとつは、国連で提唱され、わが国における重要課題となり始めている SDGs の推進である。6地区の中で、下
川町(「未来の人と自然へ繋ぐしもかわチャレンジ 2000」、)と真庭市(地域エネルギー自給率 100%
2030“SDGs”未来都市真庭の実現」)は「SDGs 未来都市」にも選定され、全国のモデルとして活動している。この
ことは、地域活性化の実践と SDGs の取り組みの親和性を伝えている。それはある意味、当然のことである。SDGs 未
来都市とは、「SDGs の理念に沿った基本的・総合的取組を推進しようとする都市・地域の中から、特に、経済・社
会・環境の三側面における新しい価値創出を通して持続可能な開発を実現するポテンシャルが高い都市・地域として
選定されるもの」(内閣府「SDGs 未来都市等募集要領」)とあるように、それを農山村で実施するためには、「内発
性」「総合性・多様性」「革新性」が、強く要請されているからである。
なお、その際、次の点にはあえて論じておきたい。SDGs はその 17 ゴールの一つとして、「多様なステークホールダーと
の連携」を求めている。しかし、これは「内発性」と矛盾しない。むしろ、地域活性化における「内発性」は、地域内に閉
じられたものではなく、外のつながりにより、陶冶され、さらに安定性を持つものと考えられるからである。むしろ、重要なこ
とは、多様な連携の実現とその持続を担保する地域の主体性の強化(一層の当事者意識の醸成)だろう。
もうひとつは、活性化モデルとしての横展開である。その点は海士町の取り組みで積極的に行われている。そこでは、
海士町の「何を行った」(know-what)ではなく、「どう行った」(know-how、ノウハウ)を掘り下げることにより、
「双方向の『学びの島』プログラム」を創造している。そして、それは他市町村への応用だけでなく、海士町内における横
展開に資する手法開発でもあった。
農山村・過疎地域では、厳しい与件が強まっている一方で、本事業の対象地域のように、そこから再生する地域も
生まれ始めており、むしろ都市-農村という格差(まち・むら格差)だけではなく、農村内部の格差(むら・むら格差)
が顕在化している。このため、横展開の実践は喫緊の政策課題となっており、その方向性もモデルケースが示唆している
のである。
- 56 -
– 59 –
◆団体名 北海道沼田町

沼田町は北海道のほぼ中央、広大な石狩平野の北端に位置し、かつては炭鉱と稲作の町として繁栄してきたが、
昭和 43 年に炭鉱が閉山し、その後稲作中心の農業の町へと転換してきた。
北海道内で最も高齢化率が高い北空知地域は、人口減少・超高齢化社会の先進地と言える。
沼田町でも、人口減少や少子化・超高齢化が進み、また町内の様々な施設が老朽化による建て替えの時期を迎
えている。中でも老朽化した沼田厚生病院は、早急に整備が必要であり、本町にとって医療・福祉体制の見直しが喫
緊の課題となっていた。
そこで1年の約半分は雪で覆われる北国の小規模自治体におい
ても持続可能で、住民が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるた
めに、高齢者が歩いて往復できる距離の中で、医療・介護・予防・
生活支援・住まいを一体的に提供し、来るべき超高齢化社会に備
えるための計画策定を住民参加型で行うこととした。
また、過疎化が進む小規模自治体にとって、地域活性化のため
には、生活の拠点として中心市街地の再生が必要であり、交通・
買い物・起業・雇用・子育て・交流・克雪・再生可能エネルギー
など、全方位的な課題も同時に併せて取り組むこととした。
〇「安心して暮らし続けられるまち」をテーマとして住民からのヒアリングや住民ワークショップを行い、様々な意見を集め、
コミュニティデザインの手法による住民主体のまちづくりを進めた。
〇小規模で雪が多いという地域特性だからこそ、分散型で暮らしていた地域において、病院や福祉、商業の各施設を
高齢者が歩いて移動できる距離である 500m 以内に一体的に集約することで雪国の不安や不便さを解決した。
〇2つの新しい顔である「暮らしの安心センター(医療介護福祉の拠点施設)」と「まちなかほっとタウン(商業コミュ
ニティの中核施設)」の完成と、市街地の主要施設を結ぶ乗合タクシーの運行で、街中に賑わいが戻りつつある。
〇「暮らしの安心センター」では、町民が自由に使えるトレーニング機器やカフェが人気で、様々な活動ができるゆとりあ
る空間では、多世代が日常的に立ち寄れる「まちの縁側」となり、町民が空間を使いこなしている。
〇まちづくり会社が運営する「まちなかほっとタウン」には、スーパーマーケットだけでなく、将来にわたり地域住民の買い物
利便性を向上させるための物産サービスセンターやチャレンジショップ、イベントアトリウムなどを備え、毎日の買い物が楽
しくなるイベントを開催している。
「住む町のことは、住む人が決める」 住民参加の『歩いて暮らせる』まちづくり
全方位的に山積する町の課題を解決するため、構想づくりの段階からワークショップ等の手法で、時間をかけて住民
との対話を重ね、課題を共有し、住民のアクションによる町の在り方を検討したことにより、住民は新設した複合的な空
間を、自分が建てた家のように愛着を持ち、自分たちの施設として空間を使いこなしている。
そして、『歩いて暮らせる』まちのあちこちで小さな活動が起こり始めている。
1.沼田町農村型コンパクトエコタウン構想

◆団体名 北海道沼田町
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 60 –
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
計画策定に係る住民ワークショップの運営をコミュニティデザイナーに依頼したことにより、町民自らが学び、アクションを
起こすなど住民参加の機運が醸成された。住民ヒアリングやワークショップ、多職種連携ワーキングチームでの意見と庁
内での検討会議により作成した計画案に基づき、町民の合意の下、各施策について実施した。
【設定 KPI】
①診療所の 1 日平均患者数 【H26:84 人 → H30:70 人(補正前 100 人)】
②人口動態における社会増減 【H26:△56 人 → H30:±0 人】
③全人口における活動人口の割合 【H26:約 10% → H30:約 15%】
当モデルケースでは、様々な形で地域社会やまちづくりに関わる町民を 300 人(約 10%)から 500 人(約
15%)にすることで、人と人とがつながり、健康的で魅力的なまちになると考えた。
主な達成状況等は次のとおりで、①人間ドックの拡充や訪問診療など、かかりつけ医として地域に開かれた診療所と
することで、1 日の外来患者数の増加を目標としていたが、数値目標の達成は困難な状況である。一方で人間ドック
や健診の利用数はほぼ目標通り推移している。②社会増減の均衡を目標としていた人口動態については、この 2 年
間は転出者の抑制と転入者の増加の両面で成果が表れた。③活動人口はほぼ横ばいの 10%のままである。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
②は構想の推進による住みやすさの向上や、結婚・子育て・移住定住支援施策の拡充、移住定住支援のための
専門部署の設置によるきめ細やかな対応により、目標値を上回った。③についても祭りや町内会活動への参加度合は
高いため、引き続きまちづくり事業参加へのきっかけづくりを進めていく。
・町民一人ひとりがまちづくりを「自分ごと」としてとらえて地域の一体感をつくり出し、「オールぬまた」で健康で持続可能
なまちづくりを進める。
・コンパクトなまちづくりは市街地だけでなく、生産空間を守るためにも集落地区の緑を含めて一体的な空間として整備
を進める必要があり、ICTなど先進技術も活用した「攻めの農業」を展開していく。
・町内には「雪」「森林」「蛍」「化石」「夜高あんどん祭り」など豊富な資源が点在しており、これらの資源を磨き上げ、つ
なぎ合わせて、魅力発信を進め、将来のまちを担う子どもたちが誇りをもてるまちづくりを進める。
住民参加による、住み慣
れた地域で暮らし続ける
まちづくり
●ワークショップを通してできた住民
チームの活動が、自走しながら新し
くできた空間を使いこなしている
●2 年連続社会増
(H26:△56 人→H30:+16 人)
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
①診療所の 1 日平均患者数(人) ②人口動態における社会増減(人) ③全人口における活動人口の割合(%)
- 57 -
– 59 –
◆団体名 北海道沼田町

沼田町は北海道のほぼ中央、広大な石狩平野の北端に位置し、かつては炭鉱と稲作の町として繁栄してきたが、
昭和 43 年に炭鉱が閉山し、その後稲作中心の農業の町へと転換してきた。
北海道内で最も高齢化率が高い北空知地域は、人口減少・超高齢化社会の先進地と言える。
沼田町でも、人口減少や少子化・超高齢化が進み、また町内の様々な施設が老朽化による建て替えの時期を迎
えている。中でも老朽化した沼田厚生病院は、早急に整備が必要であり、本町にとって医療・福祉体制の見直しが喫
緊の課題となっていた。
そこで1年の約半分は雪で覆われる北国の小規模自治体におい
ても持続可能で、住民が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるた
めに、高齢者が歩いて往復できる距離の中で、医療・介護・予防・
生活支援・住まいを一体的に提供し、来るべき超高齢化社会に備
えるための計画策定を住民参加型で行うこととした。
また、過疎化が進む小規模自治体にとって、地域活性化のため
には、生活の拠点として中心市街地の再生が必要であり、交通・
買い物・起業・雇用・子育て・交流・克雪・再生可能エネルギー
など、全方位的な課題も同時に併せて取り組むこととした。
〇「安心して暮らし続けられるまち」をテーマとして住民からのヒアリングや住民ワークショップを行い、様々な意見を集め、
コミュニティデザインの手法による住民主体のまちづくりを進めた。
〇小規模で雪が多いという地域特性だからこそ、分散型で暮らしていた地域において、病院や福祉、商業の各施設を
高齢者が歩いて移動できる距離である 500m 以内に一体的に集約することで雪国の不安や不便さを解決した。
〇2つの新しい顔である「暮らしの安心センター(医療介護福祉の拠点施設)」と「まちなかほっとタウン(商業コミュ
ニティの中核施設)」の完成と、市街地の主要施設を結ぶ乗合タクシーの運行で、街中に賑わいが戻りつつある。
〇「暮らしの安心センター」では、町民が自由に使えるトレーニング機器やカフェが人気で、様々な活動ができるゆとりあ
る空間では、多世代が日常的に立ち寄れる「まちの縁側」となり、町民が空間を使いこなしている。
〇まちづくり会社が運営する「まちなかほっとタウン」には、スーパーマーケットだけでなく、将来にわたり地域住民の買い物
利便性を向上させるための物産サービスセンターやチャレンジショップ、イベントアトリウムなどを備え、毎日の買い物が楽
しくなるイベントを開催している。
「住む町のことは、住む人が決める」 住民参加の『歩いて暮らせる』まちづくり
全方位的に山積する町の課題を解決するため、構想づくりの段階からワークショップ等の手法で、時間をかけて住民
との対話を重ね、課題を共有し、住民のアクションによる町の在り方を検討したことにより、住民は新設した複合的な空
間を、自分が建てた家のように愛着を持ち、自分たちの施設として空間を使いこなしている。
そして、『歩いて暮らせる』まちのあちこちで小さな活動が起こり始めている。
1.沼田町農村型コンパクトエコタウン構想
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 60 –
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
計画策定に係る住民ワークショップの運営をコミュニティデザイナーに依頼したことにより、町民自らが学び、アクションを
起こすなど住民参加の機運が醸成された。住民ヒアリングやワークショップ、多職種連携ワーキングチームでの意見と庁
内での検討会議により作成した計画案に基づき、町民の合意の下、各施策について実施した。
【設定 KPI】
①診療所の 1 日平均患者数 【H26:84 人 → H30:70 人(補正前 100 人)】
②人口動態における社会増減 【H26:△56 人 → H30:±0 人】
③全人口における活動人口の割合 【H26:約 10% → H30:約 15%】
当モデルケースでは、様々な形で地域社会やまちづくりに関わる町民を 300 人(約 10%)から 500 人(約
15%)にすることで、人と人とがつながり、健康的で魅力的なまちになると考えた。
主な達成状況等は次のとおりで、①人間ドックの拡充や訪問診療など、かかりつけ医として地域に開かれた診療所と
することで、1 日の外来患者数の増加を目標としていたが、数値目標の達成は困難な状況である。一方で人間ドック
や健診の利用数はほぼ目標通り推移している。②社会増減の均衡を目標としていた人口動態については、この 2 年
間は転出者の抑制と転入者の増加の両面で成果が表れた。③活動人口はほぼ横ばいの 10%のままである。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
②は構想の推進による住みやすさの向上や、結婚・子育て・移住定住支援施策の拡充、移住定住支援のための
専門部署の設置によるきめ細やかな対応により、目標値を上回った。③についても祭りや町内会活動への参加度合は
高いため、引き続きまちづくり事業参加へのきっかけづくりを進めていく。
・町民一人ひとりがまちづくりを「自分ごと」としてとらえて地域の一体感をつくり出し、「オールぬまた」で健康で持続可能
なまちづくりを進める。
・コンパクトなまちづくりは市街地だけでなく、生産空間を守るためにも集落地区の緑を含めて一体的な空間として整備
を進める必要があり、ICTなど先進技術も活用した「攻めの農業」を展開していく。
・町内には「雪」「森林」「蛍」「化石」「夜高あんどん祭り」など豊富な資源が点在しており、これらの資源を磨き上げ、つ
なぎ合わせて、魅力発信を進め、将来のまちを担う子どもたちが誇りをもてるまちづくりを進める。
住民参加による、住み慣
れた地域で暮らし続ける
まちづくり
●ワークショップを通してできた住民
チームの活動が、自走しながら新し
くできた空間を使いこなしている
●2 年連続社会増
(H26:△56 人→H30:+16 人)
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
①診療所の 1 日平均患者数(人) ②人口動態における社会増減(人) ③全人口における活動人口の割合(%)
- 58 -
– 61 –
◆団体名 北海道下川町

下川町は、北海道北部にある人口 3,300 人の小さな町である。町の面積は 64,420ha で、全体の約 90%が
森林を占め、恵まれた森林資源と豊かな自然が残されている。
主な産業は農業と林業であるが、農林業ともに高齢化による担い手不足等により、地域の取り巻く環境は厳しさを
増している。
このような状況の中、農業では、研修生のための住宅、高齢農家が地域で安心して居住できる環境や農業技術の
伝承など、地域が連帯して生活できる環境整備に取り組むとともに、林業では、人材確保のための実習等の受入れや
低コストで効率的な林業・林産業の構築、森林バイオマスを活用したエネルギー利用の拡大などに取り組んだ。
【森林総合産業の構築】
・循環型森林経営の確立(60 年サイクルで毎年約 50ha の伐採、植林、育林を実施)
・伐採、造林一貫システムによる森林作業システムの導入 ・高性能林業機械の導入拡大 17 台(5年間)
・木材加工流通施設整備 43 件(5年間)
・林業、林産業人材確保支援事業による人材確保 2 名(H29 年度、H30 年度)
・広葉樹加工流通体制の構築 木工作家3名移住
・森林バイオマス熱電併給プラント(発電出力 1,815kW)の稼働 新規雇用5名
【足腰の強い農業基盤の構築】
・農業研修道場研修カリキュラム作成(H28 年度)
・新規就農研修生受入数2戸4名(H29 年度)→ 本年度、新規就農
・新規就農研修生受入数1戸2名(H30 年度)→ 来年度、新規就農予定
【森林総合産業の構築】
循環型森林経営の基盤の構築や町の独自支援事業として高性能林業機械の導入や木材加工流通施設整備を
促進した効果として、素材供給量が 29,691 ㎥(1.8 倍)、林業・林産業生産額が 28.5 億円(1.1 倍)となっ
た。また、公共施設を中心とした森林バイオマスの熱エネルギー利用の拡大により、町全体の熱エネルギー自給率が
56%(1.1 倍)となった。
【足腰の強い農業基盤の構築】
地域住民や関係機関との連携により、大都市圏で開催される「新農業人フェア」に
出展し、当町で新規就農を志す担い手に対し、受入体制を構築している旨をアピール
してきた結果、平成 29 年、平成 30 年合わせて 3 戸 6 名の農業研修生を確保した。
2.しもかわ経済自立発展モデル ~持続可能な農林総合産業構築による良質なくらしづくり~
◆団体名
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 62 –
◆推進体制
【森林総合産業の構築】
地域林業・林産業関係事業者との地域課題の情報共有や解決に向けて、「下川町林業・林産業研究会」を設
置し、情報交換会や勉強会等を実施している。また、林業・林産業の人材確保に向けて、下川町、旭川農業高等
学校、林野庁上川北部森林管理署、北海道北部森林室の4者で、旭川農業高等学校森林科学科の学生を対
象とした「実習等の連携・協力に関する協定」を締結し、実習等の受入態勢強化に努めている。
【足腰の強い農業基盤の構築】
「下川町地域担い手育成総合支援協議会」内に「下川町新規就農者受入対策部会」を設置し、町が作成した
研修カリキュラムに基づき、2 年間の各種実習や座学等を実施するとともに、町内の様々なコミュニティに参画させる
等、地域ぐるみで農業の担い手を育成できる体制を整備している。
【森林総合産業の構築】
設定KPI①「林業・林産業従事者数の増加」
最終年度の目標人数達成には至らなかっ
たが、全国的な人材不足の中、人材確保の
ための様々な取り組みの実施により、着実な
従事者数の増加に繋がった。
設定KPI②「素材供給量の増加」
循環型森林経営の基盤の構築や町の独
自支援事業として高性能林業機械の導入を
促進した効果として、地域への木材の安定供
給に繋がっている。
設定KPI③「林業・林産業生産額の増加」
町の独自支援事業として木材加工流通施
設整備に対する支援と相まって、効果が現れ
てきている。
289 292 298 299 300 320 320
0
50
100
150
200
250
300
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
◆KPI 設定の工夫・達成状況
【単位:人】
22535 26446
19509
24463
29691 31000
40000
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
45000
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
【単位:㎥/年】
27.6 28.3 29.7 27.9 28.5 29
35
0
5
10
15
20
25
30
35
40
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
【単位:億円/年】
- 59 -
– 61 –
◆団体名 北海道下川町

下川町は、北海道北部にある人口 3,300 人の小さな町である。町の面積は 64,420ha で、全体の約 90%が
森林を占め、恵まれた森林資源と豊かな自然が残されている。
主な産業は農業と林業であるが、農林業ともに高齢化による担い手不足等により、地域の取り巻く環境は厳しさを
増している。
このような状況の中、農業では、研修生のための住宅、高齢農家が地域で安心して居住できる環境や農業技術の
伝承など、地域が連帯して生活できる環境整備に取り組むとともに、林業では、人材確保のための実習等の受入れや
低コストで効率的な林業・林産業の構築、森林バイオマスを活用したエネルギー利用の拡大などに取り組んだ。
【森林総合産業の構築】
・循環型森林経営の確立(60 年サイクルで毎年約 50ha の伐採、植林、育林を実施)
・伐採、造林一貫システムによる森林作業システムの導入 ・高性能林業機械の導入拡大 17 台(5年間)
・木材加工流通施設整備 43 件(5年間)
・林業、林産業人材確保支援事業による人材確保 2 名(H29 年度、H30 年度)
・広葉樹加工流通体制の構築 木工作家3名移住
・森林バイオマス熱電併給プラント(発電出力 1,815kW)の稼働 新規雇用5名
【足腰の強い農業基盤の構築】
・農業研修道場研修カリキュラム作成(H28 年度)
・新規就農研修生受入数2戸4名(H29 年度)→ 本年度、新規就農
・新規就農研修生受入数1戸2名(H30 年度)→ 来年度、新規就農予定
【森林総合産業の構築】
循環型森林経営の基盤の構築や町の独自支援事業として高性能林業機械の導入や木材加工流通施設整備を
促進した効果として、素材供給量が 29,691 ㎥(1.8 倍)、林業・林産業生産額が 28.5 億円(1.1 倍)となっ
た。また、公共施設を中心とした森林バイオマスの熱エネルギー利用の拡大により、町全体の熱エネルギー自給率が
56%(1.1 倍)となった。
【足腰の強い農業基盤の構築】
地域住民や関係機関との連携により、大都市圏で開催される「新農業人フェア」に
出展し、当町で新規就農を志す担い手に対し、受入体制を構築している旨をアピール
してきた結果、平成 29 年、平成 30 年合わせて 3 戸 6 名の農業研修生を確保した。
2.しもかわ経済自立発展モデル ~持続可能な農林総合産業構築による良質なくらしづくり~
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 62 –
◆推進体制
【森林総合産業の構築】
地域林業・林産業関係事業者との地域課題の情報共有や解決に向けて、「下川町林業・林産業研究会」を設
置し、情報交換会や勉強会等を実施している。また、林業・林産業の人材確保に向けて、下川町、旭川農業高等
学校、林野庁上川北部森林管理署、北海道北部森林室の4者で、旭川農業高等学校森林科学科の学生を対
象とした「実習等の連携・協力に関する協定」を締結し、実習等の受入態勢強化に努めている。
【足腰の強い農業基盤の構築】
「下川町地域担い手育成総合支援協議会」内に「下川町新規就農者受入対策部会」を設置し、町が作成した
研修カリキュラムに基づき、2 年間の各種実習や座学等を実施するとともに、町内の様々なコミュニティに参画させる
等、地域ぐるみで農業の担い手を育成できる体制を整備している。
【森林総合産業の構築】
設定KPI①「林業・林産業従事者数の増加」
最終年度の目標人数達成には至らなかっ
たが、全国的な人材不足の中、人材確保の
ための様々な取り組みの実施により、着実な
従事者数の増加に繋がった。
設定KPI②「素材供給量の増加」
循環型森林経営の基盤の構築や町の独
自支援事業として高性能林業機械の導入を
促進した効果として、地域への木材の安定供
給に繋がっている。
設定KPI③「林業・林産業生産額の増加」
町の独自支援事業として木材加工流通施
設整備に対する支援と相まって、効果が現れ
てきている。
289 292 298 299 300 320 320
0
50
100
150
200
250
300
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
◆KPI 設定の工夫・達成状況
【単位:人】
22535 26446
19509
24463
29691 31000
40000
0
5000
10000
15000
20000
25000
30000
35000
40000
45000
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
【単位:㎥/年】
27.6 28.3 29.7 27.9 28.5 29
35
0
5
10
15
20
25
30
35
40
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
【単位:億円/年】
- 60 -
– 63 –
設定KPI④「熱エネルギー自給率」
公共施設を中心とした森林バイオマスの熱
エネルギー利用の拡大により、計画以上の熱
エネルギー自給率の向上に繋がった。
【足腰の強い農業基盤の構築】
設定KPI①「農業生産額」
農業生産額の7割が酪農であり、今後も
生乳生産額の堅調な伸びが期待できる。ま
た、フルーツトマトが普及しており、この品目に
おける生産額の伸びが顕著となった。
設定KPI②「実践農業研修道場門下生の増加」
農業の 6 次産業化に取り組む研修生が一
時増加したが、担い手の減少で近年は減少
傾向にある。
設定KPI③「直売・加工販売額の増加」
1年目と比較して若干減少しているが、町
内農業者グループが地場農産品を原料に生
産する「味噌」等の加工食品が定着、また、と
まとジュースの受託生産・販売については、健
康志向の高まりを背景に安定している。
【単位:%】
49
56 56
40
0 0
10
20
30
40
50
60
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
21 24 26 27 30 27
22
0
5
10
15
20
25
30
35
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
【単位:億円/年】
657
567
486 517 531
313 313
0
100
200
300
400
500
600
700
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
【単位:人/年】
207 208 273 177 180
1,000 1,000
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
【単位:万円/年】
– 64 –
設定KPI④「農業生産法人の増加」
規模拡大による生産性の向上や雇用就農
者の受け皿として、法人化を推進した。
◆地方創生関係交付金等の活用有無
【森林総合産業の構築】
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり
あり
地方創生推進交付金
地方創生推進交付金
1,623
182,286
1/2 以内
1/2 以内
人材育成・確保
高性能林業機械等導入拡大
【足腰の強い農業基盤の構築】
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり
あり
地方創生推進交付金
地方創生拠点整備交付金
1,998
118,534
1/2 以内
1/2 以内
カリキュラム作成委託
集住化住宅、研修施設
1 森林総合産業の構築に向けて、これまでの取り組みを継続しつつ、令和2年度から開校する北海道立北の森
づくり専門学院(旭川市拠点)の実習拠点地域の一つとして下川町が指定されていることから、更なる人材育
成・確保に繋げていくとともに、下川町の SDGs の達成に向けた「2030 年における下川町のありたい姿」の目標
の一つである「エネルギーの地消地産」や「脱炭素社会の構築」に向けて、森林バイオマスを中心とした再生可能
エネルギーの導入を拡大し、林業・林産業や地域経済の活性化に繋げていく。
2 住民アンケートをもとに、農業研修生に農家住宅と農地をセットで譲渡したいとする希望者を対象に新規就農
促進住宅への転居をあらかじめ選定し、それによって空き家・空き地となる場所に 2 年間の研修カリキュラムを終
えた研修生を居ぬきで就農させられるように進めたが、農家住宅と農地を一体で譲渡するケースが無く、農地は確
保したが住宅は農地から離れた場所で確保する例が見られた。今後については、原則、農家住宅と農地が一体
となった物件で模索するよう取り組みたい。
◆今後の展開及び課題
2
3 3
4
7
5 5
0
1
2
3
4
5
6
7
8
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
【単位:法人】
【単位:千円】
【単位:千円】
- 61 -
– 64 –
設定KPI④「農業生産法人の増加」
規模拡大による生産性の向上や雇用就農
者の受け皿として、法人化を推進した。
◆地方創生関係交付金等の活用有無
【森林総合産業の構築】
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり
あり
地方創生推進交付金
地方創生推進交付金
1,623
182,286
1/2 以内
1/2 以内
人材育成・確保
高性能林業機械等導入拡大
【足腰の強い農業基盤の構築】
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり
あり
地方創生推進交付金
地方創生拠点整備交付金
1,998
118,534
1/2 以内
1/2 以内
カリキュラム作成委託
集住化住宅、研修施設
1 森林総合産業の構築に向けて、これまでの取り組みを継続しつつ、令和2年度から開校する北海道立北の森
づくり専門学院(旭川市拠点)の実習拠点地域の一つとして下川町が指定されていることから、更なる人材育
成・確保に繋げていくとともに、下川町の SDGs の達成に向けた「2030 年における下川町のありたい姿」の目標
の一つである「エネルギーの地消地産」や「脱炭素社会の構築」に向けて、森林バイオマスを中心とした再生可能
エネルギーの導入を拡大し、林業・林産業や地域経済の活性化に繋げていく。
2 住民アンケートをもとに、農業研修生に農家住宅と農地をセットで譲渡したいとする希望者を対象に新規就農
促進住宅への転居をあらかじめ選定し、それによって空き家・空き地となる場所に 2 年間の研修カリキュラムを終
えた研修生を居ぬきで就農させられるように進めたが、農家住宅と農地を一体で譲渡するケースが無く、農地は確
保したが住宅は農地から離れた場所で確保する例が見られた。今後については、原則、農家住宅と農地が一体
となった物件で模索するよう取り組みたい。
◆今後の展開及び課題
2
3 3
4
7
5 5
0
1
2
3
4
5
6
7
8
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値) 5年目(当初値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
【単位:法人】
【単位:千円】
【単位:千円】
- 62 -
– 65 –
◆団体名 愛知県北設楽郡設楽町・東栄町・豊根村

北設楽郡(設楽町・東栄町・豊根村)は、愛知県北東部の奥三河地域に位置し、都市部から大きく離れた典
型的な中山間過疎地域で、地域には豊かな自然、先人から受け継がれてきた独自の文化を始めとした魅力のある
資源が多く存在しているが十分活かされているとは言い難く、人口減少や少子高齢化の進展が顕著となっている。
生活・経済の基盤となる道路等の整備は進まず、公共交通は鉄道及び民間会社・町村による路線バス・デマンド
交通によりサービスを維持し、県立高校は
1 カ所、病院は H30 年度に有床診療所と
なり公立診療所 5 カ所体制となった。
中長期的には地域社会の維持が大きな
課題となっている。
(目標)
「住んでよし」「訪れてよし」「移住してよ
し」の魅力的な田舎をつくり出すことで、い
つまでも住み続けられる環境の整備を目
指した。
(施策)
①公共ネットワークの維持
②定住環境の整備
③医療・教育の確保維持
④地域資源の活用による集客経済活性化
⑤地域おこし協力隊の活用
新たに 3 町村で連携し事業を実施。
田口高校でのお仕事フェアの実施<③医療や教育の維持確保>
(経緯)田口高校生及びその保護者、郡内中学生を対象とし、地元企業が出展してPRする事業
(成果)地域企業への就職者も現れている。
※田口高校生の郡内企業への就職者数 H27:0 名、H28:2 名、H29 2 名、H30:3 名
(今後)大学や専門校へ進学する生徒が、卒業後、地元企業も選択肢に入るような施策が必要。
人口減少の要因のうち自然減に歯止めをかけることは難しいため、社会減(転入者増、転出者減)の減少を主要
目標とした。
「住んでよし」「訪れてよし」「移住してよし」の目標達成に向け、3町村が課題を共有し、各町村独自に施策進めつ
つも連携を行った結果、社会減が減少傾向となり「移住定住のホットスポット」との評価もいただいた。
(結果)基準値(H25)59 人→目標値(H30)36 人 実績値(H30):44 人
地域おこし協力隊卒業者が、当地域の豊かな自然を活かした業態(茶の搾油、手作りコスメ、チョウザメ養殖等)で
起業する動きが続いている。
こうした起業を連携させて発展させる仕組みとして県も「okumikawAwake」ブランドを立ち上げた。これにより特産品
を統一イメージで売りだし、誘客促進につなげるような動きへと発展しつつある。
3 町村の企画担当課長会議を中心として、専門的な課題の解決に向け、担当課 H27 地域情報化アドバイザー派
遣制度を利用するなど、外部からのアドバイスをいただきながら検討を進めてきた。
3.「奥三河」北設楽郡 3 町村の強みを活かした「住んでよし」「訪れてよし」の田舎の実現

◆団体名 愛知県北設楽郡設楽町・東栄町・豊根村
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
– 66 –
3町村は、計画当初から今日に至るまで、公共交通や情報基盤整備等に関して抱えている課題を共有し、一体と
なり解決を図っているところである。今後も案件ごとに市町村の強み・弱みをしっかり認識しながら、必要に応じた連携の
仕組みにより効果的な解決を図っていく。
「住んでよし」
3町村で公共交通活性化協議会を設立し、郡内町村間で乗り換えなく運行できるよう利便性向上を図っている。
人口減少に伴い利用が減少傾向にあるため、基幹バスだけでなくデマンド交通と合わせ検討しているところである。
「訪れてよし」
観光面では必要に応じ、3町村で適切なスキームを選択し事業連携を図っており効率的な運営に努めているが、3
町村だけでは観光規模は小さいため、近隣の新城市を含めて共同で(一社)奥三河観光協議会を設立しており、
本協議会を通じて広域的な観光PRを行い、誘客促進を行う。
「移住してよし」
(一社)持続可能な地域社会総合研究所の調査において 30 代女性の定着が高い等の成果が得られ、田園
回帰の流れを捉えられている。今後も地域に愛着を持ち住み続けられるよう、魅力ある地域づくりを展開していく。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
H28 の公共交通網形成計画における計画数値算出方
法変更に伴い目標数値も変更<2.8 人→10.5 人>
年ごとに波はあるが、社会減は抑えられつつある。社
会増の月もあり、一定の効果が表れている。
公的医療機関の数の確保は維持できている。郡内唯
一の病院が診療所となったため、今後、近隣市町の病
院と連携を強化していく。
郡内唯一の高校が、地元の中学生に選ばれる高
校となるよう、地元出身者割合を目標値とした。
地域内経済循環強化のため観光客を呼び込む必要
があった。H27 に目標を達成したため 142 万人に目
標数値を上方修正。
地域おこし協力隊は、地域の活動に重要な役割を
果たしており、今後も定住できる環境を支援する。
- 63 -
– 65 –
◆団体名 愛知県北設楽郡設楽町・東栄町・豊根村

北設楽郡(設楽町・東栄町・豊根村)は、愛知県北東部の奥三河地域に位置し、都市部から大きく離れた典
型的な中山間過疎地域で、地域には豊かな自然、先人から受け継がれてきた独自の文化を始めとした魅力のある
資源が多く存在しているが十分活かされているとは言い難く、人口減少や少子高齢化の進展が顕著となっている。
生活・経済の基盤となる道路等の整備は進まず、公共交通は鉄道及び民間会社・町村による路線バス・デマンド
交通によりサービスを維持し、県立高校は
1 カ所、病院は H30 年度に有床診療所と
なり公立診療所 5 カ所体制となった。
中長期的には地域社会の維持が大きな
課題となっている。
(目標)
「住んでよし」「訪れてよし」「移住してよ
し」の魅力的な田舎をつくり出すことで、い
つまでも住み続けられる環境の整備を目
指した。
(施策)
①公共ネットワークの維持
②定住環境の整備
③医療・教育の確保維持
④地域資源の活用による集客経済活性化
⑤地域おこし協力隊の活用
新たに 3 町村で連携し事業を実施。
田口高校でのお仕事フェアの実施<③医療や教育の維持確保>
(経緯)田口高校生及びその保護者、郡内中学生を対象とし、地元企業が出展してPRする事業
(成果)地域企業への就職者も現れている。
※田口高校生の郡内企業への就職者数 H27:0 名、H28:2 名、H29 2 名、H30:3 名
(今後)大学や専門校へ進学する生徒が、卒業後、地元企業も選択肢に入るような施策が必要。
人口減少の要因のうち自然減に歯止めをかけることは難しいため、社会減(転入者増、転出者減)の減少を主要
目標とした。
「住んでよし」「訪れてよし」「移住してよし」の目標達成に向け、3町村が課題を共有し、各町村独自に施策進めつ
つも連携を行った結果、社会減が減少傾向となり「移住定住のホットスポット」との評価もいただいた。
(結果)基準値(H25)59 人→目標値(H30)36 人 実績値(H30):44 人
地域おこし協力隊卒業者が、当地域の豊かな自然を活かした業態(茶の搾油、手作りコスメ、チョウザメ養殖等)で
起業する動きが続いている。
こうした起業を連携させて発展させる仕組みとして県も「okumikawAwake」ブランドを立ち上げた。これにより特産品
を統一イメージで売りだし、誘客促進につなげるような動きへと発展しつつある。
3 町村の企画担当課長会議を中心として、専門的な課題の解決に向け、担当課 H27 地域情報化アドバイザー派
遣制度を利用するなど、外部からのアドバイスをいただきながら検討を進めてきた。
3.「奥三河」北設楽郡 3 町村の強みを活かした「住んでよし」「訪れてよし」の田舎の実現
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
– 66 –
3町村は、計画当初から今日に至るまで、公共交通や情報基盤整備等に関して抱えている課題を共有し、一体と
なり解決を図っているところである。今後も案件ごとに市町村の強み・弱みをしっかり認識しながら、必要に応じた連携の
仕組みにより効果的な解決を図っていく。
「住んでよし」
3町村で公共交通活性化協議会を設立し、郡内町村間で乗り換えなく運行できるよう利便性向上を図っている。
人口減少に伴い利用が減少傾向にあるため、基幹バスだけでなくデマンド交通と合わせ検討しているところである。
「訪れてよし」
観光面では必要に応じ、3町村で適切なスキームを選択し事業連携を図っており効率的な運営に努めているが、3
町村だけでは観光規模は小さいため、近隣の新城市を含めて共同で(一社)奥三河観光協議会を設立しており、
本協議会を通じて広域的な観光PRを行い、誘客促進を行う。
「移住してよし」
(一社)持続可能な地域社会総合研究所の調査において 30 代女性の定着が高い等の成果が得られ、田園
回帰の流れを捉えられている。今後も地域に愛着を持ち住み続けられるよう、魅力ある地域づくりを展開していく。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
H28 の公共交通網形成計画における計画数値算出方
法変更に伴い目標数値も変更<2.8 人→10.5 人>
年ごとに波はあるが、社会減は抑えられつつある。社
会増の月もあり、一定の効果が表れている。
公的医療機関の数の確保は維持できている。郡内唯
一の病院が診療所となったため、今後、近隣市町の病
院と連携を強化していく。
郡内唯一の高校が、地元の中学生に選ばれる高
校となるよう、地元出身者割合を目標値とした。
地域内経済循環強化のため観光客を呼び込む必要
があった。H27 に目標を達成したため 142 万人に目
標数値を上方修正。
地域おこし協力隊は、地域の活動に重要な役割を
果たしており、今後も定住できる環境を支援する。
- 64 -
– 67 –
◆団体名 京都府京丹後市

京丹後市は、京都北端部の丹後半
島に位置し、 “鳴き砂”で有名な「琴引
浜」やリアス式の海岸線が美しい「丹後
松島」など、風光明媚な地域に溢れ、
「海の京都」の観光地として親しまれてい
る。また古くから、ものづくりに関して高度
な技術を有する地として知られ、全国白
生地生産量の約 6 割を占める「丹後ち
りめん」をはじめ、戦後からは、精密型打
鍛造・鋳造素材加工、精密部品加工
などの機械金属加工業が集積し発展し
てきたまちである。
しかし、人口減少、少子高齢化の進
展により、地場産業・基幹産業の衰退
や地域の人手不足が深刻化しているほか、公共交通についても、少ない需要(利用)の中でその維持を図ることが
大きな課題となっている。
そこで、本市の地域課題解決を図り、持続可能な地域づくりを進めるため、「①グリーン・ウェルネス新公共交通体系
の実現(EV乗合タクシーの積極的導入等)」「②伝統産業の再生と未来型グリーン産業の創造(新シルク産業
の創造)」「③大学連携(地域協働大学法人制度の創設)」等の柱を掲げ、各種事業に取り組む。
○事業者撤退地域においてEV乗合タクシーを運行(3 台のEV車両を導入)
(乗車人数:H27 年度 2,208 人、H28 年度 6,371 人、H29 年度 7,079 人、H30 年度 6,743 人)
○閉校舎を活用して「新シルク産業創造館」を整備し、無菌周年養蚕及び遺伝子組み換え蚕の飼育に係る基礎
研究を大学と連携して実施
(H30 年度には年間約 51 万頭の蚕を飼育し、約 384 ㎏の繭を収穫。平成 28 の施設完成以降収穫・貯蔵
してきた繭を製糸し、約 62 ㎏の生糸を生産。遺伝子組換え蚕約 1 万 8 千頭の試験飼育を実施)
○閉校舎を活用した拠点施設や移動用の電気自転車を整備し、大学生の受け入れを実施
(活動学生数: H27 年度 439 人、H28 年度 1,189 人、H29 年度 1,516 人、H30 年度 1,983 人)
1.グリーン・ウェルネス新公共交通体系の実現(EV乗合タクシーの積極的導入等)
タクシー事業者の撤退地域でEV乗合タクシーを運行することにより、高齢者等の外出機会が増え介護予防や
地域内消費の促進につながったほか、買い物代行や小荷物の輸送サービスといった生活支援、観光客等の駅到着
後の2次交通としても利用され、地域全体の利便性向上につながった。
◆団体名 京都府京丹後市
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
4-1.グリーン・ウェルネス新公共交通体系の構築とそれを核とした
環境調和・健康未来創造スマートコミュニティの実現
– 68 –
2.伝統産業の再生と未来型グリーン産業の創造(新シルク産業の創造)
事業拠点施設における周年養蚕が、量的にも質的にも一定レベルで可能であることを実証し、今後民間事業者
が研究成果を活用したビジネスを行うにあたってのノウハウを確立することができた。
3.大学連携(地域協働大学法人制度の創設)
開始年度からの延べ活動人数は約 5,000 人となっており、30 年度まで年々活動数は増加。継続的取組の中
で、地域組織の立ち上がり、農産品の開発、地域の防災意識の向上、地域の PR 映像の制作、織物業者との協
力したインターンシップの実施や商品開発等の具体的な成果が出てきている。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
産官学金労言の外部委員で構成される推進組織「京丹後市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進委員会」を設置
し、客観的視点により進捗管理を行っているほか、事業者や大学等と密に連携を図り、適宜方向修正を行いながら事
業を推進している。
【設定 KPI】
①公共交通(バス・鉄道等)の利用者数【H26:77 万人→H30:80 万人】
②EV 乗合タクシーの導入数【H26:0 台→H30:6 台】
③EV 自動車用充電施設の設置数【H26:1 箇所→H30:15 箇所】
④太陽光発電箇所数【H26:4 箇所→H30:17 箇所(補正前 15 箇所)】
⑤太陽光発電規模【H26:1,006KW→H30:1,320KW(補正前 1,146.7KW)】
⑥観光入込客数【H26:173 万人→H30:230 万人(補正前 200 万人)】
⑦丹後ちりめん白生地生産数【H26:400 千反→H30:300 千反(補正前 500 千反)】
⑧バイオマス肥料の散布量【H26:5,263 トン→H30:7,000 トン】
⑨ノルディックウォーク教室の開催による受講生の数【H26:801 人→H30:5,000 人】
⑩日常生活における歩数の増加(男性)【H26:5,759 人→H30:6,600 人(補正前 9,000 人)】
⑪日常生活における歩数の増加(女性)【H26:5,781 人→H30:5,800 人(補正前 8,400 人)】
⑫ストレス(不満や悩み、苦労等)を感じた人の減少【H26:64.8%→H30:60%以下】
当モデルケースでは、各種事業の効果、進捗状況を計る観点から 12 の指標を設定し、このうち 5 指標(①④⑨⑪
⑫)について最終目標値を達成した。⑦丹後ちりめん白生地生産数については、和装需要の低下に加え、職人の高
齢化や機械の老朽化等の理由により廃業する織物業者が増加しており、減産となっている。⑧バイオマス肥料の散布
量については、循環型資源利活用を目的として、食品系廃棄物の受け入れ施設におけるバイオガス発電過程で発生
する副産物をバイオマス肥料(液肥)として再利用するものであったが、平成 29 年度に当該施設の廃止が決定し、
肥料の取り扱いは終了することとなった。
グリーン・ウェルネス新公共交
通体系の構築とそれを核とし
た環境調和・健康未来創
造スマートコミュニティの実現
公共交通利用者数の増加:6 万人増
(H26:77 万人→H30:83 万人)
観光入込客数:41 万人増
(H26:173 万人→H30:214 万
人)
◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 65 -
– 67 –
◆団体名 京都府京丹後市

京丹後市は、京都北端部の丹後半
島に位置し、 “鳴き砂”で有名な「琴引
浜」やリアス式の海岸線が美しい「丹後
松島」など、風光明媚な地域に溢れ、
「海の京都」の観光地として親しまれてい
る。また古くから、ものづくりに関して高度
な技術を有する地として知られ、全国白
生地生産量の約 6 割を占める「丹後ち
りめん」をはじめ、戦後からは、精密型打
鍛造・鋳造素材加工、精密部品加工
などの機械金属加工業が集積し発展し
てきたまちである。
しかし、人口減少、少子高齢化の進
展により、地場産業・基幹産業の衰退
や地域の人手不足が深刻化しているほか、公共交通についても、少ない需要(利用)の中でその維持を図ることが
大きな課題となっている。
そこで、本市の地域課題解決を図り、持続可能な地域づくりを進めるため、「①グリーン・ウェルネス新公共交通体系
の実現(EV乗合タクシーの積極的導入等)」「②伝統産業の再生と未来型グリーン産業の創造(新シルク産業
の創造)」「③大学連携(地域協働大学法人制度の創設)」等の柱を掲げ、各種事業に取り組む。
○事業者撤退地域においてEV乗合タクシーを運行(3 台のEV車両を導入)
(乗車人数:H27 年度 2,208 人、H28 年度 6,371 人、H29 年度 7,079 人、H30 年度 6,743 人)
○閉校舎を活用して「新シルク産業創造館」を整備し、無菌周年養蚕及び遺伝子組み換え蚕の飼育に係る基礎
研究を大学と連携して実施
(H30 年度には年間約 51 万頭の蚕を飼育し、約 384 ㎏の繭を収穫。平成 28 の施設完成以降収穫・貯蔵
してきた繭を製糸し、約 62 ㎏の生糸を生産。遺伝子組換え蚕約 1 万 8 千頭の試験飼育を実施)
○閉校舎を活用した拠点施設や移動用の電気自転車を整備し、大学生の受け入れを実施
(活動学生数: H27 年度 439 人、H28 年度 1,189 人、H29 年度 1,516 人、H30 年度 1,983 人)
1.グリーン・ウェルネス新公共交通体系の実現(EV乗合タクシーの積極的導入等)
タクシー事業者の撤退地域でEV乗合タクシーを運行することにより、高齢者等の外出機会が増え介護予防や
地域内消費の促進につながったほか、買い物代行や小荷物の輸送サービスといった生活支援、観光客等の駅到着
後の2次交通としても利用され、地域全体の利便性向上につながった。
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
4-1.グリーン・ウェルネス新公共交通体系の構築とそれを核とした
環境調和・健康未来創造スマートコミュニティの実現
– 68 –
2.伝統産業の再生と未来型グリーン産業の創造(新シルク産業の創造)
事業拠点施設における周年養蚕が、量的にも質的にも一定レベルで可能であることを実証し、今後民間事業者
が研究成果を活用したビジネスを行うにあたってのノウハウを確立することができた。
3.大学連携(地域協働大学法人制度の創設)
開始年度からの延べ活動人数は約 5,000 人となっており、30 年度まで年々活動数は増加。継続的取組の中
で、地域組織の立ち上がり、農産品の開発、地域の防災意識の向上、地域の PR 映像の制作、織物業者との協
力したインターンシップの実施や商品開発等の具体的な成果が出てきている。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
産官学金労言の外部委員で構成される推進組織「京丹後市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進委員会」を設置
し、客観的視点により進捗管理を行っているほか、事業者や大学等と密に連携を図り、適宜方向修正を行いながら事
業を推進している。
【設定 KPI】
①公共交通(バス・鉄道等)の利用者数【H26:77 万人→H30:80 万人】
②EV 乗合タクシーの導入数【H26:0 台→H30:6 台】
③EV 自動車用充電施設の設置数【H26:1 箇所→H30:15 箇所】
④太陽光発電箇所数【H26:4 箇所→H30:17 箇所(補正前 15 箇所)】
⑤太陽光発電規模【H26:1,006KW→H30:1,320KW(補正前 1,146.7KW)】
⑥観光入込客数【H26:173 万人→H30:230 万人(補正前 200 万人)】
⑦丹後ちりめん白生地生産数【H26:400 千反→H30:300 千反(補正前 500 千反)】
⑧バイオマス肥料の散布量【H26:5,263 トン→H30:7,000 トン】
⑨ノルディックウォーク教室の開催による受講生の数【H26:801 人→H30:5,000 人】
⑩日常生活における歩数の増加(男性)【H26:5,759 人→H30:6,600 人(補正前 9,000 人)】
⑪日常生活における歩数の増加(女性)【H26:5,781 人→H30:5,800 人(補正前 8,400 人)】
⑫ストレス(不満や悩み、苦労等)を感じた人の減少【H26:64.8%→H30:60%以下】
当モデルケースでは、各種事業の効果、進捗状況を計る観点から 12 の指標を設定し、このうち 5 指標(①④⑨⑪
⑫)について最終目標値を達成した。⑦丹後ちりめん白生地生産数については、和装需要の低下に加え、職人の高
齢化や機械の老朽化等の理由により廃業する織物業者が増加しており、減産となっている。⑧バイオマス肥料の散布
量については、循環型資源利活用を目的として、食品系廃棄物の受け入れ施設におけるバイオガス発電過程で発生
する副産物をバイオマス肥料(液肥)として再利用するものであったが、平成 29 年度に当該施設の廃止が決定し、
肥料の取り扱いは終了することとなった。
グリーン・ウェルネス新公共交
通体系の構築とそれを核とし
た環境調和・健康未来創
造スマートコミュニティの実現
公共交通利用者数の増加:6 万人増
(H26:77 万人→H30:83 万人)
観光入込客数:41 万人増
(H26:173 万人→H30:214 万
人)
◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 66 -
– 69 –
①公共交通(バス・鉄道等)の利用者数(人) ②EV 乗合タクシーの導入数(台) ③EV 自動車用充電施設の設置数(箇所)
④太陽光発電箇所数(箇所) ⑤太陽光発電規模(KW) ⑥観光入込客数(万人)
⑦丹後ちりめん白生地生産数(千反) ⑧バイオマス肥料の散布量(トン) ⑨ノルディックウォーク教室の開催による受講生の数
( )
⑩日常生活における歩数の増加・男性(歩) ⑪日常生活における歩数の増加・女性(歩) ⑫ストレス(不満や悩み、苦労等)を感じた人の
減少(%以下)
– 70 –
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①利用上限 200 円バスや高齢者片道 200 円レール等の利用促進策とあわせ、EV 乗合タクシーの運行やバスの路
線延伸等により公共交通網の確保に努め、最終目標を達成した。
⑥タクシー空白地であった久美浜町及び網野町において、EV 乗合タクシーを導入して以降、それが刺激となって同地
域に民間タクシーも復活し、相互に補完しながら運行サービスを行っている状況であり、観光客の利便性向上につな
がっている。
⑨⑪スポーツ推進員によるノルディック・ウォーキング講習会や運動を始めるきっかけづくりとしてのウォーキングイベントの
開催など、その普及に努めており、成果が上がっている。
⑫地域のサロンや世代間交流などにより、ふれあいや仲間づくりの場の充実を図るとともに、悩みを抱えた人の居場所
事業、相談事業の実施、相談窓口などの情報提供を行っている。
◆地方創生関係交付金等の活用有無
※事業費は H26,H27 地域再生戦略交付金活用分のみ
1.グリーン・ウェルネス新公共交通体系の実現(EV乗合タクシーの積極的導入等)
EV乗合タクシーの取組については、公共交通空白地の解消、高齢者の外出支援による介護予防や生活支援を
目指したものであったが、地元NPO法人による自家用車を活用した新たな輸送モデルができたほか、タクシー事業者
撤退地域に民間タクシーが復活するなど、業界の活性化につながっている。
2.大学連携(地域協働大学法人制度の創設)
夢まち創り大学の取組により、地域住民の地域課題解決に向けた意識の醸成が進みつつあり、将来的には、取組
を通じて移住・定住促進や継続的な地域づくりにつながることを期待している。今後は、インターンシップ等大学の専門
性を活かした連携が必要である。
3.伝統産業の再生と未来型グリーン産業の創造(新シルク産業の創造)
新シルク産業の創造に関しては、無菌周年養蚕技術による繭の量産化に係る基礎研究について、平成 30 年度に
おいて一定の成果が得られたものとし、今後その技術を活用した民間ベースでのビジネスにつなげるべく、民間事業者が
新シルク産業創造館を拠点として事業に参画できるような制度設計を進める必要がある。なお、平成 30 年度に生産
した生糸は市内の織物事業者に試作品の材料として提供しており、令和元年の秋頃には試作品が完成する見込み
であり、完成した試作品は商談会や展示会において丹後ちりめんのプロモーション活動に活用する予定としている。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり ・ なし
京丹後市
地域再生
戦略事業
454,769,000 円 1/2
1/3
①EV 乗合タクシー運行事業
充電ステーションの整備、運行事業者への車両購入支
援等
②新シルク産業創造事業
拠点施設の整備、大学や事業者等と連携した事業推
進体制の構築
③京丹後市夢まちづくり大学事業
拠点施設の整備、コーディネーターの配置等
◆今後の展開及び課題
- 67 -
– 69 –
①公共交通(バス・鉄道等)の利用者数(人) ②EV 乗合タクシーの導入数(台) ③EV 自動車用充電施設の設置数(箇所)
④太陽光発電箇所数(箇所) ⑤太陽光発電規模(KW) ⑥観光入込客数(万人)
⑦丹後ちりめん白生地生産数(千反) ⑧バイオマス肥料の散布量(トン) ⑨ノルディックウォーク教室の開催による受講生の数
( )
⑩日常生活における歩数の増加・男性(歩) ⑪日常生活における歩数の増加・女性(歩) ⑫ストレス(不満や悩み、苦労等)を感じた人の
減少(%以下)
– 70 –
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①利用上限 200 円バスや高齢者片道 200 円レール等の利用促進策とあわせ、EV 乗合タクシーの運行やバスの路
線延伸等により公共交通網の確保に努め、最終目標を達成した。
⑥タクシー空白地であった久美浜町及び網野町において、EV 乗合タクシーを導入して以降、それが刺激となって同地
域に民間タクシーも復活し、相互に補完しながら運行サービスを行っている状況であり、観光客の利便性向上につな
がっている。
⑨⑪スポーツ推進員によるノルディック・ウォーキング講習会や運動を始めるきっかけづくりとしてのウォーキングイベントの
開催など、その普及に努めており、成果が上がっている。
⑫地域のサロンや世代間交流などにより、ふれあいや仲間づくりの場の充実を図るとともに、悩みを抱えた人の居場所
事業、相談事業の実施、相談窓口などの情報提供を行っている。
◆地方創生関係交付金等の活用有無
※事業費は H26,H27 地域再生戦略交付金活用分のみ
1.グリーン・ウェルネス新公共交通体系の実現(EV乗合タクシーの積極的導入等)
EV乗合タクシーの取組については、公共交通空白地の解消、高齢者の外出支援による介護予防や生活支援を
目指したものであったが、地元NPO法人による自家用車を活用した新たな輸送モデルができたほか、タクシー事業者
撤退地域に民間タクシーが復活するなど、業界の活性化につながっている。
2.大学連携(地域協働大学法人制度の創設)
夢まち創り大学の取組により、地域住民の地域課題解決に向けた意識の醸成が進みつつあり、将来的には、取組
を通じて移住・定住促進や継続的な地域づくりにつながることを期待している。今後は、インターンシップ等大学の専門
性を活かした連携が必要である。
3.伝統産業の再生と未来型グリーン産業の創造(新シルク産業の創造)
新シルク産業の創造に関しては、無菌周年養蚕技術による繭の量産化に係る基礎研究について、平成 30 年度に
おいて一定の成果が得られたものとし、今後その技術を活用した民間ベースでのビジネスにつなげるべく、民間事業者が
新シルク産業創造館を拠点として事業に参画できるような制度設計を進める必要がある。なお、平成 30 年度に生産
した生糸は市内の織物事業者に試作品の材料として提供しており、令和元年の秋頃には試作品が完成する見込み
であり、完成した試作品は商談会や展示会において丹後ちりめんのプロモーション活動に活用する予定としている。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり ・ なし
京丹後市
地域再生
戦略事業
454,769,000 円 1/2
1/3
①EV 乗合タクシー運行事業
充電ステーションの整備、運行事業者への車両購入支
援等
②新シルク産業創造事業
拠点施設の整備、大学や事業者等と連携した事業推
進体制の構築
③京丹後市夢まちづくり大学事業
拠点施設の整備、コーディネーターの配置等
◆今後の展開及び課題
- 68 -
– 71 –
◆団体名 京都府宮津市

宮津市は京都府北部に位置し、日本三景天橋立に象徴される豊かな自然と優れた歴史文化に恵まれた観光交流都市
である。
人口減少・高齢化が昭和 50 年代より継続しており、人口が最も多かった昭和 30 年から 49%も減少し、高齢化率も
40%となっている。その結果、地域の産業・経済の衰退に歯止めがかからない状況である。
宮津市における地域課題解決のため、「竹資源のカスケード利用によるビジネスモデルの構築」に取組んできた。

○竹資源の管理組織の強化
○竹材の搬出コスト削減(竹の買取制度の創設、4 年間で 860tを買取り)
○地域共同による竹林・森林の多面的機能の発揮のための活動を通じた地域の活性化(地域竹林整備隊登録制
度を創設、個人 42 人、団体 1、法人 5 社が登録)
○竹の連続炭化装置の研究開発
1.伐採から加工・販売の仕組みを構築
民間事業者の運営による伐採(買取)・一次加工・販売の一連の仕組みを構築した。
2.竹関連企業の立地
竹の連続炭化装置の開発に成功し、製造工場を立地した。製造された竹炭は海外の家電、国内外の自動車の
タッチパネル等に採用された。また、キャパシタの事業化に向け開発を行っている。
3.民間事業への移行
竹を集積する竹資源管理センターの管理運営を民間事業者に移行し、竹資源のカスケード利用によるビジネスモ
デルを構築することができた。
◆関連する地域波及効果
4-2.竹を資源として活用した里山経済圏形成モデルプロジェクト
竹を資源として活用した里山
経済圏形成モデルプロジェクト
多くの企業・団体と連携することで、
他の資源活用の取組みにも繋がった
オリーブ栽培(植栽本数)
2,635 本
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 72 –
◆推進体制
○それぞれ独立した取組であり、推進組織は存在しないが、
様々な事業主体の連携により取組が進められている。
【設定 KPI】(H26 → H30)
①宮津竹産業創出コンソーシアムの形成【研究者・企業の集積 9 団体 → 52 団体】
②竹資源の管理組織の強化
③竹材搬出コスト削減【コスト削減 20 円/㎏ → 7 円/㎏】
④地域共同による竹林・森林の多面的機能の発揮のための活動を通じた地域の活性化
⑤竹表皮に含まれるモウソウチク抽出物を活用した「衛生製剤」「食品添加物」の製造・販売
⑥竹繊維を活用した建築資材等の製造販売
⑦竹チップを活用する木質等バイオマスボイラーの導入
⑧バデオールパウダー(乾留処理を施した竹粉末)を活用した鮮度保持包装資材等の研究開発
⑨竹の連続炭化装置の研究開発
⑩竹粉を活用した肥料の製造・販売及び農作物のブランド化
⑪バイオプラスチック建材の研究開発
⑫廃校を利用した竹の学校の整備【人材育成 5 人 → 47 人】
【②④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪の出荷額 0 円 → 3,511 万円】
【KPI 達成のプロセスやポイント】
○ ①②③④⑫については、供給・一次加工の体制が構築できた。
○ ⑨については、新たな竹炭の活用について研究開発を実施している。
○ ⑤については、マレーシアでの生産を開始した。
○ ⑥⑦⑧⑩⑪について、当初計画していた事業者は事業化を断念、
1.竹の搬出コストの削減
竹の買取制度の活用、地域竹林整備の活動強化
2.竹関連企業の誘致、関連商品の販路拡大
竹炭・飼料の販路拡大、成分抽出による商品開発
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり ・ なし
宮津市地域再
生戦略事業 53,836,000 円 1/2
①「山」放置竹林の課題解決と竹資源の有効活用ビジネスモデル
の構築から事業化
・連続炭化装置の研究
海・里・山の地域
資源を活用した里
山経済圏形成事

3,203,000 円 1/2
②地域における地域竹林整備隊の編成と竹の間伐・搬出・収集シ
ステムの構築
・竹林整備隊の編成
◆今後の展開及び課題
◆地方創生関係交付金等の活用有無
◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 69 -
– 71 –
◆団体名 京都府宮津市

宮津市は京都府北部に位置し、日本三景天橋立に象徴される豊かな自然と優れた歴史文化に恵まれた観光交流都市
である。
人口減少・高齢化が昭和 50 年代より継続しており、人口が最も多かった昭和 30 年から 49%も減少し、高齢化率も
40%となっている。その結果、地域の産業・経済の衰退に歯止めがかからない状況である。
宮津市における地域課題解決のため、「竹資源のカスケード利用によるビジネスモデルの構築」に取組んできた。

○竹資源の管理組織の強化
○竹材の搬出コスト削減(竹の買取制度の創設、4 年間で 860tを買取り)
○地域共同による竹林・森林の多面的機能の発揮のための活動を通じた地域の活性化(地域竹林整備隊登録制
度を創設、個人 42 人、団体 1、法人 5 社が登録)
○竹の連続炭化装置の研究開発
1.伐採から加工・販売の仕組みを構築
民間事業者の運営による伐採(買取)・一次加工・販売の一連の仕組みを構築した。
2.竹関連企業の立地
竹の連続炭化装置の開発に成功し、製造工場を立地した。製造された竹炭は海外の家電、国内外の自動車の
タッチパネル等に採用された。また、キャパシタの事業化に向け開発を行っている。
3.民間事業への移行
竹を集積する竹資源管理センターの管理運営を民間事業者に移行し、竹資源のカスケード利用によるビジネスモ
デルを構築することができた。
◆関連する地域波及効果
4-2.竹を資源として活用した里山経済圏形成モデルプロジェクト
竹を資源として活用した里山
経済圏形成モデルプロジェクト
多くの企業・団体と連携することで、
他の資源活用の取組みにも繋がった
オリーブ栽培(植栽本数)
2,635 本
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 72 –
◆推進体制
○それぞれ独立した取組であり、推進組織は存在しないが、
様々な事業主体の連携により取組が進められている。
【設定 KPI】(H26 → H30)
①宮津竹産業創出コンソーシアムの形成【研究者・企業の集積 9 団体 → 52 団体】
②竹資源の管理組織の強化
③竹材搬出コスト削減【コスト削減 20 円/㎏ → 7 円/㎏】
④地域共同による竹林・森林の多面的機能の発揮のための活動を通じた地域の活性化
⑤竹表皮に含まれるモウソウチク抽出物を活用した「衛生製剤」「食品添加物」の製造・販売
⑥竹繊維を活用した建築資材等の製造販売
⑦竹チップを活用する木質等バイオマスボイラーの導入
⑧バデオールパウダー(乾留処理を施した竹粉末)を活用した鮮度保持包装資材等の研究開発
⑨竹の連続炭化装置の研究開発
⑩竹粉を活用した肥料の製造・販売及び農作物のブランド化
⑪バイオプラスチック建材の研究開発
⑫廃校を利用した竹の学校の整備【人材育成 5 人 → 47 人】
【②④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪の出荷額 0 円 → 3,511 万円】
【KPI 達成のプロセスやポイント】
○ ①②③④⑫については、供給・一次加工の体制が構築できた。
○ ⑨については、新たな竹炭の活用について研究開発を実施している。
○ ⑤については、マレーシアでの生産を開始した。
○ ⑥⑦⑧⑩⑪について、当初計画していた事業者は事業化を断念、
1.竹の搬出コストの削減
竹の買取制度の活用、地域竹林整備の活動強化
2.竹関連企業の誘致、関連商品の販路拡大
竹炭・飼料の販路拡大、成分抽出による商品開発
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり ・ なし
宮津市地域再
生戦略事業 53,836,000 円 1/2
①「山」放置竹林の課題解決と竹資源の有効活用ビジネスモデル
の構築から事業化
・連続炭化装置の研究
海・里・山の地域
資源を活用した里
山経済圏形成事

3,203,000 円 1/2
②地域における地域竹林整備隊の編成と竹の間伐・搬出・収集シ
ステムの構築
・竹林整備隊の編成
◆今後の展開及び課題
◆地方創生関係交付金等の活用有無
◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 70 -
– 73 –
◆団体名 島根県海士町ほか

島根県隠岐諸島に位置する離島である海士町は、2004 年に就任した山内道雄前町長の下で、「自立・挑戦・
交流」を町の経営方針として、産業振興や教育魅力化に取り組み、地方創生の代表事例のひとつと言われることも多
い。
持続可能な地域づくりを牽引する意気込みで町づくりに挑戦中。
MC で報告した 4 本柱は、現在次のような形で発展している。
(1) 高校の魅力化
平成 29 年に発足した一般財団法人地域・教育魅力化プラットフ
ォームにより、同等の仕組みが「地域みらい留学」として、26 道県
55 校で、同様の取組みが実施されている。
(2) 海士町モデルを広げる大学
JICA 研修、地方創生実践塾、埼玉県町村会研修など、海士町
モデルを学ぶ研修の種類・回数が増大。
(3) 暮らし方・働き方のリデザイン
平成 30 年 5 月 31 日に就任した大江町長は、これまでの海士
町経営方針「自立・挑戦・交流」に、「継承・団結」という方針を追
加し、経済効率ではなく、文化伝統の重視、移住者・地元民・老
若男女すべてが一丸になって海士町民として幸福に過ごせるように
取り組んでいる。 (教育魅力化の全国展開状況)
5.持続可能な未来をつくる『学びの島』
◆団体名 島根県海士町ほか
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 74 –
(4) 循環型 6 次産業とエネルギー自給
農家が隠岐牛を肥育している畜産関係者に、藁や牧草地を無償提供し、畜産関係者からは堆肥として農家
に無償提供するといった連携も始まっている。エネルギー自給に向けては、中国電力と連携して、「隠岐ハイブリ
ットプロジェクト」の実証実験も行うなど、各種の取り組みを実践した。
当初は、教育魅力化、商品開発、移住者増に
向けた各種施策など、それぞれの取組みの相乗効
果により、人口の維持・増加、出生者数の増加、
新規事業者数の増加への貢献がなされている要
因分析をして、「学び」という括りで整理するビジネ
スモデルとして、他の地域などへの横展開につなげ
る方法を検討した。
海士町独自の手法を横展開することは、これま
でも多くの自治体が試みたものの容易ではないた
め、有識者からのアドバイスを参考に、住民を置き
去りにしない「双方向の『学びの島』プログラム」を
つくりあげることで、同様の取り組みを海士町内で
の他の集落でも再現できることが確認できた。これ
からは、他の自治体への横展開も期待できる。
学びのプログラムとしては、地域住民と打合せや
懇親会を重ねて関係づくりを行い、研修内容を話
し合うことで、役場が依頼していないものの地域住
民により自発的にウェルカムボード(写真右上)
がつくられ、地域の高齢者がブータン人の発表
(写真右中)を聞くために参加し、帰りのフェリー
に漁船で併走(写真右下)して見送りをするな
ど、住民の主体性と心意気が伝わる展開になった。
◆関連する地域波及効果
研修プログラムづくりにおいては、集落の区長、公民館長、住民らと、何度も意見交換を重ねていくため、役場職員
と地域住民との良好な関係構築に大きく貢献をしている。そうしたプログラムを実施したことが、他の集落でも話題とな
り、「双方向の『学びの島』プログラム」を実施する集落が増え、ますます役場、民間企業、住民の関係性の向上に寄
与している。
◆プロジェクトのアピールポイント
双方向「学びの島」研
修プログラム(JICA、
地方創生実践塾等)
集落住民の参加率:8 割
研修参加者の満足度:9割
ゼロだった研修実施集
落が、5 集落に増大。他
地区からの期待も大きい。
- 71 -
– 73 –
◆団体名 島根県海士町ほか

島根県隠岐諸島に位置する離島である海士町は、2004 年に就任した山内道雄前町長の下で、「自立・挑戦・
交流」を町の経営方針として、産業振興や教育魅力化に取り組み、地方創生の代表事例のひとつと言われることも多
い。
持続可能な地域づくりを牽引する意気込みで町づくりに挑戦中。
MC で報告した 4 本柱は、現在次のような形で発展している。
(1) 高校の魅力化
平成 29 年に発足した一般財団法人地域・教育魅力化プラットフ
ォームにより、同等の仕組みが「地域みらい留学」として、26 道県
55 校で、同様の取組みが実施されている。
(2) 海士町モデルを広げる大学
JICA 研修、地方創生実践塾、埼玉県町村会研修など、海士町
モデルを学ぶ研修の種類・回数が増大。
(3) 暮らし方・働き方のリデザイン
平成 30 年 5 月 31 日に就任した大江町長は、これまでの海士
町経営方針「自立・挑戦・交流」に、「継承・団結」という方針を追
加し、経済効率ではなく、文化伝統の重視、移住者・地元民・老
若男女すべてが一丸になって海士町民として幸福に過ごせるように
取り組んでいる。 (教育魅力化の全国展開状況)
5.持続可能な未来をつくる『学びの島』
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 74 –
(4) 循環型 6 次産業とエネルギー自給
農家が隠岐牛を肥育している畜産関係者に、藁や牧草地を無償提供し、畜産関係者からは堆肥として農家
に無償提供するといった連携も始まっている。エネルギー自給に向けては、中国電力と連携して、「隠岐ハイブリ
ットプロジェクト」の実証実験も行うなど、各種の取り組みを実践した。
当初は、教育魅力化、商品開発、移住者増に
向けた各種施策など、それぞれの取組みの相乗効
果により、人口の維持・増加、出生者数の増加、
新規事業者数の増加への貢献がなされている要
因分析をして、「学び」という括りで整理するビジネ
スモデルとして、他の地域などへの横展開につなげ
る方法を検討した。
海士町独自の手法を横展開することは、これま
でも多くの自治体が試みたものの容易ではないた
め、有識者からのアドバイスを参考に、住民を置き
去りにしない「双方向の『学びの島』プログラム」を
つくりあげることで、同様の取り組みを海士町内で
の他の集落でも再現できることが確認できた。これ
からは、他の自治体への横展開も期待できる。
学びのプログラムとしては、地域住民と打合せや
懇親会を重ねて関係づくりを行い、研修内容を話
し合うことで、役場が依頼していないものの地域住
民により自発的にウェルカムボード(写真右上)
がつくられ、地域の高齢者がブータン人の発表
(写真右中)を聞くために参加し、帰りのフェリー
に漁船で併走(写真右下)して見送りをするな
ど、住民の主体性と心意気が伝わる展開になった。
◆関連する地域波及効果
研修プログラムづくりにおいては、集落の区長、公民館長、住民らと、何度も意見交換を重ねていくため、役場職員
と地域住民との良好な関係構築に大きく貢献をしている。そうしたプログラムを実施したことが、他の集落でも話題とな
り、「双方向の『学びの島』プログラム」を実施する集落が増え、ますます役場、民間企業、住民の関係性の向上に寄
与している。
◆プロジェクトのアピールポイント
双方向「学びの島」研
修プログラム(JICA、
地方創生実践塾等)
集落住民の参加率:8 割
研修参加者の満足度:9割
ゼロだった研修実施集
落が、5 集落に増大。他
地区からの期待も大きい。
- 72 -
– 75 –
◆推進体制
本地域活性化 MC 事業による効果発現もひとつの要因として、平成 31 年 4 月 1 日より、役場に「人づくり特命
担当課」を設置し、「教育×福祉」、「育児×漁業」など、役場内外の組織横断的な取り組みを支援中。
当初は、教育魅力化、商品開発、起業する会社数、移住者増に向けた各種施策(Plan)などにより、人口の維
持・増加、出生者数の増加、新規事業者数の増加への貢献といった数値を KPI として設定した。
しかしながら、「商品開発をして、売り上げが増加したことで、海士町内の雇用や人口が増えた」というような KPI の
設定では、売り上げが減少すれば、人口が減少するリスクは常に伴ってくる。全国的に人口減少をしている中で、他地
域から人口の奪い合いをするような KPI や出産を奨励するような KPI は、海士町のような地域には馴染みにくい指標
とも考えらえる。
KPI は、PDCA の P である「総合振興計画」といった計画の進捗管理をする客観的な指標である。VUCA と言わ
れる不確定な現代では、町づくりの取組みを計画に拘って実施することは、極めて困難とも思われる。
そのため、PDCA という枠組みから、OODA ループで対応していくほうが、町づくりに有効と考えた。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
– 76 –
これまでの海士町の取組みは、「社会の期待を背負った未来実験・挑戦」を行っており、その魅力に人が惹きつけら
れ、各種の挑戦を行うことができたと考えている。
実際、海士町を応援してくれる外部団体(中央省庁、島根県、埼玉県、JICA、島根大学、島根県立大学等)
とつながり、「いつまでも暮らしたい故郷・海士町」としての魅力を、「学び」という観点で横串をさして考えてみた。その結
果、外部団体などと学び合う中で町民との関係の質が向上し、居心地の良い地域、持続可能な未来を築くことにつな
がった。
人口は結果論と考えている。合理性を超えて、海士町の発展に貢献してくれる「濃厚な関係人口数」を、町の経営
資源にしていくことを心掛けていく。
こうした挑戦を実現する要素は、次の 4 点と考えており、これらが、今後の町づくりの KPI になると推察する。これらは
数値化しない、数値化できない KPI と言えるかも知れない。
(1)首長・行政のリーダーシップの強さ。
(2)よそ者、若者、馬鹿者(イノベーター)を徹底的に期待する熱量。
(3)意志あるよそ者が、次の意志あるよそ者を連れてくる、交流の連鎖が続いている状況。
(4)官、民の区別がない、一島まるごと「海士未来実験株式会社」といった意識を持つ住民数。
◆今後の展開及び課題
- 73 -
– 76 –
これまでの海士町の取組みは、「社会の期待を背負った未来実験・挑戦」を行っており、その魅力に人が惹きつけら
れ、各種の挑戦を行うことができたと考えている。
実際、海士町を応援してくれる外部団体(中央省庁、島根県、埼玉県、JICA、島根大学、島根県立大学等)
とつながり、「いつまでも暮らしたい故郷・海士町」としての魅力を、「学び」という観点で横串をさして考えてみた。その結
果、外部団体などと学び合う中で町民との関係の質が向上し、居心地の良い地域、持続可能な未来を築くことにつな
がった。
人口は結果論と考えている。合理性を超えて、海士町の発展に貢献してくれる「濃厚な関係人口数」を、町の経営
資源にしていくことを心掛けていく。
こうした挑戦を実現する要素は、次の 4 点と考えており、これらが、今後の町づくりの KPI になると推察する。これらは
数値化しない、数値化できない KPI と言えるかも知れない。
(1)首長・行政のリーダーシップの強さ。
(2)よそ者、若者、馬鹿者(イノベーター)を徹底的に期待する熱量。
(3)意志あるよそ者が、次の意志あるよそ者を連れてくる、交流の連鎖が続いている状況。
(4)官、民の区別がない、一島まるごと「海士未来実験株式会社」といった意識を持つ住民数。
◆今後の展開及び課題
- 74 -
– 77 –
◆団体名 岡山県真庭市

真庭市は、岡山県北部で中国山地のほぼ中央に位置し、東西に約 30km、南北に約 50km、総面積は 828
㎢の中山間地域。市の北部は、「国立公園 蒜山(ひるぜん)」で、牧歌的な高原風景を醸し出している。また、「美
作三湯」の一つである湯原温泉などの多くの観光資源がある。
広大な面積を持つ真庭市は、多彩な地域資源を活かし、環境の保全、エネルギーや経済の地域内循環、自然共
生、農林畜産業の活性化等を図り、持続可能性の高い地域形成に貢献しようとする「価値観」「暮らし方」「働き方」
などを「真庭ライフスタイル」と呼び、その実現を通じた交流拡大と定住促進を達成することにより、自律的好循環が生
まれ中山間地域の永続的発展のモデルになると考える。
「半農半 X」の生き方の提案
取 組 成 果
真庭なりわい塾
・延べ 67 名が「田舎暮らしの作法」を学び、うち 6 名が真庭市に移住。
・実践講座・・・空き家調査の実施。地域サロン「えがお商店」を開設。
・取組を行った中和地域において、平成 30 年度は社会動態が増となった。
真庭起農スクール ・都市圏から延べ 90 名が参加し、うち7名が真庭市へ移住、うち5名が就農。
「真庭ライフスタイル」を実現するために行ってきた取組が評価され、「SDGs未来都市」や「地域循環共生圏づく
りプラットフォームの構築に向けた地域循環共生圏の創造に取り組む活動団体」に選定されたことなどによって、都市部
でも広く真庭市が知られるようになった。その中で、なりわい塾や真庭市交流定住センター等が中心となってシティプロモ
ーションを行うことで、移住者や関係人口の獲得につながる大きな効果が出た。
◆関連する地域波及効果
6.循環型の地域づくりを通じた「真庭ライフスタイル」の構築と交流・定住の促進
◆団体名
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
真庭なりわい塾(中和地域)
定住人口:6 人増、交流人口:10 人増
真庭なりわい塾の拡大 1 地域(北房地域)
– 78 –
意欲と可能性を秘めた外部人材との交流により、地元住民も地域の魅力を再発見するなど、地域を担う人材育成
にもつながっている。また、地域づくりの取組が、市全域に波及し地域資源を活用した商品開発など様々な取組に発
展している。
◆推進体制
◆地方創生関係交付金等の活用有無(有る場合は事業名)主なもの
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり 廃校を活用した6次産業
化拠点施設整備事業
29,776
千円
1/2 地域資源を活かした 2 事業者が
新たにでき、事業推進体制が整っ
た。
森林資源を始めとする豊富な地域自然資源を最大限活用しつつ、CLT の普及促進や広葉樹の活用としてチップ化及
びその販路拡大、木質バイオマス発電や小水力発電など環境保全と経済循環の両立、さらに再生可能エネルギー自
給率 100%を目指しつつ、地域マイクログリッド構築などを行っていく。また、有機性廃棄物の資源化も本格的に着手
し、バイオ液肥とスマート農業、さらに海との連携による牡蠣殻を土壌改良材として利用して栽培した「里海米」など、
SDGs の理念に沿って施策を実施し、「真庭ライフスタイル」の実現に向けより一層取り組み、循環型社会の中山間モ
デルとして広くプロモーションを行うことで、交流人口・定住人口につなげていく。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
地域おこし協力隊や集落支援員の活動拠点となる「真庭
市交流定住センター」は、市の中心部に設置される交流・定
住推進の拠点である。市内に7つある各振興局の職員を
「地域振興主管」として指定。
これにより、広い市域を有する本市において全市的な協働
体制の構築を図るとともに、それぞれ特性を有する各地域に
密着した交流・定住推進施策の推進を図っている。
◆今後の展開及び課題
地域支援・移住相談・地域振興プロジェクト等の推進のた
め、地域おこし協力隊員や地域振興主管等が協力し地域情
報を一元化するため、地域自主組織単位で地域カルテ作成
を予定していたが、地域課題が共通で支え合いや活動の範囲
として多く見受けられるのは小学校単位であるという気付きか
ら、地域づくりの単位を小学校単位(通称:邑づくり会議)
に変更し、あわせて地域カルテの作成単位も変更(目標値
126 件→20 件。実績値 20 件)。
- 75 -
– 77 –
◆団体名 岡山県真庭市

真庭市は、岡山県北部で中国山地のほぼ中央に位置し、東西に約 30km、南北に約 50km、総面積は 828
㎢の中山間地域。市の北部は、「国立公園 蒜山(ひるぜん)」で、牧歌的な高原風景を醸し出している。また、「美
作三湯」の一つである湯原温泉などの多くの観光資源がある。
広大な面積を持つ真庭市は、多彩な地域資源を活かし、環境の保全、エネルギーや経済の地域内循環、自然共
生、農林畜産業の活性化等を図り、持続可能性の高い地域形成に貢献しようとする「価値観」「暮らし方」「働き方」
などを「真庭ライフスタイル」と呼び、その実現を通じた交流拡大と定住促進を達成することにより、自律的好循環が生
まれ中山間地域の永続的発展のモデルになると考える。
「半農半 X」の生き方の提案
取 組 成 果
真庭なりわい塾
・延べ 67 名が「田舎暮らしの作法」を学び、うち 6 名が真庭市に移住。
・実践講座・・・空き家調査の実施。地域サロン「えがお商店」を開設。
・取組を行った中和地域において、平成 30 年度は社会動態が増となった。
真庭起農スクール ・都市圏から延べ 90 名が参加し、うち7名が真庭市へ移住、うち5名が就農。
「真庭ライフスタイル」を実現するために行ってきた取組が評価され、「SDGs未来都市」や「地域循環共生圏づく
りプラットフォームの構築に向けた地域循環共生圏の創造に取り組む活動団体」に選定されたことなどによって、都市部
でも広く真庭市が知られるようになった。その中で、なりわい塾や真庭市交流定住センター等が中心となってシティプロモ
ーションを行うことで、移住者や関係人口の獲得につながる大きな効果が出た。
◆関連する地域波及効果
6.循環型の地域づくりを通じた「真庭ライフスタイル」の構築と交流・定住の促進
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
真庭なりわい塾(中和地域)
定住人口:6 人増、交流人口:10 人増
真庭なりわい塾の拡大 1 地域(北房地域)
– 78 –
意欲と可能性を秘めた外部人材との交流により、地元住民も地域の魅力を再発見するなど、地域を担う人材育成
にもつながっている。また、地域づくりの取組が、市全域に波及し地域資源を活用した商品開発など様々な取組に発
展している。
◆推進体制
◆地方創生関係交付金等の活用有無(有る場合は事業名)主なもの
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり 廃校を活用した6次産業
化拠点施設整備事業
29,776
千円
1/2 地域資源を活かした 2 事業者が
新たにでき、事業推進体制が整っ
た。
森林資源を始めとする豊富な地域自然資源を最大限活用しつつ、CLT の普及促進や広葉樹の活用としてチップ化及
びその販路拡大、木質バイオマス発電や小水力発電など環境保全と経済循環の両立、さらに再生可能エネルギー自
給率 100%を目指しつつ、地域マイクログリッド構築などを行っていく。また、有機性廃棄物の資源化も本格的に着手
し、バイオ液肥とスマート農業、さらに海との連携による牡蠣殻を土壌改良材として利用して栽培した「里海米」など、
SDGs の理念に沿って施策を実施し、「真庭ライフスタイル」の実現に向けより一層取り組み、循環型社会の中山間モ
デルとして広くプロモーションを行うことで、交流人口・定住人口につなげていく。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
地域おこし協力隊や集落支援員の活動拠点となる「真庭
市交流定住センター」は、市の中心部に設置される交流・定
住推進の拠点である。市内に7つある各振興局の職員を
「地域振興主管」として指定。
これにより、広い市域を有する本市において全市的な協働
体制の構築を図るとともに、それぞれ特性を有する各地域に
密着した交流・定住推進施策の推進を図っている。
◆今後の展開及び課題
地域支援・移住相談・地域振興プロジェクト等の推進のた
め、地域おこし協力隊員や地域振興主管等が協力し地域情
報を一元化するため、地域自主組織単位で地域カルテ作成
を予定していたが、地域課題が共通で支え合いや活動の範囲
として多く見受けられるのは小学校単位であるという気付きか
ら、地域づくりの単位を小学校単位(通称:邑づくり会議)
に変更し、あわせて地域カルテの作成単位も変更(目標値
126 件→20 件。実績値 20 件)。
- 76 -
– 79 – – 80 –
③ 地元地域資源活用型
Ⅲ.類型別モデルケース紹介
- 77 -
– 79 – – 80 –
③ 地元地域資源活用型
Ⅲ.類型別モデルケース紹介
- 78 -
– 81 –
No 団 体 名 提案タイトル
1 北海道帯広市ほか 農業を核とした「食・観光・健康」の成長産業モデル
2 三重県ほか 「『食』で拓く三重の地域活性化」及び「健康、伝統をテーマとした「鳥羽マ
ルシェ」食のしあわせ循環創造事業」
3 兵庫県豊岡市ほか 環境都市「豊岡エコバレー」と大交流による人口減少下での経済成長の
達成
4
長崎県壱岐市、壱岐
東部漁業協同組合
ほか
漁船廃油と、冬季の遊休労働力を活用した、ナマコ等の養殖・高付加価
値化・販売による地域資源循環の創造と、地域おこし協力隊等の外部人
材を活用した情報発信・交流促進
5
鹿児島県、鹿児島商
工会議所ほか
「観光クラスターによるサステナブルでかつ自助自立的な発展のための地域
活性化戦略」及び「鹿児島発『地方公共団体と国外大学との包括協定
による連携』を核とした外需獲得型の地域活性化モデル」
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(③ 地元地域資源活用型 一覧)
– 82 –
地域活性化モデルケースの役割と成果
地域活性化モデルケースは、平成 26 年に「超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の形成」及
び「地域産業の成長・雇用の維持創出」の2テーマに関して、都市・地域の構造や地域産業を総合的に改革する取
組みを行うモデルケースを選定し、その後継続して 5 年間にわたり、政府とともに地域活性化プラットフォームワーキング
チームが一体となって、事業推進への助言支援、評価等の一連のフォローアップを行ってきた事業である。
このモデルケースの選定により、具体的な事業組成の仕組みや体制、そして民間企業との連携、業種や業態の境を
超えた広域連携手法やその課題が可視化されたことで、以下の成果をもたらしたと考えられる。
1 地域活性化モデルケースは、その後に続く人口減少という大きな課題に挑んだ地方創生の具体的な事業モデルと
なっている。
2 国の全省庁を上げての 5 年間にわたる対象ケースへの助言、制度的支援、評価という PDCA サイクルのフォロー
アップを実施したことで、事業推進プロセスの各段階における課題が明確となり、その課題を克服するための政策立
案へとつながった。
3 5 年間のフォローアップを通じて、主体である地方公共団体や企業、NPO や各種団体においてリーダーの役割の
重要性が浮き彫りとなったとともに、担当者の人材育成プログラムともなった。
筆者は、地域活性化プラットフォームワークングチームの一員として、活性化モデルケースの選定から 5 年間のフロー
アップにも継続して参加させていただいた。地元地域資源活用型の主査として、モデルケースとして選定された、5モデ
ルケースについての特徴や成果などについて報告する。
地元地域資源活用型の対象となったのは、市町村や近隣の市町村間、都道府県単位での取組みであって、自
然、歴史文化、町並み、生活様式、農林水産物、食文化、地場産品、伝統技術、エネルギー等の地域資源を活用
した事業となる。
【北海道帯広市ほか】
テーマ「農業を核とした「食・観光・健康」の成長産業モデル」
帯広市を含む 19 市町村で構成される十勝地域が一緒になり、自給率 1,100%、約 400 万人分の食を生産
できる最大の地域資源である農業の力を土台として、観光と健康産業へと幅を広げ、雇用を拡大してきた。この 5 年
間で、観光客数、宿泊客数、機能性素材を活用した食品の開発件数ともに KPI の目標数値を達成するなどの成果
を上げている。今後は、海外からのインバウンド数も拡大が見込まれ、一層の発展が期待できる。
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(③ 地元地域資源活用型 総括)
関 幸子(せき さちこ) 株式会社ローカルファースト研究所 代表取締役
法政大学大学院政策科学研究科修士課程修了。1980 年三鷹市役所、2000 年株式会社まちづくり三鷹
を経て、2010 年より株式会社ローカルファースト研究所代表取締役。2012 年より東洋大学大学院経済学
研究科客員教授。内閣府自治体SDGs推進評価・調査研究委員。2009 年 10 月から 10 年9月ま
で、内閣府企業再生支援機構担当室、政策企画調査官として、地域再生にも携わる。地域産業政策、地域
の資源を使って新しい産業を創出する専門家。
- 79 -
– 81 –
No 団 体 名 提案タイトル
1 北海道帯広市ほか 農業を核とした「食・観光・健康」の成長産業モデル
2 三重県ほか 「『食』で拓く三重の地域活性化」及び「健康、伝統をテーマとした「鳥羽マ
ルシェ」食のしあわせ循環創造事業」
3 兵庫県豊岡市ほか 環境都市「豊岡エコバレー」と大交流による人口減少下での経済成長の
達成
4
長崎県壱岐市、壱岐
東部漁業協同組合
ほか
漁船廃油と、冬季の遊休労働力を活用した、ナマコ等の養殖・高付加価
値化・販売による地域資源循環の創造と、地域おこし協力隊等の外部人
材を活用した情報発信・交流促進
5
鹿児島県、鹿児島商
工会議所ほか
「観光クラスターによるサステナブルでかつ自助自立的な発展のための地域
活性化戦略」及び「鹿児島発『地方公共団体と国外大学との包括協定
による連携』を核とした外需獲得型の地域活性化モデル」
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(③ 地元地域資源活用型 一覧)
– 82 –
地域活性化モデルケースの役割と成果
地域活性化モデルケースは、平成 26 年に「超高齢化・人口減少社会における持続可能な都市・地域の形成」及
び「地域産業の成長・雇用の維持創出」の2テーマに関して、都市・地域の構造や地域産業を総合的に改革する取
組みを行うモデルケースを選定し、その後継続して 5 年間にわたり、政府とともに地域活性化プラットフォームワーキング
チームが一体となって、事業推進への助言支援、評価等の一連のフォローアップを行ってきた事業である。
このモデルケースの選定により、具体的な事業組成の仕組みや体制、そして民間企業との連携、業種や業態の境を
超えた広域連携手法やその課題が可視化されたことで、以下の成果をもたらしたと考えられる。
1 地域活性化モデルケースは、その後に続く人口減少という大きな課題に挑んだ地方創生の具体的な事業モデルと
なっている。
2 国の全省庁を上げての 5 年間にわたる対象ケースへの助言、制度的支援、評価という PDCA サイクルのフォロー
アップを実施したことで、事業推進プロセスの各段階における課題が明確となり、その課題を克服するための政策立
案へとつながった。
3 5 年間のフォローアップを通じて、主体である地方公共団体や企業、NPO や各種団体においてリーダーの役割の
重要性が浮き彫りとなったとともに、担当者の人材育成プログラムともなった。
筆者は、地域活性化プラットフォームワークングチームの一員として、活性化モデルケースの選定から 5 年間のフロー
アップにも継続して参加させていただいた。地元地域資源活用型の主査として、モデルケースとして選定された、5モデ
ルケースについての特徴や成果などについて報告する。
地元地域資源活用型の対象となったのは、市町村や近隣の市町村間、都道府県単位での取組みであって、自
然、歴史文化、町並み、生活様式、農林水産物、食文化、地場産品、伝統技術、エネルギー等の地域資源を活用
した事業となる。
【北海道帯広市ほか】
テーマ「農業を核とした「食・観光・健康」の成長産業モデル」
帯広市を含む 19 市町村で構成される十勝地域が一緒になり、自給率 1,100%、約 400 万人分の食を生産
できる最大の地域資源である農業の力を土台として、観光と健康産業へと幅を広げ、雇用を拡大してきた。この 5 年
間で、観光客数、宿泊客数、機能性素材を活用した食品の開発件数ともに KPI の目標数値を達成するなどの成果
を上げている。今後は、海外からのインバウンド数も拡大が見込まれ、一層の発展が期待できる。
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(③ 地元地域資源活用型 総括)
関 幸子(せき さちこ) 株式会社ローカルファースト研究所 代表取締役
法政大学大学院政策科学研究科修士課程修了。1980 年三鷹市役所、2000 年株式会社まちづくり三鷹
を経て、2010 年より株式会社ローカルファースト研究所代表取締役。2012 年より東洋大学大学院経済学
研究科客員教授。内閣府自治体SDGs推進評価・調査研究委員。2009 年 10 月から 10 年9月ま
で、内閣府企業再生支援機構担当室、政策企画調査官として、地域再生にも携わる。地域産業政策、地域
の資源を使って新しい産業を創出する専門家。
- 80 -
– 83 –
【三重県、三重県鳥羽市ほか】
テーマ「『食』で拓く三重の地域活性化」及び「健康、伝統をテーマとした「鳥羽マルシェ」食のしあわせ循環創造事業」
「みえフードイノベーション」では、農林水産資源を活用した産学官連携による新たな商品等の革新的開発を進める
だけでなく、資材供給、加工、流通・販売、観光に携わる事業者や大が連携することで「食のバリューチェーン」の構築
を目指している。志摩市では、商品開発と直販所が成功し KPI を達成している。このケースの大きな特徴は、知事のリ
ーダーシップの元で推進体制が構築できていることにある。一方で、県と市町村との更なる連携や統合した事業展開の
可能性も探る必要がある。
【豊岡市】
テーマ「豊岡エコバレー」と大交流による人口減少下での経済成長の達成
コウノトリ米を象徴とした、無農薬・減農薬農法の普及と城崎温泉での滞在施設「城崎国際アートセンター」を軸
に、ここにしかないものというコンセプトで、地域資源をしっかりと磨くとともに外部人材や企業との協力により着実に事業
を展開してきた。日本で有数な劇作家の平田オリザ氏が移住するとともに、アートセンターが世界の舞台芸術シーンと
連携するなど大きな成果を出している。
【壱岐東部漁業協同組合、長崎県壱岐市ほか】
テーマ「漁船廃油と、冬季の遊休労働力を活用した、ナマコ等の養殖・高付加価値化・販売による地域資源循環の
創造と、地域おこし協力隊等の外部人材を活用した情報発信・交流促進」
本ケースの特徴は魚業協同組合が主体となり市と共に事業を推進していることにある。漁獲高減少、高齢化、冬季
の操業困難などの課題を、牡蠣の養殖、ナマコ加工所整備、台湾への輸出等、果敢に挑戦し着実に売上高を増加
させてきた。組合長のリーダーシップが成功の大きな要因であるとともに、地域連携の賜物である。更なる飛躍には、他
の協同組合との統合や連携が不可欠となる。
【鹿児島県、鹿児島商工会議所ほか】
テーマ「観光クラスターによるサステナブルでかつ自助自立的な発展のための地域活性化戦略」及び「鹿児島発『地方
公共団体と国外大学との包括協定による連携』を核とした外需獲得型の地域活性化モデル」
鹿児島県と清華大学との包括協定関係を軸に、青少年・学術・経済分野での交流事業を実施し、目標以上の
KPI を達成した。合わせて、「観光クラスター」構築で、県内の異業種の連携土台ができ、海外観光客誘致、6 次産
業化、農商工連携による県産品の高付加価値化、移輸出促進等が図られた。今後も、継続して県内での連携を図
り、地域資源の活用と各組織との協力関係での事業実施を望むものである。
【総括】
地元地域資源活用型の 5 モデルケースは、それぞれ地域資源が異なるが、自らの地域資源の価値をしっかりと把握
して、その良さや優位性を活用して具体的な事業戦略を描くことができた。
この地域資源を生かすという手法は「ローカルファースト」という概念とマッチしている。ローカルファーストとは、「地域の
目線に立って、地域を第一に、そして優先的に考え、地域の資源、文化、歴史を大切に、持続可能な地域社会を形
成していく」という考え方である。この考え方は、他との競合や比較ではなく、「自らが答えを出す。答えは足元にある。」
という概念となる。
– 84 –
ローカルファーストを具体的に取り組むことで、住んでいる人が働けること、それによって家庭が形成され、コミュニティや
文化を醸成し、「地域の暮らし」が守られるという好循環を作り出すことが可能となる。
そしてローカルファーストの戦略として
地域分析=まちの現状と課題把握と分析
資源発掘=地域の強みは何か、地域の宝探し
資源活用=地域資源を活用して、新たな商品商材、しくみや制度、ブランドを作り上げる
人材登用=席をあける、席をゆずる、新しい席を作る(人材交流)
内発型産業創造=地域に立脚した「産業」を生み出す。
今回の地元地域資源活用型モデルケースでは、このサイクルがしっかりと実現できており、多くの成果を生んでいる。そ
の意味で、持続可能な地域経済産業の活性化に向けて、先進的な取組であり、その取り組みは、模範・参考として
同様の条件や課題を抱えた他の地域に対して波及効果が見込まれるモデルであり、ベスト・プラクティスであったと思う。
- 81 -
– 83 –
【三重県、三重県鳥羽市ほか】
テーマ「『食』で拓く三重の地域活性化」及び「健康、伝統をテーマとした「鳥羽マルシェ」食のしあわせ循環創造事業」
「みえフードイノベーション」では、農林水産資源を活用した産学官連携による新たな商品等の革新的開発を進める
だけでなく、資材供給、加工、流通・販売、観光に携わる事業者や大が連携することで「食のバリューチェーン」の構築
を目指している。志摩市では、商品開発と直販所が成功し KPI を達成している。このケースの大きな特徴は、知事のリ
ーダーシップの元で推進体制が構築できていることにある。一方で、県と市町村との更なる連携や統合した事業展開の
可能性も探る必要がある。
【豊岡市】
テーマ「豊岡エコバレー」と大交流による人口減少下での経済成長の達成
コウノトリ米を象徴とした、無農薬・減農薬農法の普及と城崎温泉での滞在施設「城崎国際アートセンター」を軸
に、ここにしかないものというコンセプトで、地域資源をしっかりと磨くとともに外部人材や企業との協力により着実に事業
を展開してきた。日本で有数な劇作家の平田オリザ氏が移住するとともに、アートセンターが世界の舞台芸術シーンと
連携するなど大きな成果を出している。
【壱岐東部漁業協同組合、長崎県壱岐市ほか】
テーマ「漁船廃油と、冬季の遊休労働力を活用した、ナマコ等の養殖・高付加価値化・販売による地域資源循環の
創造と、地域おこし協力隊等の外部人材を活用した情報発信・交流促進」
本ケースの特徴は魚業協同組合が主体となり市と共に事業を推進していることにある。漁獲高減少、高齢化、冬季
の操業困難などの課題を、牡蠣の養殖、ナマコ加工所整備、台湾への輸出等、果敢に挑戦し着実に売上高を増加
させてきた。組合長のリーダーシップが成功の大きな要因であるとともに、地域連携の賜物である。更なる飛躍には、他
の協同組合との統合や連携が不可欠となる。
【鹿児島県、鹿児島商工会議所ほか】
テーマ「観光クラスターによるサステナブルでかつ自助自立的な発展のための地域活性化戦略」及び「鹿児島発『地方
公共団体と国外大学との包括協定による連携』を核とした外需獲得型の地域活性化モデル」
鹿児島県と清華大学との包括協定関係を軸に、青少年・学術・経済分野での交流事業を実施し、目標以上の
KPI を達成した。合わせて、「観光クラスター」構築で、県内の異業種の連携土台ができ、海外観光客誘致、6 次産
業化、農商工連携による県産品の高付加価値化、移輸出促進等が図られた。今後も、継続して県内での連携を図
り、地域資源の活用と各組織との協力関係での事業実施を望むものである。
【総括】
地元地域資源活用型の 5 モデルケースは、それぞれ地域資源が異なるが、自らの地域資源の価値をしっかりと把握
して、その良さや優位性を活用して具体的な事業戦略を描くことができた。
この地域資源を生かすという手法は「ローカルファースト」という概念とマッチしている。ローカルファーストとは、「地域の
目線に立って、地域を第一に、そして優先的に考え、地域の資源、文化、歴史を大切に、持続可能な地域社会を形
成していく」という考え方である。この考え方は、他との競合や比較ではなく、「自らが答えを出す。答えは足元にある。」
という概念となる。
– 84 –
ローカルファーストを具体的に取り組むことで、住んでいる人が働けること、それによって家庭が形成され、コミュニティや
文化を醸成し、「地域の暮らし」が守られるという好循環を作り出すことが可能となる。
そしてローカルファーストの戦略として
地域分析=まちの現状と課題把握と分析
資源発掘=地域の強みは何か、地域の宝探し
資源活用=地域資源を活用して、新たな商品商材、しくみや制度、ブランドを作り上げる
人材登用=席をあける、席をゆずる、新しい席を作る(人材交流)
内発型産業創造=地域に立脚した「産業」を生み出す。
今回の地元地域資源活用型モデルケースでは、このサイクルがしっかりと実現できており、多くの成果を生んでいる。そ
の意味で、持続可能な地域経済産業の活性化に向けて、先進的な取組であり、その取り組みは、模範・参考として
同様の条件や課題を抱えた他の地域に対して波及効果が見込まれるモデルであり、ベスト・プラクティスであったと思う。
- 82 -
– 85 –
◆団体名 北海道帯広市ほか

帯広市は、北海道東部の十勝平野の中心に位置し、帯広市を含む 19 市町村で構成される十勝では、基幹産業
である農業が、小麦や馬鈴しょ、てん菜、豆類などの品目の生産で高い国内シェアを有しており、カロリーベースの食料
自給率がおよそ 1,100%、約 400 万人分の食を生産するわが国の食料供給基地となっている。
一方で、地元で生産する農畜産物などの食品製造業の付加価値率が低いことや、美しい農村景観や恵まれた自
然環境をはじめ本格的なアウトドア活動を楽しめるワールドクラスのフィールドを有しているものの、この優れた地域資源
を十分に活用できていないことや、地域としての発信力が弱いことなどが課題となっており、この解決のため、地域の今後
の成長産業として期待される、農業と地域資源が融合した「食」と「観光」の関連産業を育成し、新たなビジネスによる
雇用の創出により地域経済の活性化とともに、安全・安心・環境の観点から「健康」関連産業を加え、市民だけでなく
訪れた人が心身の健康を取り戻すことができる地域、わが国の健康に貢献できる地域として複合的に産業が成長し、
帯広市をはじめ十勝全体への波及効果が期待できる、農業を核とした「食・観光・健康」の成長産業モデルの形成に
取り組む。
①食産業の育成
・応援企業登録数、ロゴマーク添付商品
②ファーム観光の確立
・とかちサイクルフェスタの開催
・十勝アウトドアブランディング事業
③健康分野の構築
1.農業を核とした「食・観光・健康」の成長産業モデル
◆団体名 北海道帯広市ほか
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 86 –
・㈱フジッコとの包括連携協定の一環として「大豆ピニトール」を活用した商品開発。
・㈱明治と十勝の乳の価値向上に向けた「十勝ヨーグルトプロジェクト」の発足
④しごとづくり
・十勝イノベーション・エコシステム
5年間の取り組みの中で、食・農業・アウトドアの融合型の体験型・滞在型ツーリズムの推進については、力を入れて
取り組んできており、観光入込客数は大きく増加した。
■帯広市における観光入込客数
【設定KPI】 観光入込客数【248 万人(H24)→269 万人以上(H30)】
・H30 実績 293 万人 【達成】
【設定KPI】 宿泊客数【95.6 万人(H24)→101.6 万人以上(H30)】
・H30 実績 127 万人 【達成】
【設定KPI】 機能性素材を活用した食品の開発件数【H30 までの 5 年間で50件以上】
・H30 実績 54 件 【達成】
「フードバレー」を背景に、「食」、「観光」及び「健康」をツールとして、「とかちのかち」を最大限に活かした取り組みを
継続し、交流人口の拡大や食の付加価値向上を図り、十勝の産業のさらなる発展と魅力向上に繋げていきたい。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり 十勝アウトドアブランディング事業(単年) 18,733 千円 10/10 ブランド力強化
あり 十勝アウトドア DMO 事業(5 ヶ年) 179,890 千円 1/2 (事業実施中)
◆プロジェクトのアピールポイント
◆KPI 設定の工夫・おもな達成状況
▲十勝ヨーグルトプロジェクト記者発表会 ▲冬のグランピングモニターツアーでのアクティビティ
2,576.7千人
(平成 26 年度)
2,925.4千人
(平成 30 年度)
◆地方創生関係交付金等の活用有無
◆今後の展開及び課題
- 83 -
– 85 –
◆団体名 北海道帯広市ほか

帯広市は、北海道東部の十勝平野の中心に位置し、帯広市を含む 19 市町村で構成される十勝では、基幹産業
である農業が、小麦や馬鈴しょ、てん菜、豆類などの品目の生産で高い国内シェアを有しており、カロリーベースの食料
自給率がおよそ 1,100%、約 400 万人分の食を生産するわが国の食料供給基地となっている。
一方で、地元で生産する農畜産物などの食品製造業の付加価値率が低いことや、美しい農村景観や恵まれた自
然環境をはじめ本格的なアウトドア活動を楽しめるワールドクラスのフィールドを有しているものの、この優れた地域資源
を十分に活用できていないことや、地域としての発信力が弱いことなどが課題となっており、この解決のため、地域の今後
の成長産業として期待される、農業と地域資源が融合した「食」と「観光」の関連産業を育成し、新たなビジネスによる
雇用の創出により地域経済の活性化とともに、安全・安心・環境の観点から「健康」関連産業を加え、市民だけでなく
訪れた人が心身の健康を取り戻すことができる地域、わが国の健康に貢献できる地域として複合的に産業が成長し、
帯広市をはじめ十勝全体への波及効果が期待できる、農業を核とした「食・観光・健康」の成長産業モデルの形成に
取り組む。
①食産業の育成
・応援企業登録数、ロゴマーク添付商品
②ファーム観光の確立
・とかちサイクルフェスタの開催
・十勝アウトドアブランディング事業
③健康分野の構築
1.農業を核とした「食・観光・健康」の成長産業モデル
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 86 –
・㈱フジッコとの包括連携協定の一環として「大豆ピニトール」を活用した商品開発。
・㈱明治と十勝の乳の価値向上に向けた「十勝ヨーグルトプロジェクト」の発足
④しごとづくり
・十勝イノベーション・エコシステム
5年間の取り組みの中で、食・農業・アウトドアの融合型の体験型・滞在型ツーリズムの推進については、力を入れて
取り組んできており、観光入込客数は大きく増加した。
■帯広市における観光入込客数
【設定KPI】 観光入込客数【248 万人(H24)→269 万人以上(H30)】
・H30 実績 293 万人 【達成】
【設定KPI】 宿泊客数【95.6 万人(H24)→101.6 万人以上(H30)】
・H30 実績 127 万人 【達成】
【設定KPI】 機能性素材を活用した食品の開発件数【H30 までの 5 年間で50件以上】
・H30 実績 54 件 【達成】
「フードバレー」を背景に、「食」、「観光」及び「健康」をツールとして、「とかちのかち」を最大限に活かした取り組みを
継続し、交流人口の拡大や食の付加価値向上を図り、十勝の産業のさらなる発展と魅力向上に繋げていきたい。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり 十勝アウトドアブランディング事業(単年) 18,733 千円 10/10 ブランド力強化
あり 十勝アウトドア DMO 事業(5 ヶ年) 179,890 千円 1/2 (事業実施中)
◆プロジェクトのアピールポイント
◆KPI 設定の工夫・おもな達成状況
▲十勝ヨーグルトプロジェクト記者発表会 ▲冬のグランピングモニターツアーでのアクティビティ
2,576.7千人
(平成 26 年度)
2,925.4千人
(平成 30 年度)
◆地方創生関係交付金等の活用有無
◆今後の展開及び課題
- 84 -
– 87 –
◆団体名 三重県ほか

三重県では、「今後、何を成長産業と位置付け、何で雇用を生み出していくのか」についての検討を進めた結果、強じ
んで多様な産業構造を構築していくための新たな産業振興として、三重の「食」に着目した取組を展開していくこととし
た。
○「みえフードイノベーション・プロジェクト」~農林水産資源を活用した産学官連携による新たな商品等の革新的開発

○「食」の県産品ブランド向上
○「食」に関する「知」と「技」の集積を通じた新たなクラスターの形成
○人材育成について
将来の県内食関連産業を担う人材の育成に向け、事業者や教育機関等と連携し、県内食関連産業が求めている
人材像の把握や教育機関の取組状況の調査等を行い、人材が継続的に育成される仕組みの構築に向けて、産学
官による推進会議を開催した。
○海外展開サポートについて
・台湾・タイにおける現地アドバイザーによる販路開拓への支援や三重県版経営向上計画に基づく事業者の戦略的な
海外での営業活動への助成を実施。
・台湾:台湾のバイヤーを招聘し、個別商談会を実施(11 月 2 日 12 事業者)。
そのための事前研修及び相談会を開催した。(9 月 9 日 12 事業者)
・タイ:THAIFEX 期間中(5/31~6/4)における通訳手配及び飲食店への営業活動支援。
タイからバイヤーを招聘し、個別商談会を実施(12 月 8 日 17 事業者)
・事例を交え、多様な販路を知り、商品開発や販売戦略を向上するためのセミナーを開催。
・多様な連携による新たな価値創出に向けてテーマ別の勉強会などを開催している。
例)食のハイグレードサービス勉強会(鳥羽志摩地域)等
○ローカルブランディングについて
・地域商社ビジネスに関心のある、あるいはその必要性を感じている事業者と勉強会をつくり、その地域の特徴を最大
限に生かせる地域商社のビジネスモデルづくりを行った。また、その成果を共有するとともに、県内外の取組を紹介し、今
後の展開を図るため地域商社をテーマとしたセミナーを開催した。
・ローカルブランディング勉強会
紀北地域、名張地域において、地域商社機能のモデルについて検討を行った。
・食の産業振興セミナー「地域商社によるローカル。ブランディングを考える」
平成 30 年 3 月 20 日(火) 総合文化センター 参加者 50
・みえセレクション制度を活用した販路開拓に取り組んだ。
○食と観光事業の一体的展開について
・オンリーワンを意識した販路開拓事業
2-1.『食』で拓く三重の地域活性化
◆団体名 三重県ほか
◆全体概要
○「食」に関する「知」と「技」の集積を通じた新たなクラスターの形成
◆プロジェクトのアピールポイント
た。
◆特徴的な取組
– 88 –
食や地域にまつわるオリジナリティのあるストーリーを専門記者が発掘、記事化し、ポータルサイト「三重の食結び」に掲
載(10 本掲載)。一部記事は、パンフレットにも掲載し、海外誘客課のインスタグラムや民間旅行サイト等でもリンク
発信。
農林水産・加工品事業者と、飲食・宿泊事業者などとのマッチングの場を設けた。
・平成 30 年 2 月 6 日(火) 四日市都ホテル 出展:61 事業者 来場者 230 人 商談数 162 件(内
成立 11 件、見込 151 件)
◆推進体制
平成 27 年度から新たに「食の産業振興班」を設け、食関連産業の振興策を統括する組織を設置しているととも
に、関係部課長などで構成する「みえ食の産業振興推進会議」を設置し、オール県庁での情報共有や取組の推進、
成果の検証等を行っている。
・「みえフードイノベーション」の促進や「食のバリューチェーンの構築」に向けた取組を、農林水産事業者をはじめ、資材
供給、加工、流通・販売、観光に携わる事業者や大学などの連携により進めている。
・事業者等を対象にフォーラムを開催し、関係者間の交流を促し、事業意欲の醸成、モデル的な取組の水平展開を
図っている。
・食の産業振興にかかる施策方向や効果的な施策実施等について助言を受けるため、外部有識者による「みえ食の
産業振興ビジョンアドバイザリーボード」を設置している。
【設定 KPI】
①(県外において)三重が魅力ある地域であると感じる人の割合【H26:58.8%→H30:63.0%】
②地域資源を活用した商品を開発し、売り上げにつながった企業数【H26:26 社→H30:103 社】
③新たに海外事業展開に取り組む企業数【H26:18 社→H30:95 社】
58.8
63.0
60
H26 H30 目標値
◆KPI 達成状況
26
103
82
H26 H30 目標値
18
95
59
H26 H30 目標値
① ② ③
- 85 -
– 87 –
◆団体名 三重県ほか

三重県では、「今後、何を成長産業と位置付け、何で雇用を生み出していくのか」についての検討を進めた結果、強じ
んで多様な産業構造を構築していくための新たな産業振興として、三重の「食」に着目した取組を展開していくこととし
た。
○「みえフードイノベーション・プロジェクト」~農林水産資源を活用した産学官連携による新たな商品等の革新的開発

○「食」の県産品ブランド向上
○「食」に関する「知」と「技」の集積を通じた新たなクラスターの形成
○人材育成について
将来の県内食関連産業を担う人材の育成に向け、事業者や教育機関等と連携し、県内食関連産業が求めている
人材像の把握や教育機関の取組状況の調査等を行い、人材が継続的に育成される仕組みの構築に向けて、産学
官による推進会議を開催した。
○海外展開サポートについて
・台湾・タイにおける現地アドバイザーによる販路開拓への支援や三重県版経営向上計画に基づく事業者の戦略的な
海外での営業活動への助成を実施。
・台湾:台湾のバイヤーを招聘し、個別商談会を実施(11 月 2 日 12 事業者)。
そのための事前研修及び相談会を開催した。(9 月 9 日 12 事業者)
・タイ:THAIFEX 期間中(5/31~6/4)における通訳手配及び飲食店への営業活動支援。
タイからバイヤーを招聘し、個別商談会を実施(12 月 8 日 17 事業者)
・事例を交え、多様な販路を知り、商品開発や販売戦略を向上するためのセミナーを開催。
・多様な連携による新たな価値創出に向けてテーマ別の勉強会などを開催している。
例)食のハイグレードサービス勉強会(鳥羽志摩地域)等
○ローカルブランディングについて
・地域商社ビジネスに関心のある、あるいはその必要性を感じている事業者と勉強会をつくり、その地域の特徴を最大
限に生かせる地域商社のビジネスモデルづくりを行った。また、その成果を共有するとともに、県内外の取組を紹介し、今
後の展開を図るため地域商社をテーマとしたセミナーを開催した。
・ローカルブランディング勉強会
紀北地域、名張地域において、地域商社機能のモデルについて検討を行った。
・食の産業振興セミナー「地域商社によるローカル。ブランディングを考える」
平成 30 年 3 月 20 日(火) 総合文化センター 参加者 50
・みえセレクション制度を活用した販路開拓に取り組んだ。
○食と観光事業の一体的展開について
・オンリーワンを意識した販路開拓事業
2-1.『食』で拓く三重の地域活性化
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組
– 88 –
食や地域にまつわるオリジナリティのあるストーリーを専門記者が発掘、記事化し、ポータルサイト「三重の食結び」に掲
載(10 本掲載)。一部記事は、パンフレットにも掲載し、海外誘客課のインスタグラムや民間旅行サイト等でもリンク
発信。
農林水産・加工品事業者と、飲食・宿泊事業者などとのマッチングの場を設けた。
・平成 30 年 2 月 6 日(火) 四日市都ホテル 出展:61 事業者 来場者 230 人 商談数 162 件(内
成立 11 件、見込 151 件)
◆推進体制
平成 27 年度から新たに「食の産業振興班」を設け、食関連産業の振興策を統括する組織を設置しているととも
に、関係部課長などで構成する「みえ食の産業振興推進会議」を設置し、オール県庁での情報共有や取組の推進、
成果の検証等を行っている。
・「みえフードイノベーション」の促進や「食のバリューチェーンの構築」に向けた取組を、農林水産事業者をはじめ、資材
供給、加工、流通・販売、観光に携わる事業者や大学などの連携により進めている。
・事業者等を対象にフォーラムを開催し、関係者間の交流を促し、事業意欲の醸成、モデル的な取組の水平展開を
図っている。
・食の産業振興にかかる施策方向や効果的な施策実施等について助言を受けるため、外部有識者による「みえ食の
産業振興ビジョンアドバイザリーボード」を設置している。
【設定 KPI】
①(県外において)三重が魅力ある地域であると感じる人の割合【H26:58.8%→H30:63.0%】
②地域資源を活用した商品を開発し、売り上げにつながった企業数【H26:26 社→H30:103 社】
③新たに海外事業展開に取り組む企業数【H26:18 社→H30:95 社】
58.8
63.0
60
H26 H30 目標値
◆KPI 達成状況
26
103
82
H26 H30 目標値
18
95
59
H26 H30 目標値
① ② ③
- 86 -
– 89 –
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①伊勢志摩サミット開催を契機に新たな関係を構築、深化した小売り事業者との連携により、平成 30 年度は国内
において三重県フェアを2社5回開催。首都圏では、三重テラスにおいて事業者の販路拡大支援を行いました。
②地域資源活用に係る支援施策の普及啓発及びフォローアップ活動により、事業者の新商品開発等の取組を支援
③ジェトロとの連携をより一層強化し、ジェトロが振興国を中心に設置を進める「中小企業海外展開現地支援プラット
フォーム」等を活用した支援を実施。
○人材育成について
2020 年3月の「みえ食の“人財”育成プラットフォーム」設置に向け、食品関連事業者、教育機関、関係各課と連
携し、プラットフォームの運営および具体的な取組内容等について議論を進める。また、県内の若手料理人および料理
人をめざす若者が、知識や技能とともに食を通じた地域づくりを学べるよう取り組む。
○海外展開サポートについて
海外へ販路開拓を行う事業者に対して、国やジェトロなどの関係団体と連携し、アジアを主なターゲットとして、国際
見本市への出展や海外バイヤーを招いた商談会を開催する予定。また、海外での商談等に不慣れな事業者に寄り添
ったきめ細かなサポートを実施するとともに、ターゲット国のニーズに合った魅力ある商品づくり、効果的な商品プロモーシ
ョン等が実施できるよう支援を行う。
○ローカルブランディングについて
「みえの食」のブランドイメージを向上させ、ローカル・ブランディングの推進を図るため、デザイナー等のクリエイティブ人
材等との連携を支援し、新たな価値創出を促進するとともに国内外における新たな販路拡大に取り組む。また、G20
大阪サミットの開催など、国内外から注目を集める機会を捉え、県内の市町・団体等と連携を図りながら、食の販路拡
大に向けた情報発信を行う。
◆今後の展開及び課題
– 90 – - 87 -
– 89 –
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①伊勢志摩サミット開催を契機に新たな関係を構築、深化した小売り事業者との連携により、平成 30 年度は国内
において三重県フェアを2社5回開催。首都圏では、三重テラスにおいて事業者の販路拡大支援を行いました。
②地域資源活用に係る支援施策の普及啓発及びフォローアップ活動により、事業者の新商品開発等の取組を支援
③ジェトロとの連携をより一層強化し、ジェトロが振興国を中心に設置を進める「中小企業海外展開現地支援プラット
フォーム」等を活用した支援を実施。
○人材育成について
2020 年3月の「みえ食の“人財”育成プラットフォーム」設置に向け、食品関連事業者、教育機関、関係各課と連
携し、プラットフォームの運営および具体的な取組内容等について議論を進める。また、県内の若手料理人および料理
人をめざす若者が、知識や技能とともに食を通じた地域づくりを学べるよう取り組む。
○海外展開サポートについて
海外へ販路開拓を行う事業者に対して、国やジェトロなどの関係団体と連携し、アジアを主なターゲットとして、国際
見本市への出展や海外バイヤーを招いた商談会を開催する予定。また、海外での商談等に不慣れな事業者に寄り添
ったきめ細かなサポートを実施するとともに、ターゲット国のニーズに合った魅力ある商品づくり、効果的な商品プロモーシ
ョン等が実施できるよう支援を行う。
○ローカルブランディングについて
「みえの食」のブランドイメージを向上させ、ローカル・ブランディングの推進を図るため、デザイナー等のクリエイティブ人
材等との連携を支援し、新たな価値創出を促進するとともに国内外における新たな販路拡大に取り組む。また、G20
大阪サミットの開催など、国内外から注目を集める機会を捉え、県内の市町・団体等と連携を図りながら、食の販路拡
大に向けた情報発信を行う。
◆今後の展開及び課題
– 90 – - 88 -
– 91 –
◆団体名 三重県鳥羽市

伊勢志摩国立公園に位置する鳥羽市は、豊かな農水産物を生産する第1次産業を基礎とし、観光関連産業が
発展してきた地域である。
しかし、多くの観光客を受け入れる舞台の裏で、第1次産業は価格低迷や後継者不足という課題が集積しているこ
とも否ない状況であった。
このような背景の中、本市を代表する産業が連携して持続的発展を遂げていくことを目的に、地域産物の出口となる
新たな価値観を提示できる拠点を創造するものである。
<鳥羽マルシェのコンセプト>
◆生産者の笑顔や収穫の喜びを、食べる幸せにつなげていく場所
◆旬の食材持つ力で、健康を高める力につなげていく場所
◆豊かな食を育んできた鳥羽の風土や歴史、市内各地の魅力をにつながる場所
〇「消費者と生産者とのつながり」「食文化の発信」「健康を高めるヒントの提供」といったコンセプトの元、
地域産品の魅力を様々な形で伝える拠点とし、第1次産業(農水産物等)と、第3次産業(観光業等)が連
携した双方の産業振興に貢献している。=「漁業と観光の連携促進事業」等
〇直売事業を中心に、売り上げや来訪者数が年々増加しており、鳥羽マルシェの存在意義も広く浸透し
てきている。
〇第1産業の端境期による季節雇用を行い、地元の雇用創出にも貢献している。
2-2.健康、伝統をテーマとした「鳥羽マルシェ」食のしあわせ循環創造事業
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
「第1次産業の振興と農漁村地域の活性化」を大きな目標に掲げ、鳥羽市農水産物
直売所「鳥羽マルシェ」を拠点とし、顔の見える農産物や、地元ならではの鮮度で提供す
る水産物の販売を行う。また、6次産業化の推進や旬の食材の栄養価、地域で伝承さ
れている食文化の紹介につなげるための直売・飲食・食品加工事業を実施する。
– 92 –
1.漁業と観光の連携促進事業の推進
本市では、「行政」「漁協」「観光協会」が連携し、本市の主要産業である観光業と漁業を一体的に 振興していくこと
を目的として、様々な取組を展開しているところである。平成 30 年度は、鳥羽のサワラの ブランド基準を設定し、
「答志島トロさわら」としてブランド化した他、鳥羽マルシェにおいても販売すること で、魚価の向上と漁業者の所得向
上につなげる取組を展開。
2.食のしあわせ創造循環のための取組
地元農産物を活用したビュッフェレストランにおける月替わりメニューの展開、惣菜事業における「日替わりマルシェ弁当」
等による旬の美味しさをダイレクトに届けるための取組を展開。また、SNS を活用し、その 日に購入できる商品情報を
ダイレクトに発信している他、「真夏のビアテラス」等、話題性のある季節毎の イベントを開催している。
◆関連する地域波及効果
◆プロジェクトのアピールポイント
経 済 の 好 循 環 の 加 速
と「食」のしあわせ拡大
<マルシェ直売事業売上高>
・H26(1年目)
⇒33,101 千円
・H30(5年目)
⇒143,160 千円
- 89 -
– 91 –
◆団体名 三重県鳥羽市

伊勢志摩国立公園に位置する鳥羽市は、豊かな農水産物を生産する第1次産業を基礎とし、観光関連産業が
発展してきた地域である。
しかし、多くの観光客を受け入れる舞台の裏で、第1次産業は価格低迷や後継者不足という課題が集積しているこ
とも否ない状況であった。
このような背景の中、本市を代表する産業が連携して持続的発展を遂げていくことを目的に、地域産物の出口となる
新たな価値観を提示できる拠点を創造するものである。
<鳥羽マルシェのコンセプト>
◆生産者の笑顔や収穫の喜びを、食べる幸せにつなげていく場所
◆旬の食材持つ力で、健康を高める力につなげていく場所
◆豊かな食を育んできた鳥羽の風土や歴史、市内各地の魅力をにつながる場所
〇「消費者と生産者とのつながり」「食文化の発信」「健康を高めるヒントの提供」といったコンセプトの元、
地域産品の魅力を様々な形で伝える拠点とし、第1次産業(農水産物等)と、第3次産業(観光業等)が連
携した双方の産業振興に貢献している。=「漁業と観光の連携促進事業」等
〇直売事業を中心に、売り上げや来訪者数が年々増加しており、鳥羽マルシェの存在意義も広く浸透し
てきている。
〇第1産業の端境期による季節雇用を行い、地元の雇用創出にも貢献している。
2-2.健康、伝統をテーマとした「鳥羽マルシェ」食のしあわせ循環創造事業
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
「第1次産業の振興と農漁村地域の活性化」を大きな目標に掲げ、鳥羽市農水産物
直売所「鳥羽マルシェ」を拠点とし、顔の見える農産物や、地元ならではの鮮度で提供す
る水産物の販売を行う。また、6次産業化の推進や旬の食材の栄養価、地域で伝承さ
れている食文化の紹介につなげるための直売・飲食・食品加工事業を実施する。
– 92 –
1.漁業と観光の連携促進事業の推進
本市では、「行政」「漁協」「観光協会」が連携し、本市の主要産業である観光業と漁業を一体的に 振興していくこと
を目的として、様々な取組を展開しているところである。平成 30 年度は、鳥羽のサワラの ブランド基準を設定し、
「答志島トロさわら」としてブランド化した他、鳥羽マルシェにおいても販売すること で、魚価の向上と漁業者の所得向
上につなげる取組を展開。
2.食のしあわせ創造循環のための取組
地元農産物を活用したビュッフェレストランにおける月替わりメニューの展開、惣菜事業における「日替わりマルシェ弁当」
等による旬の美味しさをダイレクトに届けるための取組を展開。また、SNS を活用し、その 日に購入できる商品情報を
ダイレクトに発信している他、「真夏のビアテラス」等、話題性のある季節毎の イベントを開催している。
◆関連する地域波及効果
◆プロジェクトのアピールポイント
経 済 の 好 循 環 の 加 速
と「食」のしあわせ拡大
<マルシェ直売事業売上高>
・H26(1年目)
⇒33,101 千円
・H30(5年目)
⇒143,160 千円
- 90 -
– 93 –
◆推進体制
〇鳥羽磯部漁業協同組合、伊勢農業協同組合で組織する「鳥羽マルシェ有限責任事業組合(LLP)業務運営
委員会」を毎月開催し、鳥羽マルシェの運営等に関する状況について協議を重ねている。
【設定 KPI】
①農水産物直売所(鳥羽マルシェ)での直売事業売上高 【H26:33,101 千円⇒H30:143,160 千円】
②農水産物直場所(鳥羽マルシェ)での飲食事業売上高 【H26:21,340 千円⇒H30:56,160 千円】
③農水産物直売所(鳥羽マルシェ)での加工事業売上高 【H26:1,313 千円⇒H30:3,638 千円】
④鳥羽市への観光入込客数 【H26:4,426,539 人⇒H30:4,313,698 人】
当モデルケースでは、鳥羽市農水産物直売所「鳥羽マルシェ」を中核とし、市内において経済の好循環を加速させ
ることにより、「食」の幸せを拡大することを目的に、鳥羽マルシェ自体の経済的醸成を主として KPI を設定している。
なお、達成状況に関する総括は以下のとおり。
<①農水産物直売所(鳥羽マルシェ)での直売事業売上高>
⇒鳥羽市の新たなブランド魚である「答志島トロさわら」や、JA が開発した「苺のラング」などを始めとした新商品の販売
や、出荷者に対する呼びかけを強化することで出荷点数の増加につなげるなど、商品ラインナップの充実に努めた。ま
た、天候不順時等の品薄対策として、冷凍商品の製造や確保につなげ、直売部門の売上高の増加につなげることが
できた。
<②農水産物直場所(鳥羽マルシェ)での飲食事業売上高>
⇒レストランでは、直売所の連携で廃棄前の商品を利用した料理の提供、週替わりミニイベント等が好評を得ている
が、目標達成には至っていない。現状としては、旬の食材を旬の時期に美味しく食べることをコンセプトとして、月変わり
メニューを充実させるなどの取組を進めるなどし、飲食事業のブラッシュアップを図っていくこととしている。
<③農水産物直売所(鳥羽マルシェ)での加工事業売上高>
⇒ジャムやタコを中心として、マルシェ内での加工商品を継続して
展開しているが、ジャムの原料不足やタコの水揚げ不漁等の要因
から、目標達成には依然として厳しい状況にある。しかし、商品自
体の人気はあることから、在庫の確保と商品ラインナップの充実
に、継続して努めていきたいと考えている。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
(主な要因)
・鳥羽市のブランド魚「答志島トロさわら」や、JA が開発した「苺のラング」などを始めとした新商品の販売や、出荷者に対
する呼びかけ強化による出荷点数の拡大により、商品ラインナップの充実に努めた。
・天候不順時等の品薄対策として、冷凍商品の製造や確保につなげ、売上高の増加に努めた。
【惣菜事業】
管理栄養士監修の“健康”を
意識した日替りマルシェ弁当
【飲食事業】
地元食材をふんだんに活用した
創作料理や伝統料理を提供
– 94 –
<④鳥羽市への観光入込客数>
伊勢神宮式年遷宮後に減少傾向となる観光客の入れ込みについて、平成 25 年遷宮時の賑わいを維持していくた
めの目標設定となっている。5年目の実績は、前年実績と比較して 0.7%の微増となっているが、本市の主要産業で
ある、漁業と観光業との連携事業を今後も展開していくことにより、「食」をテーマとした地域経済の醸成を図っていく。
〇これまで蓄積してきた経験とノウハウを活かし、生産者と消費者をつないでいくための取組を継続して進め、旬の農水
産物やイベント情報等を常時発信していくことで、目新しい情報が常時入手できる状況を継続する。また、それを求め
てやってくるお客さんを増やしていくことで、「食」をテーマとした地域経済の好循環を加速させていきたい。
◆今後の展開及び課題
- 91 -
– 94 –
<④鳥羽市への観光入込客数>
伊勢神宮式年遷宮後に減少傾向となる観光客の入れ込みについて、平成 25 年遷宮時の賑わいを維持していくた
めの目標設定となっている。5年目の実績は、前年実績と比較して 0.7%の微増となっているが、本市の主要産業で
ある、漁業と観光業との連携事業を今後も展開していくことにより、「食」をテーマとした地域経済の醸成を図っていく。
〇これまで蓄積してきた経験とノウハウを活かし、生産者と消費者をつないでいくための取組を継続して進め、旬の農水
産物やイベント情報等を常時発信していくことで、目新しい情報が常時入手できる状況を継続する。また、それを求め
てやってくるお客さんを増やしていくことで、「食」をテーマとした地域経済の好循環を加速させていきたい。
◆今後の展開及び課題
- 92 -
– 95 –
◆団体名 兵庫県豊岡市ほか

豊岡市は兵庫県北東部に位置する人口約 8 万人のまちです。豊岡市では、1)環境への取組みが経済効果を
生み、その経済効果が更に環境への取組みを活発化する「環境と経済の共鳴」を実践するまち【豊岡エコバレー】、
2)地域資源の魅力を磨き、価値や工夫を加え、「ここにしかないもの」に育てることで、世界中の人々が訪れ交流で
きるまち【大交流】を目指し、様々な事業に取り組んできました。
田んぼで多様な生きものを育みながら、無農薬・減農薬米を生産する「コウノトリ育む農法」の普及と、同農法で作ら
れた「コウノトリ育むお米」の販路拡大。歴史ある観光地「城崎温泉」に、パフォーミングアーツに特化した滞在施設「城崎
国際アートセンター」を開設し、世界中の劇団を招くアーティスト・イン・レジデンスの取組みなどが、その具体例です。
豊岡市は、地域活性化モデルケース認定以降も事業を進め、それぞれの取組みは、「コウノトリ育むお米」の海外輸
出の開始、日本初の芸術と観光を学べる県立専門職大学の設置、平田オリザ氏率いる劇団「青年団」の東京から豊
岡市への移転など、新たなステージに進展しています。
1 「コウノトリ育む農法」水稲作付け面積 2014 年度 292.7ha ⇒ 2018 年度 418.8ha(143.1%)
2 「コウノトリ育むお米」海外輸出 2016 年度 2 か国 1.5t ⇒ 2018 年度 5 か国 17.2t(+15.7t)
3 城崎国際アートセンター利用応募団体数
2017 年度応募 43 団体(8 カ国) ⇒ 2019 年度応募 68 団体(20 カ国)
4 外国人宿泊客数 2014 年度 15,231 人 ⇒ 2018 年度 54,330 人(356.7%)
・ 「コウノトリ育む農法」では、手間がかかり栽培が難しい無農薬栽培の作付
面積が増加。無農薬栽培マニュアルの配布、生育を良くし収量を向上させ
る「ポット苗」の導入などで、取り組む農家が増えたためである。無農薬米は
慣行栽培米・減農薬米に比べて買取価格が高く、市場の需要も高いことか
ら、農家所得と収益性の向上をもたらし、環境と経済の共鳴を実現してい
る。
・ 城崎国際アートセンターは「アーティスト・イン・レジデンス」
として、世界中の芸術家たちに評価されるようになり、豊岡
=演劇、文化芸術のまちとしての価値創造を成し得た。
・ 文化芸術のまちとしての価値創造は、演劇を基礎に観光芸
術文化分野での事業創造を学ぶ県立専門職大学の設置、
劇作家・平田オリザ氏の移住及び同氏が主宰する劇団「青
年団」の移転など、具体的なアウトプットを形成している。
3.環境都市「豊岡エコバレー」と大交流による人口減少下での経済成長の達成
◆団体名 兵庫県豊岡市ほか
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
◆プロジェクトのアピールポイント
– 96 –
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
個々の事業については、所管課が市民、民間事業者、行政機関(国・県等)などと連携し実施。「豊岡市地
方創生総合戦略」によって全体を包括し、進行管理を行っている。戦略内の事業は、毎年 KPI 等の実績確認を
行いながら、外部人材で構成する「豊岡市地方創生戦略会議」に諮り、必要な見直しを行っている。
【設定 KPI】 ※○(番号)、項目、最新の実績値、(目標値)で記載
① 製造品出荷額等 2017 年 1,330 億円(1,278 億円)
② 年間小売商品販売額 2016 年 914 億円(987 億円)
③ 間伐実施面積 2018 年度 5,501ha(5,380ha)
④ 伐採木材搬出量 2018 年度 33,556 ㎥(23,500 ㎥)
⑤ 集落営農組織数 2018 年度 57 組織(55 組織)
⑥ 認定農業者数 2018 年度 132 経営体(133 経営体)
⑦ 豊岡型環境創造型農業作付面積割合 2018 年度 37.5%(45%)
⑧ 豊岡型ライフスタイルデザインモデル事業 2018 年度延べ 8 件(3 件)
⑨ 宿泊客数 2018 年度 1,166 千人(1,530 千人)
⑩ 外国人宿泊客数 2018 年度 54,330 人(62,000 人)
⑪ DMO 設立 2018 年度延べ 1 件(1 件)
⑫ 豊岡稽古堂塾受講生 2018 年度延べ 114 人(100 人)
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①~⑫の各事業を所管する課において、基幹統計や調査等により把握でき、
客観的に検証可能な数値を設定した。また、結果となる数値は、更新毎に検
証を行うとともに、問題があれば施策の改善や計画の見直し等を行っている。
結果としては達成7事業、未達成5事業であり、事業が完了したものや、当初
設定時と施策の方針等が変化しているものもある。未達成のものについては、事
業内容の改善や KPI の見直し等を行っていく。
モデルケース認定を受けた環境都市「豊岡エコバレー」と大交流の取組みは、今後も個々の事業を発展させていく。
また、新たな人口減少対策の取組みとして、豊岡市の「若年女性の地元回復率」を向上させるため、女性が働きやす
く・働きがいがある職場を増やし、ジェンダーギャップの解消に着手した。①民間事業所に女性活躍を働きかける施策
(ワークイノベーション戦略)と、②市役所自身が女性・若手職員の活躍のために変革する施策(キャリアデザインア
クションプラン)の 2 本を柱とし、2020 年度を目標に事業実施のための戦略を策定する。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
コウノトリ育む農法の普及と
コウノトリ育むお米の販路拡大
栽培の効率化・収量増加
コウノトリ育むお米の認知度向上
農家の収益性改善
コウノトリ育むお米の海外輸出開始
城崎国際アートセンターと
文化芸術のまち発信
海外からの来訪・利用増
文化芸術のまち認知度向上
県立専門職大学の設置
劇団青年団の豊岡移転 等
≪ KPI グラフ(主なもの) ≫
製造品出荷額等(億円単位)(①)
豊岡型環境創造型農業
作付面積割合(⑦)
外国人宿泊客数(人単位)(⑩)
- 93 -
– 95 –
◆団体名 兵庫県豊岡市ほか

豊岡市は兵庫県北東部に位置する人口約 8 万人のまちです。豊岡市では、1)環境への取組みが経済効果を
生み、その経済効果が更に環境への取組みを活発化する「環境と経済の共鳴」を実践するまち【豊岡エコバレー】、
2)地域資源の魅力を磨き、価値や工夫を加え、「ここにしかないもの」に育てることで、世界中の人々が訪れ交流で
きるまち【大交流】を目指し、様々な事業に取り組んできました。
田んぼで多様な生きものを育みながら、無農薬・減農薬米を生産する「コウノトリ育む農法」の普及と、同農法で作ら
れた「コウノトリ育むお米」の販路拡大。歴史ある観光地「城崎温泉」に、パフォーミングアーツに特化した滞在施設「城崎
国際アートセンター」を開設し、世界中の劇団を招くアーティスト・イン・レジデンスの取組みなどが、その具体例です。
豊岡市は、地域活性化モデルケース認定以降も事業を進め、それぞれの取組みは、「コウノトリ育むお米」の海外輸
出の開始、日本初の芸術と観光を学べる県立専門職大学の設置、平田オリザ氏率いる劇団「青年団」の東京から豊
岡市への移転など、新たなステージに進展しています。
1 「コウノトリ育む農法」水稲作付け面積 2014 年度 292.7ha ⇒ 2018 年度 418.8ha(143.1%)
2 「コウノトリ育むお米」海外輸出 2016 年度 2 か国 1.5t ⇒ 2018 年度 5 か国 17.2t(+15.7t)
3 城崎国際アートセンター利用応募団体数
2017 年度応募 43 団体(8 カ国) ⇒ 2019 年度応募 68 団体(20 カ国)
4 外国人宿泊客数 2014 年度 15,231 人 ⇒ 2018 年度 54,330 人(356.7%)
・ 「コウノトリ育む農法」では、手間がかかり栽培が難しい無農薬栽培の作付
面積が増加。無農薬栽培マニュアルの配布、生育を良くし収量を向上させ
る「ポット苗」の導入などで、取り組む農家が増えたためである。無農薬米は
慣行栽培米・減農薬米に比べて買取価格が高く、市場の需要も高いことか
ら、農家所得と収益性の向上をもたらし、環境と経済の共鳴を実現してい
る。
・ 城崎国際アートセンターは「アーティスト・イン・レジデンス」
として、世界中の芸術家たちに評価されるようになり、豊岡
=演劇、文化芸術のまちとしての価値創造を成し得た。
・ 文化芸術のまちとしての価値創造は、演劇を基礎に観光芸
術文化分野での事業創造を学ぶ県立専門職大学の設置、
劇作家・平田オリザ氏の移住及び同氏が主宰する劇団「青
年団」の移転など、具体的なアウトプットを形成している。
3.環境都市「豊岡エコバレー」と大交流による人口減少下での経済成長の達成
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
◆プロジェクトのアピールポイント
– 96 –
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
個々の事業については、所管課が市民、民間事業者、行政機関(国・県等)などと連携し実施。「豊岡市地
方創生総合戦略」によって全体を包括し、進行管理を行っている。戦略内の事業は、毎年 KPI 等の実績確認を
行いながら、外部人材で構成する「豊岡市地方創生戦略会議」に諮り、必要な見直しを行っている。
【設定 KPI】 ※○(番号)、項目、最新の実績値、(目標値)で記載
① 製造品出荷額等 2017 年 1,330 億円(1,278 億円)
② 年間小売商品販売額 2016 年 914 億円(987 億円)
③ 間伐実施面積 2018 年度 5,501ha(5,380ha)
④ 伐採木材搬出量 2018 年度 33,556 ㎥(23,500 ㎥)
⑤ 集落営農組織数 2018 年度 57 組織(55 組織)
⑥ 認定農業者数 2018 年度 132 経営体(133 経営体)
⑦ 豊岡型環境創造型農業作付面積割合 2018 年度 37.5%(45%)
⑧ 豊岡型ライフスタイルデザインモデル事業 2018 年度延べ 8 件(3 件)
⑨ 宿泊客数 2018 年度 1,166 千人(1,530 千人)
⑩ 外国人宿泊客数 2018 年度 54,330 人(62,000 人)
⑪ DMO 設立 2018 年度延べ 1 件(1 件)
⑫ 豊岡稽古堂塾受講生 2018 年度延べ 114 人(100 人)
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①~⑫の各事業を所管する課において、基幹統計や調査等により把握でき、
客観的に検証可能な数値を設定した。また、結果となる数値は、更新毎に検
証を行うとともに、問題があれば施策の改善や計画の見直し等を行っている。
結果としては達成7事業、未達成5事業であり、事業が完了したものや、当初
設定時と施策の方針等が変化しているものもある。未達成のものについては、事
業内容の改善や KPI の見直し等を行っていく。
モデルケース認定を受けた環境都市「豊岡エコバレー」と大交流の取組みは、今後も個々の事業を発展させていく。
また、新たな人口減少対策の取組みとして、豊岡市の「若年女性の地元回復率」を向上させるため、女性が働きやす
く・働きがいがある職場を増やし、ジェンダーギャップの解消に着手した。①民間事業所に女性活躍を働きかける施策
(ワークイノベーション戦略)と、②市役所自身が女性・若手職員の活躍のために変革する施策(キャリアデザインア
クションプラン)の 2 本を柱とし、2020 年度を目標に事業実施のための戦略を策定する。
行いながら、外部人材で構成する「豊岡市地方創生戦略会議」に諮り、必要な見直しを行っている。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
コウノトリ育む農法の普及と
コウノトリ育むお米の販路拡大
栽培の効率化・収量増加
コウノトリ育むお米の認知度向上
農家の収益性改善
コウノトリ育むお米の海外輸出開始
城崎国際アートセンターと
文化芸術のまち発信
海外からの来訪・利用増
文化芸術のまち認知度向上
県立専門職大学の設置
劇団青年団の豊岡移転 等
≪ KPI グラフ(主なもの) ≫
製造品出荷額等(億円単位)(①)
豊岡型環境創造型農業
作付面積割合(⑦)
外国人宿泊客数(人単位)(⑩)
- 94 -
– 97 –
◆団体名 壱岐東部漁業協同組合、長崎県壱岐市ほか

長崎県壱岐市は玄界灘に浮かぶ国境離島である。本
市では従来から農業と水産業が盛んな地域であり、地域
の基幹産業である水産業ではイカ釣り、一本釣り、定置
網、刺し網、採介藻漁業等が営まれているが、漁獲量の
激減、魚価の低迷、燃油の高騰等により事業環境は厳し
さを増している。そこで、持続可能な漁業のため、栽培漁
業の育成、加工等による高付加価値化、また、国内外の
新たな市場開拓、離島の条件不利を克服する商品開
発・情報発信が急務となっている。
本取り組みは島内で持続的に栽培・加工が可能なナマコや牡蠣、海藻類等を活用し、中国・台湾を中心としたア
ジア市場への輸出や国内の健康志向ニーズに対応した販売を実現するものである。
○島外からの移住・定住並びに新規漁業就業促進による伝統の海女漁業等の後継者の育成と技術承継
○島内の高齢者が生涯現役で働ける環境整備と冬期・荒天時等の遊休労働力の活用と雇用創出
○漁協自らが国内外への販路開拓と輸出・物流体制構築を図り、ブルーオーシャンから外貨を獲得
○給餌の必要がないナマコや牡蠣等の自然養殖を行うことで、低コスト、低環境負荷な事業モデルを構築
(1)漁協で最終商品まで仕上げ、高付加価値化するとともに、国外への輸出により外貨を獲得。
本事業により整備した施設で加工したナマコ・牡蠣等の国内外への販路開拓並びに出荷を漁協が主体となり取り組
んでいる。この結果、台湾市場では「生食用殻付き生牡蠣」の販路を開拓し、安定的に輸出・販売できる体制を構築
し、平成30年度は約2トンを空輸した。令和元年度は約8トンを出荷の見込みである。
(2)高齢者・女性でも作業しやすい環境を整備の上、遊休労働力の活用と雇用増・所得増を実現
高齢化の進行は著しいが、当地では文字通りの「生涯現役」の就業環境が実現できている。これにより、冬季・荒天
時等の遊休労働力(特に高齢者・女性)を活用した事業推進と地域内に雇用創出(平成29年度30名)、
所得向上(事業開始前比で従事者一人あたり約50万円増)が実現している。
(3)島外からの移住・定住と海女漁業等への新規就業、技術承継等を継続的に実現している。
平成25年度に壱岐島伝統の海女漁業の約25年ぶりの後継者候補として着任した「地域おこし協力隊員」以
降、これまでに4名が新規漁業就業者として海女漁業等の技術の承継に取り組んでいる。外部人材の移住・定住・
就業・活躍の様子が新たな外部人材を呼び寄せる好循環が生まれている。
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
4.漁船廃油と、冬季の遊休労働力を活用した、ナマコ等の養殖・高付加価値化・販売による地域
資源循環の創造と、地域おこし協力隊等の外部人材を活用した情報発信・交流促進
◆団体名 壱岐東部漁業協同組合、長崎県壱岐市ほか
◆全体概要
– 98 –
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
壱岐東部漁業協同組合が実質的な事業主体となり、権限と責任をもち、島内は市・漁協・金融機関、島外は
国・長崎県・JETRO・民間流通事業者及び台湾・中国のナマコ・牡蠣等取扱事業者と連携し、事業推進している。
内海湾海域でのナマコの安定的な自然増殖体制の確立には目処が立ったが、当初計画と比較すると水揚げ量は
大幅に目標を下回っている。しかし、生牡蠣については当初の想定を上回るペースの水揚げと出荷を実現できている。
引き続き、国内外の販路開拓を図り、売上増を実現する。
新規雇用については、非常勤雇用が主ではあるものの、目標を達成できている。本年は高齢の女性従事者の逝去
により若干の人数減となったが、新規就漁者の募集についても力を入れており、これらの取り組みの結果、賃金総額に
ついても増加しており、地域経済循環の効果が生じている。

【KPI 達成のプロセスやポイント】
①香港等の日本からの輸出が容易な国については、競合も厳しく、販路確保への労力を要し、大手資本に優位な状
況となっている。そこで、体制構築には時間を要するものの、競合が少なく、新規参入によるメリットを享受できる国・地
域(中国本土、台湾等)に販路開拓・輸出体制構築を図ったことが成果につながった。
②高齢化の進行を止めることは出来ないが、高齢者が無理なく就労できる環境・働き方を整備することで、高齢者が
活躍できるようになった。また、伝統の海女漁業の承継を全面に出した新規漁業就業者の募集と、フェイス・トウ・フェイ
スの対応により、安定的な応募があり、移住定住と技術の承継の好循環を生み出している。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
遊休労働力等を活用した養
殖・高付加価値化・販売と、
外部人材を活用した情報発
信・交流促進
移住定住・就業者数 4人*1
島内高齢者の雇用創出 26人
育てる漁業の出荷額 12976 千円
地域経済効果*2
25,000千円
- 95 -
– 97 –
◆団体名 壱岐東部漁業協同組合、長崎県壱岐市ほか

長崎県壱岐市は玄界灘に浮かぶ国境離島である。本
市では従来から農業と水産業が盛んな地域であり、地域
の基幹産業である水産業ではイカ釣り、一本釣り、定置
網、刺し網、採介藻漁業等が営まれているが、漁獲量の
激減、魚価の低迷、燃油の高騰等により事業環境は厳し
さを増している。そこで、持続可能な漁業のため、栽培漁
業の育成、加工等による高付加価値化、また、国内外の
新たな市場開拓、離島の条件不利を克服する商品開
発・情報発信が急務となっている。
本取り組みは島内で持続的に栽培・加工が可能なナマコや牡蠣、海藻類等を活用し、中国・台湾を中心としたア
ジア市場への輸出や国内の健康志向ニーズに対応した販売を実現するものである。
○島外からの移住・定住並びに新規漁業就業促進による伝統の海女漁業等の後継者の育成と技術承継
○島内の高齢者が生涯現役で働ける環境整備と冬期・荒天時等の遊休労働力の活用と雇用創出
○漁協自らが国内外への販路開拓と輸出・物流体制構築を図り、ブルーオーシャンから外貨を獲得
○給餌の必要がないナマコや牡蠣等の自然養殖を行うことで、低コスト、低環境負荷な事業モデルを構築
(1)漁協で最終商品まで仕上げ、高付加価値化するとともに、国外への輸出により外貨を獲得。
本事業により整備した施設で加工したナマコ・牡蠣等の国内外への販路開拓並びに出荷を漁協が主体となり取り組
んでいる。この結果、台湾市場では「生食用殻付き生牡蠣」の販路を開拓し、安定的に輸出・販売できる体制を構築
し、平成30年度は約2トンを空輸した。令和元年度は約8トンを出荷の見込みである。
(2)高齢者・女性でも作業しやすい環境を整備の上、遊休労働力の活用と雇用増・所得増を実現
高齢化の進行は著しいが、当地では文字通りの「生涯現役」の就業環境が実現できている。これにより、冬季・荒天
時等の遊休労働力(特に高齢者・女性)を活用した事業推進と地域内に雇用創出(平成29年度30名)、
所得向上(事業開始前比で従事者一人あたり約50万円増)が実現している。
(3)島外からの移住・定住と海女漁業等への新規就業、技術承継等を継続的に実現している。
平成25年度に壱岐島伝統の海女漁業の約25年ぶりの後継者候補として着任した「地域おこし協力隊員」以
降、これまでに4名が新規漁業就業者として海女漁業等の技術の承継に取り組んでいる。外部人材の移住・定住・
就業・活躍の様子が新たな外部人材を呼び寄せる好循環が生まれている。
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
4.漁船廃油と、冬季の遊休労働力を活用した、ナマコ等の養殖・高付加価値化・販売による地域
資源循環の創造と、地域おこし協力隊等の外部人材を活用した情報発信・交流促進
◆全体概要
– 98 –
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
壱岐東部漁業協同組合が実質的な事業主体となり、権限と責任をもち、島内は市・漁協・金融機関、島外は
国・長崎県・JETRO・民間流通事業者及び台湾・中国のナマコ・牡蠣等取扱事業者と連携し、事業推進している。
内海湾海域でのナマコの安定的な自然増殖体制の確立には目処が立ったが、当初計画と比較すると水揚げ量は
大幅に目標を下回っている。しかし、生牡蠣については当初の想定を上回るペースの水揚げと出荷を実現できている。
引き続き、国内外の販路開拓を図り、売上増を実現する。
新規雇用については、非常勤雇用が主ではあるものの、目標を達成できている。本年は高齢の女性従事者の逝去
により若干の人数減となったが、新規就漁者の募集についても力を入れており、これらの取り組みの結果、賃金総額に
ついても増加しており、地域経済循環の効果が生じている。

【KPI 達成のプロセスやポイント】
①香港等の日本からの輸出が容易な国については、競合も厳しく、販路確保への労力を要し、大手資本に優位な状
況となっている。そこで、体制構築には時間を要するものの、競合が少なく、新規参入によるメリットを享受できる国・地
域(中国本土、台湾等)に販路開拓・輸出体制構築を図ったことが成果につながった。
②高齢化の進行を止めることは出来ないが、高齢者が無理なく就労できる環境・働き方を整備することで、高齢者が
活躍できるようになった。また、伝統の海女漁業の承継を全面に出した新規漁業就業者の募集と、フェイス・トウ・フェイ
スの対応により、安定的な応募があり、移住定住と技術の承継の好循環を生み出している。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
遊休労働力等を活用した養
殖・高付加価値化・販売と、
外部人材を活用した情報発
信・交流促進
移住定住・就業者数 4人*1
島内高齢者の雇用創出 26人
育てる漁業の出荷額 12976 千円
地域経済効果*2
25,000千円
- 96 -
– 99 –
◆地方創生関係交付金等の活用有無 *平成30年度実績
輸出に必要な各種届出や許可等の書類の円滑取得と、出荷から納品までスピーディー且つ低コストな低温物流体
制の確保が必要であり、外部専門事業者と連携し、現地最新情報の取得を図る。また、商標登録や取引基本契約
の締結等、法的な権利の確保を徹底し、売上金未収等の事態が生じないよう対策を講じる。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり 地域経済循環創造
事業交付金
66,565 千円 約 75% 作業環境の改善による
新規雇用創出
あり 離島活性化交付金 3,750 千円 2/3 産品のブランド化とPR
販路開拓
あり 特定有人国境離島
漁村支援交付金
5,232 千円* 3/4 作業環境の改善による
新規雇用創出と販路開拓
◆今後の展開及び課題
– 100 – - 97 -
– 99 –
◆地方創生関係交付金等の活用有無 *平成30年度実績
輸出に必要な各種届出や許可等の書類の円滑取得と、出荷から納品までスピーディー且つ低コストな低温物流体
制の確保が必要であり、外部専門事業者と連携し、現地最新情報の取得を図る。また、商標登録や取引基本契約
の締結等、法的な権利の確保を徹底し、売上金未収等の事態が生じないよう対策を講じる。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり 地域経済循環創造
事業交付金
66,565 千円 約 75% 作業環境の改善による
新規雇用創出
あり 離島活性化交付金 3,750 千円 2/3 産品のブランド化とPR
販路開拓
あり 特定有人国境離島
漁村支援交付金
5,232 千円* 3/4 作業環境の改善による
新規雇用創出と販路開拓
◆今後の展開及び課題
– 100 – - 98 -
– 101 –
◆団体名 鹿児島県、鹿児島商工会議所ほか
鹿児島県は、我が国本土の最南端に位置し、世界の経済成長の 6 割を占めるアジアに近接しており、また、南
北 600 キロメートルに及ぶ広大な県土の中に、美しい自然環境が織りなす四季折々の景観、特色ある島々、奥
深い歴史を感じさせる名所、良質で豊かな温泉など、魅力ある観光資源が豊富にある。
一方で、本県は、昭和 30 年の 204 万人をピークに人口減少が続いており、国立社会保障・人口問題研究
所の推計によると 2045 年には、120 万人に減り、高齢化率も 40%を超える予測となっている。
今後、国内・県内人口が減少していく中で地域が自立していくためには、交流人口拡大への取り組みが不可欠
であり、そのため、本モデルケースでは、世界経済を席巻するアジア、特に中国との交流人口の拡大を図り、農林水
産業、商工業など関連する産業のすそ野が広い総合産業である観光の更なる活性化を起爆剤とした地域活性化
を目指し、平成 25 年に締結した「鹿児島県と清華大学との包括交流に関する覚書(MOU)」に基づいた青少
年・学術・経済などの分野における交流事業の実施、県内各団体の取組を連携させる「観光クラスター」の構築に
よる県外・海外観光客の誘致や 6 次産業化や農商工連携による県産品の高付加価値化、移輸出促進等に取
り組んだ。

観光振興等の取組
(観光クラスター構築)
清華大学との青少年学生
交流
清華大学と県内経済界と
の相互交流
清華大学との学術交流
清華大学出身者等のオピ
ニオンリーダーの誘致
入込観光客数の拡大
外国人観光客の来訪の促進
地場産品のブランド化等
観光を担う人材の育成等
観光関連インフラの整備
清華大学とのMOU
を核とした取組
ツーウェイツーリズムによる本県
経済の自助自立的・持続的成長
観光を起点とした
「外需獲得型の地域活性化」
5.「観光クラスターによるサステナブルでかつ自助自立的な発展のための地域活性化戦略」及び「鹿児島発
『地方公共団体と国外大学との包括協定による連携』を核とした外需獲得型の地域活性化モデル」
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
1 清華大学との包括協定関係
(1) 経済交流の実施(派遣・受入 計 230 名 ※延べ数。以下同じ。)
・県内若手経営者等の清華大学派遣
・清華大学関連企業家等の受入
(2) 青少年学生交流の実施(派遣・受入 計 128 名)
・県内大学生の清華大学への語学留学(5か月間)
・県内高校生・教員等の清華大学への短期語学研修(1週間)
・清華大学学生と県内学生の交流(10 日間)
(3) 学術交流の実施(派遣・受入 計 87 名)
・分野(文化芸術、環境、医療、農業)ごとの交流
– 102 –
◆プロジェクトのアピールポイント
1 清華大学との包括協定関係
(1) 経済交流の実施
清華大学内や清華大学関連企業家での鹿児島の認知度が向上し、鹿児島の焼酎に関し、商談が開始
されるなどの効果が現れている。また、平成 30 年度には、清華大学関連企業家等約 20 名が、「鹿児島マ
ラソン 2018」に参加するなど事業外でも鹿児島県に訪問するケースも出ている。
(2) 青少年学生交流の実施
清華大学に留学する県内学生は5年間で約 40 名近くになり、中国に精通していることに併せ、清華大
学に在学する中国人を始め、世界各国の優秀な学生とのつながりを有する人材の育成に繋がっている。
(3) 学術交流の実施
学術交流においては、人的交流が中心であったが、文化芸術交流においては、平成 30 年度に鹿児島県
の伝統工芸品等の展示会を清華大学内で実施するなど、着実に交流が深化している。
【経済交流】 【青少年学生交流】
2 観光クラスター構築関係
(1)延べ宿泊数が 10%増加
観光かごしま大キャンペーン等、国内主要都市及び国際線就航地を対象とした効果的なプロモーション活
動により、延べ宿泊数は事業初年度の 10%増加となった。
(2)外国人観光客数・海外渡航者数が3倍に増加
国際線の本数が事業初年度から 3 倍以上に増えるなど、国際航空路線の拡充・強化により、国際線の就
航しているアジア各地と鹿児島との距離は一層近くなったことや、国際クルーズ船の誘致促進活動により入港
実績が事業初年度の 3 倍以上に増加した。
(3)食料品輸出額が 15%増加
香港でのアンテナショップ事業により、県産品のアジア現地の人々との接点を生み出し、鹿児島県産品の認
知度向上に寄与した。食料品輸出額は目標値の 15%増加となった。
- 99 -
– 101 –
◆団体名 鹿児島県、鹿児島商工会議所ほか
鹿児島県は、我が国本土の最南端に位置し、世界の経済成長の 6 割を占めるアジアに近接しており、また、南
北 600 キロメートルに及ぶ広大な県土の中に、美しい自然環境が織りなす四季折々の景観、特色ある島々、奥
深い歴史を感じさせる名所、良質で豊かな温泉など、魅力ある観光資源が豊富にある。
一方で、本県は、昭和 30 年の 204 万人をピークに人口減少が続いており、国立社会保障・人口問題研究
所の推計によると 2045 年には、120 万人に減り、高齢化率も 40%を超える予測となっている。
今後、国内・県内人口が減少していく中で地域が自立していくためには、交流人口拡大への取り組みが不可欠
であり、そのため、本モデルケースでは、世界経済を席巻するアジア、特に中国との交流人口の拡大を図り、農林水
産業、商工業など関連する産業のすそ野が広い総合産業である観光の更なる活性化を起爆剤とした地域活性化
を目指し、平成 25 年に締結した「鹿児島県と清華大学との包括交流に関する覚書(MOU)」に基づいた青少
年・学術・経済などの分野における交流事業の実施、県内各団体の取組を連携させる「観光クラスター」の構築に
よる県外・海外観光客の誘致や 6 次産業化や農商工連携による県産品の高付加価値化、移輸出促進等に取
り組んだ。

観光振興等の取組
(観光クラスター構築)
清華大学との青少年学生
交流
清華大学と県内経済界と
の相互交流
清華大学との学術交流
清華大学出身者等のオピ
ニオンリーダーの誘致
入込観光客数の拡大
外国人観光客の来訪の促進
地場産品のブランド化等
観光を担う人材の育成等
観光関連インフラの整備
清華大学とのMOU
を核とした取組
ツーウェイツーリズムによる本県
経済の自助自立的・持続的成長
観光を起点とした
「外需獲得型の地域活性化」
5.「観光クラスターによるサステナブルでかつ自助自立的な発展のための地域活性化戦略」及び「鹿児島発
『地方公共団体と国外大学との包括協定による連携』を核とした外需獲得型の地域活性化モデル」
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
1 清華大学との包括協定関係
(1) 経済交流の実施(派遣・受入 計 230 名 ※延べ数。以下同じ。)
・県内若手経営者等の清華大学派遣
・清華大学関連企業家等の受入
(2) 青少年学生交流の実施(派遣・受入 計 128 名)
・県内大学生の清華大学への語学留学(5か月間)
・県内高校生・教員等の清華大学への短期語学研修(1週間)
・清華大学学生と県内学生の交流(10 日間)
(3) 学術交流の実施(派遣・受入 計 87 名)
・分野(文化芸術、環境、医療、農業)ごとの交流
– 102 –
◆プロジェクトのアピールポイント
1 清華大学との包括協定関係
(1) 経済交流の実施
清華大学内や清華大学関連企業家での鹿児島の認知度が向上し、鹿児島の焼酎に関し、商談が開始
されるなどの効果が現れている。また、平成 30 年度には、清華大学関連企業家等約 20 名が、「鹿児島マ
ラソン 2018」に参加するなど事業外でも鹿児島県に訪問するケースも出ている。
(2) 青少年学生交流の実施
清華大学に留学する県内学生は5年間で約 40 名近くになり、中国に精通していることに併せ、清華大
学に在学する中国人を始め、世界各国の優秀な学生とのつながりを有する人材の育成に繋がっている。
(3) 学術交流の実施
学術交流においては、人的交流が中心であったが、文化芸術交流においては、平成 30 年度に鹿児島県
の伝統工芸品等の展示会を清華大学内で実施するなど、着実に交流が深化している。
【経済交流】 【青少年学生交流】
2 観光クラスター構築関係
(1)延べ宿泊数が 10%増加
観光かごしま大キャンペーン等、国内主要都市及び国際線就航地を対象とした効果的なプロモーション活
動により、延べ宿泊数は事業初年度の 10%増加となった。
(2)外国人観光客数・海外渡航者数が3倍に増加
国際線の本数が事業初年度から 3 倍以上に増えるなど、国際航空路線の拡充・強化により、国際線の就
航しているアジア各地と鹿児島との距離は一層近くなったことや、国際クルーズ船の誘致促進活動により入港
実績が事業初年度の 3 倍以上に増加した。
(3)食料品輸出額が 15%増加
香港でのアンテナショップ事業により、県産品のアジア現地の人々との接点を生み出し、鹿児島県産品の認
知度向上に寄与した。食料品輸出額は目標値の 15%増加となった。
- 100 -
– 103 –
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
1 清華大学との包括協定関係
鹿児島県 PR・観光戦略部国際交流課が清華大学との調整窓口となり、庁内各課、県内大学、経済団体
などと連携し、事業を展開した。
2 観光クラスター構築関係
事業開始後 3 年間は、プロジェクト推進会議を月 1 回程度定期的に開催し、逐次状況を確認しながら今後
の事業推進に向けて意見交換を行った。
鹿児島県と清華大
学との MOU 締結
による交流事業
経済交流(派遣・受入 230 名)
青少年学生交流(派遣・受入 128 名)
学術学生交流(派遣・受入 87 名)
中国に精通した人材の育成
中国における鹿児島県の認知度の向上
人的交流の深化
◆KPI 設定の工夫・達成状況
1 清華大学との包括協定関係
当該取り組みでは、以下のとおり人的交流の効果を KPI に設定した。達成状況について、2 及び3について
は、応募の少なかった年度があり、若干、最終目標値を満たさなかったが、それ以外の項目については、各種交
流において、受入が順調に推移し、最終目標値を大幅に上回った。
【設定 KPI】
KPI 項目 最終目標値 実績
1 清華大学からの招へい者数 50 名 148 名
2 清華大学への留学者数 50 名 37 名
3 清華大学への高校生短期派遣者数 50 名 45 名
4 清華大学への若手経営者派遣者数 100 名 150 名
5 清華大学との交流フォーラムの開催 150 名 200 名
2 観光クラスター構築関係
(1) 九州新幹線全線開業経済効果最大化プロジェクトの推進
~県産品の振興と国内入込客数拡大に向けた取組み~
来鹿した県外客等を対象に、抽選で 3、200 名に薩摩焼や大島紬などの県産品が当たる「第 2 次オー
ルかごしま Welcom キャンペーン事業」を実施。また、鹿児島への観光客・ビジネス客の入込数拡大と県産
品の振興を目的に、新幹線沿線都市に約 85 万枚のパンフレット配布や首都圏の大手旅行代理店への送
客依頼、福岡駅前での観光キャラバン等を行った。
(2)海外誘客強化事業等の推進
~国際航空路線の拡充やクルーズ船の誘致等による誘客強化を図る~
国際航空路線の利用促進に向けた海外航空会社への訪問活動、海外観光客船寄港時の歓迎セレモニ
ーや懇談会の開催などの活動を通じ、海外誘客強化事業の推進を図った。
国内入込客数の拡大・海外
誘客強化事業等の推進
・延 べ宿 泊 数 約 831 万人 【提案時数値目標: 700 万人(H30)】
・外国人観光客数 約 79 万人 【提案時数値目標: 50 万人(H30)】
– 104 –
◆今後の展開及び課題
1 清華大学との包括協定関係
経済交流においては、5年間の交流で構築したネットワークを活用し、民間主導の交流、企業のニーズに応じ
た交流・連携を促進するため、側面支援を行う。また、青少年学生交流においては、清華大学への語学留学や
短期語学研修の経験者のフォローアップを行い、留学や研修で培った経験等を生かせる環境作りを進める。
2 観光クラスター構築関係
国内入込客数の拡大・海外誘客強化事業等ついては、令和元年のラグビーワールドカップや令和 2 年の国
民体育大会、オリンピック・パラリピックを見据え、国内からの誘客・PRをはじめとした誘客活動の強化を図る。ま
た、クルーズ客船専用バース「マリンポートかごしま」への外国人観光客の入込数が年々増加していることから、
「マリンポートかごしま」から中心市街地へのアクセス向上等を含めた事業推進について検討を進める。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
清華大学への留学生については、留学を希望しているものの、中国に対する不安(主に治安や環境)から躊
躇する学生も多かったが、県内大学を訪問し、説明を行うことで、不安が払拭され、申込者数が増加した。その他
の KPI については、清華大学、県内関係団体等と連絡を密に行うことにより、円滑に事業を遂行することができ
た。
2 観光クラスター構築関係
当該取り組みでは、延べ宿泊数、外国人観光客数の効果を KPI に設定した。達成状況は以下のとおり、延
べ宿泊数は当初の目標値より約 18%増、外国人観光客数は、当初の目標値より約 58%増となった。
【延べ宿泊者数】 【外国人観光客数】
KPI① 【単位】 万人
指標を使用している施策 九州新幹線全線開業経済効果最大化プロジェクトの推進
延べ宿泊者数
753
797
721
807
831
700
600
650
700
750
800
850
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
KPI② 【単位】 万人
指標を使用している施策 海外誘客強化事業等
外国人観光客数
27
42 49
72 79
50
0
20
40
60
80
100
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
- 101 -
– 103 –
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
1 清華大学との包括協定関係
鹿児島県 PR・観光戦略部国際交流課が清華大学との調整窓口となり、庁内各課、県内大学、経済団体
などと連携し、事業を展開した。
2 観光クラスター構築関係
事業開始後 3 年間は、プロジェクト推進会議を月 1 回程度定期的に開催し、逐次状況を確認しながら今後
の事業推進に向けて意見交換を行った。
鹿児島県と清華大
学との MOU 締結
による交流事業
経済交流(派遣・受入 230 名)
青少年学生交流(派遣・受入 128 名)
学術学生交流(派遣・受入 87 名)
中国に精通した人材の育成
中国における鹿児島県の認知度の向上
人的交流の深化
◆KPI 設定の工夫・達成状況
1 清華大学との包括協定関係
当該取り組みでは、以下のとおり人的交流の効果を KPI に設定した。達成状況について、2 及び3について
は、応募の少なかった年度があり、若干、最終目標値を満たさなかったが、それ以外の項目については、各種交
流において、受入が順調に推移し、最終目標値を大幅に上回った。
【設定 KPI】
KPI 項目 最終目標値 実績
1 清華大学からの招へい者数 50 名 148 名
2 清華大学への留学者数 50 名 37 名
3 清華大学への高校生短期派遣者数 50 名 45 名
4 清華大学への若手経営者派遣者数 100 名 150 名
5 清華大学との交流フォーラムの開催 150 名 200 名
2 観光クラスター構築関係
(1) 九州新幹線全線開業経済効果最大化プロジェクトの推進
~県産品の振興と国内入込客数拡大に向けた取組み~
来鹿した県外客等を対象に、抽選で 3、200 名に薩摩焼や大島紬などの県産品が当たる「第 2 次オー
ルかごしま Welcom キャンペーン事業」を実施。また、鹿児島への観光客・ビジネス客の入込数拡大と県産
品の振興を目的に、新幹線沿線都市に約 85 万枚のパンフレット配布や首都圏の大手旅行代理店への送
客依頼、福岡駅前での観光キャラバン等を行った。
(2)海外誘客強化事業等の推進
~国際航空路線の拡充やクルーズ船の誘致等による誘客強化を図る~
国際航空路線の利用促進に向けた海外航空会社への訪問活動、海外観光客船寄港時の歓迎セレモニ
ーや懇談会の開催などの活動を通じ、海外誘客強化事業の推進を図った。
国内入込客数の拡大・海外
誘客強化事業等の推進
・延 べ宿 泊 数 約 831 万人 【提案時数値目標: 700 万人(H30)】
・外国人観光客数 約 79 万人 【提案時数値目標: 50 万人(H30)】
– 104 –
◆今後の展開及び課題
1 清華大学との包括協定関係
経済交流においては、5年間の交流で構築したネットワークを活用し、民間主導の交流、企業のニーズに応じ
た交流・連携を促進するため、側面支援を行う。また、青少年学生交流においては、清華大学への語学留学や
短期語学研修の経験者のフォローアップを行い、留学や研修で培った経験等を生かせる環境作りを進める。
2 観光クラスター構築関係
国内入込客数の拡大・海外誘客強化事業等ついては、令和元年のラグビーワールドカップや令和 2 年の国
民体育大会、オリンピック・パラリピックを見据え、国内からの誘客・PRをはじめとした誘客活動の強化を図る。ま
た、クルーズ客船専用バース「マリンポートかごしま」への外国人観光客の入込数が年々増加していることから、
「マリンポートかごしま」から中心市街地へのアクセス向上等を含めた事業推進について検討を進める。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
清華大学への留学生については、留学を希望しているものの、中国に対する不安(主に治安や環境)から躊
躇する学生も多かったが、県内大学を訪問し、説明を行うことで、不安が払拭され、申込者数が増加した。その他
の KPI については、清華大学、県内関係団体等と連絡を密に行うことにより、円滑に事業を遂行することができ
た。
2 観光クラスター構築関係
当該取り組みでは、延べ宿泊数、外国人観光客数の効果を KPI に設定した。達成状況は以下のとおり、延
べ宿泊数は当初の目標値より約 18%増、外国人観光客数は、当初の目標値より約 58%増となった。
【延べ宿泊者数】 【外国人観光客数】
KPI① 【単位】 万人
指標を使用している施策 九州新幹線全線開業経済効果最大化プロジェクトの推進
延べ宿泊者数
753
797
721
807
831
700
600
650
700
750
800
850
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
KPI② 【単位】 万人
指標を使用している施策 海外誘客強化事業等
外国人観光客数
27
42 49
72 79
50
0
20
40
60
80
100
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(実績値) 5年目(補正値)
平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成30年度
実績値
目標値
- 102 -
– 105 –

– 106 –
④ 広域地域資源活用型
Ⅲ.類型別モデルケース紹介
- 103 -
– 105 –

– 106 –
④ 広域地域資源活用型
Ⅲ.類型別モデルケース紹介
- 104 -
– 107 –
No 団 体 名 提案タイトル
1
㈱JTB 北海道、北海
道広域動産酒協議
会ほか
地域と世界を結ぶ日本の新たな国際交流手形「パ酒ポート」
2
サンデン㈱、産業観光
学習館ほか
絹産業遺産群とこれをルーツとする現在の地元企業群を産業観光の資源
と位置づけ、広域連携での協働を推進し地域の活性化に貢献する
3
メイドインジャパンプロ
ジェクトほか 関東地域 地域資源広域連携ブランディング事業
4
なら橘プロジェクト推
進協議会ほか 橘街道プロジェクト
5 愛媛県西条市ほか 四国経済を牽引する総合6次産業都市「西条市」
6 熊本県人吉市ほか 人吉ハラール促進区をコアとした地域産直・広域ネットワーク及びツーリズム
構築事業
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(④ 広域地域資源活用型 一覧)
– 108 –
本類型において紹介している取組みは、「地域産業の成長、雇用の維持創出」をテーマとして「産業構造の特色及
び地域資源の活用により、地域経済の好循環(活性化)を実現するための「県域」を越える広域的な取組み」を「広
域地域資源活用型」モデルケースとして選定されたプロジェクトである。類型については、基本的に申請主義であること
もあり、現時点ではその取組みや効果等が必ずしも広域ではなく地元レベルに留まっていると思われるケースも一部見ら
れるが、今後分野横断的かつ複数主体が参画した異分野融合等により広域的なアプローチ及び波及効果が期待さ
れるものもある。
基本的に複数の市町村域、府県域に渡る広域的な取組みであるため、プロジェクト全体に渡る特定自治体による
トータルプロデュースやコーディネートは困難な事が多く、必然的に「民(事業者、NPO 法人等)主導」による事例が
多くなっている。行政による場合は国の広域地方部局が推進協議会事務局を司る等も見られるものの基本的には後
方支援するケースになっている。
活用される地域資源は地域産業や雇用に与える一律的な外部資本の投下効果や持続性の限界といった視点も
踏まえれば、生産物の付加価値の向上により農業を発展させていくいわゆる「6 次産業化」は多くの事例でも重要なコ
ンセプトとして取り組まれており、更にこのような視点は農業だけでなく、地域産業全般にもあてはまることとなる。現実
的に企業(工場)誘致等による雇用確保等は地域にとっては切実な問題ではあるが、地域内に流通する資金は必
ずしも増えずに期待通りの経済効果が得られない可能性もあり、こうした手法に限らず、地域産業や伝統工芸品等の
付加価値を高め、その価値の実現を再度地域に回していく、即ち内発的な発展プロセスによって循環的に地域資源を
活用し持続的に地域を発展させるスタイルが模索、構築されている。また、6次産業化や観光のような地元雇用が発
生しやすい「域外市場産業」を振興することは資金が地域内に循環する可能性が高く、多くの当該事例において重要
な取組みとなっていると言えよう。
(モデルケースにおける特徴的な取組み等の総括)
(1) 地域と世界を結ぶ日本の新たな国際交流手形「パ酒ポート」
本来競合関係にあるすべての酒類(亜業種)事業者と大手旅行会社による北海道広域道産酒協議会が推進
母体となり、酒と食のガイドブック「パ酒ポート」によるスタンプラリー事業を中核プロジェクトに「道産酒」と「食」のツーリズ
ムを連携させ、道産酒の消費拡大、地元農産物を活用した6次産業化や交流人口の拡大にも寄与するとともに、テ
ーマ毎に新事業の開拓にもつながっている。大手旅行会社が事務局を務める協議会によるカバナンス、コーディネートが
効いた取組みであり、また高い当事者意識を持って参画している事業者が多いこともその特徴である。
特にスタンプラリー事業は、継続的に実施されており、リーディング事業として他の地域産品等での展開が可能なため
その他地域(圏域)へ横展開が始まる等、全国的な波及効果も期待されるところである。
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(④ 広域地域資源活用型 総括)
楠見 清(くすみ きよし) (学法)神戸山手学園 理事長
兵庫県庁において地域産業・雇用開発等の地域振興施策、県政企画等に永らく携わり、この間に旧労働
省、自治大学校出向。県産業政策局長、政策労働局長等を歴任し、兵庫県の経済・雇用活性化プロジェ
クトや地域活性化対策に従事。兵庫県立大学、(公財)ひょうご産業活性化センター出向・理事長、(公財)
兵庫県勤労福祉協会理事長を経て現職。
全国中小企業支援センター協議会会長、全国イノベーション推進機関ネットワーク運営委員長、地域イノベー
ション戦略推進地域選定委員会(文科省、農水省、経産省、総務省)委員等を歴任し、現在内閣府地域
活性化プラットフォームワーキングチーム委員。
- 105 -
– 107 –
No 団 体 名 提案タイトル
1
㈱JTB 北海道、北海
道広域動産酒協議
会ほか
地域と世界を結ぶ日本の新たな国際交流手形「パ酒ポート」
2
サンデン㈱、産業観光
学習館ほか
絹産業遺産群とこれをルーツとする現在の地元企業群を産業観光の資源
と位置づけ、広域連携での協働を推進し地域の活性化に貢献する
3
メイドインジャパンプロ
ジェクトほか 関東地域 地域資源広域連携ブランディング事業
4
なら橘プロジェクト推
進協議会ほか 橘街道プロジェクト
5 愛媛県西条市ほか 四国経済を牽引する総合6次産業都市「西条市」
6 熊本県人吉市ほか 人吉ハラール促進区をコアとした地域産直・広域ネットワーク及びツーリズム
構築事業
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(④ 広域地域資源活用型 一覧)
– 108 –
本類型において紹介している取組みは、「地域産業の成長、雇用の維持創出」をテーマとして「産業構造の特色及
び地域資源の活用により、地域経済の好循環(活性化)を実現するための「県域」を越える広域的な取組み」を「広
域地域資源活用型」モデルケースとして選定されたプロジェクトである。類型については、基本的に申請主義であること
もあり、現時点ではその取組みや効果等が必ずしも広域ではなく地元レベルに留まっていると思われるケースも一部見ら
れるが、今後分野横断的かつ複数主体が参画した異分野融合等により広域的なアプローチ及び波及効果が期待さ
れるものもある。
基本的に複数の市町村域、府県域に渡る広域的な取組みであるため、プロジェクト全体に渡る特定自治体による
トータルプロデュースやコーディネートは困難な事が多く、必然的に「民(事業者、NPO 法人等)主導」による事例が
多くなっている。行政による場合は国の広域地方部局が推進協議会事務局を司る等も見られるものの基本的には後
方支援するケースになっている。
活用される地域資源は地域産業や雇用に与える一律的な外部資本の投下効果や持続性の限界といった視点も
踏まえれば、生産物の付加価値の向上により農業を発展させていくいわゆる「6 次産業化」は多くの事例でも重要なコ
ンセプトとして取り組まれており、更にこのような視点は農業だけでなく、地域産業全般にもあてはまることとなる。現実
的に企業(工場)誘致等による雇用確保等は地域にとっては切実な問題ではあるが、地域内に流通する資金は必
ずしも増えずに期待通りの経済効果が得られない可能性もあり、こうした手法に限らず、地域産業や伝統工芸品等の
付加価値を高め、その価値の実現を再度地域に回していく、即ち内発的な発展プロセスによって循環的に地域資源を
活用し持続的に地域を発展させるスタイルが模索、構築されている。また、6次産業化や観光のような地元雇用が発
生しやすい「域外市場産業」を振興することは資金が地域内に循環する可能性が高く、多くの当該事例において重要
な取組みとなっていると言えよう。
(モデルケースにおける特徴的な取組み等の総括)
(1) 地域と世界を結ぶ日本の新たな国際交流手形「パ酒ポート」
本来競合関係にあるすべての酒類(亜業種)事業者と大手旅行会社による北海道広域道産酒協議会が推進
母体となり、酒と食のガイドブック「パ酒ポート」によるスタンプラリー事業を中核プロジェクトに「道産酒」と「食」のツーリズ
ムを連携させ、道産酒の消費拡大、地元農産物を活用した6次産業化や交流人口の拡大にも寄与するとともに、テ
ーマ毎に新事業の開拓にもつながっている。大手旅行会社が事務局を務める協議会によるカバナンス、コーディネートが
効いた取組みであり、また高い当事者意識を持って参画している事業者が多いこともその特徴である。
特にスタンプラリー事業は、継続的に実施されており、リーディング事業として他の地域産品等での展開が可能なため
その他地域(圏域)へ横展開が始まる等、全国的な波及効果も期待されるところである。
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(④ 広域地域資源活用型 総括)
楠見 清(くすみ きよし) (学法)神戸山手学園 理事長
兵庫県庁において地域産業・雇用開発等の地域振興施策、県政企画等に永らく携わり、この間に旧労働
省、自治大学校出向。県産業政策局長、政策労働局長等を歴任し、兵庫県の経済・雇用活性化プロジェ
クトや地域活性化対策に従事。兵庫県立大学、(公財)ひょうご産業活性化センター出向・理事長、(公財)
兵庫県勤労福祉協会理事長を経て現職。
全国中小企業支援センター協議会会長、全国イノベーション推進機関ネットワーク運営委員長、地域イノベー
ション戦略推進地域選定委員会(文科省、農水省、経産省、総務省)委員等を歴任し、現在内閣府地域
活性化プラットフォームワーキングチーム委員。
- 106 -
– 109 –
(2)絹産業遺産郡とこれをルーツとする現在の地元企業群と産業観光の資源と位置づけ、広域連携での協働と推進
群馬と埼玉にまたがる絹産業群エリアの民間企業・団体・自治体が行政区域等の壁を越えた地域連携により、世
界遺産「富岡製糸場と絹産業群という明治の産業遺産と、これをルーツとする現在の企業群を価値ある「産業観光
資源」と位置づけ、新たな広域連携型産業観光モデルを構築し、実践。事業運営の中核に地域中核企業の主導支
援により NPO 法人(「産業観光学習館」)が設立され、先ず地域ストーリー「上武絹の道」が策定され、その後参画
自治体も4から7市町に拡大され、NPO 法人を事務局とする推進母体として権限・責任を持つ「運営協議会」が設
立され、DMO 法人認定にまで至っている。これにより「上武」という地域アイデンティティーは「産業観光地域づくり」とい
うコンセプトが確立されつつあるが、住民参加による地域づくりや、交流人口の増加等に連動した地域産業の高度化
や良好な雇用機会の確保につながる具体的な事業とその効果が今後期待される。
(3) 関東地域 地域資源広域連携ブランディング事業
国の広域地方部局が事務局を務める「地方産業競争力協議会」の戦略に位置づけられ、そのコーディネートのもと
に、NPO 法人が異なる強みを持つ「クリエイティブ・プロデュース人材」をネットワーク化してプラットフォームを構築し、発
展可能性を有し新たな事業展開に意欲ある産地や事業者を自治体等が見出し、広域関東圏の地域資源とクリエイ
ティブ・プロデュース人材のマッチングを図っている。
地域の工芸品や産地技術等の多彩な地域資源のブランディングを行い、海外を含む地域外市場をターゲットとした
複数の事業プロジェクトが同時並行で実施されており、KPI(モデル化に必要とされる指標)を上方修正する等、地
域を越えた地域産業・企業・自治体そしてアドバイザリーボード機能を持つ NPO 等の連携等による持続的な成長を
目指すビジネスモデルの構築につながる取組みになっている。
(4) 橘街道プロジェクト
日本の菓子の元祖とされる絶滅危惧種指定の「(大和)橘」の再生・ブランド化の取り組みを発端に、国の地方
部局のリード・コーディネートにより「橘」にまつわる近畿一円の菓子産地や寺社仏閣等を中心に菓子という地域資源を
歴史・文化の奥深さで捉え直し、その魅力を現代の地域や関連産業の様々な取組みに戦略的に付加することで、新
たな価値を創造し、国内外の人々を引き付けるという「橘街道」(「スウィーツ街道」)をプロデュースするというものであ
る。ただ、現時点ではプロジェクト推進の総合プロデュース機能が発揮されているとは言えず、広域的な取組みや連携
は進展せず、「(大和)橘」の住民参加等による増殖・増産や産業支援・試験研究機関等と連携した菓子・食品等
の商品化の実現等、事実上「地元地域資源活用型」の成功事例に留まっている。
(5) 四国経済を牽引する総合6次産業都市「西条市」
四国最大の経営耕地面積や民間立地企業の高い技術力、利便性の高い広域交通網等、高い地域ポテンシャル
を生かし、市のリーダーシップと総合調整・統括のもと農作物のいわゆる上流側(技術開発・生産工程等)から下流
側(生産―加工・流道-消費)において「バリューイノベーション(総合6次産業化)」を展開するプロジェクトであ
り、農業生産・食品加工事業の拡大や雇用創出等の成果も出始めている。
しかし、このケースも四国経済を牽引するような広域的なアプローチ、波及効果には至っておらず、金融機関や産業
支援機関等と連携した雇客販売ルート開拓等、流通・消費機能の確保・拡充を始め、より広域的な連携・アプローチ
が進展することが期待される。
– 110 –
(6) 人吉ハラール促進区をコアとした地域産直・広域ネットワーク及びツーリズム構築事業
南九州広域ブロックにおいて伝統的な歴史・文化遺産に加え、鉄道遺産や川下り、ラフティング等の体験・学習型
「ニューツーリズム」や豊かな「食材」を活用し、地域産業の6次産業化を推進する中核事業としてハラール対応をター
ゲットに「セントラルキッチン」(食肉加工基地)を形成することでインバウンドを呼び込むとともにハラール関連商品を国
内外に向け販路拡大を目指すものである。
定量的なデータ分析による戦略のもとにロードマップを策定しネットワーク化を進め広域観光も推進体制を構築し地
道に進展しつつあるが、「セントラルキッチン」の形成については関係者と協議中であり、事業化には至っていない。関係
者とのコンセンサスの確立と県、国との連携が一層必要とされる。
- 107 -
– 109 –
(2)絹産業遺産郡とこれをルーツとする現在の地元企業群と産業観光の資源と位置づけ、広域連携での協働と推進
群馬と埼玉にまたがる絹産業群エリアの民間企業・団体・自治体が行政区域等の壁を越えた地域連携により、世
界遺産「富岡製糸場と絹産業群という明治の産業遺産と、これをルーツとする現在の企業群を価値ある「産業観光
資源」と位置づけ、新たな広域連携型産業観光モデルを構築し、実践。事業運営の中核に地域中核企業の主導支
援により NPO 法人(「産業観光学習館」)が設立され、先ず地域ストーリー「上武絹の道」が策定され、その後参画
自治体も4から7市町に拡大され、NPO 法人を事務局とする推進母体として権限・責任を持つ「運営協議会」が設
立され、DMO 法人認定にまで至っている。これにより「上武」という地域アイデンティティーは「産業観光地域づくり」とい
うコンセプトが確立されつつあるが、住民参加による地域づくりや、交流人口の増加等に連動した地域産業の高度化
や良好な雇用機会の確保につながる具体的な事業とその効果が今後期待される。
(3) 関東地域 地域資源広域連携ブランディング事業
国の広域地方部局が事務局を務める「地方産業競争力協議会」の戦略に位置づけられ、そのコーディネートのもと
に、NPO 法人が異なる強みを持つ「クリエイティブ・プロデュース人材」をネットワーク化してプラットフォームを構築し、発
展可能性を有し新たな事業展開に意欲ある産地や事業者を自治体等が見出し、広域関東圏の地域資源とクリエイ
ティブ・プロデュース人材のマッチングを図っている。
地域の工芸品や産地技術等の多彩な地域資源のブランディングを行い、海外を含む地域外市場をターゲットとした
複数の事業プロジェクトが同時並行で実施されており、KPI(モデル化に必要とされる指標)を上方修正する等、地
域を越えた地域産業・企業・自治体そしてアドバイザリーボード機能を持つ NPO 等の連携等による持続的な成長を
目指すビジネスモデルの構築につながる取組みになっている。
(4) 橘街道プロジェクト
日本の菓子の元祖とされる絶滅危惧種指定の「(大和)橘」の再生・ブランド化の取り組みを発端に、国の地方
部局のリード・コーディネートにより「橘」にまつわる近畿一円の菓子産地や寺社仏閣等を中心に菓子という地域資源を
歴史・文化の奥深さで捉え直し、その魅力を現代の地域や関連産業の様々な取組みに戦略的に付加することで、新
たな価値を創造し、国内外の人々を引き付けるという「橘街道」(「スウィーツ街道」)をプロデュースするというものであ
る。ただ、現時点ではプロジェクト推進の総合プロデュース機能が発揮されているとは言えず、広域的な取組みや連携
は進展せず、「(大和)橘」の住民参加等による増殖・増産や産業支援・試験研究機関等と連携した菓子・食品等
の商品化の実現等、事実上「地元地域資源活用型」の成功事例に留まっている。
(5) 四国経済を牽引する総合6次産業都市「西条市」
四国最大の経営耕地面積や民間立地企業の高い技術力、利便性の高い広域交通網等、高い地域ポテンシャル
を生かし、市のリーダーシップと総合調整・統括のもと農作物のいわゆる上流側(技術開発・生産工程等)から下流
側(生産―加工・流道-消費)において「バリューイノベーション(総合6次産業化)」を展開するプロジェクトであ
り、農業生産・食品加工事業の拡大や雇用創出等の成果も出始めている。
しかし、このケースも四国経済を牽引するような広域的なアプローチ、波及効果には至っておらず、金融機関や産業
支援機関等と連携した雇客販売ルート開拓等、流通・消費機能の確保・拡充を始め、より広域的な連携・アプローチ
が進展することが期待される。
– 110 –
(6) 人吉ハラール促進区をコアとした地域産直・広域ネットワーク及びツーリズム構築事業
南九州広域ブロックにおいて伝統的な歴史・文化遺産に加え、鉄道遺産や川下り、ラフティング等の体験・学習型
「ニューツーリズム」や豊かな「食材」を活用し、地域産業の6次産業化を推進する中核事業としてハラール対応をター
ゲットに「セントラルキッチン」(食肉加工基地)を形成することでインバウンドを呼び込むとともにハラール関連商品を国
内外に向け販路拡大を目指すものである。
定量的なデータ分析による戦略のもとにロードマップを策定しネットワーク化を進め広域観光も推進体制を構築し地
道に進展しつつあるが、「セントラルキッチン」の形成については関係者と協議中であり、事業化には至っていない。関係
者とのコンセンサスの確立と県、国との連携が一層必要とされる。
- 108 -
– 111 –
◆団体名 ㈱JTB 北海道・北海道広域道産酒協議会・小樽市

沖縄には泡盛、九州には焼酎で地元料理を楽しむことが定着している。でも、北海道には日本酒、ワイン、ウイスキ
ー、ビールとおいしいお酒がそろっているのに、地元を代表するお酒のイメージが薄い。何とかできないだろうかと考え、
北海道産酒を核に、様々な業種が参画した「パ酒ポート」を発行。
・日本酒、ワイン、ビールなどの酒類の垣根を越えて動産酒のブランド価値を向上させたい
・動産酒の消費拡大によって地域を活性化させたい
という目的のもと、パ酒ポートを核に、「地域産業×観光×観光輸出」に取り組んだ。

・パ酒ポートの安定的な販売
(1年目)8,000 部→(5年目)15,000 部
・動産酒の販路拡大(輸出)
(1年目)輸出量 0→(5年目)輸出量 301 リットル
①パ酒ポートの発刊が止まることなく、継続していること
1.地域と世界を結ぶ日本の新たな国際交流手形「パ酒ポート」
◆団体名 ㈱ 北海道・北海道広域道産酒協議会・小樽市
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 112 –
②当初計画していた「地域産業×観光×海外輸出」の取組が具体的に実行できたこと

<イビサ島ワイン問屋 VINO&CO の日本酒取扱いの様子>
全体の品揃えの12 分の1ほどが日本酒の取り扱いになった。
- 109 -
– 111 –
◆団体名 ㈱JTB 北海道・北海道広域道産酒協議会・小樽市

沖縄には泡盛、九州には焼酎で地元料理を楽しむことが定着している。でも、北海道には日本酒、ワイン、ウイスキ
ー、ビールとおいしいお酒がそろっているのに、地元を代表するお酒のイメージが薄い。何とかできないだろうかと考え、
北海道産酒を核に、様々な業種が参画した「パ酒ポート」を発行。
・日本酒、ワイン、ビールなどの酒類の垣根を越えて動産酒のブランド価値を向上させたい
・動産酒の消費拡大によって地域を活性化させたい
という目的のもと、パ酒ポートを核に、「地域産業×観光×観光輸出」に取り組んだ。

・パ酒ポートの安定的な販売
(1年目)8,000 部→(5年目)15,000 部
・動産酒の販路拡大(輸出)
(1年目)輸出量 0→(5年目)輸出量 301 リットル
①パ酒ポートの発刊が止まることなく、継続していること
1.地域と世界を結ぶ日本の新たな国際交流手形「パ酒ポート」
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 112 –
②当初計画していた「地域産業×観光×海外輸出」の取組が具体的に実行できたこと

<イビサ島ワイン問屋 VINO&CO の日本酒取扱いの様子>
全体の品揃えの12 分の1ほどが日本酒の取り扱いになった。
- 110 -
– 113 –
◆関連する地域波及効果
下記のとおりに、北海道だけではなく、神戸・滋賀・新潟・山形などでパ酒ポートが発売され、いずれも
売れ行きは好評であった。
◆推進体制
2011 年 12 月に、清酒・ワイン・ビール・ウィスキーの酒造メーカー23 社と JTB 北海道にて設立された
北海道広域動産酒協議会が母体となり、推進。
各事業ごとに事務局が事業進捗及び成果の報告を適宜行い、各テーマごとに参加者による議論が行われ
ている。活動を支えるスポンサー(地元企業)、観光協会、食品製造業、銀行、観光事業者、調査会
社、クリエイターなど様々な主体と連携をしている。

– 114 –
KPI として設定した
①地域活性・交流人口拡大
②旅行商品化
③受入整備・人材育成の実施
④海外販路拡大の実施
については、いずれも一歩ずつ前進しているのが現状である。
訪日観光客の増加に伴い、酒蔵への来訪者は年々増加しているが、国内向けへのプロモーションが、(広告費の兼ね
合いもあり)限定的にならざるを得ないため、日本人観光客の来訪者は海外並みまでに至っていない。
旅行商品化については、継続展開中。この取組に北海道内自治体からの注目も多く、岩見沢市では「ワインタクシー」
の取組が始まった。
人材育成については、なかなか思うように進まず、ICT を活用したサービスの検討が先に進んでいる現状。
海外販路拡大については、ターゲット市場の見直しも含め、今後の営業戦略を協議中である。
① 地域活性・交流人口拡大
・認知度が低い
パ酒ポートに参加することで実際に地酒、食、観光をフックに人が動く仕組みづくりが横展開可能である。しかしながら
自主事業として実施しているため、プロモーション費用をかけることができず、全国展開の展開スピードが遅い。
・データどりが難しい
酒蔵、ワイナリーが小規模のところが多く、来客数や購入数などデータどりができておらずマーケティング戦略が立てにく
い。
② 海外販路拡大の実施
協議会の事務局として JTB が輸出免許を取得、商社として機能し、小ロットからも輸出できる体制を整えた。ニッチな
欧州高級リゾートをターゲットに実施しており、4 年目には対前年 150%の輸出実績をもたらしたものの、やはり世界と
の競争が激しいマーケットであり、定期的な営業(現地訪問)なくしては輸出拡大に繋がらない。商社機能がドメイン
ではない当社にとっては難しいところで、メールを中心とした営業を継続しているのが現状。しかしながら、この5年間継
続してきた卸、小売、店舗ネットワークには価値があり、可能性のあるターゲットであるため、今後も現地での飲食店を
巻き込んだイベント、プロモーションを仕掛け、インバウンド誘致にまで繋げたい。
◆今後の展開及び課題
◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 111 -
– 113 –
◆関連する地域波及効果
下記のとおりに、北海道だけではなく、神戸・滋賀・新潟・山形などでパ酒ポートが発売され、いずれも
売れ行きは好評であった。
◆推進体制
2011 年 12 月に、清酒・ワイン・ビール・ウィスキーの酒造メーカー23 社と JTB 北海道にて設立された
北海道広域動産酒協議会が母体となり、推進。
各事業ごとに事務局が事業進捗及び成果の報告を適宜行い、各テーマごとに参加者による議論が行われ
ている。活動を支えるスポンサー(地元企業)、観光協会、食品製造業、銀行、観光事業者、調査会
社、クリエイターなど様々な主体と連携をしている。

– 114 –
KPI として設定した
①地域活性・交流人口拡大
②旅行商品化
③受入整備・人材育成の実施
④海外販路拡大の実施
については、いずれも一歩ずつ前進しているのが現状である。
訪日観光客の増加に伴い、酒蔵への来訪者は年々増加しているが、国内向けへのプロモーションが、(広告費の兼ね
合いもあり)限定的にならざるを得ないため、日本人観光客の来訪者は海外並みまでに至っていない。
旅行商品化については、継続展開中。この取組に北海道内自治体からの注目も多く、岩見沢市では「ワインタクシー」
の取組が始まった。
人材育成については、なかなか思うように進まず、ICT を活用したサービスの検討が先に進んでいる現状。
海外販路拡大については、ターゲット市場の見直しも含め、今後の営業戦略を協議中である。
① 地域活性・交流人口拡大
・認知度が低い
パ酒ポートに参加することで実際に地酒、食、観光をフックに人が動く仕組みづくりが横展開可能である。しかしながら
自主事業として実施しているため、プロモーション費用をかけることができず、全国展開の展開スピードが遅い。
・データどりが難しい
酒蔵、ワイナリーが小規模のところが多く、来客数や購入数などデータどりができておらずマーケティング戦略が立てにく
い。
② 海外販路拡大の実施
協議会の事務局として JTB が輸出免許を取得、商社として機能し、小ロットからも輸出できる体制を整えた。ニッチな
欧州高級リゾートをターゲットに実施しており、4 年目には対前年 150%の輸出実績をもたらしたものの、やはり世界と
の競争が激しいマーケットであり、定期的な営業(現地訪問)なくしては輸出拡大に繋がらない。商社機能がドメイン
ではない当社にとっては難しいところで、メールを中心とした営業を継続しているのが現状。しかしながら、この5年間継
続してきた卸、小売、店舗ネットワークには価値があり、可能性のあるターゲットであるため、今後も現地での飲食店を
巻き込んだイベント、プロモーションを仕掛け、インバウンド誘致にまで繋げたい。
◆今後の展開及び課題
◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 112 -
– 115 –
◆団体名 サンデン株式会社、伊勢崎市、本庄市、深谷市、富岡市、産業観光学習館、ぐんま島
村蚕種の会

世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」という明治の産業遺産と、これをルーツとする現在の企業群の両者を、価
値ある産業観光資源と位置付け、その歴史変遷や独自の地域文化、また技術や産業の変遷やその現状を、関係す
る産官学民の協働と連携によって整備充実(インフラ整備、プログラム開発、受入れ体制構築、広報発信)させ、これ
により、従来型の観光地でも企業単独の工場見学でもない、新たな「広域連携型産業観光のモデル」を構築し実践
することで、人材育成・商工観光の振興・地場産品や関連する雇用の創出を実現する事を目指した。
1.「観光」と「食」を組み合わせたガイドブック「IC 途中下車 3 時間の旅」発行
来訪者の 60%を占める自動車を対象に、温泉&長野&新潟への素通り客を重点的にプロモーションを実施。
平成 30 年度 10,000 部発行(7 市町の主要施設にて配布)
令和元年度 23,000 部発行(前年度配布場所に加え、道の駅・高速道 PA 等 80 か所で配布)
2.域内観光消費額
平成 27 年度 97,945,353 千円 平成 30 年度 116,804,326 千円 (+19.3%)
2.絹産業遺産群とこれをルーツとする現在の地元企業群を産業観光の資源と位置づけ、広域連携
での協働を推進し地域活性化に貢献する
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 116 –
組織体:「上武絹の道運営協議会」・・・2 県 7 市町と民間企業による協同事業
【提案時の組織】 【5 年後の組織】
自治体:伊勢崎市・本庄市・深谷市・富岡市 → 藤岡市・下仁田町・熊谷市が加わり、7 市町が参画
運営:サンデン株式会社 → 事務局運営を目的とした NPO 産業観光学習館を設立
DMO 候補法人認定(平成 29 年)
DMO 法人認定(平成 30 年) 第 20049 号
◆関連する地域波及効果
◆推進体制

【設定 KPI】
①7 市町(指標にしている 7 資産)の入場者数【H26:1,494,777 人→H30:845,000 人】
②ポータルサイトのアクセス数(産業観光学習館+上武絹の道)【H26:265→H30:15,000】
③主催事業参加者数【H26:175 人→H30:500 人】
④マスコミ掲載件数【H26:1 件→H30:20 件】
上武絹の道推進事業
広域連携 DMO による観光連携
H30 域内観光入込数 1986 万人
前年比 156 万人増加

H30 域内観光消費額 1168 億円
前年比 147 億円増加
【7 自治体の首長参加による総会の開催】・・・2 県 7 自治体の共同参画
【民間事業者による合意形成の仕組み】・・・主要ガイド・観光事業者・物産事業者の意見を反映
◆プロジェクトのアピールポイント
◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 113 -
– 115 –
◆団体名 サンデン株式会社、伊勢崎市、本庄市、深谷市、富岡市、産業観光学習館、ぐんま島
村蚕種の会

世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」という明治の産業遺産と、これをルーツとする現在の企業群の両者を、価
値ある産業観光資源と位置付け、その歴史変遷や独自の地域文化、また技術や産業の変遷やその現状を、関係す
る産官学民の協働と連携によって整備充実(インフラ整備、プログラム開発、受入れ体制構築、広報発信)させ、これ
により、従来型の観光地でも企業単独の工場見学でもない、新たな「広域連携型産業観光のモデル」を構築し実践
することで、人材育成・商工観光の振興・地場産品や関連する雇用の創出を実現する事を目指した。
1.「観光」と「食」を組み合わせたガイドブック「IC 途中下車 3 時間の旅」発行
来訪者の 60%を占める自動車を対象に、温泉&長野&新潟への素通り客を重点的にプロモーションを実施。
平成 30 年度 10,000 部発行(7 市町の主要施設にて配布)
令和元年度 23,000 部発行(前年度配布場所に加え、道の駅・高速道 PA 等 80 か所で配布)
2.域内観光消費額
平成 27 年度 97,945,353 千円 平成 30 年度 116,804,326 千円 (+19.3%)
2.絹産業遺産群とこれをルーツとする現在の地元企業群を産業観光の資源と位置づけ、広域連携
での協働を推進し地域活性化に貢献する
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 116 –
組織体:「上武絹の道運営協議会」・・・2 県 7 市町と民間企業による協同事業
【提案時の組織】 【5 年後の組織】
自治体:伊勢崎市・本庄市・深谷市・富岡市 → 藤岡市・下仁田町・熊谷市が加わり、7 市町が参画
運営:サンデン株式会社 → 事務局運営を目的とした NPO 産業観光学習館を設立
DMO 候補法人認定(平成 29 年)
DMO 法人認定(平成 30 年) 第 20049 号
◆関連する地域波及効果
◆推進体制

【設定 KPI】
①7 市町(指標にしている 7 資産)の入場者数【H26:1,494,777 人→H30:845,000 人】
②ポータルサイトのアクセス数(産業観光学習館+上武絹の道)【H26:265→H30:15,000】
③主催事業参加者数【H26:175 人→H30:500 人】
④マスコミ掲載件数【H26:1 件→H30:20 件】
上武絹の道推進事業
広域連携 DMO による観光連携
H30 域内観光入込数 1986 万人
前年比 156 万人増加

H30 域内観光消費額 1168 億円
前年比 147 億円増加
【7 自治体の首長参加による総会の開催】・・・2 県 7 自治体の共同参画
【民間事業者による合意形成の仕組み】・・・主要ガイド・観光事業者・物産事業者の意見を反映
◆プロジェクトのアピールポイント
◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 114 -
– 117 –
⑤地域ストーリーやキービジュアル等の展開数【H26:0件→H30:31,000 件 】
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①世界遺産登録後に減少傾向が止まらず。入場者数全体の 85%を占める富岡製糸場から周遊する取り組みを試
みたところ、周遊率がわずかながら向上した。
②上武絹の道ポータルサイト開設により、アクセス向上。更新頻度の向上とともにアクセス数も増加した。
③ツアー造成、セミナーの開催数を増やしたことで、参加者が増加した。
④地元紙へのプレスリリースを増やすことで掲載回数が改善した。
⑤広報(JR 沿線、新幹線改札前広告、タウン誌への出稿など)及び、エリアのドライブガイド展開による改善効果が
あった。
【稼ぐ組織体への転換】
事業運営の中核に NPO を設立(H26)し、地域ストーリー策定(H27)、上武絹の道運営協議会設立
(H28)、DMO 候補法人認定(H29)、DMO 法人認定(H30)と一定の成果が出た。しかしながら、観光的
な核となる事業体の創出が未達であり、今後は地域商社機能などを強化し、経済基盤の確立に努めたい。
【観光をきっかけとした移住促進】
商業・工業の活発な地域であり、かつ首都圏からのアクセス条件は良好な地域である。ビジネスでの訪問者が多い地
域特性を活かし、出張者の心に響くエリアの魅力の普及啓蒙活動や、観光をきっかけとした移住もしくは首都圏との 2
拠点生活へと誘導する施策を展開したい。
◆今後の展開及び課題
– 118 – - 115 -
– 117 –
⑤地域ストーリーやキービジュアル等の展開数【H26:0件→H30:31,000 件 】
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①世界遺産登録後に減少傾向が止まらず。入場者数全体の 85%を占める富岡製糸場から周遊する取り組みを試
みたところ、周遊率がわずかながら向上した。
②上武絹の道ポータルサイト開設により、アクセス向上。更新頻度の向上とともにアクセス数も増加した。
③ツアー造成、セミナーの開催数を増やしたことで、参加者が増加した。
④地元紙へのプレスリリースを増やすことで掲載回数が改善した。
⑤広報(JR 沿線、新幹線改札前広告、タウン誌への出稿など)及び、エリアのドライブガイド展開による改善効果が
あった。
【稼ぐ組織体への転換】
事業運営の中核に NPO を設立(H26)し、地域ストーリー策定(H27)、上武絹の道運営協議会設立
(H28)、DMO 候補法人認定(H29)、DMO 法人認定(H30)と一定の成果が出た。しかしながら、観光的
な核となる事業体の創出が未達であり、今後は地域商社機能などを強化し、経済基盤の確立に努めたい。
【観光をきっかけとした移住促進】
商業・工業の活発な地域であり、かつ首都圏からのアクセス条件は良好な地域である。ビジネスでの訪問者が多い地
域特性を活かし、出張者の心に響くエリアの魅力の普及啓蒙活動や、観光をきっかけとした移住もしくは首都圏との 2
拠点生活へと誘導する施策を展開したい。
◆今後の展開及び課題
– 118 – - 116 -
– 119 –
◆団体名 メイド・イン・ジャパン・プロジェクト
関東地方産業競争力協議会(11 都県・8 政令市)他

ファッション、デザイン等の豊富なクリエイティブ人材や、情報・文化の発信力を有する首都圏と、良質な地域資源を
有する地方との広域連携による地域活性化モデルを構築するため、クリエイティブ人材のプラットフォームを構築するとと
もに、地域資源や市場に応じた地域資源ブランディングプロジェクトを実施した。
クリエイティブ人材プラットフォームの構築
■クリエイティブ人材によるブランディング支援
広域関東圏におけるクリエイティブ人材のネットワーク化を推進し、地域との連携により効果的な事業推進をプロデュ
ースできる 54 名(日本人 42 名、外国人 12 名)のクリエイティブ人材リストを作成した。
広域連携プロジェクトの推進・オープンファクトリー事業の推進
■広域連携プロジェクトの推進
ものづくり事業者とクリエイティブ人材による地域資源活用型商品の開発・販路開拓プロジェクトを組成した。
国内では、ものづくり事業者が、次世代の職人をコンセプトに抽出した若手職人や小売事業者とともに商品開発を
行い、「NEXT Crafts Generation」ブランドを立ち上げた。また、絹関連の地域や事業者による「絹のみち」プロジェク
トでは、ものづくりと観光の両面からアプローチした。ものづくりでは若者向けのシルクブランド「cilk」や銘仙の技術をファッ
ションに取り入れた「style MEISEN」を立ち上げ、大手百貨店などで販売した。観光では絹ゆかりの地をめぐるスタンプ
ラリーを実施した。
海外では、シンガポール・香港、パリ・ロンドン、ニューヨークなど世界の主要市場をターゲットに、ものづくり事業者と現
地デザイナーの連携による商品開発・販路開拓を実施した。現地でのマーケティングによる市場ニーズの把握、現地デ
ザイナーの訪日による日本のものづくりへの理解を通じ、初期段階から市場のニーズと日本のものづくりの融合を意識し
た商品開発・販路開拓を各市場で展開した。
これらプロジェクトの結果、国内外 5 年間で、120 件の商品を開発し、328 件の商談が成立した。
■オープンファクトリー事業の推進
工場を一般開放し、ものづくりの魅力を消費者やバイヤーに直接感じてもらう「オープン
ファクトリー」により、地域内外の観光客を地域へ呼び込み、周遊させる仕組みづくりを推
進した。先進事例等を掲載したガイドブックの作成や専門家派遣により、新たに取り組も
うとする埼玉県川口市や岩手県一関地域、栃木県鹿沼地域を支援した。
「観光」をコンセプトとした広域連携プロジェクトの推進
■インバウンド拡大に向けた地域資源の情報発信
外国人富裕層に知られていない「こだわりの地域資源」
を持つ 11 地域 ※をホテル・コンシェルジュが訪問し、その目
利き力を活かして受入体制や商品・サービスについて助言
した。また、首都圏の高級ホテルを通じて外国人富裕層に
情報を発信するための PR 冊子、他地域とのノウハウ共有
を目的に受入環境整備のチェックリストを作成した。
※新潟県燕三条地域、千葉県佐原地域、茨城県霞ヶ浦地域、埼玉県秩父地域、山梨県峡南地域、長野県小布施町・東京都墨田
区、静岡県南伊豆地域、岩手県一関地域、長野県白馬地域、新潟県糸魚川地域、神奈川県小田原地域
3.関東地域 地域資源広域連携ブランディング事業

関東地方産業競争力協議会(
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 120 –
異なる強みを持つクリエイティブ人材をネットワーク化することで、漆器、木工、絹などの多彩な地域資源や、国内、ア
ジア・欧州・北米といった広範な市場をターゲットとした複数のプロジェクトを同時並行で実施することが可能となった。こ
れにより、地域特性に応じて参考とできる地域資源の多彩なブランディングモデルを創出した。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
関東地方産業競争力会議でとりまとめられた関東地方産業競争
力強化戦略に位置づけられ、協議会及びその下部に設置される地域
資源分科会を構成する地方自治体が中心となってスタートした。
NPO 法人メイド・イン・ジャパン・プロジェクトは、首都圏に集積する
高い能力を有するクリエイティブ人材のプラットフォームを構築した。
地方自治体は、発展可能性のある地域資源を有し、新たな事業
展開に意欲ある産地・事業者を見いだすことで、クリエイティブ人材と地域資源のマッチングを推進した。
【設定 KPI】 ( )は KPI(目標値)
地域資源活用型商品の開発・販路開拓のモデル化を明確に示すため、プロセスごとに KPI を設定した。
①プロジェクト創出件数:120 件(120 件) ②参画企業数:586 件(600 件)
③新商品・サービス開発件数:179 件(170 件) ④商談成立件数:328 件(350 件)
【KPI 達成のプロセスや工夫】
①、②クリエイティブ人材をネットワーク化し、地域企業とマッチングした。ノウハウの共有により他地域へ展開した。
③百貨店、セレクトショップなどの小売業や、海外デザイナーなど多種多様な関係者と連携した。
④海外の主要マーケットをターゲットに、現地デザイナーと連携した商品開発や展示会出展を実施した。
クリエイティブ人材によるブランディング支援
ものづくり事業者のニーズは多様化しており、クリエイティブ人材の一層のネットワーク化が必要である。そこで、クリエイ
ティブ人材を多数抱える企業と連携するなどネットワーク化の手法を検討し、マッチングを進めていく。
広域連携プロジェクトの推進・オープンファクトリー事業の推進
広域連携プロジェクトは、海外市場をターゲットとした場合、ハンズオン支援となり支援対象が限定される場合が多い。
そこで、商品・市場に応じたプロジェクトを同時並行で実施し複数のモデルを創出したが、今後は、これらのモデルを、海
外展開を目指す企業に展開していく。オープンファクトリーは、取り組もうとする地域があっても企画・運営のノウハウがな
く、推進することが難しい場合も多い。そこで、作成したガイドブックなどを活用し、地域へのノウハウの共有を図っていく。
インバウンド拡大に向けた地域資源の情報発信
コンシェルジュの支援は、訪日外国人を迎える際の導入部分に限定され、観光コンテンツの磨き上げには、別の専門
家が必要である。今後は、地域の要望に応じ、コンシェルジュを派遣するとともに、地域資源、農商工連携といった支援
策を紹介し、観光コンテンツの磨き上げを助言していく。
◆プロジェクトのアピールポイント
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
地域資源広域連携
ブランディング
プロジェクト創出件数:120
件参画企業数:586 件
新商品・サービス開発件数:179 件
商談成立件数:328 件
- 117 -
– 119 –
◆団体名 メイド・イン・ジャパン・プロジェクト
関東地方産業競争力協議会(11 都県・8 政令市)他

ファッション、デザイン等の豊富なクリエイティブ人材や、情報・文化の発信力を有する首都圏と、良質な地域資源を
有する地方との広域連携による地域活性化モデルを構築するため、クリエイティブ人材のプラットフォームを構築するとと
もに、地域資源や市場に応じた地域資源ブランディングプロジェクトを実施した。
クリエイティブ人材プラットフォームの構築
■クリエイティブ人材によるブランディング支援
広域関東圏におけるクリエイティブ人材のネットワーク化を推進し、地域との連携により効果的な事業推進をプロデュ
ースできる 54 名(日本人 42 名、外国人 12 名)のクリエイティブ人材リストを作成した。
広域連携プロジェクトの推進・オープンファクトリー事業の推進
■広域連携プロジェクトの推進
ものづくり事業者とクリエイティブ人材による地域資源活用型商品の開発・販路開拓プロジェクトを組成した。
国内では、ものづくり事業者が、次世代の職人をコンセプトに抽出した若手職人や小売事業者とともに商品開発を
行い、「NEXT Crafts Generation」ブランドを立ち上げた。また、絹関連の地域や事業者による「絹のみち」プロジェク
トでは、ものづくりと観光の両面からアプローチした。ものづくりでは若者向けのシルクブランド「cilk」や銘仙の技術をファッ
ションに取り入れた「style MEISEN」を立ち上げ、大手百貨店などで販売した。観光では絹ゆかりの地をめぐるスタンプ
ラリーを実施した。
海外では、シンガポール・香港、パリ・ロンドン、ニューヨークなど世界の主要市場をターゲットに、ものづくり事業者と現
地デザイナーの連携による商品開発・販路開拓を実施した。現地でのマーケティングによる市場ニーズの把握、現地デ
ザイナーの訪日による日本のものづくりへの理解を通じ、初期段階から市場のニーズと日本のものづくりの融合を意識し
た商品開発・販路開拓を各市場で展開した。
これらプロジェクトの結果、国内外 5 年間で、120 件の商品を開発し、328 件の商談が成立した。
■オープンファクトリー事業の推進
工場を一般開放し、ものづくりの魅力を消費者やバイヤーに直接感じてもらう「オープン
ファクトリー」により、地域内外の観光客を地域へ呼び込み、周遊させる仕組みづくりを推
進した。先進事例等を掲載したガイドブックの作成や専門家派遣により、新たに取り組も
うとする埼玉県川口市や岩手県一関地域、栃木県鹿沼地域を支援した。
「観光」をコンセプトとした広域連携プロジェクトの推進
■インバウンド拡大に向けた地域資源の情報発信
外国人富裕層に知られていない「こだわりの地域資源」
を持つ 11 地域 ※をホテル・コンシェルジュが訪問し、その目
利き力を活かして受入体制や商品・サービスについて助言
した。また、首都圏の高級ホテルを通じて外国人富裕層に
情報を発信するための PR 冊子、他地域とのノウハウ共有
を目的に受入環境整備のチェックリストを作成した。
※新潟県燕三条地域、千葉県佐原地域、茨城県霞ヶ浦地域、埼玉県秩父地域、山梨県峡南地域、長野県小布施町・東京都墨田
区、静岡県南伊豆地域、岩手県一関地域、長野県白馬地域、新潟県糸魚川地域、神奈川県小田原地域
3.関東地域 地域資源広域連携ブランディング事業
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
– 120 –
異なる強みを持つクリエイティブ人材をネットワーク化することで、漆器、木工、絹などの多彩な地域資源や、国内、ア
ジア・欧州・北米といった広範な市場をターゲットとした複数のプロジェクトを同時並行で実施することが可能となった。こ
れにより、地域特性に応じて参考とできる地域資源の多彩なブランディングモデルを創出した。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
関東地方産業競争力会議でとりまとめられた関東地方産業競争
力強化戦略に位置づけられ、協議会及びその下部に設置される地域
資源分科会を構成する地方自治体が中心となってスタートした。
NPO 法人メイド・イン・ジャパン・プロジェクトは、首都圏に集積する
高い能力を有するクリエイティブ人材のプラットフォームを構築した。
地方自治体は、発展可能性のある地域資源を有し、新たな事業
展開に意欲ある産地・事業者を見いだすことで、クリエイティブ人材と地域資源のマッチングを推進した。
【設定 KPI】 ( )は KPI(目標値)
地域資源活用型商品の開発・販路開拓のモデル化を明確に示すため、プロセスごとに KPI を設定した。
①プロジェクト創出件数:120 件(120 件) ②参画企業数:586 件(600 件)
③新商品・サービス開発件数:179 件(170 件) ④商談成立件数:328 件(350 件)
【KPI 達成のプロセスや工夫】
①、②クリエイティブ人材をネットワーク化し、地域企業とマッチングした。ノウハウの共有により他地域へ展開した。
③百貨店、セレクトショップなどの小売業や、海外デザイナーなど多種多様な関係者と連携した。
④海外の主要マーケットをターゲットに、現地デザイナーと連携した商品開発や展示会出展を実施した。
クリエイティブ人材によるブランディング支援
ものづくり事業者のニーズは多様化しており、クリエイティブ人材の一層のネットワーク化が必要である。そこで、クリエイ
ティブ人材を多数抱える企業と連携するなどネットワーク化の手法を検討し、マッチングを進めていく。
広域連携プロジェクトの推進・オープンファクトリー事業の推進
広域連携プロジェクトは、海外市場をターゲットとした場合、ハンズオン支援となり支援対象が限定される場合が多い。
そこで、商品・市場に応じたプロジェクトを同時並行で実施し複数のモデルを創出したが、今後は、これらのモデルを、海
外展開を目指す企業に展開していく。オープンファクトリーは、取り組もうとする地域があっても企画・運営のノウハウがな
く、推進することが難しい場合も多い。そこで、作成したガイドブックなどを活用し、地域へのノウハウの共有を図っていく。
インバウンド拡大に向けた地域資源の情報発信
コンシェルジュの支援は、訪日外国人を迎える際の導入部分に限定され、観光コンテンツの磨き上げには、別の専門
家が必要である。今後は、地域の要望に応じ、コンシェルジュを派遣するとともに、地域資源、農商工連携といった支援
策を紹介し、観光コンテンツの磨き上げを助言していく。
◆プロジェクトのアピールポイント
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
地域資源広域連携
ブランディング
プロジェクト創出件数:120
件参画企業数:586 件
新商品・サービス開発件数:179 件
商談成立件数:328 件
- 118 -
– 121 –
◆団体名 なら橘プロジェクト推進協議会ほか

大和橘は学名 Citrus tachibana。日本のカンキツ類の中でも、大和橘と沖縄のシークワーサーだけが日本原産種
であることが遺伝子分析により判明している。しかも大和橘は、約 2000 年前、第 11 代垂仁天皇から不老不死の
妙薬を探し求めてくるようとの命を受けた家臣田道間守が「常世の国」から持ち帰ったと古事記日本書記に記された伝
説の植物である。しかし 2001 年大和橘は絶滅危惧種 A1 類に指定され、原生地で僅かに生息しているに過ぎない
ことがわかった。現代科学の分析でも、大和橘にはノビレチン、タンゲレチン等、現代人にとって有効な機能性成分が多
く含まれていることが析出され、不老不死の伝説を決して裏切らない植物であることが証明されている。なら橘プロジェク
ト推進協議会は、この伝説の大和橘を奈良の地によみがえらせ、現代的息吹を吹き込もうというのである。「橘街道プ
ロジェクト」の名称は、奈良時代に平城京と藤原京とを南北に結ぶ 3 本の道(上ツ道、中ツ道、下ツ道)のうち、中ツ
道は聖徳太子ゆかりの橘寺に通じ、その街道筋には橘が植えられ「橘街道」と呼ばれていたことに由来している。橘の
植樹、橘街道の復活、その歴史・文化の紹介とPR、菓子・食品等の開発、橘の伝承に由来した観光ルート・拠点
の開設など、地域資源としての大和橘の特性を多種多様な分野に活かし、地域の活性化を図ろうとしている。
◎大和橘の植樹と増産活動
◎絶滅危惧種(2017 年準絶滅危惧種)であり、伝説の大和橘の歴史と文化の広報活動【古事記・日本書紀・万葉集】。
◎わが国固有種、不老不死の伝説をもつ大和橘を、現代科学で機能性成分を析出し検証した。
◎大和橘の果実、花、葉による商品化(和洋・薬膳料理、食品、化粧品、飲料、種類、香辛・調味料等)。
◎なら橘プロジェクト推進協議会の活動の集大成『よみがえれ!大和橘~絶滅の危機から再生へ~』を出版(平成 31 年)。
◎大和橘が奈良県の地域資源に指定される(平成 30 年)。
◎伝説と現代科学の整合性の検証。
◎大学・研究者の研究成果多数(香り・葉・果実の分析)。
◎産官学福の連携。
◎地域の多様な異業種の参画
◎シェフ・料理研究家が
即料理等に応用実践。
・ ◎多彩な支援団体・賛同者

◆関連する地域波及効果
◆推進体制
4.橘街道プロジェクト
橘街道プロジェクト
橘街道、
山の辺の道
の植樹、
◆全体概要

◎大和橘が奈良県の地域資源に指定される(平成 30 年)。
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 122 –
◆推進体制


地域資源として ◎地域資源を使ったプロジェクトを立ち上げ奈良から世界に発信できる大きなエネルギー源を手にしたと
考える。優れた大和橘を蘇らせて活用し、奈良の特産品の開発等、地域社会に根差した発展を目指す。
観光資源として ◎これまでの5年間で達成できなかった観光・インバウンド対応に取組む。1次産業をベースにし、2次・
3次産業を包括した観光資源として、7次産業をめざして取り組む。
海外への進出 ◎橘ジン KIKKA(蒸留酒)が台湾、香港に輸出され、世界への進出第1号の嚆矢となった。これを
契機に、大和橘の優れた機能と文化を海外に紹介し、広めていきたい。
橘の増植・増産 ◎大和橘は苗から開花・結実するまで5~7年の歳月を要する。しかも土質や日照など気候条件に敏
感であることが生育の過程で判明し、管理に注意が必要である。今後は、植樹を増やし、製品・商品の基盤となる橘の収
穫量を10トンまで増量することが喫緊の目標である。

和洋菓子店、和洋・薬膳料理
店、素麺・醤油・就業類製造販
売、食品・化粧品製造、薬品
会社、 農業者、ボラティアの
協力
植樹と支援 情報・橘製品ノ
ベルティの提供
樹の管理、
情報の把
握・製品開
発・宣伝・
販売
◆今後の展開及び課題
◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 119 -
– 121 –
◆団体名 なら橘プロジェクト推進協議会ほか

大和橘は学名 Citrus tachibana。日本のカンキツ類の中でも、大和橘と沖縄のシークワーサーだけが日本原産種
であることが遺伝子分析により判明している。しかも大和橘は、約 2000 年前、第 11 代垂仁天皇から不老不死の
妙薬を探し求めてくるようとの命を受けた家臣田道間守が「常世の国」から持ち帰ったと古事記日本書記に記された伝
説の植物である。しかし 2001 年大和橘は絶滅危惧種 A1 類に指定され、原生地で僅かに生息しているに過ぎない
ことがわかった。現代科学の分析でも、大和橘にはノビレチン、タンゲレチン等、現代人にとって有効な機能性成分が多
く含まれていることが析出され、不老不死の伝説を決して裏切らない植物であることが証明されている。なら橘プロジェク
ト推進協議会は、この伝説の大和橘を奈良の地によみがえらせ、現代的息吹を吹き込もうというのである。「橘街道プ
ロジェクト」の名称は、奈良時代に平城京と藤原京とを南北に結ぶ 3 本の道(上ツ道、中ツ道、下ツ道)のうち、中ツ
道は聖徳太子ゆかりの橘寺に通じ、その街道筋には橘が植えられ「橘街道」と呼ばれていたことに由来している。橘の
植樹、橘街道の復活、その歴史・文化の紹介とPR、菓子・食品等の開発、橘の伝承に由来した観光ルート・拠点
の開設など、地域資源としての大和橘の特性を多種多様な分野に活かし、地域の活性化を図ろうとしている。
◎大和橘の植樹と増産活動
◎絶滅危惧種(2017 年準絶滅危惧種)であり、伝説の大和橘の歴史と文化の広報活動【古事記・日本書紀・万葉集】。
◎わが国固有種、不老不死の伝説をもつ大和橘を、現代科学で機能性成分を析出し検証した。
◎大和橘の果実、花、葉による商品化(和洋・薬膳料理、食品、化粧品、飲料、種類、香辛・調味料等)。
◎なら橘プロジェクト推進協議会の活動の集大成『よみがえれ!大和橘~絶滅の危機から再生へ~』を出版(平成 31 年)。
◎大和橘が奈良県の地域資源に指定される(平成 30 年)。
◎伝説と現代科学の整合性の検証。
◎大学・研究者の研究成果多数(香り・葉・果実の分析)。
◎産官学福の連携。
◎地域の多様な異業種の参画
◎シェフ・料理研究家が
即料理等に応用実践。
・ ◎多彩な支援団体・賛同者

◆関連する地域波及効果
◆推進体制
4.橘街道プロジェクト
橘街道プロジェクト
橘街道、
山の辺の道
の植樹、
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 122 –
◆推進体制


地域資源として ◎地域資源を使ったプロジェクトを立ち上げ奈良から世界に発信できる大きなエネルギー源を手にしたと
考える。優れた大和橘を蘇らせて活用し、奈良の特産品の開発等、地域社会に根差した発展を目指す。
観光資源として ◎これまでの5年間で達成できなかった観光・インバウンド対応に取組む。1次産業をベースにし、2次・
3次産業を包括した観光資源として、7次産業をめざして取り組む。
海外への進出 ◎橘ジン KIKKA(蒸留酒)が台湾、香港に輸出され、世界への進出第1号の嚆矢となった。これを
契機に、大和橘の優れた機能と文化を海外に紹介し、広めていきたい。
橘の増植・増産 ◎大和橘は苗から開花・結実するまで5~7年の歳月を要する。しかも土質や日照など気候条件に敏
感であることが生育の過程で判明し、管理に注意が必要である。今後は、植樹を増やし、製品・商品の基盤となる橘の収
穫量を10トンまで増量することが喫緊の目標である。

和洋菓子店、和洋・薬膳料理
店、素麺・醤油・就業類製造販
売、食品・化粧品製造、薬品
会社、 農業者、ボラティアの
協力
植樹と支援 情報・橘製品ノ
ベルティの提供
樹の管理、
情報の把
握・製品開
発・宣伝・
販売
◆今後の展開及び課題

◆KPI 設定の工夫・達成状況
- 120 -
– 123 –
◆団体名 愛媛県西条市・住友化学・愛媛大学

西条市は、四国の中心部に位置し、四国屈指の製造品等出荷額を有する工業都市と四国最大の経営耕地面積
を有する農業都市の両面を併せ持っている。
西条市では、平成 14 年度から本市の強みである2次産業に加えて3次産業の力を活用することで、都市の総合
力をもって1次産業を活性化させる「総合6次産業都市」を目指し、各
種取組を実施してきた。
本モデルケースでは、都市部に向けた単なる原材料供給拠点にとどま
り、付加価値の地域外への流出がこれまで懸念されていた本地域におい
て、地域内で生産された農産物を地域内で加工することで、付加価値を
地域外へ流出させることなく、生み出された付加価値を農家所得の向上
に繋げることで、四国地域の一次産業、ひいては四国経済を牽引する仕
組を構築する。
以下の3つの機能を位置づけ、総合6次産業都市の実現を目指すこととしている。
1 総合6次産業都市コア機能(四国の第一次産業における物流・販売のハブ拠点を目指した取組)
・平成 26 年 10 月に四国最大規模のカット野菜工場となる(株)サンライズ西条加工センターが竣工
2 安定的生産機能(安定的な農産物供給拠点を目指した取組)
・㈱サンライズファーム西条や地元 JA を中心に加工・業務用野菜の産地化が進展
3 専門人材育成機能(総合6次産業都市を担う高度化人材の養成拠点を目指した取組)
・平成 28 年 4 月に産学官連携や人材育成の拠点施設となる「西条市地域創生センター」を開館
・平成 28 年 7 月に西条市内で初めての大学拠点となる「愛媛大学地域協働センター西条」を設立
豊富な水資源、広大な経営耕地に代表される豊かな自然環境、民間企業の高い技術力や情報力、四国の中央
に位置し利便性の高い広域交通網等、西条市が有する恵まれた地域ポテンシャルを活かし、これまでつながり合うこと
が困難であった農業と工業といった各産業分野が互いに連携・連動する仕組が構築できた。
◆関連する地域波及効果
5.四国経済を牽引する総合6次産業都市「西条市」
四国経済を牽引する総合
6次産業都市「西条市」
取組に参加して拡大した露地栽培面
積:79ha 増
(H26:15ha→H30:94ha)
農産物加工工場の年間販売金額
の増加:1 億 3,800 万円増
(H26:7,100 万円→H30:2
億 900 万円)
◆団体名
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 124 –
◆推進体制
農産物のバリューチェーンに存在する事業主体の連携のみならず、金融機関、大学など様々な主体が参画して連
携体制が構築されており、企業や金融機関が自立的に事業を行う分野、市が主体的に取り組む分野、大学と地域
が取り組む分野など、分野の特性に合わせて役割分担を行っている。
【設定 KPI】
① 加工場の年間販売金額の増加【0 円(H26 当初)→3.5 億円(補正前 11 億円)(H30)】
② 貯蔵・流通施設取扱量の増加【0t(H26 当初)→4,000t(補正前 10,000t)(H30)】
③ 四国内契約農家の増加【0 戸(H26 当初)→50 戸(H30)】
④ 鮮度保持器の累計販売台数【2 台(H26 当初)→2 台(補正前 30 台)(H30)】
⑤ 取組に参画して拡大した露地栽培面積【15ha(H26 当初)→100ha(H30)】
⑥ 取組に参画して拡大した施設栽培面積【0ha(H26 当初)→4ha(補正前 10ha)(H30)】
⑦ 人材養成を受けて取組に参画した人材の累計数【2 人(H26 当初)→20 人(H30)】
当モデルケースでは、総合6次産業都市の実現を目指す中で、それぞれが関連し合うことにより生まれる効果を
KPI に設定した。
平成 30 年度については、①2 億 900 万円、②2,483t、③34 戸、④2 台、⑤93.6ha、⑥0ha、⑦23 人とな
っており、主な KPI の達成状況を以下に示す。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
⑤取組に参画して拡大した露地栽培面積等、概ね目標を達成した KPI がある一方、①加工場の年間販売金額
の増加については、平成 26 年度(初年度)7,100 万円から平成 30 年度 2 億 900 万円へと推移しており、増加
傾向ではあるものの、平成 30 年度目標 11 億円(補正目標 3 億 5,000 万円)を大きく下回った KPI も存在する。
加工場設立当初、地域内での加工・業務用野菜の産地化が進まず、安定的に定量・定価・定品質で調達するた
めのルート確立に遅れが発生したことが大きな要因である。
現在、地元JAを中心に加工・業務用野菜の産地化が進展しており、地元産地との連携強化による周年で安定
した原材料調達体制が確立されていることから、今後は、事業者と金融機関等が連携した独自ルートによる顧客開拓
を行うとともに、より長期間保存が可能となる冷蔵貯蔵施設の整備検討を行う。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり ・ なし 地域経済循環創
造事業交付金
10,1500,000 円 1/2 四国最大規模のカット野菜工場となる
(株)サンライズ西条加工センターの整備
◆KPI 設定の工夫・達成状況
0.7
2.09
3.5
H26 H30 目標値
①加工場の年間販売金額の増加
27.9
93.6 100
H26 H30 目標値
⑤取組に参画して拡大した露地栽培面積
0
23 20
H26 H30 目標値
⑦人材養成を受け手取組に参画した人材の累計数
◆地方創生関係交付金等の活用有無
◆今後の展開及び課題
- 121 -
– 123 –
◆団体名 愛媛県西条市・住友化学・愛媛大学

西条市は、四国の中心部に位置し、四国屈指の製造品等出荷額を有する工業都市と四国最大の経営耕地面積
を有する農業都市の両面を併せ持っている。
西条市では、平成 14 年度から本市の強みである2次産業に加えて3次産業の力を活用することで、都市の総合
力をもって1次産業を活性化させる「総合6次産業都市」を目指し、各
種取組を実施してきた。
本モデルケースでは、都市部に向けた単なる原材料供給拠点にとどま
り、付加価値の地域外への流出がこれまで懸念されていた本地域におい
て、地域内で生産された農産物を地域内で加工することで、付加価値を
地域外へ流出させることなく、生み出された付加価値を農家所得の向上
に繋げることで、四国地域の一次産業、ひいては四国経済を牽引する仕
組を構築する。
以下の3つの機能を位置づけ、総合6次産業都市の実現を目指すこととしている。
1 総合6次産業都市コア機能(四国の第一次産業における物流・販売のハブ拠点を目指した取組)
・平成 26 年 10 月に四国最大規模のカット野菜工場となる(株)サンライズ西条加工センターが竣工
2 安定的生産機能(安定的な農産物供給拠点を目指した取組)
・㈱サンライズファーム西条や地元 JA を中心に加工・業務用野菜の産地化が進展
3 専門人材育成機能(総合6次産業都市を担う高度化人材の養成拠点を目指した取組)
・平成 28 年 4 月に産学官連携や人材育成の拠点施設となる「西条市地域創生センター」を開館
・平成 28 年 7 月に西条市内で初めての大学拠点となる「愛媛大学地域協働センター西条」を設立
豊富な水資源、広大な経営耕地に代表される豊かな自然環境、民間企業の高い技術力や情報力、四国の中央
に位置し利便性の高い広域交通網等、西条市が有する恵まれた地域ポテンシャルを活かし、これまでつながり合うこと
が困難であった農業と工業といった各産業分野が互いに連携・連動する仕組が構築できた。
◆関連する地域波及効果
5.四国経済を牽引する総合6次産業都市「西条市」
四国経済を牽引する総合
6次産業都市「西条市」
取組に参加して拡大した露地栽培面
積:79ha 増
(H26:15ha→H30:94ha)
農産物加工工場の年間販売金額
の増加:1 億 3,800 万円増
(H26:7,100 万円→H30:2
億 900 万円)
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 124 –
◆推進体制
農産物のバリューチェーンに存在する事業主体の連携のみならず、金融機関、大学など様々な主体が参画して連
携体制が構築されており、企業や金融機関が自立的に事業を行う分野、市が主体的に取り組む分野、大学と地域
が取り組む分野など、分野の特性に合わせて役割分担を行っている。
【設定 KPI】
① 加工場の年間販売金額の増加【0 円(H26 当初)→3.5 億円(補正前 11 億円)(H30)】
② 貯蔵・流通施設取扱量の増加【0t(H26 当初)→4,000t(補正前 10,000t)(H30)】
③ 四国内契約農家の増加【0 戸(H26 当初)→50 戸(H30)】
④ 鮮度保持器の累計販売台数【2 台(H26 当初)→2 台(補正前 30 台)(H30)】
⑤ 取組に参画して拡大した露地栽培面積【15ha(H26 当初)→100ha(H30)】
⑥ 取組に参画して拡大した施設栽培面積【0ha(H26 当初)→4ha(補正前 10ha)(H30)】
⑦ 人材養成を受けて取組に参画した人材の累計数【2 人(H26 当初)→20 人(H30)】
当モデルケースでは、総合6次産業都市の実現を目指す中で、それぞれが関連し合うことにより生まれる効果を
KPI に設定した。
平成 30 年度については、①2 億 900 万円、②2,483t、③34 戸、④2 台、⑤93.6ha、⑥0ha、⑦23 人とな
っており、主な KPI の達成状況を以下に示す。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
⑤取組に参画して拡大した露地栽培面積等、概ね目標を達成した KPI がある一方、①加工場の年間販売金額
の増加については、平成 26 年度(初年度)7,100 万円から平成 30 年度 2 億 900 万円へと推移しており、増加
傾向ではあるものの、平成 30 年度目標 11 億円(補正目標 3 億 5,000 万円)を大きく下回った KPI も存在する。
加工場設立当初、地域内での加工・業務用野菜の産地化が進まず、安定的に定量・定価・定品質で調達するた
めのルート確立に遅れが発生したことが大きな要因である。
現在、地元JAを中心に加工・業務用野菜の産地化が進展しており、地元産地との連携強化による周年で安定
した原材料調達体制が確立されていることから、今後は、事業者と金融機関等が連携した独自ルートによる顧客開拓
を行うとともに、より長期間保存が可能となる冷蔵貯蔵施設の整備検討を行う。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり ・ なし 地域経済循環創
造事業交付金
10,1500,000 円 1/2 四国最大規模のカット野菜工場となる
(株)サンライズ西条加工センターの整備
◆KPI 設定の工夫・達成状況
0.7
2.09
3.5
H26 H30 目標値
①加工場の年間販売金額の増加
27.9
93.6 100
H26 H30 目標値
⑤取組に参画して拡大した露地栽培面積
0
23 20
H26 H30 目標値
⑦人材養成を受け手取組に参画した人材の累計数
◆地方創生関係交付金等の活用有無
◆今後の展開及び課題
- 122 -
– 125 –
◆団体名 熊本県人吉市ほか

人吉市は、熊本県南部、鹿児島県・宮崎県との県境並びに日本三急流「球磨川」の中流部に位置し、九州自動
車道や肥薩線(旧鹿児島本線)が通る陸上交通の要衝として、また、鎌倉から江戸時代まで一貫して相良氏によ
る統治が続いてきたことで長い歴史や文化が色濃く残る地方都市である。
昭和 60 年以降、一貫して右肩下がりで人口減少が続いており、特に、若年層の雇用減少が生産年齢人口減少
の大きな一因となっていることから、地域資源を活用した持続可能な雇用の場の確保が課題となっていた。
加えて、地域に存在する様々な資源を生かした地域活性化策は多くみられるが、人口減少が進む国内需要は地域
間でトレードオフの関係を生んでいる状況があるため、新たな視点での事業構築も必要となっていた。
そこで、人吉市では、これら地域課題解決のため、「(1)広域観光連携プロモーション活動」、「(2)地域資源
を活用した商品等開発」、「(3)受け入れ態勢構築」の3つを柱とした各種事業に取り組む。
本モデルケースは、熊本・宮崎・鹿児島の三県に跨る 南九州広域ブロックにおいて、観光資源並びに豊かな「農林
水産物・食材」等の地域資源を組み合わせたニューツーリズムを構築 し、特に、世界人口の 4 分の 1 を占め、16 億
人が存在しているハラール市場でも特に成長著しい東南アジア諸国を中心にしたインバウンド施策を行う 他、海外輸
出を視野に入れたハラール対応「セントラルキッチン」(食品加工基地)を形成 することで、アジアに最も近い九州の
地の利を生かした拠点化を目指す ものである。
6.人吉ハラール促進区をコアとした地域産直・広域ネットワーク及びツーリズム構築事業
◆団体名 熊本県人吉市ほか
◆全体概要
– 126 –
(1)広域観光連携プロモーション活動
①マーケットインの視点で顔の見える事業構築
東南アジアを中心としたムスリムを対象に外国人技能実習生モニターツアー実施、ムスリムインバウン(視察研修)
受け入れ、九州管内マスジド(教会)とムスリムツアーについて連携
②客観的なデータに基づく事業構築
ハラール市場調査により数値化されたデータ分析に基づく客観的な事業計画を立案し、シミュレーションを踏まえた販
売戦略や PR 戦略を策定
③広域観光に向けた体制整備
広域観光協議会(人吉球磨観光地域づくり協議会)を設立し、広域観光ビジョンを策定
(2)地域資源を活用した商品等開発
①商品開発
ふるさと納税の返礼品にハラールビーフを追加しラインナップ強化、観光アプリの開発、広域周遊ルートの設定、着地
型旅行商品の開発
②海外向け販路開拓
インドネシア、マレーシア、UAE、カタール、バーレーン向け輸出施設のハラール認証
(3)受け入れ態勢構築
①ソフト面
地元関係者との研究会開催、立命館アジア太平洋大学・地元高校(球磨中央高校)等へのセミナー開催
②ハード面
地元農産物「キクラゲ」の栽培・培養工場の増設による新規雇用増
○ハラールマーケットは日本ではまだ特殊なマーケットであるが、新たな可能性を秘めている。
○本プロジェクトは、地元農産物の活用やイスラム圏からの誘客に伴う関連産業の振興と雇用の拡大によりインバウン
ド効果が期待され、南九州をはじめ全国の農畜産業振興にも繋がり国の品目別輸出戦略にも貢献するもの。
○本プロジェクトは、データに基づくシミュレーション等を踏まえ事業展開を図っており、ハード・ソフト両面からの環境整備
が整えば、南九州畜産県の拠点となる当市の地の利や地域資源を最大限に活用した特色ある地方創生モデルの一
例となりうる。
◆関連する地域波及効果
※観光庁資料:(定住人口1人当たり年間消費額(125 万円)は、外国人旅行者 8 人分に相当
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
人吉ハラール促進区をコアと
した地域産直・広域ネットワ
ーク及びツーリズム構築事業
①フィリピン、タイ、インドネシア、マレーシ
ア、シンガポール、インドの宿泊者数
(H26:113 人→H30:305 人)
②海外向け販路開拓件数
(H26:0 件→H30:5 件)
地域経済効果
①(H26:1,766 万円
→H30:4,766 万円)
- 123 -
– 125 –
◆団体名 熊本県人吉市ほか

人吉市は、熊本県南部、鹿児島県・宮崎県との県境並びに日本三急流「球磨川」の中流部に位置し、九州自動
車道や肥薩線(旧鹿児島本線)が通る陸上交通の要衝として、また、鎌倉から江戸時代まで一貫して相良氏によ
る統治が続いてきたことで長い歴史や文化が色濃く残る地方都市である。
昭和 60 年以降、一貫して右肩下がりで人口減少が続いており、特に、若年層の雇用減少が生産年齢人口減少
の大きな一因となっていることから、地域資源を活用した持続可能な雇用の場の確保が課題となっていた。
加えて、地域に存在する様々な資源を生かした地域活性化策は多くみられるが、人口減少が進む国内需要は地域
間でトレードオフの関係を生んでいる状況があるため、新たな視点での事業構築も必要となっていた。
そこで、人吉市では、これら地域課題解決のため、「(1)広域観光連携プロモーション活動」、「(2)地域資源
を活用した商品等開発」、「(3)受け入れ態勢構築」の3つを柱とした各種事業に取り組む。
本モデルケースは、熊本・宮崎・鹿児島の三県に跨る 南九州広域ブロックにおいて、観光資源並びに豊かな「農林
水産物・食材」等の地域資源を組み合わせたニューツーリズムを構築 し、特に、世界人口の 4 分の 1 を占め、16 億
人が存在しているハラール市場でも特に成長著しい東南アジア諸国を中心にしたインバウンド施策を行う 他、海外輸
出を視野に入れたハラール対応「セントラルキッチン」(食品加工基地)を形成 することで、アジアに最も近い九州の
地の利を生かした拠点化を目指す ものである。
6.人吉ハラール促進区をコアとした地域産直・広域ネットワーク及びツーリズム構築事業
◆全体概要
– 126 –
(1)広域観光連携プロモーション活動
①マーケットインの視点で顔の見える事業構築
東南アジアを中心としたムスリムを対象に外国人技能実習生モニターツアー実施、ムスリムインバウン(視察研修)
受け入れ、九州管内マスジド(教会)とムスリムツアーについて連携
②客観的なデータに基づく事業構築
ハラール市場調査により数値化されたデータ分析に基づく客観的な事業計画を立案し、シミュレーションを踏まえた販
売戦略や PR 戦略を策定
③広域観光に向けた体制整備
広域観光協議会(人吉球磨観光地域づくり協議会)を設立し、広域観光ビジョンを策定
(2)地域資源を活用した商品等開発
①商品開発
ふるさと納税の返礼品にハラールビーフを追加しラインナップ強化、観光アプリの開発、広域周遊ルートの設定、着地
型旅行商品の開発
②海外向け販路開拓
インドネシア、マレーシア、UAE、カタール、バーレーン向け輸出施設のハラール認証
(3)受け入れ態勢構築
①ソフト面
地元関係者との研究会開催、立命館アジア太平洋大学・地元高校(球磨中央高校)等へのセミナー開催
②ハード面
地元農産物「キクラゲ」の栽培・培養工場の増設による新規雇用増
○ハラールマーケットは日本ではまだ特殊なマーケットであるが、新たな可能性を秘めている。
○本プロジェクトは、地元農産物の活用やイスラム圏からの誘客に伴う関連産業の振興と雇用の拡大によりインバウン
ド効果が期待され、南九州をはじめ全国の農畜産業振興にも繋がり国の品目別輸出戦略にも貢献するもの。
○本プロジェクトは、データに基づくシミュレーション等を踏まえ事業展開を図っており、ハード・ソフト両面からの環境整備
が整えば、南九州畜産県の拠点となる当市の地の利や地域資源を最大限に活用した特色ある地方創生モデルの一
例となりうる。
◆関連する地域波及効果
※観光庁資料:(定住人口1人当たり年間消費額(125 万円)は、外国人旅行者 8 人分に相当
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
人吉ハラール促進区をコアと
した地域産直・広域ネットワ
ーク及びツーリズム構築事業
①フィリピン、タイ、インドネシア、マレーシ
ア、シンガポール、インドの宿泊者数
(H26:113 人→H30:305 人)
②海外向け販路開拓件数
(H26:0 件→H30:5 件)
地域経済効果
①(H26:1,766 万円
→H30:4,766 万円)
- 124 -
– 127 –
◆推進体制
庁内においては副市長をトップに関係部局の連携による推進体制を構築したほか、関係団体との定期的な会議を
開催し、進捗管理において PDCA サイクルを実施。取組については外部評価(人吉市まち・ひと・しごと創生総合戦
略審議会)を実施。
今後、積み残しとなっている事項については、(仮称)「人吉球磨の畜産業をはじめとした地域産業の将来を検討
する協議会(構成:県、人吉市、近隣自治体、農畜産関係団体など)」を設置し課題解決を図りたい。
当モデルケースでは、3つの柱が関連し合うことにより期待される効果を KPI に設定した。
達成状況は以下のとおり。
①九州来訪外国人観光客数【H26:100 万人→H30:512 万人】
※フィリピン、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、インドの当市宿泊者数【H26:113 人→H30:305 人】
②ブランド戦略策定数【H26:0 件→H30:1 件】
③共同研究会開催数【H26:0 回→H30:12 回】
④畜産農業産出額【H26:239 千円→H30:-】
⑤ネットワーク参加自治体数【H26:1 件→H30:10 件】
⑥新商品開発数【H26:0 件→H30:5 件】
⑦創業支援対象店舗数【H26:0 件→H30:-】
⑧海外向け販路開拓件数【H26:0 件→H30:5 件】
⑨施設機能のリノベーション数【H26:0 件→H30:1 件】
⑩研究会・セミナー等開催数【H26:13 回→H30:40 回】
⑪関連事業の新規雇用創出数【H26:0 人→H30:1 人】
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①ハラール市場調査による数値化されたデータ分析に基づく事業計画を立案し、ブランド戦略の策定につながった。
②共同研究会の開催を重ね、広域観光協議会の設立につながった。
③観光アプリなど観光関連商品の開発をはじめ、ふるさと納税の返礼品にハラールビーフを追加しラインナップを強化
し、新商品開発につながった。
④インドネシア、マレーシア、UAE、カタール、バーレーン向け輸出施設のハラール認証を取得し、販路開拓増につなが
った。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
– 128 –
◆地方創生関係交付金等の活用有無
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり・なし ハラール対応拠点環境整備
事業 281,432,000 円 1/2 人吉中核工業用地の環境整備
あり・なし
ハラールセントラルキッチン構
築に向けた地域産業シミュ
レーション事業
23,832,000 円 1/2 定量化したデータに基づく出口戦
略策定
あり・なし ムスリムインバウンドおもてな
し構築事業 315,000 定額 ハンドブック作成
(1)広域観光連携プロモーション活動
【課題】共通ビジョンの継続性確保
【展開】10 市町村からなる広域観光協議会(人吉球磨観光地域づくり協議会)で策定した広域観光ビジョンに基
づき、地域産業全体の振興を目指し、引き続き、観光地域づくりの実践に取り組む。
(2)地域資源を活用した商品等開発
【課題】共通ビジョンの継続性確保、地域の気運醸成、販路開拓支援
【展開】日本学生支援機構の調査によると、インドネシアなどムスリムが人口の半数を占める国からの日本への留学生
は 2018 年度で約 1,800 万人であり、5 年間で約 2.3 倍と年々増加傾向にある。都内でも早稲田大学、上
智大学ではハラール認証を受けた学生食堂をオープンしており、国外のみならず、国内においてもマーケットは拡大
している。今回のモデルケースにおいては、諸般の事情により、期間内におけるセントラルキッチンの形成は叶わなかっ
たが、引き続き、ターゲットを明確にした商品等開発を行っていく。
(3)受け入れ態勢構築
【課題】ビジョンの共有、ハード整備面のコンセンサス形成
【展開】前述のとおり、期間内におけるセントラルキッチンの形成は叶わなかったが、全国に例のないモデルケースとして、
有識者からご助言をいただきながら、定量的なデータ分析による戦略策定を行うなど、様々に取り組んできた先行
者利益がある。今後においても、地域のコンセンサスを重視し、地元農産物等の地域資源を活用し、ムスリム観
光客等をはじめ、ターゲットを明確にした環境を整備することで、農業など関連産業の振興と雇用の拡大を図り、
併せてハラール関連商品等の販路を拡大することで、地域経済の発展を目指す。
◆今後の展開及び課題
- 125 -
– 127 –
◆推進体制
庁内においては副市長をトップに関係部局の連携による推進体制を構築したほか、関係団体との定期的な会議を
開催し、進捗管理において PDCA サイクルを実施。取組については外部評価(人吉市まち・ひと・しごと創生総合戦
略審議会)を実施。
今後、積み残しとなっている事項については、(仮称)「人吉球磨の畜産業をはじめとした地域産業の将来を検討
する協議会(構成:県、人吉市、近隣自治体、農畜産関係団体など)」を設置し課題解決を図りたい。
当モデルケースでは、3つの柱が関連し合うことにより期待される効果を KPI に設定した。
達成状況は以下のとおり。
①九州来訪外国人観光客数【H26:100 万人→H30:512 万人】
※フィリピン、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、インドの当市宿泊者数【H26:113 人→H30:305 人】
②ブランド戦略策定数【H26:0 件→H30:1 件】
③共同研究会開催数【H26:0 回→H30:12 回】
④畜産農業産出額【H26:239 千円→H30:-】
⑤ネットワーク参加自治体数【H26:1 件→H30:10 件】
⑥新商品開発数【H26:0 件→H30:5 件】
⑦創業支援対象店舗数【H26:0 件→H30:-】
⑧海外向け販路開拓件数【H26:0 件→H30:5 件】
⑨施設機能のリノベーション数【H26:0 件→H30:1 件】
⑩研究会・セミナー等開催数【H26:13 回→H30:40 回】
⑪関連事業の新規雇用創出数【H26:0 人→H30:1 人】
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①ハラール市場調査による数値化されたデータ分析に基づく事業計画を立案し、ブランド戦略の策定につながった。
②共同研究会の開催を重ね、広域観光協議会の設立につながった。
③観光アプリなど観光関連商品の開発をはじめ、ふるさと納税の返礼品にハラールビーフを追加しラインナップを強化
し、新商品開発につながった。
④インドネシア、マレーシア、UAE、カタール、バーレーン向け輸出施設のハラール認証を取得し、販路開拓増につなが
った。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
– 128 –
◆地方創生関係交付金等の活用有無
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり・なし ハラール対応拠点環境整備
事業 281,432,000 円 1/2 人吉中核工業用地の環境整備
あり・なし
ハラールセントラルキッチン構
築に向けた地域産業シミュ
レーション事業
23,832,000 円 1/2 定量化したデータに基づく出口戦
略策定
あり・なし ムスリムインバウンドおもてな
し構築事業 315,000 定額 ハンドブック作成
(1)広域観光連携プロモーション活動
【課題】共通ビジョンの継続性確保
【展開】10 市町村からなる広域観光協議会(人吉球磨観光地域づくり協議会)で策定した広域観光ビジョンに基
づき、地域産業全体の振興を目指し、引き続き、観光地域づくりの実践に取り組む。
(2)地域資源を活用した商品等開発
【課題】共通ビジョンの継続性確保、地域の気運醸成、販路開拓支援
【展開】日本学生支援機構の調査によると、インドネシアなどムスリムが人口の半数を占める国からの日本への留学生
は 2018 年度で約 1,800 万人であり、5 年間で約 2.3 倍と年々増加傾向にある。都内でも早稲田大学、上
智大学ではハラール認証を受けた学生食堂をオープンしており、国外のみならず、国内においてもマーケットは拡大
している。今回のモデルケースにおいては、諸般の事情により、期間内におけるセントラルキッチンの形成は叶わなかっ
たが、引き続き、ターゲットを明確にした商品等開発を行っていく。
(3)受け入れ態勢構築
【課題】ビジョンの共有、ハード整備面のコンセンサス形成
【展開】前述のとおり、期間内におけるセントラルキッチンの形成は叶わなかったが、全国に例のないモデルケースとして、
有識者からご助言をいただきながら、定量的なデータ分析による戦略策定を行うなど、様々に取り組んできた先行
者利益がある。今後においても、地域のコンセンサスを重視し、地元農産物等の地域資源を活用し、ムスリム観
光客等をはじめ、ターゲットを明確にした環境を整備することで、農業など関連産業の振興と雇用の拡大を図り、
併せてハラール関連商品等の販路を拡大することで、地域経済の発展を目指す。
◆今後の展開及び課題
- 126 -
– 129 –

– 130 –
⑤ 産業集積活用型
Ⅲ.類型別モデルケース紹介
- 127 -
– 129 –

– 130 –
⑤ 産業集積活用型
Ⅲ.類型別モデルケース紹介
- 128 -
– 131 –
No 団 体 名 提案タイトル
1 秋田県ほか 東日本大震災からの創造的復興を目指したものづくり産業の戦略的育成
2
アクセンチュア㈱、福
島県会津若松市ほか ビッグデータ戦略活用のためのアナリティクス拠点集積事業
3 埼玉県ほか 「戦略的医療機器産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業」及び
「戦略的航空機産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業」
4 石川県ほか 北陸産業競争力強化戦略
5 愛知県ほか 世界最強のものづくり先進地域を目指して
6
(公財)地球環境セ
ンターほか
関西発!環境・エネルギー分野におけるグローバルに通用する革新的な製
品・ビジネスモデルの開発及び環境都市ネットワークを活用したアジアでの
新ビジネス・新市場の創出
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(⑤ 産業集積活用型 一覧)
– 132 –
本モデルケースでの産業集積
当初、産業集積の主査にと依頼を受けた際に、イメージしたものは、東京都の大田区や長野県の諏訪・岡谷など、
狭い地域にたくさんの工場が集まっている従来型の産業集積であった。そうした地域では、企業間の関係が密接で、費
用の節約が図られ、イノベーションも起きやすいといったさまざまな集積の利益が発生すると言われてきた。
しかし、今回の地域活性化プラットフォームで産業集積に選ばれた6つのモデルケースのうち、会津若松を除いて5
つは、複数の県にまたがる地方ブロック圏域における産業集積であった。こうした広域圏域における産業集積が、「国際
競争力を発揮する上で重要である」、という認識は、経済産業省の地域経済産業グループの委員会等で示されてい
たが、実際に成果をあげている事例はあまりなく、当初からなかなか難しいテーマであると考えていた。
モデルケースにおける参考となる取組
今回の地域活性化プラットフォームにおいても、広域圏域での産業集積の成功事例は、限定的であるように思われ
る。一方で、比較的狭い地域での産業集積において、従来型にはない、新たな取組がみられた。とりわけ、地域特性
を活かして、従来からの産業集積の「体質転換」を図ろうとした取組が注目される。たとえば、福島県会津若松市、会
津大学、アクセンチュアのモデルケースでは、「ビッグデータ戦略活用のためのアナリティクス拠点集積事業」が掲げられ
た。会津若松市では、電子部品等製造業従事者数、出荷額ともに大幅な減少に見舞われたが、同市では、ICT 専
門大学である会津大学が存在するという地域の強みを活かして、「アナリティクス人材」を育成し、そうした人材が地域
に定着できるように、ICT・アナリティクス関連産業を誘致・集積させていくことを目標とした。具体的には、地方創生拠
点整備交付金を活用し、500 人規模の入居が可能なオフィス棟と地元企業や市民との連携を図る「交流棟」から成
る「スマートシティ AiCT」が誕生し、新たな集積が形成されようとしている。市のデータをオープンデータとして公開してい
る点も重要であり、「単にオフィスビルを整備しただけでは企業の誘致に結び付けていくことは難しいが、スマートシティの
推進によって本市をフィールドとして様々な企業が集い、産官学が連携しながら、新たなビジネスの創出につなげていく
機運が高まっている」という点も重要といえる。
また、新潟市ほかによる「戦略的航空機産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業」も、従来の地域産業構造
を刷新する取組といえる。目標値を上回った KPI がほとんどで、特に、大手航空機器メーカーからの新規受注件数が、
新潟・飯田地域で 5 年間で 31 件(目標値 24 件)となった点は評価できる。JISQ9100 新規取得件数が 140
件(目標値 100 件)、Nadcap 取得企業数が 48 社(目標値 51 社)と、着実に地域企業の技術力・生産能
力の向上が数値で示されている点も重要である。こうした成果達成の背景には、新潟市および飯田市の担当者が、航
空機産業の特質を把握した上で、共同工場を建設したり、国際展示会に対応するなど、知恵を絞った戦略があったと
聞いている。さらに飯田市では、「産業振興と人材育成の拠点」における環境試験設備の整備共同工場の建設に、
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(⑤ 産業集積活用型 総括)
松原 宏(まつばら ひろし) 東京大学大学院総合文化研究科教授・地域未来社会連携研究機構長
1985 年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。1985 年西南学院大学経済学部講
師、助教授、教授を経て、1997 年より東京大学大学院総合文化研究科助教授、2007 年より現職。
専門は経済地理学で、産業立地と地域経済に関する理論・実証研究を行っている。2018 年度より東京大学地
域未来社会連携研究機構の機構長を兼務し、学内 11 部局、学外研究機関、国や地方自治体と連携した研
究の推進、機構の三重県と北陸サテライト拠点での研究・教育、部局横断型の地域未来社会教育プログラムの
運営に携わっている。また、産業構造審議会地域経済産業分科会会長、第 2 期「まち・ひと・しごと創生総合戦
略」策定に関する有識者会議委員などを兼任。主な著書に『経済地理学-立地・地域・都市の理論-』『日本の
クラスター政策と地域イノベーション』『産業集積地域の構造変化と立地政策』(いずれも東京大学出版会)。
- 129 -
– 131 –
No 団 体 名 提案タイトル
1 秋田県ほか 東日本大震災からの創造的復興を目指したものづくり産業の戦略的育成
2
アクセンチュア㈱、福
島県会津若松市ほか ビッグデータ戦略活用のためのアナリティクス拠点集積事業
3 埼玉県ほか 「戦略的医療機器産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業」及び
「戦略的航空機産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業」
4 石川県ほか 北陸産業競争力強化戦略
5 愛知県ほか 世界最強のものづくり先進地域を目指して
6
(公財)地球環境セ
ンターほか
関西発!環境・エネルギー分野におけるグローバルに通用する革新的な製
品・ビジネスモデルの開発及び環境都市ネットワークを活用したアジアでの
新ビジネス・新市場の創出
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(⑤ 産業集積活用型 一覧)
– 132 –
本モデルケースでの産業集積
当初、産業集積の主査にと依頼を受けた際に、イメージしたものは、東京都の大田区や長野県の諏訪・岡谷など、
狭い地域にたくさんの工場が集まっている従来型の産業集積であった。そうした地域では、企業間の関係が密接で、費
用の節約が図られ、イノベーションも起きやすいといったさまざまな集積の利益が発生すると言われてきた。
しかし、今回の地域活性化プラットフォームで産業集積に選ばれた6つのモデルケースのうち、会津若松を除いて5
つは、複数の県にまたがる地方ブロック圏域における産業集積であった。こうした広域圏域における産業集積が、「国際
競争力を発揮する上で重要である」、という認識は、経済産業省の地域経済産業グループの委員会等で示されてい
たが、実際に成果をあげている事例はあまりなく、当初からなかなか難しいテーマであると考えていた。
モデルケースにおける参考となる取組
今回の地域活性化プラットフォームにおいても、広域圏域での産業集積の成功事例は、限定的であるように思われ
る。一方で、比較的狭い地域での産業集積において、従来型にはない、新たな取組がみられた。とりわけ、地域特性
を活かして、従来からの産業集積の「体質転換」を図ろうとした取組が注目される。たとえば、福島県会津若松市、会
津大学、アクセンチュアのモデルケースでは、「ビッグデータ戦略活用のためのアナリティクス拠点集積事業」が掲げられ
た。会津若松市では、電子部品等製造業従事者数、出荷額ともに大幅な減少に見舞われたが、同市では、ICT 専
門大学である会津大学が存在するという地域の強みを活かして、「アナリティクス人材」を育成し、そうした人材が地域
に定着できるように、ICT・アナリティクス関連産業を誘致・集積させていくことを目標とした。具体的には、地方創生拠
点整備交付金を活用し、500 人規模の入居が可能なオフィス棟と地元企業や市民との連携を図る「交流棟」から成
る「スマートシティ AiCT」が誕生し、新たな集積が形成されようとしている。市のデータをオープンデータとして公開してい
る点も重要であり、「単にオフィスビルを整備しただけでは企業の誘致に結び付けていくことは難しいが、スマートシティの
推進によって本市をフィールドとして様々な企業が集い、産官学が連携しながら、新たなビジネスの創出につなげていく
機運が高まっている」という点も重要といえる。
また、新潟市ほかによる「戦略的航空機産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業」も、従来の地域産業構造
を刷新する取組といえる。目標値を上回った KPI がほとんどで、特に、大手航空機器メーカーからの新規受注件数が、
新潟・飯田地域で 5 年間で 31 件(目標値 24 件)となった点は評価できる。JISQ9100 新規取得件数が 140
件(目標値 100 件)、Nadcap 取得企業数が 48 社(目標値 51 社)と、着実に地域企業の技術力・生産能
力の向上が数値で示されている点も重要である。こうした成果達成の背景には、新潟市および飯田市の担当者が、航
空機産業の特質を把握した上で、共同工場を建設したり、国際展示会に対応するなど、知恵を絞った戦略があったと
聞いている。さらに飯田市では、「産業振興と人材育成の拠点」における環境試験設備の整備共同工場の建設に、
Ⅲ.類型別モデルケース紹介(⑤ 産業集積活用型 総括)
松原 宏(まつばら ひろし) 東京大学大学院総合文化研究科教授・地域未来社会連携研究機構長
1985 年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。1985 年西南学院大学経済学部講
師、助教授、教授を経て、1997 年より東京大学大学院総合文化研究科助教授、2007 年より現職。
専門は経済地理学で、産業立地と地域経済に関する理論・実証研究を行っている。2018 年度より東京大学地
域未来社会連携研究機構の機構長を兼務し、学内 11 部局、学外研究機関、国や地方自治体と連携した研
究の推進、機構の三重県と北陸サテライト拠点での研究・教育、部局横断型の地域未来社会教育プログラムの
運営に携わっている。また、産業構造審議会地域経済産業分科会会長、第 2 期「まち・ひと・しごと創生総合戦
略」策定に関する有識者会議委員などを兼任。主な著書に『経済地理学-立地・地域・都市の理論-』『日本の
クラスター政策と地域イノベーション』『産業集積地域の構造変化と立地政策』(いずれも東京大学出版会)。
- 130 -
– 133 –
地方創生交付金が上手に活用されている。なお、広域関東圏では他にも、栃木県、東京都多摩地域などに、航空
機産業の集積が形成されており、集積間ネットワークの拡充を通じて、産業集積の広域化が期待される。
必ずしも十分な成果を挙げたとはいえないものの、今回の地域活性化プラットフォームにより、県を越えた広域的な取
組に進展がみられたことは確かである。東北 7 県のモデルケースでは、東日本大震災からの復興を加速させる意図が
あり、自動車産業と医療機器産業を中心としたものづくり産業の戦略的育成に広域的に取り組んだ。自動車産業分
野においては、「東北の自動車関連企業マップ」が作成され、各県持ち回りで「とうほく自動車産業集積連携会議」が
開催されてきた。今後は、次世代自動車の技術開発などを広域連携のもとで進めるとともに、研究開発拠点の形成が
課題となっている。
埼玉県ほかによる「戦略的医療機器産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業」では、専門医療機器・ものづく
り商談会における数値目標より下回ったものの、2018 年度末時点で 145 件の商談が成立し、医療機器の上市件
数が 5 件となり、異業種からの新規参入企業数が 136 社にのぼった点は評価できる。
北陸3県と北陸経済連合会による「北陸産業競争力活性化戦略」では、経済産業省の「戦略産業支援のための
基盤整備事業」や「地域オープンイノベーション促進事業」を活用し、公設試験研究機関が連携して企業の研究開発
を支援するための加工機や検査機等の導入を行ってきた。こうした公設試の広域連携は、北陸だけにとどまらず、東
海、中国ブロックに拡がり、炭素繊維強化複合材料(CFRP)の次世代自動車への応用をめざす産業支援ネットワ
ークの構築につながっている。加工機や検査機等の相互利用を通じて、素材研究から加工、品質確認まで、一貫した
企業サポート体制が組まれている。
北陸では、文部科学省の知的クラスター創成事業に採択された「北陸ライフサイエンスクラスター事業」の蓄積を活か
し、ライフサイエンス分野が取り上げられ、今後の課題として「北陸3県の産業を融合した予防・診断・治療の製品・サ
ービスの創出」が示されている。広域圏域の産業集積に期待されるものは、まさにこうした産業の融合であり、多様な業
種の産業集積が重なり合ったものを、欧米の研究成果では、「ジェイコブス型」産業集積と呼んでいる。
産業集積に関する今回のモデルケースは、2013 年 6 月に第 2 次安倍内閣で閣議決定された「日本再興戦略」
の下で設置された「地方産業競争力協議会」での議論をベースにしているものが多い。なかでも東海地域では、「東海
産業競争力協議会」が毎年熱心に開催されており、その報告書「TOKAI VISION」では、世界最強のものづくり先
進地域をめざす本モデルケースが冒頭に登場する。そこでは、自動車関連、航空機、ヘルスケア、環境といった4つの
戦略産業の推進を進めるとともに、それらの下支えとして「ものづくりマザー機能」を強化するアクションプランが示され、進
捗状況の点検と課題の提示がなされている。
今回のモデルケースでもう1つ注目されるのは、産業集積のグローバルネットワークへの取組である。ふくしまの医療機
器産業集積は、JETRO の地域間交流事業の採択を受け、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州の医療機器産業
との連携を進めている。ドイツで開催される世界最大規模の展示会「MEDICA」と福島県で開催される「メディカルクリ
エーションふくしま」に、両者の企業が相互に出展するとともに、共同セミナーも開催されている。また、公益財団法人地
球環境センター、滋賀県、大阪市、NPO 資源リサイクルシステムセンターによるモデルケースでは、環境・エネルギー分
野において、近畿経済産業局と広東省科学技術庁の環境・省エネ分野の協力のもと、日中合作プロジェクトが、ある
いはまた大阪市とホーチミン市との都市間連携のもと、二国間クレジット制度(JCM)にもとづく低炭素技術の導入プ
ロジェクトが、それぞれ進められている。
– 134 –
広域圏域での産業集積の課題と今後の展望
冒頭でも述べたように、従来型の狭い地域での産業集積ではなく、今回の地域活性化プラットフォームでは、広域圏
域での産業集積に焦点が当てられていた。毎年のフォローアップを通じて考えさせられてきた点は、県を越えた連携の難
しさであった。共同での取り組みは一部でなされているが、推進体制において共同で取り組む組織編成をとるなど、工
夫がなされているケースは少なく、「県の横並び」感が強かった。
また、KPI の設定がマッチングなどの件数に留まっており、出荷額や生産額などの数値の上昇をめざしたケースは限
られていた。モデルケースに選ばれ、KPI 達成のために活動はしたが、地域産業の競争力の強化、地域経済の活性化
に結びつくまでには、戦略の練り直しが必要となろう。
広域圏域の産業集積で今後期待されるのは、それぞれ優位性のある産業分野の競争力強化のみならず、産業の
多様性を活かして、産業の融合を惹起し、新たな産業・企業の創出につなげていくことである。また、狭域での産業集
積を拠点として強化し、それらの拠点のネットワーク化を図り、広域圏域に拡げていく、こうした戦略も有効といえよう。
地方の特徴のある大学による人材育成、公設試験研究機関の連携で成果をあげている事例にみられたように、広域
圏域の産業集積における大学や試験研究機関の役割は、ますます重要になってくると思われる。
- 131 -
– 133 –
地方創生交付金が上手に活用されている。なお、広域関東圏では他にも、栃木県、東京都多摩地域などに、航空
機産業の集積が形成されており、集積間ネットワークの拡充を通じて、産業集積の広域化が期待される。
必ずしも十分な成果を挙げたとはいえないものの、今回の地域活性化プラットフォームにより、県を越えた広域的な取
組に進展がみられたことは確かである。東北 7 県のモデルケースでは、東日本大震災からの復興を加速させる意図が
あり、自動車産業と医療機器産業を中心としたものづくり産業の戦略的育成に広域的に取り組んだ。自動車産業分
野においては、「東北の自動車関連企業マップ」が作成され、各県持ち回りで「とうほく自動車産業集積連携会議」が
開催されてきた。今後は、次世代自動車の技術開発などを広域連携のもとで進めるとともに、研究開発拠点の形成が
課題となっている。
埼玉県ほかによる「戦略的医療機器産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業」では、専門医療機器・ものづく
り商談会における数値目標より下回ったものの、2018 年度末時点で 145 件の商談が成立し、医療機器の上市件
数が 5 件となり、異業種からの新規参入企業数が 136 社にのぼった点は評価できる。
北陸3県と北陸経済連合会による「北陸産業競争力活性化戦略」では、経済産業省の「戦略産業支援のための
基盤整備事業」や「地域オープンイノベーション促進事業」を活用し、公設試験研究機関が連携して企業の研究開発
を支援するための加工機や検査機等の導入を行ってきた。こうした公設試の広域連携は、北陸だけにとどまらず、東
海、中国ブロックに拡がり、炭素繊維強化複合材料(CFRP)の次世代自動車への応用をめざす産業支援ネットワ
ークの構築につながっている。加工機や検査機等の相互利用を通じて、素材研究から加工、品質確認まで、一貫した
企業サポート体制が組まれている。
北陸では、文部科学省の知的クラスター創成事業に採択された「北陸ライフサイエンスクラスター事業」の蓄積を活か
し、ライフサイエンス分野が取り上げられ、今後の課題として「北陸3県の産業を融合した予防・診断・治療の製品・サ
ービスの創出」が示されている。広域圏域の産業集積に期待されるものは、まさにこうした産業の融合であり、多様な業
種の産業集積が重なり合ったものを、欧米の研究成果では、「ジェイコブス型」産業集積と呼んでいる。
産業集積に関する今回のモデルケースは、2013 年 6 月に第 2 次安倍内閣で閣議決定された「日本再興戦略」
の下で設置された「地方産業競争力協議会」での議論をベースにしているものが多い。なかでも東海地域では、「東海
産業競争力協議会」が毎年熱心に開催されており、その報告書「TOKAI VISION」では、世界最強のものづくり先
進地域をめざす本モデルケースが冒頭に登場する。そこでは、自動車関連、航空機、ヘルスケア、環境といった4つの
戦略産業の推進を進めるとともに、それらの下支えとして「ものづくりマザー機能」を強化するアクションプランが示され、進
捗状況の点検と課題の提示がなされている。
今回のモデルケースでもう1つ注目されるのは、産業集積のグローバルネットワークへの取組である。ふくしまの医療機
器産業集積は、JETRO の地域間交流事業の採択を受け、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州の医療機器産業
との連携を進めている。ドイツで開催される世界最大規模の展示会「MEDICA」と福島県で開催される「メディカルクリ
エーションふくしま」に、両者の企業が相互に出展するとともに、共同セミナーも開催されている。また、公益財団法人地
球環境センター、滋賀県、大阪市、NPO 資源リサイクルシステムセンターによるモデルケースでは、環境・エネルギー分
野において、近畿経済産業局と広東省科学技術庁の環境・省エネ分野の協力のもと、日中合作プロジェクトが、ある
いはまた大阪市とホーチミン市との都市間連携のもと、二国間クレジット制度(JCM)にもとづく低炭素技術の導入プ
ロジェクトが、それぞれ進められている。
– 134 –
広域圏域での産業集積の課題と今後の展望
冒頭でも述べたように、従来型の狭い地域での産業集積ではなく、今回の地域活性化プラットフォームでは、広域圏
域での産業集積に焦点が当てられていた。毎年のフォローアップを通じて考えさせられてきた点は、県を越えた連携の難
しさであった。共同での取り組みは一部でなされているが、推進体制において共同で取り組む組織編成をとるなど、工
夫がなされているケースは少なく、「県の横並び」感が強かった。
また、KPI の設定がマッチングなどの件数に留まっており、出荷額や生産額などの数値の上昇をめざしたケースは限
られていた。モデルケースに選ばれ、KPI 達成のために活動はしたが、地域産業の競争力の強化、地域経済の活性化
に結びつくまでには、戦略の練り直しが必要となろう。
広域圏域の産業集積で今後期待されるのは、それぞれ優位性のある産業分野の競争力強化のみならず、産業の
多様性を活かして、産業の融合を惹起し、新たな産業・企業の創出につなげていくことである。また、狭域での産業集
積を拠点として強化し、それらの拠点のネットワーク化を図り、広域圏域に拡げていく、こうした戦略も有効といえよう。
地方の特徴のある大学による人材育成、公設試験研究機関の連携で成果をあげている事例にみられたように、広域
圏域の産業集積における大学や試験研究機関の役割は、ますます重要になってくると思われる。
- 132 -
– 135 –
◆団体名 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県

本モデルケースは、2011年3月の東日本大震災からの創造的な復興を目指し、東北産業競争力協議会の提
言と震災からの復興計画の実現に向け、東北7県が自動車産業及び医療機器産業等を中心とするものづくり産業
の発展のため、分野横断的な課題も含めて広域的に取り組むべき課題の解決を目指すものである。
併せて地域の課題解決に向け活用する政策パッケージを提示し、それを活用することにより、自動車産業や医療機
器産業のクラスターの形成を目指すものである。
そこで、自動車産業分野においては「①展示商談会の開催等によるマッチング機会の提供」「②設計開発機能等の
強化に向けたセミナー・勉強会の開催」事業を、医療機器産業分野では「③展示商談会・マッチング支援」「④広域
連携と支援体制の強化」「⑤各県の取組との連携促進」の各種事業に取り組む。
○自動車産業分野における展示商談会の開催等によるマッチング機会の提供・・・支援企業524社
○自動車産業分野における設計開発機能等の強化に向けたセミナー・勉強会の開催・・・参加者2,550名
○医療機器産業分野における展示商談会・マッチング支援・・・支援企業941社
○自動車産業分野においては、大手部品メーカーの集積や地域企業の参入が加速し、完成車両工場やエンジン工
場の稼働、東北地域での部品生産の拡大などにより部品から完成車までの一貫体制が充実したことから、輸送用機
械器具製造業の製品出荷額が過去最大となった。
○医療機器産業分野においては、「東北地域医療機器産業支援ボード」が各県の共通課題等を踏まえた連携事業
を実施し、目標の支援企業数はほぼ達成出来た。
◆関連する地域波及効果
1.東日本大震災からの創造的復興を目指したものづくり産業の戦略的育成
東日本大震災からの創造
的復興を目指したものづく
り産業の戦略的育成
①自動車分野:次世代技術の研究開発の促
進の取組における各道県を超えた連携の強化
②医療機器分野:各県連携による展示会出
展等
①広域的な産学官の連携、
県境を越えた公設試の取組
②県境を越えた製品開発及
び取引の推進
◆団体名 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 136 –
◆推進体制
○自動車産業分野では「とうほく自動車産業集積連携会議」において、東北7県の中長期的なビジョンに基づき取
組を行っている。
○医療機器産業分野では「東北地域医療機器産業支援ボード」において、各県の共通課題等を踏まえた連携事
業を行い、東北7県が緩やかな連携を構築しつつ、各地の支援機関、大学、経済団体等と連携して実施してお
り、適切な費用負担や役割分担がなされている。
【設定 KPI】
①(自動車)展示商談会・マッチング支援企業数【H25:80社 → H30:450社】
②(自動車)セミナー、勉強会等参加者数【H25:450名 → H30:2,600名】
③(自動車)輸送用機械器具 製造品出荷額【H25:1.7兆円/年 → H30:2.2兆円/年】
④(医療機器)展示商談会・マッチング支援企業数【H25:170社 → H30:950社】
⑤(医療機器)医療機器生産額 対全国構成比【H25:14% → H30:15%】
当モデルケースでは、各県の連携による取組での活動実績から生まれる効果を KPI として設定した。
達成状況等は以下のとおりで、①自動車の展示商談会・マッチング支援企業数の目標値の達成度120%②セ
ミナー、勉強会参加者数の達成度は98%。③輸送用機械器具の製造品出荷額は、H26:1.6 兆円→H27:1.7
兆円→H28:2.0 兆円と増加(過去最大)。④医療機器の展示商談会・マッチング支援企業数は達成度9
9%。⑤医療機器生産額の対全国構成比は H26:14%→H27:12%→H28:10%と低下している。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①KPI 達成の要因は、自動車産業の中心地域である愛知県内での商談会開催が参加者数の増加に貢献。
②KPI 達成度98%の要因は、セミナーでの電気自動車等の次世代技術分野のテーマ設定が参加者数に貢献。
③輸送用機械器具の製造品出荷額が増加しており、地域内での自動車産業の集積を確認。
④KPI 達成度99%の要因は、各県のネットワーク組織での活動及び各県の取組みによるもの。
⑤医療機器生産額の対全国構成比は低下したものの、産学間及び企業間連携の効果による産業集積を図る。
○自動車産業分野においては、EVやFCV等の環境対応車や自動運転車等の次世代を担う自動車の技術開
発や構成部品開発及び生産技術開発について、広域連携の下で世界に通じる研究開発を行う地域を目指して、研
究開発拠点の形成に中長期的に取り組む。
○医療機器産業分野においては、医療機器開発拠点(ふくしま医療機器開発支援センター、東北大学病院臨床
研究推進センター等)と連携して、産学官医等のNW形成支援、ハンズオン支援を引き続き推進する。また、臨床
現場との協力体制を継続・強化し、ニーズ把握、開発途中製品への評価・提案等を行う取り組みを推進し、新たに販
企業との連携を強化するため、他地域との連携(関東経済産業局など)とともに、製販企業へ訪問し、拠点との連
携促進や地域ものづくり企業との橋渡し等を実施する。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
- 133 -
– 135 –
◆団体名 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県

本モデルケースは、2011年3月の東日本大震災からの創造的な復興を目指し、東北産業競争力協議会の提
言と震災からの復興計画の実現に向け、東北7県が自動車産業及び医療機器産業等を中心とするものづくり産業
の発展のため、分野横断的な課題も含めて広域的に取り組むべき課題の解決を目指すものである。
併せて地域の課題解決に向け活用する政策パッケージを提示し、それを活用することにより、自動車産業や医療機
器産業のクラスターの形成を目指すものである。
そこで、自動車産業分野においては「①展示商談会の開催等によるマッチング機会の提供」「②設計開発機能等の
強化に向けたセミナー・勉強会の開催」事業を、医療機器産業分野では「③展示商談会・マッチング支援」「④広域
連携と支援体制の強化」「⑤各県の取組との連携促進」の各種事業に取り組む。
○自動車産業分野における展示商談会の開催等によるマッチング機会の提供・・・支援企業524社
○自動車産業分野における設計開発機能等の強化に向けたセミナー・勉強会の開催・・・参加者2,550名
○医療機器産業分野における展示商談会・マッチング支援・・・支援企業941社
○自動車産業分野においては、大手部品メーカーの集積や地域企業の参入が加速し、完成車両工場やエンジン工
場の稼働、東北地域での部品生産の拡大などにより部品から完成車までの一貫体制が充実したことから、輸送用機
械器具製造業の製品出荷額が過去最大となった。
○医療機器産業分野においては、「東北地域医療機器産業支援ボード」が各県の共通課題等を踏まえた連携事業
を実施し、目標の支援企業数はほぼ達成出来た。
◆関連する地域波及効果
1.東日本大震災からの創造的復興を目指したものづくり産業の戦略的育成
東日本大震災からの創造
的復興を目指したものづく
り産業の戦略的育成
①自動車分野:次世代技術の研究開発の促
進の取組における各道県を超えた連携の強化
②医療機器分野:各県連携による展示会出
展等
①広域的な産学官の連携、
県境を越えた公設試の取組
②県境を越えた製品開発及
び取引の推進
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
– 136 –
◆推進体制
○自動車産業分野では「とうほく自動車産業集積連携会議」において、東北7県の中長期的なビジョンに基づき取
組を行っている。
○医療機器産業分野では「東北地域医療機器産業支援ボード」において、各県の共通課題等を踏まえた連携事
業を行い、東北7県が緩やかな連携を構築しつつ、各地の支援機関、大学、経済団体等と連携して実施してお
り、適切な費用負担や役割分担がなされている。
【設定 KPI】
①(自動車)展示商談会・マッチング支援企業数【H25:80社 → H30:450社】
②(自動車)セミナー、勉強会等参加者数【H25:450名 → H30:2,600名】
③(自動車)輸送用機械器具 製造品出荷額【H25:1.7兆円/年 → H30:2.2兆円/年】
④(医療機器)展示商談会・マッチング支援企業数【H25:170社 → H30:950社】
⑤(医療機器)医療機器生産額 対全国構成比【H25:14% → H30:15%】
当モデルケースでは、各県の連携による取組での活動実績から生まれる効果を KPI として設定した。
達成状況等は以下のとおりで、①自動車の展示商談会・マッチング支援企業数の目標値の達成度120%②セ
ミナー、勉強会参加者数の達成度は98%。③輸送用機械器具の製造品出荷額は、H26:1.6 兆円→H27:1.7
兆円→H28:2.0 兆円と増加(過去最大)。④医療機器の展示商談会・マッチング支援企業数は達成度9
9%。⑤医療機器生産額の対全国構成比は H26:14%→H27:12%→H28:10%と低下している。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①KPI 達成の要因は、自動車産業の中心地域である愛知県内での商談会開催が参加者数の増加に貢献。
②KPI 達成度98%の要因は、セミナーでの電気自動車等の次世代技術分野のテーマ設定が参加者数に貢献。
③輸送用機械器具の製造品出荷額が増加しており、地域内での自動車産業の集積を確認。
④KPI 達成度99%の要因は、各県のネットワーク組織での活動及び各県の取組みによるもの。
⑤医療機器生産額の対全国構成比は低下したものの、産学間及び企業間連携の効果による産業集積を図る。
○自動車産業分野においては、EVやFCV等の環境対応車や自動運転車等の次世代を担う自動車の技術開
発や構成部品開発及び生産技術開発について、広域連携の下で世界に通じる研究開発を行う地域を目指して、研
究開発拠点の形成に中長期的に取り組む。
○医療機器産業分野においては、医療機器開発拠点(ふくしま医療機器開発支援センター、東北大学病院臨床
研究推進センター等)と連携して、産学官医等のNW形成支援、ハンズオン支援を引き続き推進する。また、臨床
現場との協力体制を継続・強化し、ニーズ把握、開発途中製品への評価・提案等を行う取り組みを推進し、新たに販
企業との連携を強化するため、他地域との連携(関東経済産業局など)とともに、製販企業へ訪問し、拠点との連
携促進や地域ものづくり企業との橋渡し等を実施する。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
- 134 -
– 137 –
◆団体名 福島県会津若松市・会津大学・アクセンチュア(株)

会津若松市は、福島県の西部に位置し、周辺は磐梯山や猪苗代湖などの豊かな自然に囲まれていることに加え
て、白虎隊で有名な飯盛山や鶴ヶ城などの観光資源も有している。
その一方で、本市の人口は、1995 年の約 13 万 7 千人をピークとして、近年は毎年 1,000 人程度のペースで減
少が続いており、その内訳のうち、社会動態をみると、高校卒業(大学入学)及び就職を迎える若い世代の人口が
市外に流出していることが大きな要因となっている。
産業面では、観光、農業、酒・漆器業等の地場産業のほか、非鉄金属や IC 関連の電子部品関連企業などの製
造業が中核を担ってきたが、リーマンショック等の影響や生産拠点の海外シフト等の要因から雇用が減少してきている。
また、新興国とのコスト競争、自動化による生産性の向上、働き方改革などの産業・就労構造の変化もあって、これま
でのような製造業などの大規模工場誘致だけでは、地域の持続可能な経済・産業の成長は見込みがたい。そのため、
地域経済の長期的な活性化・発展に向けては、これまでの工場誘致などに加えて、本市の特徴を踏まえつつ時代の
流れに沿った人材を育成し、そして、これらの人材が地域に定着していくことが重要となる。
本市には、ICT 専門大学である会津大学が存在するという特徴があり、ソーシャルサイエンス分野(データ分析関
連、サイバーセキュリティ関連等)の人材が不足しているという日本の現状に鑑みると、多様なデータを分析し、革新的
なサービスの創出や経営判断、あるいは業務効率化などには欠かせない「アナリティクス人材」を、この会津大学で育成
し、そしてその人材が、この地域に就職・定住できるよう、ICT・アナリティクス関連産業を本市に誘致・集積していくこと
で、人口減少に歯止めをかけていくことを目指していくものであり、ひいては、住み続けることのできるまちを実現していく。
【 会津若松市の課題と方向性 】
2.ビッグデータ戦略活用のためのアナリティクス拠点集積事業
◆団体名 福島県会津若松市・会津大学・アクセンチュア(株)
◆全体概要
– 138 –
○ICT・アナリティクス関連産業誘致のためのオフィス環境整備(500 人規模の入居が可能なオフィスビルを整備)
○会津大学におけるアナリティクス人材の育成(会津大学にてアナリティクスの講義・講座を実施、単位として認定)
○市のデータをオープンデータとして公開する基盤(Data for Citizen)を整備(184 データ、46 アプリを公開)
○地域情報や個人に紐づくサービスをワンストップで提供するデジタル情報プラットフォーム「会津若松+」を整備
○上記を含め、様々な分野で ICT を活用し、安心して快適に生活できるまちづくり「スマートシティ会津若松」の推進
【スマートシティ AiCT(アイクト)】 市と民間企業とが協力するPPP(官民連携)にて整備
1.ICT・アナリティクス関連産業誘致のためのオフィス環境整備
アナリティクスや ICT 人材の集積を図る拠点として、500 人規模の入居が可能なオフィス「スマートシティ AiCT(ア
イクト)」を整備し、2019 年 4 月に開所した。同年 6 月現在で 20 社 約 400 名の入居が表明され、今後も増え
ることが見込まれている。これにより、首都圏等からの移住や交流人口の拡大をはじめ、会津大学卒業生などの地元
就職者の増大が見込まれる。また、入居企業が会津大学や地域ベンチャー等と連携し、新たな事業等を行っていくこと
で、地域経済の好循環が生まれていくことが期待される。
2.「スマートシティ会津若松」の推進
会津若松市では、健康や福祉、教育、防災、さらには、エネルギー、交通、環境など生活を取り巻く様々な分野で
ICT を活用した取組を推進してきた。例えば、インターネット上のポータルサイト「会津若松+」では、個人の属性に応
じたおすすめの地域情報の配信や電子化した母子健康手帳、除雪車の位置情報など様々なサービスを提供している
が、これはデータを分野横断的に活用していくためのデジタル情報プラットフォームとして整備してきたものである。このほ
か、市民の皆様にもスマートシティを実感していただけるよう、その参画を得て、AI や5G などを活用した先端的な「実
証」事業から、IoT を農業などの現場で活用し、効率化と生産性の向上を図る「実装」事業などを数多く実施してき
た。単にオフィスビルを整備しただけでは企業の誘致に結び付けていくことは難しいが、スマートシティの推進によって本市
をフィールドとして様々な企業が集い、産官学が連携しながら、新たなビジネスの創出につなげていく機運が高まってい
る。
◆特徴的な取組・成果
◆プロジェクトのアピールポイント
- 135 -
– 137 –
◆団体名 福島県会津若松市・会津大学・アクセンチュア(株)

会津若松市は、福島県の西部に位置し、周辺は磐梯山や猪苗代湖などの豊かな自然に囲まれていることに加え
て、白虎隊で有名な飯盛山や鶴ヶ城などの観光資源も有している。
その一方で、本市の人口は、1995 年の約 13 万 7 千人をピークとして、近年は毎年 1,000 人程度のペースで減
少が続いており、その内訳のうち、社会動態をみると、高校卒業(大学入学)及び就職を迎える若い世代の人口が
市外に流出していることが大きな要因となっている。
産業面では、観光、農業、酒・漆器業等の地場産業のほか、非鉄金属や IC 関連の電子部品関連企業などの製
造業が中核を担ってきたが、リーマンショック等の影響や生産拠点の海外シフト等の要因から雇用が減少してきている。
また、新興国とのコスト競争、自動化による生産性の向上、働き方改革などの産業・就労構造の変化もあって、これま
でのような製造業などの大規模工場誘致だけでは、地域の持続可能な経済・産業の成長は見込みがたい。そのため、
地域経済の長期的な活性化・発展に向けては、これまでの工場誘致などに加えて、本市の特徴を踏まえつつ時代の
流れに沿った人材を育成し、そして、これらの人材が地域に定着していくことが重要となる。
本市には、ICT 専門大学である会津大学が存在するという特徴があり、ソーシャルサイエンス分野(データ分析関
連、サイバーセキュリティ関連等)の人材が不足しているという日本の現状に鑑みると、多様なデータを分析し、革新的
なサービスの創出や経営判断、あるいは業務効率化などには欠かせない「アナリティクス人材」を、この会津大学で育成
し、そしてその人材が、この地域に就職・定住できるよう、ICT・アナリティクス関連産業を本市に誘致・集積していくこと
で、人口減少に歯止めをかけていくことを目指していくものであり、ひいては、住み続けることのできるまちを実現していく。
【 会津若松市の課題と方向性 】
2.ビッグデータ戦略活用のためのアナリティクス拠点集積事業
◆全体概要
– 138 –
○ICT・アナリティクス関連産業誘致のためのオフィス環境整備(500 人規模の入居が可能なオフィスビルを整備)
○会津大学におけるアナリティクス人材の育成(会津大学にてアナリティクスの講義・講座を実施、単位として認定)
○市のデータをオープンデータとして公開する基盤(Data for Citizen)を整備(184 データ、46 アプリを公開)
○地域情報や個人に紐づくサービスをワンストップで提供するデジタル情報プラットフォーム「会津若松+」を整備
○上記を含め、様々な分野で ICT を活用し、安心して快適に生活できるまちづくり「スマートシティ会津若松」の推進
【スマートシティ AiCT(アイクト)】 市と民間企業とが協力するPPP(官民連携)にて整備
1.ICT・アナリティクス関連産業誘致のためのオフィス環境整備
アナリティクスや ICT 人材の集積を図る拠点として、500 人規模の入居が可能なオフィス「スマートシティ AiCT(ア
イクト)」を整備し、2019 年 4 月に開所した。同年 6 月現在で 20 社 約 400 名の入居が表明され、今後も増え
ることが見込まれている。これにより、首都圏等からの移住や交流人口の拡大をはじめ、会津大学卒業生などの地元
就職者の増大が見込まれる。また、入居企業が会津大学や地域ベンチャー等と連携し、新たな事業等を行っていくこと
で、地域経済の好循環が生まれていくことが期待される。
2.「スマートシティ会津若松」の推進
会津若松市では、健康や福祉、教育、防災、さらには、エネルギー、交通、環境など生活を取り巻く様々な分野で
ICT を活用した取組を推進してきた。例えば、インターネット上のポータルサイト「会津若松+」では、個人の属性に応
じたおすすめの地域情報の配信や電子化した母子健康手帳、除雪車の位置情報など様々なサービスを提供している
が、これはデータを分野横断的に活用していくためのデジタル情報プラットフォームとして整備してきたものである。このほ
か、市民の皆様にもスマートシティを実感していただけるよう、その参画を得て、AI や5G などを活用した先端的な「実
証」事業から、IoT を農業などの現場で活用し、効率化と生産性の向上を図る「実装」事業などを数多く実施してき
た。単にオフィスビルを整備しただけでは企業の誘致に結び付けていくことは難しいが、スマートシティの推進によって本市
をフィールドとして様々な企業が集い、産官学が連携しながら、新たなビジネスの創出につなげていく機運が高まってい
る。
◆特徴的な取組・成果
◆プロジェクトのアピールポイント
- 136 -
– 139 –
◆関連する地域波及効果
※会津若松市では、これまで人口減少が続いていたが、一時的である可能性はあるものの、増加に転じた。
◆推進体制
○本市の ICT 関連事業の推進にあたっては、本市を含め 48 団体が参画する「会津若松市まち・ひと・しごと創生包
括連携協議会」から事業提案を受けることや、事業効果の検証などの進捗管理を行っている。ここでは、首都圏に
本社機能を置く大手企業も数多く参画しており、時流にマッチした先駆的な事業提案も多くいただいている。
○スマートシティや ICT 関連産業の集積に関連する一部の事業の実施は、地方行政が抱える課題を解決する地方
発のスマートシティモデルを産官学金労言が一体となって構築することを目的として設立された「会津地域スマートシ
ティ推進協議会」にて行われている。ここでは、本市を含め会津大学や本市に拠点を置く企業など 20 団体が参画
しており、ICT 専門大学、民間企業の知見をいただきながら、本市の目指すべき姿に向けて事業化がなされている。
・会津若松市、会津大学をはじめ、産官学金労言の 48 団体が参画。大手企業も多い。
・会津若松市・会津大学をはじめ、産官学金労言 20 団体が参画。地元に拠点を置く企業が中心。
1 アナリティクス人材育成について
会津大学にて学生向けアナリティクス人材育成講座を実施。専門的知識を学んだ会津大学卒業生は、企業でも
即戦力として期待されていることはもちろん、「スマートシティ AiCT」入居企業等への就職にも結び付いている。
○会津大学におけるアナリティクス講座受講者数 : 2014 年~2018 年累計 507 人
2 アナリティクス関連プロジェクトの誘致・推進について
データ分析を活用した事業は、観光・ヘルスケア・農業などをはじめ、様々な分野で継続的に実施してきており、例え
ば、農業の導入実績では、農家の作業時間が平均 1 割減、販売金額は平均1割増という良好な結果が出ている。
【 IoT、データ分析を活用した農業 】
◆KPI 設定の工夫・達成状況
ビッグデータ戦略活用
のためのアナリティクス
拠点集積事業
ICT 関連産業集積拠点
「スマートシティ AiCT(アイクト)」
2019.7.1 現在
入居者数 15 社 約 200 人
会津若松市現住人口:148 人増
2019.4.1 現在 → 2019.7.1 現在
119,876 人 → 120,024 人
センサーが、土壌水分、
地温、日射量、EC
(電気伝導度:肥料
濃度)を計測し、
データをクラウドに蓄積。 センサーで計測したデータを基に、最適な量の水や肥料を
自動的にかん水。状況は、パソコン・タブレットで管理可能。
会津若松市まち・ひと・しごと創生包括連携協議会
会津地域スマートシティ推進協議会
事業提案/
効果検証
事業実施/
運営
– 140 –
また、市民向けにワンストップで情報を提供するデジタル情報プラットフォーム「会津若松+」では、サービスの1つとし
て、除雪車の位置情報を提供する一方、行政側では、除雪車の運行軌跡等のデータを分析し、いかに効率的に除
雪できるかに役立ててきた。さらに、同一基盤上では会津地域 7 市町村が連携し、インバウンド向けの観光情報とし
て、外国人の国籍に応じておすすめの周遊ルート・コンテンツを出し分けする「VISIT AIZU」のサービスも提供してき
た。
○「会津若松+」 年間ページビュー数:2018 年度 約 100 万ページビュー
○観光客(訪日):V 案内所外国人利用者数 3,161 人(2013 年)⇒13,327 人(2018 年)
外国人宿泊者数 2,610 人(2013 年)⇒18,115 人(2018 年)
【 地域情報ポータルサイト「会津若松+」 】 【 インバウンド向け観光情報「VISIT AIZU」 】
3 アナリティクス産業の集積と機能移転・地元採用について
500 名規模の入居が可能な ICT オフィス「スマートシティ AiCT」の整備が完了し 2019 年 4 月に開所した。
この拠点への ICT・アナリティクス関連企業の誘致活動を推進してきたところであり、アクセンチュア社においても約
250 名がスマートシティ AiCT に一部機能移転をしたほか、会津大学新卒者を採用した入居企業も出てきている。
2019 年 6 月現在で、20 社 約 400 名が入居を表明。 2019 年 7 月現在で、15 社 約 200 名が入居済
み。
○「スマートシティ AiCT」の整備には、地方創生拠点整備交付金(補助率1/2)を活用。
→ 交付対象経費 1,016,713,097 円 交付金額 508,356,548 円
会津若松市では、データを起点としたまちづくり・産業集積に向け、スマートシティに関連する各事業を推進してきたと
ころであるが、これらの事業は単なる実証として終わるのみならず、自立運用、事業内容の深化・高度化、他地域への
展開など、次のフェーズに入ってきているものも増えてきた。
2019 年 4 月には、ICT・アナリティクス関連産業の集積に向けた拠点として、500 人規模の入居が可能なオフィス
「スマートシティ AiCT」を整備し、開所を迎えたところであるが、この拠点の入居率を高め、移住・定住につなげていくこと
や、入居企業や会津大学への来訪、技術交流などを目的とした交流人口の拡大を図っていくことについては、これから
が正念場であり、開所時の一時的なものではなく、いかに継続させていくかが課題である。
また、「スマートシティ AiCT」は、市民の皆様をはじめ、入居企業や地元・他地域の企業、会津大学の方々が交流で
きる「交流棟」を備えており、こうした拠点も活用しつつ、市民全体がスマートシティに参画・実感する機会を提供してい
くことで、ともすれば意識せずとも生活の利便性が高まっている、といったことも含め、様々な分野でスマートシティ推進に
よる恩恵を得られるようにしていくことで、本市が「Society5.0」といった社会を牽引していくことを目指していく。
◆今後の展開及び課題
- 137 -
– 139 –
◆関連する地域波及効果
※会津若松市では、これまで人口減少が続いていたが、一時的である可能性はあるものの、増加に転じた。
◆推進体制
○本市の ICT 関連事業の推進にあたっては、本市を含め 48 団体が参画する「会津若松市まち・ひと・しごと創生包
括連携協議会」から事業提案を受けることや、事業効果の検証などの進捗管理を行っている。ここでは、首都圏に
本社機能を置く大手企業も数多く参画しており、時流にマッチした先駆的な事業提案も多くいただいている。
○スマートシティや ICT 関連産業の集積に関連する一部の事業の実施は、地方行政が抱える課題を解決する地方
発のスマートシティモデルを産官学金労言が一体となって構築することを目的として設立された「会津地域スマートシ
ティ推進協議会」にて行われている。ここでは、本市を含め会津大学や本市に拠点を置く企業など 20 団体が参画
しており、ICT 専門大学、民間企業の知見をいただきながら、本市の目指すべき姿に向けて事業化がなされている。
・会津若松市、会津大学をはじめ、産官学金労言の 48 団体が参画。大手企業も多い。
・会津若松市・会津大学をはじめ、産官学金労言 20 団体が参画。地元に拠点を置く企業が中心。
1 アナリティクス人材育成について
会津大学にて学生向けアナリティクス人材育成講座を実施。専門的知識を学んだ会津大学卒業生は、企業でも
即戦力として期待されていることはもちろん、「スマートシティ AiCT」入居企業等への就職にも結び付いている。
○会津大学におけるアナリティクス講座受講者数 : 2014 年~2018 年累計 507 人
2 アナリティクス関連プロジェクトの誘致・推進について
データ分析を活用した事業は、観光・ヘルスケア・農業などをはじめ、様々な分野で継続的に実施してきており、例え
ば、農業の導入実績では、農家の作業時間が平均 1 割減、販売金額は平均1割増という良好な結果が出ている。
【 IoT、データ分析を活用した農業 】
◆KPI 設定の工夫・達成状況
ビッグデータ戦略活用
のためのアナリティクス
拠点集積事業
ICT 関連産業集積拠点
「スマートシティ AiCT(アイクト)」
2019.7.1 現在
入居者数 15 社 約 200 人
会津若松市現住人口:148 人増
2019.4.1 現在 → 2019.7.1 現在
119,876 人 → 120,024 人
センサーが、土壌水分、
地温、日射量、EC
(電気伝導度:肥料
濃度)を計測し、
データをクラウドに蓄積。 センサーで計測したデータを基に、最適な量の水や肥料を
自動的にかん水。状況は、パソコン・タブレットで管理可能。
会津若松市まち・ひと・しごと創生包括連携協議会
会津地域スマートシティ推進協議会
事業提案/
効果検証
事業実施/
運営
– 140 –
また、市民向けにワンストップで情報を提供するデジタル情報プラットフォーム「会津若松+」では、サービスの1つとし
て、除雪車の位置情報を提供する一方、行政側では、除雪車の運行軌跡等のデータを分析し、いかに効率的に除
雪できるかに役立ててきた。さらに、同一基盤上では会津地域 7 市町村が連携し、インバウンド向けの観光情報とし
て、外国人の国籍に応じておすすめの周遊ルート・コンテンツを出し分けする「VISIT AIZU」のサービスも提供してき
た。
○「会津若松+」 年間ページビュー数:2018 年度 約 100 万ページビュー
○観光客(訪日):V 案内所外国人利用者数 3,161 人(2013 年)⇒13,327 人(2018 年)
外国人宿泊者数 2,610 人(2013 年)⇒18,115 人(2018 年)
【 地域情報ポータルサイト「会津若松+」 】 【 インバウンド向け観光情報「VISIT AIZU」 】
3 アナリティクス産業の集積と機能移転・地元採用について
500 名規模の入居が可能な ICT オフィス「スマートシティ AiCT」の整備が完了し 2019 年 4 月に開所した。
この拠点への ICT・アナリティクス関連企業の誘致活動を推進してきたところであり、アクセンチュア社においても約
250 名がスマートシティ AiCT に一部機能移転をしたほか、会津大学新卒者を採用した入居企業も出てきている。
2019 年 6 月現在で、20 社 約 400 名が入居を表明。 2019 年 7 月現在で、15 社 約 200 名が入居済
み。
○「スマートシティ AiCT」の整備には、地方創生拠点整備交付金(補助率1/2)を活用。
→ 交付対象経費 1,016,713,097 円 交付金額 508,356,548 円
会津若松市では、データを起点としたまちづくり・産業集積に向け、スマートシティに関連する各事業を推進してきたと
ころであるが、これらの事業は単なる実証として終わるのみならず、自立運用、事業内容の深化・高度化、他地域への
展開など、次のフェーズに入ってきているものも増えてきた。
2019 年 4 月には、ICT・アナリティクス関連産業の集積に向けた拠点として、500 人規模の入居が可能なオフィス
「スマートシティ AiCT」を整備し、開所を迎えたところであるが、この拠点の入居率を高め、移住・定住につなげていくこと
や、入居企業や会津大学への来訪、技術交流などを目的とした交流人口の拡大を図っていくことについては、これから
が正念場であり、開所時の一時的なものではなく、いかに継続させていくかが課題である。
また、「スマートシティ AiCT」は、市民の皆様をはじめ、入居企業や地元・他地域の企業、会津大学の方々が交流で
きる「交流棟」を備えており、こうした拠点も活用しつつ、市民全体がスマートシティに参画・実感する機会を提供してい
くことで、ともすれば意識せずとも生活の利便性が高まっている、といったことも含め、様々な分野でスマートシティ推進に
よる恩恵を得られるようにしていくことで、本市が「Society5.0」といった社会を牽引していくことを目指していく。
◆今後の展開及び課題
- 138 -
– 141 –
◆団体名 埼玉県ほか

本モデルケースは、我が国最大の経済圏である関東地方において、戦略産業である医療機器産業の競争力強化
を目的とし、多くの自治体・民間企業、広域行政機関等が連携し、それぞれの地域の強みを持ち寄りつつ、きめ細や
かな地域産業支援の実施を目指す。
具体的には「①専業医療機器メーカーと地域ものづくり企業とのマッチング」「②産学官連携による地域医工連携イ
ノベーション拠点の整備」の 2 つを主な柱として、各事業に取り組む。
1.専業医療機器メーカーと地域ものづくり企業とのマッチング
○医療機器・ものづくり商談会…商談成立件数 145 件、異業種からの新規参入企業数 136 件
2.産学官連携による地域医工連携イノベーション拠点の整備
○千葉県との連携…C-Square Expo を共催
○栃木県との連携…医工連携事業化マッチング事業を共催
1.専業医療機器メーカーと地域ものづくり企業とのマッチング
専業医療機器メーカーの機器開発・改良テーマを関東経済産業局が収集し、テーマに対応可能な技術を有する地
元ものづくり企業を各自治体、産業支援機関、金融機関が探索することで、精度の高いマッチングを実現。また、商談
の場に地域のコーディネーター等が同席することで、商談成立に向けたサポートや商談成立後の支援策のアレンジな
ど、きめ細やかなフォローアップを実施。
2.産学官連携による地域医工連携イノベーション拠点の整備
各地域の取組において、医工連携活動に積極的な医科系大学や医療現場と連携し、医師が抱える医療機器開発
に係わる課題・ニーズを抽出し、より事業化の可能性が高いプロジェクトを創出。
◆関連する地域波及効果
3-1.戦略的医療機器産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業
◆団体名 埼玉県ほか
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
戦略的医療機器
産業集積(クラス
ター)ネットワーク
形成事業
商談成立件数:145 件増
(H25:0 件→H30:145 件)
医療機器の上市件数:5 件増
(H25:0 件→H30:5 件)
異業種による新規参入企業数:136 社増
(H25:0 件→H30:136 社)
医療機器生産額:0.01 兆円減
【H25:1.12 兆円→H30:1.11 兆円
(関東地域)
– 142 –
◆推進体制
○埼玉県他、関東経済産業局管内の自治体、地域支援機関、地域中核企業との連携体制を構築。この連携体
制を強固なものにし地域へのスムーズな波及を図ることに加えて、医療福祉機器分野に長年携わり、特に円滑な医療
機器産業への参入に関して知見の深い、一般社団法人日本医工ものづくりコモンズの柏野理事を外部アドバイザーと
して、客観的な視点から進捗管理等を行っている。
【設定 KPI】
①医療機器生産額(関東地方)
【H25:1.12 兆円→H30:1.11 兆円(目標値 1.28 兆円)】
②商談成立件数【H25:0 件→H30:145件(目標値 152 件)】
③医療機器の上市件数【H25:0 件→H30:5 件(目標値 6 件)】
④異業種による新規参入企業数【H25:0 社→H30:136 社(目標値 145 社)】
○設定KPIの達成状況等は、①医療機器生産額、②商談成立件数、③医療機器の上市件数、④異業種によ
る新規参入企業数について、いずれも平成 30 年度終了時点の実績が目標値を下回る結果に止まった。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
ものづくり商談会を実施することにより、医療機器メーカーが持つ開発・改良ニーズと地域ものづくり企業の技術をマッチ
ング。また、地域と連携した医工連携の取組を実施することにより、医師ニーズと企業をマッチング。これらの取組を通じ
て医療機器の上市とものづくり企業の医療機器産業への参入、医師ニーズの具現化を促進。
1.専業医療機器メーカーと地域ものづくり企業とのマッチング
商談会等でマッチングした案件について個別に課題を把握し、上市までの継続的な支援を行うとともに、より事業化が
期待されるニーズの収集を行っていく。
2.産学官連携による地域医工連携イノベーション拠点の整備
自治体や地域の支援機関との情報共有をより密にし、各地域企業の課題把握に努めるとともに、開発資金の支援や
販路拡大支援により事業化までの時間短縮を図っていく。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
- 139 -
– 141 –
◆団体名 埼玉県ほか

本モデルケースは、我が国最大の経済圏である関東地方において、戦略産業である医療機器産業の競争力強化
を目的とし、多くの自治体・民間企業、広域行政機関等が連携し、それぞれの地域の強みを持ち寄りつつ、きめ細や
かな地域産業支援の実施を目指す。
具体的には「①専業医療機器メーカーと地域ものづくり企業とのマッチング」「②産学官連携による地域医工連携イ
ノベーション拠点の整備」の 2 つを主な柱として、各事業に取り組む。
1.専業医療機器メーカーと地域ものづくり企業とのマッチング
○医療機器・ものづくり商談会…商談成立件数 145 件、異業種からの新規参入企業数 136 件
2.産学官連携による地域医工連携イノベーション拠点の整備
○千葉県との連携…C-Square Expo を共催
○栃木県との連携…医工連携事業化マッチング事業を共催
1.専業医療機器メーカーと地域ものづくり企業とのマッチング
専業医療機器メーカーの機器開発・改良テーマを関東経済産業局が収集し、テーマに対応可能な技術を有する地
元ものづくり企業を各自治体、産業支援機関、金融機関が探索することで、精度の高いマッチングを実現。また、商談
の場に地域のコーディネーター等が同席することで、商談成立に向けたサポートや商談成立後の支援策のアレンジな
ど、きめ細やかなフォローアップを実施。
2.産学官連携による地域医工連携イノベーション拠点の整備
各地域の取組において、医工連携活動に積極的な医科系大学や医療現場と連携し、医師が抱える医療機器開発
に係わる課題・ニーズを抽出し、より事業化の可能性が高いプロジェクトを創出。
◆関連する地域波及効果
3-1.戦略的医療機器産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業
◆全体概要
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
戦略的医療機器
産業集積(クラス
ター)ネットワーク
形成事業
商談成立件数:145 件増
(H25:0 件→H30:145 件)
医療機器の上市件数:5 件増
(H25:0 件→H30:5 件)
異業種による新規参入企業数:136 社増
(H25:0 件→H30:136 社)
医療機器生産額:0.01 兆円減
【H25:1.12 兆円→H30:1.11 兆円
(関東地域)
– 142 –
◆推進体制
○埼玉県他、関東経済産業局管内の自治体、地域支援機関、地域中核企業との連携体制を構築。この連携体
制を強固なものにし地域へのスムーズな波及を図ることに加えて、医療福祉機器分野に長年携わり、特に円滑な医療
機器産業への参入に関して知見の深い、一般社団法人日本医工ものづくりコモンズの柏野理事を外部アドバイザーと
して、客観的な視点から進捗管理等を行っている。
【設定 KPI】
①医療機器生産額(関東地方)
【H25:1.12 兆円→H30:1.11 兆円(目標値 1.28 兆円)】
②商談成立件数【H25:0 件→H30:145件(目標値 152 件)】
③医療機器の上市件数【H25:0 件→H30:5 件(目標値 6 件)】
④異業種による新規参入企業数【H25:0 社→H30:136 社(目標値 145 社)】
○設定KPIの達成状況等は、①医療機器生産額、②商談成立件数、③医療機器の上市件数、④異業種によ
る新規参入企業数について、いずれも平成 30 年度終了時点の実績が目標値を下回る結果に止まった。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
ものづくり商談会を実施することにより、医療機器メーカーが持つ開発・改良ニーズと地域ものづくり企業の技術をマッチ
ング。また、地域と連携した医工連携の取組を実施することにより、医師ニーズと企業をマッチング。これらの取組を通じ
て医療機器の上市とものづくり企業の医療機器産業への参入、医師ニーズの具現化を促進。
1.専業医療機器メーカーと地域ものづくり企業とのマッチング
商談会等でマッチングした案件について個別に課題を把握し、上市までの継続的な支援を行うとともに、より事業化が
期待されるニーズの収集を行っていく。
2.産学官連携による地域医工連携イノベーション拠点の整備
自治体や地域の支援機関との情報共有をより密にし、各地域企業の課題把握に努めるとともに、開発資金の支援や
販路拡大支援により事業化までの時間短縮を図っていく。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
- 140 -
– 143 –
◆団体名 埼玉県・新潟市ほか

関東地方は、本社機能集積や 2020 年東京オリンピック等の開催決定など、優位性ある首都圏を擁する我が国最
大の経済圏である。
一方で、雇用吸収効果や他産業への波及効果の高い製造業の現状は厳しく、産業空洞化が懸念される地域も散
見される状況にある。加えて、今後は全国を大きく上回るペースで高齢化が進展する見通しとなっている。このような
中、中小企業・小規模事業者は、下請体質から転換し、自ら新分野進出を図ることが早急に求められているが、単
独で成長産業と見られる産業分野へ参入を図ることは極めて困難であるといった課題を有していた。
本モデルケースは、関東地方産業競争力協議会(以下、協議会)において戦略産業とされた先端ものづくり産業
を代表する産業である航空機産業にフォーカスし、協議会で提示された「都県域を越えて中小企業等が広域連携の
場の創出」を図る取組を具体的に実現していくための提案であった。
出所:(財)日本航空機開発協会「平成 23 年度
民間輸送機に関する調査研究」平成 24 年 3 月
〇国内装備品メーカー等とものづくり中小企業とのマッチングの場を提供:5 年間で 287 件の商談会を創出
〇ワンストップ型生産体制の構築を目指す地域における受注獲得に向けた各種取組を実施:
新潟・飯田地域で 5 年間で 31 件の新規受注を達成
〇地方創生交付金等を活用し、自治体、県レベルにおける支援メニューを拡充。:
新潟市で交付金を活用した、大型設備投資補助金の創設。
〇新潟地域、飯田地域における航空機産業に係る新規受注が増加した。
〇各地域にて航空機産業の重要性が認識され、各自治体による航空機産業支援が進んだ。
栃木県(宇都宮市、さくら市、足利市等)
栃木航空宇宙懇話会
とちぎ航空宇宙産業振興協議会
新潟県新潟市
NIIGATA SKY PROJECT
栃木県(宇都宮市、さくら市、足利市等)
栃木航空宇宙懇話会
広 とちぎ














浜松市
宇宙航空技術利活用研究会
浜松航空宇宙プロジェクト(SOLAE)
長野県(飯田市)
飯田航空宇宙プロジェクト
エアロスペース飯田 NAGANO航空宇宙プロジェクト
(長野県全域)
飯田航空宇宙プロジェクト
連携
連携
連携
栃木県(宇都宮市、さくら市、足利市等)
栃木航空宇宙懇話会
航空宇宙産業振興協
東京都
AMATERAS
緩やかな企業間
連携土壌があり、
集積度は随一。
地域産業集積を軸に、
地域一貫受注生産体制
確立に取り組む。
航空機産業における広域連携による取組イメージ
新潟県新潟市
NIIGATA 急速に航空機産業集
積に取り組む。
3-2.戦略的航空機産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業
◆団体名 埼玉県・新潟市ほか
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
新潟市で交付金を活用した、大型設備投資補助金の創設。
◆プロジェクトのアピールポイント
– 144 –
関連する地域波及効果
◆推進体制
〇異業種、地銀等の金融機関、大学等の研究機関、各自治体との連携により、産学官金連携のもと、取り組んだ。
【設定 KPI】 ※【 】内は目標値
〇航空機関連メーカのものづくり基盤強化の観点から、KPI を設定した。特徴的なものを以下に記載する。
施策 設定 KPI KPI 達成状況
①地域企業の大
手航空機メー
カーに対する商
談機会の創出
・航空機器生産額(関東地方)
【H25:4783 億円→H30:6,442 億円】
6,420 億円
・大手航空機器メーカーとの商談件数【H25:0 件→H30:325 件】 287 件
・大手航空機器メーカーからの新規受注件数【H25:0 件→H30:24 件】 31 件
②地域企業の技
術力・生産能
力向上
・JISQ9100 新規取得件数【H25:0 件→H30:100 件】 140 件
・Nadcap 取得企業数【H25:35 社→H30:51 社】 48 社
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①航空機産業ビジネスマッチングを関東経済産業局主催で行う機会を創出し、毎年継続して開催。また、経済産業
省の地域中核企業創出・支援事業を活用し、航空機産業の展示会出展支援を行った。
②国、自治体の支援メニューを活用した、設備投資、専門家派遣、人材育成等個別支援メニューの有効利用を促
進したことで、地域企業の生産能力向上に寄与。
【地方創生関係交付金等の活用有無】
〇本取組により、航空機産業支援における整備は進んだが、依然として国内の航空機産業は世界中の企業との競
争にさらされており、資金力の乏しい中小企業へは引き続き、公的支援が必要である。
〇継続して関東経済産業局と連携を図り、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、戦略的基盤技術
高度化支援事業、地方創生推進交付金等、国の施策を利用し、設備投資や研究開発、専門家受入れに係る中
小企業の負担を軽減させることで、世界に対する日本の航空機産業のプレゼンスの向上を図りたい。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり ・ なし
航空機産業とICT活
用による地域活性化事
業、航空機産業集積化
による地域イノベーションの
創出、ほか
1,592,557,000
円 1/2
①大型設備投資を支援
②飯田市にある「産業振興と人材育
成の拠点」における環境試験設備
の整備が進んだ。
戦略的航空機
産業集積(クラ
スター)ネットワ
ーク形成事業
JISQ9100 新規取得:140 件増
Nadcap 取得:13 件増
大手航空機器メーカーとの商談:287 件増
大手航空機器メーカーからの新規受注:31 件増

航空機器生産額(関東地
方)の増加
4,783 億円→6,420 億円
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
- 141 -
– 143 –
◆団体名 埼玉県・新潟市ほか

関東地方は、本社機能集積や 2020 年東京オリンピック等の開催決定など、優位性ある首都圏を擁する我が国最
大の経済圏である。
一方で、雇用吸収効果や他産業への波及効果の高い製造業の現状は厳しく、産業空洞化が懸念される地域も散
見される状況にある。加えて、今後は全国を大きく上回るペースで高齢化が進展する見通しとなっている。このような
中、中小企業・小規模事業者は、下請体質から転換し、自ら新分野進出を図ることが早急に求められているが、単
独で成長産業と見られる産業分野へ参入を図ることは極めて困難であるといった課題を有していた。
本モデルケースは、関東地方産業競争力協議会(以下、協議会)において戦略産業とされた先端ものづくり産業
を代表する産業である航空機産業にフォーカスし、協議会で提示された「都県域を越えて中小企業等が広域連携の
場の創出」を図る取組を具体的に実現していくための提案であった。
出所:(財)日本航空機開発協会「平成 23 年度
民間輸送機に関する調査研究」平成 24 年 3 月
〇国内装備品メーカー等とものづくり中小企業とのマッチングの場を提供:5 年間で 287 件の商談会を創出
〇ワンストップ型生産体制の構築を目指す地域における受注獲得に向けた各種取組を実施:
新潟・飯田地域で 5 年間で 31 件の新規受注を達成
〇地方創生交付金等を活用し、自治体、県レベルにおける支援メニューを拡充。:
新潟市で交付金を活用した、大型設備投資補助金の創設。
〇新潟地域、飯田地域における航空機産業に係る新規受注が増加した。
〇各地域にて航空機産業の重要性が認識され、各自治体による航空機産業支援が進んだ。
栃木県(宇都宮市、さくら市、足利市等)
栃木航空宇宙懇話会
とちぎ航空宇宙産業振興協議会
新潟県新潟市
NIIGATA SKY PROJECT















浜松市
宇宙航空技術利活用研究会
浜松航空宇宙プロジェクト(SOLAE)
長野県(飯田市)
飯田航空宇宙プロジェクト
エアロスペース飯田 NAGANO航空宇宙プロジェクト
(長野県全域)
連携
連携
連携 東京都
AMATERAS
緩やかな企業間
連携土壌があり、
集積度は随一。
地域産業集積を軸に、
地域一貫受注生産体制
確立に取り組む。
航空機産業における広域連携による取組イメージ
急速に航空機産業集
積に取り組む。
3-2.戦略的航空機産業集積(クラスター)ネットワーク形成事業
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
◆プロジェクトのアピールポイント
– 144 –
関連する地域波及効果
◆推進体制
〇異業種、地銀等の金融機関、大学等の研究機関、各自治体との連携により、産学官金連携のもと、取り組んだ。
【設定 KPI】 ※【 】内は目標値
〇航空機関連メーカのものづくり基盤強化の観点から、KPI を設定した。特徴的なものを以下に記載する。
施策 設定 KPI KPI 達成状況
①地域企業の大
手航空機メー
カーに対する商
談機会の創出
・航空機器生産額(関東地方)
【H25:4783 億円→H30:6,442 億円】
6,420 億円
・大手航空機器メーカーとの商談件数【H25:0 件→H30:325 件】 287 件
・大手航空機器メーカーからの新規受注件数【H25:0 件→H30:24 件】 31 件
②地域企業の技
術力・生産能
力向上
・JISQ9100 新規取得件数【H25:0 件→H30:100 件】 140 件
・Nadcap 取得企業数【H25:35 社→H30:51 社】 48 社
【KPI 達成のプロセスやポイント】
①航空機産業ビジネスマッチングを関東経済産業局主催で行う機会を創出し、毎年継続して開催。また、経済産業
省の地域中核企業創出・支援事業を活用し、航空機産業の展示会出展支援を行った。
②国、自治体の支援メニューを活用した、設備投資、専門家派遣、人材育成等個別支援メニューの有効利用を促
進したことで、地域企業の生産能力向上に寄与。
【地方創生関係交付金等の活用有無】
〇本取組により、航空機産業支援における整備は進んだが、依然として国内の航空機産業は世界中の企業との競
争にさらされており、資金力の乏しい中小企業へは引き続き、公的支援が必要である。
〇継続して関東経済産業局と連携を図り、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、戦略的基盤技術
高度化支援事業、地方創生推進交付金等、国の施策を利用し、設備投資や研究開発、専門家受入れに係る中
小企業の負担を軽減させることで、世界に対する日本の航空機産業のプレゼンスの向上を図りたい。
交付金活用 事業名 事業費 補助率 効果
あり ・ なし
航空機産業とICT活
用による地域活性化事
業、航空機産業集積化
による地域イノベーションの
創出、ほか
1,592,557,000
円 1/2
①大型設備投資を支援
②飯田市にある「産業振興と人材育
成の拠点」における環境試験設備
の整備が進んだ。
戦略的航空機
産業集積(クラ
スター)ネットワ
ーク形成事業
JISQ9100 新規取得:140 件増
Nadcap 取得:13 件増
大手航空機器メーカーとの商談:287 件増
大手航空機器メーカーからの新規受注:31 件増

航空機器生産額(関東地
方)の増加
4,783 億円→6,420 億円
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
- 142 -
– 145 –
◆団体名 富山県、石川県、福井県、北経連

北陸地域は本州中央部に位置し、日本海に面している地域である。
産業の特徴として、
○産業・建設機械等の一般機械、アルミサッシ等の金属製品、電子部品や繊維産業など日本海側随一の産業
が集積
○医薬品、発酵食品、機能性繊維等ライフサイエンス関連産業やアルミ等の金属加工関連産業が集積
○高い技術力を有するニッチトップ企業が数多く存在
が挙げられる。一方で、これまで、我が国は、太平洋側を中心にインフラの整備が進み、人口や企業などが太平洋側に
集中してきた結果、これからの地域社会を担う若者等の流出が加速しており、人口減少と高齢化が深刻になってい
る。また、東日本大震災や今後起こることが予測されている南海トラフ巨大地震に備えた防災・減災対策やインフラの
老朽化対策に加え、災害発生時のリスク分散に対応するため、日本海側におけるインフラ整備と人や企業の分散を促
進し、太平洋側に加えて日本海側に国土軸を作り、バランスの取れた強靭な国土を構築する必要がある。
以上を踏まえ、今後は本モデルケースでは、(1)北陸地域の連携を深める、(2)強みや成長シーズを国と地
方で連携して大きく育てイノベーションを起こす、(3)産業発展の環境整備を進めるという3つの基本的な考え方の
もと、平成25年に富山、石川、福井の北陸3県や経済界等が主体となって設置した「北陸産業競争力協議会」に
おける議論も踏まえて、産学官金の連携により、北陸三県の産業特性を活かした成長分野と位置付ける「ライフサイエ
ンス産業」、「高機能新素材産業」において、地方発のイノベーションを創出し、更なる産業競争力強化を目指すもの
として策定されたものである。
4.北陸産業競争力強化戦略
◆団体名
◆全体概要
ライフサイエンス連携体制の構築
高機能素材の需要予測
高機能新素材
産業への発展
炭素繊維産業
の集積
一般機器製造
産業の集積
アルミニウム関
連産業の集積
発酵食品関連
産業の集積
発酵食品関連
産業の集積
発酵食品関連産
業の集積
ライフサイエンス産
業への発展
中小企業
中小企業・
小規模事業者
地方公共団体
地域金融機関
産業支援機関
農林業事業者
大学等
– 146 –
〇地域内の大学や企業等に対する研究開発等の支援を実施(事業化数 16件)
〇北陸域内において、ライフサイエンス関連分野の大学発ベンチャー企業の新工場が稼働(創業数 6件)
〇各地域の公設試験研究機関が連携した企業の研究開発を支援するための加工機や検査機等を導入
〇海外クラスターと革新複合材料研究開発センターの技術や人材交流を実施
〇高機能素材やライフサイエンスへの先端材料活用に向けた研究会セミナー等の開催
1.地域の成長シーズを地方と国で連携して大きくし、新たな産業創出へつなげ、地域活性化、国際競争力強化へ
地域再生戦略交付金(H27)や地方創生推進交付金(H28~)を活用し、地域内の大学や企業等に対
して研究等の支援を実施した。また、北陸新幹線開業(H27)も契機として、域外からの研究所・工場・本社機
能の移転や進出を積極的に推進し、地域内における産業集積を進展させた。
2.成長分野に部材を供給する高機能新素材産業の集積地に
経済産業省「戦略産業支援のための基盤整備事業」や「地域オープンイノベーション促進事業」を活用した地域
内外のネットワーク構築・強化及びシーズ・ニーズマッチング等のコーディネートを実施、各公設試が連携した企業の
研究開発を支援するための加工機や検査機等の導入、両地域の企業等によるシーズ・ニーズ発表会の実施等、
東海・北陸コンポジットハイウェイ構想の実現に向けた取り組みが進められた。さらに、海外展示会への出展等を通じ
て、先進的な取り組みを行っている欧州の生産拠点と連携した研究開発・事業化を行う取り組みが進められた。
3.予防・早期診断にも重きを置いたライフサイエンスの一大生産拠点に
北陸ライフサイエンスクラスター事業(H25~H29)の取り組みの結果、鉄工、食品、繊維、IT 業等でライフサ
イエンス分野における製品やサービスの事業化が進んだ。また、血液検査による消化器がん診断サービスや在宅医
療用の簡易キットなどの、ライフサイエンス分野を中心事業として創業し、売上を上げる事業者も生まれた。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
〇取組に参加する各主体の代表者で構成する会議を設置し、会議での決定事項を全ての事業に反映してい
る。
〇地域金融機関との協定締結により域内融資や設備投資件数等の情報を得、それらを基に取組の地域への
経済波及効果について協議を実施。
〇協議会の趣旨、各主体の具体的な役割及び責任所掌について、文書を取り交わしている。
◆プロジェクトのアピールポイント
①高機能新素材産業の集積
②ライフサイエンスの一大生産拠
点形成
①研究開発数 30件
②ライフサイエンスベンチャー企業
創出数 6件
経済波及効果
1,212億円
雇用創出
1,950人
◆特徴的な取組・成果
- 143 -
– 145 –
◆団体名 富山県、石川県、福井県、北経連

北陸地域は本州中央部に位置し、日本海に面している地域である。
産業の特徴として、
○産業・建設機械等の一般機械、アルミサッシ等の金属製品、電子部品や繊維産業など日本海側随一の産業
が集積
○医薬品、発酵食品、機能性繊維等ライフサイエンス関連産業やアルミ等の金属加工関連産業が集積
○高い技術力を有するニッチトップ企業が数多く存在
が挙げられる。一方で、これまで、我が国は、太平洋側を中心にインフラの整備が進み、人口や企業などが太平洋側に
集中してきた結果、これからの地域社会を担う若者等の流出が加速しており、人口減少と高齢化が深刻になってい
る。また、東日本大震災や今後起こることが予測されている南海トラフ巨大地震に備えた防災・減災対策やインフラの
老朽化対策に加え、災害発生時のリスク分散に対応するため、日本海側におけるインフラ整備と人や企業の分散を促
進し、太平洋側に加えて日本海側に国土軸を作り、バランスの取れた強靭な国土を構築する必要がある。
以上を踏まえ、今後は本モデルケースでは、(1)北陸地域の連携を深める、(2)強みや成長シーズを国と地
方で連携して大きく育てイノベーションを起こす、(3)産業発展の環境整備を進めるという3つの基本的な考え方の
もと、平成25年に富山、石川、福井の北陸3県や経済界等が主体となって設置した「北陸産業競争力協議会」に
おける議論も踏まえて、産学官金の連携により、北陸三県の産業特性を活かした成長分野と位置付ける「ライフサイエ
ンス産業」、「高機能新素材産業」において、地方発のイノベーションを創出し、更なる産業競争力強化を目指すもの
として策定されたものである。
4.北陸産業競争力強化戦略
◆全体概要
ライフサイエンス連携体制の構築
高機能素材の需要予測
高機能新素材
産業への発展
炭素繊維産業
の集積
一般機器製造
産業の集積
アルミニウム関
連産業の集積
発酵食品関連
産業の集積
発酵食品関連
産業の集積
発酵食品関連産
業の集積
ライフサイエンス産
業への発展
中小企業
中小企業・
小規模事業者
地方公共団体
地域金融機関
産業支援機関
農林業事業者
大学等
– 146 –
〇地域内の大学や企業等に対する研究開発等の支援を実施(事業化数 16件)
〇北陸域内において、ライフサイエンス関連分野の大学発ベンチャー企業の新工場が稼働(創業数 6件)
〇各地域の公設試験研究機関が連携した企業の研究開発を支援するための加工機や検査機等を導入
〇海外クラスターと革新複合材料研究開発センターの技術や人材交流を実施
〇高機能素材やライフサイエンスへの先端材料活用に向けた研究会セミナー等の開催
1.地域の成長シーズを地方と国で連携して大きくし、新たな産業創出へつなげ、地域活性化、国際競争力強化へ
地域再生戦略交付金(H27)や地方創生推進交付金(H28~)を活用し、地域内の大学や企業等に対
して研究等の支援を実施した。また、北陸新幹線開業(H27)も契機として、域外からの研究所・工場・本社機
能の移転や進出を積極的に推進し、地域内における産業集積を進展させた。
2.成長分野に部材を供給する高機能新素材産業の集積地に
経済産業省「戦略産業支援のための基盤整備事業」や「地域オープンイノベーション促進事業」を活用した地域
内外のネットワーク構築・強化及びシーズ・ニーズマッチング等のコーディネートを実施、各公設試が連携した企業の
研究開発を支援するための加工機や検査機等の導入、両地域の企業等によるシーズ・ニーズ発表会の実施等、
東海・北陸コンポジットハイウェイ構想の実現に向けた取り組みが進められた。さらに、海外展示会への出展等を通じ
て、先進的な取り組みを行っている欧州の生産拠点と連携した研究開発・事業化を行う取り組みが進められた。
3.予防・早期診断にも重きを置いたライフサイエンスの一大生産拠点に
北陸ライフサイエンスクラスター事業(H25~H29)の取り組みの結果、鉄工、食品、繊維、IT 業等でライフサ
イエンス分野における製品やサービスの事業化が進んだ。また、血液検査による消化器がん診断サービスや在宅医
療用の簡易キットなどの、ライフサイエンス分野を中心事業として創業し、売上を上げる事業者も生まれた。
◆関連する地域波及効果
◆推進体制
〇取組に参加する各主体の代表者で構成する会議を設置し、会議での決定事項を全ての事業に反映してい
る。
〇地域金融機関との協定締結により域内融資や設備投資件数等の情報を得、それらを基に取組の地域への
経済波及効果について協議を実施。
〇協議会の趣旨、各主体の具体的な役割及び責任所掌について、文書を取り交わしている。
◆プロジェクトのアピールポイント
①高機能新素材産業の集積
②ライフサイエンスの一大生産拠
点形成
①研究開発数 30件
②ライフサイエンスベンチャー企業
創出数 6件
経済波及効果
1,212億円
雇用創出
1,950人
◆特徴的な取組・成果
- 144 -
– 147 –
【設定 KPI】
①ライフサイエンス分野における大学研究機関の特許出願件数
②医療、健康分野の事業化、商業化数
③ライフサイエンス分野のベンチャー企業創出数
④企業集積数
⑤ライフサイエンス分野の大学等の研究機関の研究者数
⑥医薬品、医療機器生産金額
⑦インフラ維持費低減効果
⑧CO2 削減効果
⑨雇用創出効果
⑩共同研究数
⑪研究会参加企業数
⑫経済波及効果
当モデルケースでは北陸3県が実施する事業において、相乗効果が認められる効果を KPI に設定した。①~⑥
がライフサイエンス関係、⑦、⑧が高機能材料、⑨~⑫が全体の KPI である。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
ライフサイエンスの分野においては、北陸3県が独自に進める事業のほか、3県が連携して「北陸ライフサイエンスクラ
スター推進事業」を実施。多くの項目において目標を達成できたが、知財戦略等の一環で一部の KPI が未達成。
本計画の実施により、効果は出始めており、全体の目標として設定していた雇用創出や経済の活性化(⑨~⑫)
についても年々成果は増加している。なお、高機能新素材産業に関しては、本格的な事業化が2024年以降の
予定であり、現在準備を進めているところである。
【5 年間の KPI の推移】

◆KPI 設定の工夫・達成状況
④企業集積数
①ライフサイエンス分野における大学研究機関の特許出願件数 ②医療、健康分野の事業化、商業化数
③ライフサイエンス分野のベンチャー企業創出数
– 148 –
1.地域の成長シーズを地方と国で連携して大きくし、新たな産業創出へつなげ、地域活性化、国際競争力強化へ
引き続き地方創生関連交付金を活用し、戦略分野の研究開発や研究機器の整備等を実施するとともに、各県ご
とに策定した地方創生戦略においても重点分野として位置づけ、支援を拡充していく。
2.成長分野に部材を供給する高機能新素材産業の集積地に
今後、地域内外のネットワーク構築・強化及びシーズ・ニーズマッチング、海外展開等を継続し、先端素材を活用し
た医療用繊維材料・機械部品・電子素材等の開発にも取り組む。また、東海・北陸連携コンポジットハイウェイ構想の
実現に向け、両地域の企業等による交流会を継続する。
3.治療システムの確立
治療システムの確立を目指し、バイオ・ライフサイエンス系ベンチャー産業の創造支援として、ベンチャー起業に向けた支
援、ベンチャー有望企業のリストアップによる重点的支援を行う。また、海外展開に必要な情報収集や発信を行う。
4.北陸3県の産業を融合した予防・診断・治療の製品・サービスの創出
富山県は新薬開発型メーカ 、ジェネリック医薬品製造メーカ、一般用医薬品製造メーカなど多様な製薬企業が存在
し、石川県は繊維産業と機械産業を中心に産業が発展し、独自の技術等を有し、医療用ディスプレイや内視鏡用チ
ェーンで世界シェアを有するニッチトップ企業が立地し、福井県は、眼鏡フレームの製造で培われてきたチタン合金等の
高度な精密加工技術を活かした眼科用手術器具の開発、繊維技術を活かした人工血管など非衣料分野の開発も
積極的に行われている。このような特色ある産業を融合し、予防・診断・治療の分野でシナジー効果を発揮し、新製
品・サービスを創出する。
◆今後の展開及び課題
⑫経済波及効果
⑨雇用創出効果
⑤ライフサイエンス分野の大学等の研究機関の研究者数
⑩共同研究数
⑪研究会参加企業数
⑥医薬品、医療機器生産金額
(※H30 実績値は、厚生労働省統計「薬事工業生産動態統計調査」年報の
H30 年分の公表が令和元年12月31日予定のため、記載不可。)
- 145 -
– 147 –
【設定 KPI】
①ライフサイエンス分野における大学研究機関の特許出願件数
②医療、健康分野の事業化、商業化数
③ライフサイエンス分野のベンチャー企業創出数
④企業集積数
⑤ライフサイエンス分野の大学等の研究機関の研究者数
⑥医薬品、医療機器生産金額
⑦インフラ維持費低減効果
⑧CO2 削減効果
⑨雇用創出効果
⑩共同研究数
⑪研究会参加企業数
⑫経済波及効果
当モデルケースでは北陸3県が実施する事業において、相乗効果が認められる効果を KPI に設定した。①~⑥
がライフサイエンス関係、⑦、⑧が高機能材料、⑨~⑫が全体の KPI である。
【KPI 達成のプロセスやポイント】
ライフサイエンスの分野においては、北陸3県が独自に進める事業のほか、3県が連携して「北陸ライフサイエンスクラ
スター推進事業」を実施。多くの項目において目標を達成できたが、知財戦略等の一環で一部の KPI が未達成。
本計画の実施により、効果は出始めており、全体の目標として設定していた雇用創出や経済の活性化(⑨~⑫)
についても年々成果は増加している。なお、高機能新素材産業に関しては、本格的な事業化が2024年以降の
予定であり、現在準備を進めているところである。
【5 年間の KPI の推移】

◆KPI 設定の工夫・達成状況
④企業集積数
①ライフサイエンス分野における大学研究機関の特許出願件数 ②医療、健康分野の事業化、商業化数
③ライフサイエンス分野のベンチャー企業創出数
– 148 –
1.地域の成長シーズを地方と国で連携して大きくし、新たな産業創出へつなげ、地域活性化、国際競争力強化へ
引き続き地方創生関連交付金を活用し、戦略分野の研究開発や研究機器の整備等を実施するとともに、各県ご
とに策定した地方創生戦略においても重点分野として位置づけ、支援を拡充していく。
2.成長分野に部材を供給する高機能新素材産業の集積地に
今後、地域内外のネットワーク構築・強化及びシーズ・ニーズマッチング、海外展開等を継続し、先端素材を活用し
た医療用繊維材料・機械部品・電子素材等の開発にも取り組む。また、東海・北陸連携コンポジットハイウェイ構想の
実現に向け、両地域の企業等による交流会を継続する。
3.治療システムの確立
治療システムの確立を目指し、バイオ・ライフサイエンス系ベンチャー産業の創造支援として、ベンチャー起業に向けた支
援、ベンチャー有望企業のリストアップによる重点的支援を行う。また、海外展開に必要な情報収集や発信を行う。
4.北陸3県の産業を融合した予防・診断・治療の製品・サービスの創出
富山県は新薬開発型メーカ 、ジェネリック医薬品製造メーカ、一般用医薬品製造メーカなど多様な製薬企業が存在
し、石川県は繊維産業と機械産業を中心に産業が発展し、独自の技術等を有し、医療用ディスプレイや内視鏡用チ
ェーンで世界シェアを有するニッチトップ企業が立地し、福井県は、眼鏡フレームの製造で培われてきたチタン合金等の
高度な精密加工技術を活かした眼科用手術器具の開発、繊維技術を活かした人工血管など非衣料分野の開発も
積極的に行われている。このような特色ある産業を融合し、予防・診断・治療の分野でシナジー効果を発揮し、新製
品・サービスを創出する。
◆今後の展開及び課題
⑫経済波及効果
⑨雇用創出効果
⑤ライフサイエンス分野の大学等の研究機関の研究者数
⑩共同研究数
⑪研究会参加企業数
⑥医薬品、医療機器生産金額
(※H30 実績値は、厚生労働省統計「薬事工業生産動態統計調査」年報の
H30 年分の公表が令和元年12月31日予定のため、記載不可。)
- 146 -
– 149 –
◆団体名 長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、静岡市、浜松市、名古屋市、
一般社団法人中部経済連合会、名古屋商工会議所

5.世界最強のものづくり先進地域を目指して
○ 東海地域は、我が国随一のものづくりの拠点であり、その強みの根底には、自動車関連産業を中心に、他の地域
には類がない「技術力」、「人材力」、「集積力」を活かし、あらゆるものづくり産業を支え、新たな成長産業を産み出
す成長エンジンとなる「ものづくりマザー機能」がある。
○ 本モデルケースは、その「ものづくりマザー機能」を
強化することにより、自動車関連・航空機・ヘルス
ケア・環境の4つの戦略産業を中心に、更なる産
業集積の高度化と多様な成長産業が地域経済
を支える産業構造への転換を図ることを目指す。
○ そのため、東海地域の5県3政令市、2経済
団体等のトップが参画する「東海産業競争力協
議会」において 2014 年 3 月に取りまとめた
「TOKAI VISION」の実現に向け、国と地方が
一体となって効果的な施策を推進。
一般社団法人中部経済連合会、名古屋商工会議所
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
<自動車関連>
○ 高度な技術力を有する中堅・中小企業の集積を最大限に活かし、次世代の自動車を見据えた革新技術の
開発や省資源・省エネルギーでの製造を実現する生産技術の高度化を推進。
・全国初の一般公道での遠隔型自動運転システムの実証実験など、近未来技術
の社会実装
・「人とくるまのテクノロジー展」等の出展支援や、産学連携による事業領域の拡大
支援 など
一般公道での遠隔型自動運転(愛知県)
(2017 年 12 月)
<航空機>
○ 研究開発から設計、飛行試験、製造・販売、保守管理までの一貫体制を構築し、アメリカのシアトル、フラン
スのツールーズと肩を並べる航空宇宙産業の世界三大拠点の形成を目指した
取組を推進。
・5 県をエリアとする「アジア№1航空宇宙産業クラスター形成特区」において、各地
のクラスターの機能強化、クラスター間の連携強化を推進
・航空機等の産業振興と人材育成の拠点「エス・バード」、「岐阜かかみがはら航空
宇宙博物館」、「あいち航空ミュージアム」など拠点施設の整備 など 「エス・バード」(長野県)(2019 年 3 月竣工)
<ヘルスケア>
〇 医療現場の様々なニーズに応えられる技術力を持った地域であり、そのポテンシャルを活かし幅広い分野で新
製品を生み出す改良型医療機器等の開発拠点となることを目指した取組を推進。
・「メディカル・デバイス産業振興協議会」の運営、「メディカルメッセ」の開催など、
医療機器産業等の育成
・ファルマバレープロジェクトの一層の推進を図る「ふじのくに医療城下町推進機
構」による健康長寿・自立支援プロジェクトの推進 など
拠点施設「ファルマバレーセンター」(静岡県)
– 150 –
○ 本モデルケースは世界最強のものづくり先進地域を目指す試みであり、その取組は非常に多岐にわたり、参画する
主体も多種多様。
○ その中で、「東海産業競争力協議会」という関係機関のトップが参画する枠組みにおいて広域的な連携体制を構
築するとともに、関係機関の取組をアクションプランとして取りまとめ、PDCAサイクルを回す仕組みづくりができたこ
とが大きなポイント。
○ 「TOKAI VISION」により、目指すべき姿が共有されるなかで、各地域が主体性を発揮しつつ、プロジェクトの有
機的な連携を図りながら取組が進展する形を構築。
◆プロジェクトのアピールポイント
地域の産学官金の連携のもと、目指すべき姿を共有
地域の主体性とプロジェクトの有機的な連携
血管シミュレーター
(写真提供:株式会社タナック)
全国初となる複数台の
遠隔型自動運転実証実験
三菱スペースジェットファミリー
(三菱航空機㈱提供)
リサイクル炭素繊維を活用した製品

<環境>
〇 当地域のものづくり産業が持つ高度な環境技術に係る製品開発力や生産技術を生かし、新たな環境ビジネ
スの創出・拡大を目指した取組を推進。
・CFRP リサイクルの促進等に向けたセミナーの開催やマッチング機会の
創出
・「三重県次世代電池イノベーション推進協議会」、「ふじのくに CNF
(セルロースナノファイバー)研究開発センター」など、環境技術の研
究開発・実用化の促進 など
<ものづくりマザー機能>
〇 著しい進化を遂げつつある IoT、AI、ビッグデータやロボット技術に関する取組や、素材・生産技術といったも
のづくりの基盤技術の革新などを推進。
・「地方版 IoT 推進ラボ」や「岐阜県 IoT コンソーシア
ム」など、ものづくり産業における IT・ロボット技術の利
活用促進
・複合材料に関する「コンポジットハイウェイコンソーシア
ム」、あらゆる産業分野に光・電子技術の応用を促
進する「フォトンバレーセンター」など、多様な主体が
連携した一大拠点・産業集積の形成 など 「フォトンバレーセンター」(浜松市)
(2018 年 6 月) (2017 年 4 月開設)
「三重県次世代電池イノベーション推進協議会
研究活動報告会」(2016 年3月)(三重県)
- 147 -
– 149 –
◆団体名 長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、静岡市、浜松市、名古屋市、
一般社団法人中部経済連合会、名古屋商工会議所

5.世界最強のものづくり先進地域を目指して
○ 東海地域は、我が国随一のものづくりの拠点であり、その強みの根底には、自動車関連産業を中心に、他の地域
には類がない「技術力」、「人材力」、「集積力」を活かし、あらゆるものづくり産業を支え、新たな成長産業を産み出
す成長エンジンとなる「ものづくりマザー機能」がある。
○ 本モデルケースは、その「ものづくりマザー機能」を
強化することにより、自動車関連・航空機・ヘルス
ケア・環境の4つの戦略産業を中心に、更なる産
業集積の高度化と多様な成長産業が地域経済
を支える産業構造への転換を図ることを目指す。
○ そのため、東海地域の5県3政令市、2経済
団体等のトップが参画する「東海産業競争力協
議会」において 2014 年 3 月に取りまとめた
「TOKAI VISION」の実現に向け、国と地方が
一体となって効果的な施策を推進。
◆全体概要
◆特徴的な取組・成果
<自動車関連>
○ 高度な技術力を有する中堅・中小企業の集積を最大限に活かし、次世代の自動車を見据えた革新技術の
開発や省資源・省エネルギーでの製造を実現する生産技術の高度化を推進。
・全国初の一般公道での遠隔型自動運転システムの実証実験など、近未来技術
の社会実装
・「人とくるまのテクノロジー展」等の出展支援や、産学連携による事業領域の拡大
支援 など
一般公道での遠隔型自動運転(愛知県)
(2017 年 12 月)
<航空機>
○ 研究開発から設計、飛行試験、製造・販売、保守管理までの一貫体制を構築し、アメリカのシアトル、フラン
スのツールーズと肩を並べる航空宇宙産業の世界三大拠点の形成を目指した
取組を推進。
・5 県をエリアとする「アジア№1航空宇宙産業クラスター形成特区」において、各地
のクラスターの機能強化、クラスター間の連携強化を推進
・航空機等の産業振興と人材育成の拠点「エス・バード」、「岐阜かかみがはら航空
宇宙博物館」、「あいち航空ミュージアム」など拠点施設の整備 など 「エス・バード」(長野県)(2019 年 3 月竣工)
<ヘルスケア>
〇 医療現場の様々なニーズに応えられる技術力を持った地域であり、そのポテンシャルを活かし幅広い分野で新
製品を生み出す改良型医療機器等の開発拠点となることを目指した取組を推進。
・「メディカル・デバイス産業振興協議会」の運営、「メディカルメッセ」の開催など、
医療機器産業等の育成
・ファルマバレープロジェクトの一層の推進を図る「ふじのくに医療城下町推進機
構」による健康長寿・自立支援プロジェクトの推進 など
拠点施設「ファルマバレーセンター」(静岡県)
– 150 –
○ 本モデルケースは世界最強のものづくり先進地域を目指す試みであり、その取組は非常に多岐にわたり、参画する
主体も多種多様。
○ その中で、「東海産業競争力協議会」という関係機関のトップが参画する枠組みにおいて広域的な連携体制を構
築するとともに、関係機関の取組をアクションプランとして取りまとめ、PDCAサイクルを回す仕組みづくりができたこ
とが大きなポイント。
○ 「TOKAI VISION」により、目指すべき姿が共有されるなかで、各地域が主体性を発揮しつつ、プロジェクトの有
機的な連携を図りながら取組が進展する形を構築。
◆プロジェクトのアピールポイント
地域の産学官金の連携のもと、目指すべき姿を共有
地域の主体性とプロジェクトの有機的な連携
血管シミュレーター
(写真提供:株式会社タナック)
全国初となる複数台の
遠隔型自動運転実証実験
三菱スペースジェットファミリー
(三菱航空機㈱提供)
リサイクル炭素繊維を活用した製品

<環境>
〇 当地域のものづくり産業が持つ高度な環境技術に係る製品開発力や生産技術を生かし、新たな環境ビジネ
スの創出・拡大を目指した取組を推進。
・CFRP リサイクルの促進等に向けたセミナーの開催やマッチング機会の
創出
・「三重県次世代電池イノベーション推進協議会」、「ふじのくに CNF
(セルロースナノファイバー)研究開発センター」など、環境技術の研
究開発・実用化の促進 など
<ものづくりマザー機能>
〇 著しい進化を遂げつつある IoT、AI、ビッグデータやロボット技術に関する取組や、素材・生産技術といったも
のづくりの基盤技術の革新などを推進。
・「地方版 IoT 推進ラボ」や「岐阜県 IoT コンソーシア
ム」など、ものづくり産業における IT・ロボット技術の利
活用促進
・複合材料に関する「コンポジットハイウェイコンソーシア
ム」、あらゆる産業分野に光・電子技術の応用を促
進する「フォトンバレーセンター」など、多様な主体が
連携した一大拠点・産業集積の形成 など 「フォトンバレーセンター」(浜松市)
(2018 年 6 月) (2017 年 4 月開設)
「三重県次世代電池イノベーション推進協議会
研究活動報告会」(2016 年3月)(三重県)
- 148 -
– 151 –
◆推進体制と関連する地域波及効果
○ 「東海産業競争力協議会」は東海地域の5県、3政令市、2経済団体等のトップのほか、中部経済産業局を
はじめ関係省庁の地方支分部局長等が加わった組織。その下には、中小企業経営者の方々にも参加をいただい
た作業部会を設置。
○ 協議会では、2014 年度~2017 年度にかけて、関係機関の取組の成果・効果を整理するとともに、「アクション
プラン」を取りまとめるというPDCAサイクルを回し、その仕組みは各機関の自律的な取組へと定着。
○ このように、地域で自律的に成長戦略を検討し、推進していく形が進展したことが、今回のモデルケースの大きな成
果・波及効果。
<自律的な取組の具体例>
●自動運転の社会実装に向けた取組
・愛知県が実施している自動運転の実証実験では、2015 年度に、国の国家戦略特区において「自動走行等の近
未来技術実証のための制度整備」との指定を受けてから、2016 年度には県主体による実証実験に着手。
・2017 年度には、民間事業者と市町村等とのマッチングなどを図る「あいち自動運転推進コンソーシアム」を立ち上
げるとともに、公道における実証実験の実施手続きを総合調整する「あいち自動運転ワンストップセンター」を設置
し、2020 年度の社会実装に向けた取組を継続的に推進。
●「アジア№1航空宇宙産業クラスター形成特区」
・特区に指定されている地区数及び企業・団体・自治体などの特区の構成員数は、2014 年度の 67 地区・239
構成員から、2018 年度には 100 地区・383 構成員に増加するなど、取組の広がりと連携が着実に進展。
地域で自律的に
成長戦略を推進して
いく形が進展
<東海産業競争力協議会>
・東海5県知事 ・東海3政令市長
・名古屋大学総長 ・中経連会長、名商会頭
・中部経済産業局をはじめ関係省庁の地方支分部局長等
<同作業部会>
・中部5県・3政令市担当部局長
・名古屋大学総長 ・中小企業経営者など
・中部経済産業局をはじめ関係省庁の地方支分部局担当部長等
取組の成果と効果の整理
「アクションプラン」のとりまとめ など 協議会メンバーによる取組の推進
【「TOKAI VISION」の実現に向けた PDCA サイクル】
<自動運転の実証実験(愛知県)>
2015 年度 国家戦略特区区域指定

2016 年度 15 市町で実証実施
2017 年度 10 市町で実証実施

2018 年度~ 社会実装に向けた取組推進
2014 年度 特区指定地区数:67
構成員数:239
2018 年度 特区指定地区数:100
構成員数:383
– 152 –
〇 世界最強のものづくり先進地域を目指してという目標に向け、製造品出荷額等の全国シェア及び額を 2013 年
比で増大していくといったKPIを設定。
〇 KPIの達成に向けて、「東海産業競争力協議会」の PDCA サイクルの中で、2016 年度においては「IT・ロ
ボット技術の開発・利活用促進による産業の高度化」など、2017 年度においては「産学官連携を活用したイノベ
ーション創出環境の整備」といった施策を追補・強化。
〇 施策の推進に当たっては、地域再生戦略交付金、地方創生推進交付金を、各自治体において多数活用し、4
つの戦略産業の強化を促進。
〇 「東海産業競争力協議会」においては、2019 年 5 月に「TOKAI VISION」に引き続く成長戦略の第2ステー
ジとして、「「Society5.0」の実現に向けた東海地域の産業競争力強化戦略」を策定。
〇 この戦略は、IoTやビッグデータ、AIなど第 4 次産業革命の進展、自動車産業における電動化、自動運転
等の「CASE」といったものづくりを巡る社会潮流に大きな変化が生じていること、また、こうした社会潮流の変化
などを受け、国や地域において、新たな成長戦略の策定が進んできていることを踏まえ、協議会において、当地域の
産業競争力の強化につながる新たな方向性を 2018 年度から1年をかけて検討し、策定したもの。
〇 この戦略に基づき、「新たなビジネス
を生み出すネットワーク場づくり」、
「IT ものづくりブリッジ人材の育成」、
「新技術等の社会実装」を3本柱
とした今後5~10 年のアクションを
地域一丸となって実行。
〇 AI、IoT等の革新的な技術
と、自動車産業を始めとするものづく
りの融合によるビジネス創出を東海
地域がリードするとともに、新たなビ
ジネス創出の担い手などによるイノベ
ーションを進め、内外からクリエイティ
ブな人材・多様な人材が交流・創
造する地域の実現を目指していく。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
<製造品出荷額等の全国シェア及び額の増大(2013 年比)>
26.7%
780,202 億円
27.0%
860,539 億円
【2013 年】 【2017 年】
○PDCA の中で「TOKAI VISON」を追補し、施策を強化
【2016 年度】
・IT・ロボット技術の開発・利活用促進による産業の高度化
・TPP等を契機とした更なる海外展開支援や国際化
【2017 年度】
・産学官連携を活用したイノベーション創出環境の整備
・「地域未来投資促進法」を活用した地域経済の振興
- 149 -
– 152 –
〇 世界最強のものづくり先進地域を目指してという目標に向け、製造品出荷額等の全国シェア及び額を 2013 年
比で増大していくといったKPIを設定。
〇 KPIの達成に向けて、「東海産業競争力協議会」の PDCA サイクルの中で、2016 年度においては「IT・ロ
ボット技術の開発・利活用促進による産業の高度化」など、2017 年度においては「産学官連携を活用したイノベ
ーション創出環境の整備」といった施策を追補・強化。
〇 施策の推進に当たっては、地域再生戦略交付金、地方創生推進交付金を、各自治体において多数活用し、4
つの戦略産業の強化を促進。
〇 「東海産業競争力協議会」においては、2019 年 5 月に「TOKAI VISION」に引き続く成長戦略の第2ステー
ジとして、「「Society5.0」の実現に向けた東海地域の産業競争力強化戦略」を策定。
〇 この戦略は、IoTやビッグデータ、AIなど第 4 次産業革命の進展、自動車産業における電動化、自動運転
等の「CASE」といったものづくりを巡る社会潮流に大きな変化が生じていること、また、こうした社会潮流の変化
などを受け、国や地域において、新たな成長戦略の策定が進んできていることを踏まえ、協議会において、当地域の
産業競争力の強化につながる新たな方向性を 2018 年度から1年をかけて検討し、策定したもの。
〇 この戦略に基づき、「新たなビジネス
を生み出すネットワーク場づくり」、
「IT ものづくりブリッジ人材の育成」、
「新技術等の社会実装」を3本柱
とした今後5~10 年のアクションを
地域一丸となって実行。
〇 AI、IoT等の革新的な技術
と、自動車産業を始めとするものづく
りの融合によるビジネス創出を東海
地域がリードするとともに、新たなビ
ジネス創出の担い手などによるイノベ
ーションを進め、内外からクリエイティ
ブな人材・多様な人材が交流・創
造する地域の実現を目指していく。
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
<製造品出荷額等の全国シェア及び額の増大(2013 年比)>
26.7%
780,202 億円
27.0%
860,539 億円
【2013 年】 【2017 年】
○PDCA の中で「TOKAI VISON」を追補し、施策を強化
【2016 年度】
・IT・ロボット技術の開発・利活用促進による産業の高度化
・TPP等を契機とした更なる海外展開支援や国際化
【2017 年度】
・産学官連携を活用したイノベーション創出環境の整備
・「地域未来投資促進法」を活用した地域経済の振興
- 150 -
– 153 –
◆団体名 (公財)地球環境センター、滋賀県、大阪市、NPO 資源リサイクルシステムセンター

近畿地域の新たな成長産業として期待される環境・エネルギー分野において、新市場の創出や海外展開を促進す
ることにより、近畿経済の持続的成長の実現を目指している。提案団体を中心に、地域に集積する科学技術基盤、
企業、自治体、産業支援機関等を対象にネットワークを形成して、アジアでの環境・省エネルギー分野の振興を図って
いる。以下の分野・役割をもとに、相互に連携しながら、各種事業に取り組んでいる。
関西の政府機関(近畿経済産業局(Team E-Kansai)、滋賀県、大阪市)とアジアの様々な政府機関との G
to G の関係を構築・深化することによって、相手国の業界団体や傘下の企業と関西企業との商談会・マッチングを積
極的に実施し、B to B での企業のビジネス展開を支援した。
〇商談会・・マッチング開催地 > ベトナム、インドネシア、タイ、台湾 等
〇マッチング(商談)件数 > H28:38 件 ⇒ H30:181 件
現地政府機関や業界団体との連携強化を進めるなかで、現地の技術的・政策的なニーズをもとに、積極的にプロジェ
クトの創出を目指してきたところ。以下の事例が挙げられる。
〇近畿経済産業局と広東省科学技術庁の環境・省エネ分野の協力関係のもと日中合作プロジェクト2件の採択
〇Team E-Kansai とインドネシア技術評価応用庁の関係のもと水質監視に係る JICA 案件化調査の実施
〇大阪市とホーチミン市の都市間連携のもと JCM プロジェクト(低炭素技術の導入)2件の採択
◆関連する地域波及効果
6.関西発!環境・エネルギー分野におけるグローバルに通用する革新的な製品・ビジネスモデル
の開発及び環境都市ネットワークを活用したアジアでの新ビジネス・新市場の創出
◆団体名 ( )地球環境センター、滋賀県、大阪市、
◆全体概要
国内外での環境・省エネ関
連の商談会・ビジネスマッチ
ングの開催
これらのイベントを契機として、状況により
現地コーディネーターのフォロアップを実施
成約件数 >
H25:20 件 ⇒ H30:23 件
地域経済効果(成約実績)
H30 27 億円
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
国際クラスター形成事業
(地球環境センター)
国内外の水環境課題の解決に向け
たプロジェクト創出(滋賀県)
アジア地域の低炭素社会実現
のための支援事業(大阪市)
新産業創出事業
(資源リサイクルシステムセンター)
関西・アジア 環境・省エネビジネス交流推進フォーラム(Team E-Kansai)
しが水環境ビジネス推進フォーラム
Team OSAKA ネットワーク 高度循環システム研究会
タイ
バンコク
広東省科学技術庁との日中
合作プロジェクトにより下水処
理場に導入された水処理装置
水質監視に係る案件化
調査(ジャカルタ)
– 154 –
◆推進体制
・Team E-Kansai では、鮮度の高いアジアのニーズ情報の収集や、現地政府機関・業界団体との連絡調整、各
種イベント後の会員企業のフォロアップのため、専属コーディネーターを配置(中国(広東省、遼寧省)、ベトナ
ム、インドネシア、タイ)している。
・提案機関間での連携を進めるにあたっては、個別に事業調整を行うほか、全ての機関が Team E-Kansai の関
係機関であることから、Team E-Kansai 協力機関(29 団体)と支援機関(近畿経済産業局)で構成する
連絡会議において、情報交換等を行っている。
【設定 KPI】
<指標施策> 海外産業機関等との連携構築・普及拡大
KPI①:現地での成約件数(目標 20 件/年)⇒ 達成状況 H30:23 件/年↗
KPI②:現地での成約額(目標 10 億円/年)⇒ 達成状況 H30:27 億円/年↗
<指標施策> 大学・研究機関との中核・中小企業との連携強化
KPI③:事業化候補技術シーズ提案(目標 新規件数 延べ 40 件)⇒ 達成状況 H30:28 件↘
<指標施策> 国内外のプロジェクトの創出・展開
KPI④:都市間連携等を活用したプロジェクト(目標 新規件数 延べ 3 件)⇒ 達成状況 H30:2 件↘
<指標施策> 海外産業機関等との連携構築・モデルプロジェクト形成
KPI⑤:現地へのシステム提案(目標 新規件数 延べ 10 件)⇒ 達成状況 H30:10 件→
<指標施策> 中核企業・中堅中小企業の連携強化
KPI⑥:ビジネスマッチング(目標 新規件数 延べ 90 件)⇒ 達成状況 H30:181 件↗
【KPI 達成のプロセスやポイント】
・目標達成のために、アジアの政府・研究機関や業界団体と環境分野の協力関
係を構築しながら、実績を積み上げてきたところ。マッチングでは、相手機関の多
大な支援のもとで、多くの現地企業との商談の機会を得ることができた。
◆地方創生関係交付金等の活用有無
・滋賀県の活動に 「地方創生加速化交付金(H27 補正)」および「地方創生推進交付金(H28~R2)」を
活用している。
(1)海外業界団体等との連携構築・普及拡大
・海外業界団体との関係構築の機会の創出が課題であり、両国政府間での G to G 構築や国際ネットワークの活
用から関係を拡大したうえで、現地の多様なニーズに即応した日本側からのソリューション提案を推進していく。
(2)大学・研究機関と中核・中小企業との連携強化
・海外研究機関との連携が課題であり、日本との関係の深い研究機関への積極的なアプローチにより、日本の中小
企業の優れた技術をアピールできるような交流会・セミナーの機会を創出していく。
(3)海外プロジェクトの創出・展開
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
38
100
181
0
100
200
H28 H29 H30
マッチング件数(KPI⑥)
- 151 -
– 153 –
◆団体名 (公財)地球環境センター、滋賀県、大阪市、NPO 資源リサイクルシステムセンター

近畿地域の新たな成長産業として期待される環境・エネルギー分野において、新市場の創出や海外展開を促進す
ることにより、近畿経済の持続的成長の実現を目指している。提案団体を中心に、地域に集積する科学技術基盤、
企業、自治体、産業支援機関等を対象にネットワークを形成して、アジアでの環境・省エネルギー分野の振興を図って
いる。以下の分野・役割をもとに、相互に連携しながら、各種事業に取り組んでいる。
関西の政府機関(近畿経済産業局(Team E-Kansai)、滋賀県、大阪市)とアジアの様々な政府機関との G
to G の関係を構築・深化することによって、相手国の業界団体や傘下の企業と関西企業との商談会・マッチングを積
極的に実施し、B to B での企業のビジネス展開を支援した。
〇商談会・・マッチング開催地 > ベトナム、インドネシア、タイ、台湾 等
〇マッチング(商談)件数 > H28:38 件 ⇒ H30:181 件
現地政府機関や業界団体との連携強化を進めるなかで、現地の技術的・政策的なニーズをもとに、積極的にプロジェ
クトの創出を目指してきたところ。以下の事例が挙げられる。
〇近畿経済産業局と広東省科学技術庁の環境・省エネ分野の協力関係のもと日中合作プロジェクト2件の採択
〇Team E-Kansai とインドネシア技術評価応用庁の関係のもと水質監視に係る JICA 案件化調査の実施
〇大阪市とホーチミン市の都市間連携のもと JCM プロジェクト(低炭素技術の導入)2件の採択
◆関連する地域波及効果
6.関西発!環境・エネルギー分野におけるグローバルに通用する革新的な製品・ビジネスモデル
の開発及び環境都市ネットワークを活用したアジアでの新ビジネス・新市場の創出
◆全体概要
国内外での環境・省エネ関
連の商談会・ビジネスマッチ
ングの開催
これらのイベントを契機として、状況により
現地コーディネーターのフォロアップを実施
成約件数 >
H25:20 件 ⇒ H30:23 件
地域経済効果(成約実績)
H30 27 億円
◆プロジェクトのアピールポイント
◆特徴的な取組・成果
国際クラスター形成事業
(地球環境センター)
国内外の水環境課題の解決に向け
たプロジェクト創出(滋賀県)
アジア地域の低炭素社会実現
のための支援事業(大阪市)
新産業創出事業
(資源リサイクルシステムセンター)
関西・アジア 環境・省エネビジネス交流推進フォーラム(Team E-Kansai)
しが水環境ビジネス推進フォーラム
Team OSAKA ネットワーク 高度循環システム研究会
タイ
バンコク
広東省科学技術庁との日中
合作プロジェクトにより下水処
理場に導入された水処理装置
水質監視に係る案件化
調査(ジャカルタ)
– 154 –
◆推進体制
・Team E-Kansai では、鮮度の高いアジアのニーズ情報の収集や、現地政府機関・業界団体との連絡調整、各
種イベント後の会員企業のフォロアップのため、専属コーディネーターを配置(中国(広東省、遼寧省)、ベトナ
ム、インドネシア、タイ)している。
・提案機関間での連携を進めるにあたっては、個別に事業調整を行うほか、全ての機関が Team E-Kansai の関
係機関であることから、Team E-Kansai 協力機関(29 団体)と支援機関(近畿経済産業局)で構成する
連絡会議において、情報交換等を行っている。
【設定 KPI】
<指標施策> 海外産業機関等との連携構築・普及拡大
KPI①:現地での成約件数(目標 20 件/年)⇒ 達成状況 H30:23 件/年↗
KPI②:現地での成約額(目標 10 億円/年)⇒ 達成状況 H30:27 億円/年↗
<指標施策> 大学・研究機関との中核・中小企業との連携強化
KPI③:事業化候補技術シーズ提案(目標 新規件数 延べ 40 件)⇒ 達成状況 H30:28 件↘
<指標施策> 国内外のプロジェクトの創出・展開
KPI④:都市間連携等を活用したプロジェクト(目標 新規件数 延べ 3 件)⇒ 達成状況 H30:2 件↘
<指標施策> 海外産業機関等との連携構築・モデルプロジェクト形成
KPI⑤:現地へのシステム提案(目標 新規件数 延べ 10 件)⇒ 達成状況 H30:10 件→
<指標施策> 中核企業・中堅中小企業の連携強化
KPI⑥:ビジネスマッチング(目標 新規件数 延べ 90 件)⇒ 達成状況 H30:181 件↗
【KPI 達成のプロセスやポイント】
・目標達成のために、アジアの政府・研究機関や業界団体と環境分野の協力関
係を構築しながら、実績を積み上げてきたところ。マッチングでは、相手機関の多
大な支援のもとで、多くの現地企業との商談の機会を得ることができた。
◆地方創生関係交付金等の活用有無
・滋賀県の活動に 「地方創生加速化交付金(H27 補正)」および「地方創生推進交付金(H28~R2)」を
活用している。
(1)海外業界団体等との連携構築・普及拡大
・海外業界団体との関係構築の機会の創出が課題であり、両国政府間での G to G 構築や国際ネットワークの活
用から関係を拡大したうえで、現地の多様なニーズに即応した日本側からのソリューション提案を推進していく。
(2)大学・研究機関と中核・中小企業との連携強化
・海外研究機関との連携が課題であり、日本との関係の深い研究機関への積極的なアプローチにより、日本の中小
企業の優れた技術をアピールできるような交流会・セミナーの機会を創出していく。
(3)海外プロジェクトの創出・展開
◆KPI 設定の工夫・達成状況
◆今後の展開及び課題
38
100
181
0
100
200
H28 H29 H30
マッチング件数(KPI⑥)
- 152 -
– 155 –
氏 名 所 属
座長 村上 周三 一般財団法人建築環境・省エネルギー機構 理事長
主査
(地方都市) 後藤 春彦 早稲田大学 理事・教授
主査
(過疎地域) 小田切 徳美 明治大学農学部 教授
主査
(地元地域資源) 関 幸子 株式会社ローカルファースト研究所 代表取締役
主査
(広域地域資源) 楠見 清 学校法人 神戸山手学園 理事長
主査
(産業集積) 松原 宏 東京大学大学院総合文化研究科 教授
委員 柿元 美津江 鹿児島純心女子大学看護栄養学部 客員教授
委員 柏木 孝夫 東京工業大学 特命教授・名誉教授
委員 西澤 隆 野村證券株式会社 投資情報部長
委員 辻 琢也 一橋大学大学院法学研究科 教授
委員 山崎 亮 株式会社 studio-L 代表
Ⅳ.地域活性化プラットフォームワーキングチーム
– 156 –
山崎 亮(やまざきりょう)studio-L 代表。
コミュニティデザイナー。社会福祉士。博士(工学)。
1973 年愛知県生まれ。大学院修了後、6 年間の建築・ランドスケープ設計事務所勤務を経て、2005 年に
studio-L を設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワ
ークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。
著書に『コミュニティデザインの源流(太田出版)』、『縮充する日本(PHP 新書)』、『地域ごはん日記(パイ
インターナショナル)』、『ケアするまちをデザインする(医学書院)』などがある。
西澤 隆(にしざわ たかし)野村證券株式会社 投資情報部長
1964 年、埼玉県生まれ。1987 年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1989 年同大学大学院
経済学修士、野村総合研究所入社。野村證券金融経済研究所経済解析課長を経て、2010 年 10 月か
ら野村アグリプランニング&アドバイザリー株式会社取締役社長に就任。2017 年 4 月よりを現職。
著書に『人口減少時代の資産形成』(2005 年 東洋経済新報社)、『日本経済 地方からの再生』
(2009 年 同)など。
柿元 美津江(かきもと みつえ)鹿児島純心女子大学看護栄養学部 客員教授
鹿児島大学医学部付属保健師学校卒業後 1981 年川内市役所に保健師として入庁、2004 年合併によ
り薩摩川内市職員 主に健康増進事業、介護保険事業担当 地域包括支援センター長、市民健康課長を
歴任。また、長寿社会開発センター・立教大学・国際福祉大学等の老人保健健康増進事業(介護保険)に
参画。市在職中、鹿児島大学大学院 人文社会科学研究科入学・卒業 経済学修士取得。
2013 年、鹿児島純心女子大学看護栄養学部看護学科教授(専門公衆衛生看護学)を経て、2019
年現在 同校客員教授及び、社会福祉法人市比野福祉会 養護老人ホーム和光園園長。
柏木 孝夫(かしわぎ たかお) 東京工業大学 特命教授・名誉教授
1946 年東京生まれ。70 年、東京工業大学工学部生産機械工学科卒。79 年、博士号取得。1980~
81 年、米国商務省 NBS 招聘研究員、東京工業大学工学部助教授、東京農工大学大学院教授を経
て、2007 年より東京工業大学大学院教授、2009 年より先進エネルギー国際研究センター長、12 年より特
命教授・名誉教授。 2018 年より、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期 エネルギー・
環境分野プログラムディレクターに就任。現在、経済産業省総合資源エネルギー調査会基本政策分科会委
員など数多くの委員を務め、長年、国のエネルギー政策づくりに深く関わる。2017 年、エネルギー・環境分野で
最も権威のある国際賞「The Georg Alefeld Memorial Award」をアジアで初受賞。
おもな著書に「超スマートエネルギー社会 5.0」、「コージェネ革命」など。
辻 琢也(つじ たくや)一橋大学大学院法学研究科 教授
専攻は行政学、地方自治論。1962 年北海道生まれ。東京大学大学院博士号取得。東京大学助手、政
策研究大学院大学助教授等を経て、2005 年から現在に至る。この間、1996 から 1997 年まで米国ジョンズ
ホプキンス大学高等国際問題研究大学院ライシャワーセンター客員研究員、また、2014 年から 2018 年まで
一橋大学副学長を兼務した。現在、総務省「国地方係争処理委員会」委員のほか、国土交通省「社会資本
整備審議会」委員、国土交通省「国土審議会土地政策分科会企画部会」専門委員、総務省「基礎自治体
による行政の共通基盤の構築に関する研究会」座長、内閣府「地方創生推進交付金のあり方に関する研究
会」座長などを兼務している。主な著書は、『あたらしい自治体の設計』(共著)有斐閣、『自立と協働によるま
ちづくり読本』(共著)など。
ワーキングチーム分野別委員紹介
- 153 -
– 155 –
氏 名 所 属
座長 村上 周三 一般財団法人建築環境・省エネルギー機構 理事長
主査
(地方都市) 後藤 春彦 早稲田大学 理事・教授
主査
(過疎地域) 小田切 徳美 明治大学農学部 教授
主査
(地元地域資源) 関 幸子 株式会社ローカルファースト研究所 代表取締役
主査
(広域地域資源) 楠見 清 学校法人 神戸山手学園 理事長
主査
(産業集積) 松原 宏 東京大学大学院総合文化研究科 教授
委員 柿元 美津江 鹿児島純心女子大学看護栄養学部 客員教授
委員 柏木 孝夫 東京工業大学 特命教授・名誉教授
委員 西澤 隆 野村證券株式会社 投資情報部長
委員 辻 琢也 一橋大学大学院法学研究科 教授
委員 山崎 亮 株式会社 studio-L 代表
Ⅳ.地域活性化プラットフォームワーキングチーム
– 156 –
山崎 亮(やまざきりょう)studio-L 代表。
コミュニティデザイナー。社会福祉士。博士(工学)。
1973 年愛知県生まれ。大学院修了後、6 年間の建築・ランドスケープ設計事務所勤務を経て、2005 年に
studio-L を設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワ
ークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。
著書に『コミュニティデザインの源流(太田出版)』、『縮充する日本(PHP 新書)』、『地域ごはん日記(パイ
インターナショナル)』、『ケアするまちをデザインする(医学書院)』などがある。
西澤 隆(にしざわ たかし)野村證券株式会社 投資情報部長
1964 年、埼玉県生まれ。1987 年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1989 年同大学大学院
経済学修士、野村総合研究所入社。野村證券金融経済研究所経済解析課長を経て、2010 年 10 月か
ら野村アグリプランニング&アドバイザリー株式会社取締役社長に就任。2017 年 4 月よりを現職。
著書に『人口減少時代の資産形成』(2005 年 東洋経済新報社)、『日本経済 地方からの再生』
(2009 年 同)など。
柿元 美津江(かきもと みつえ)鹿児島純心女子大学看護栄養学部 客員教授
鹿児島大学医学部付属保健師学校卒業後 1981 年川内市役所に保健師として入庁、2004 年合併によ
り薩摩川内市職員 主に健康増進事業、介護保険事業担当 地域包括支援センター長、市民健康課長を
歴任。また、長寿社会開発センター・立教大学・国際福祉大学等の老人保健健康増進事業(介護保険)に
参画。市在職中、鹿児島大学大学院 人文社会科学研究科入学・卒業 経済学修士取得。
2013 年、鹿児島純心女子大学看護栄養学部看護学科教授(専門公衆衛生看護学)を経て、2019
年現在 同校客員教授及び、社会福祉法人市比野福祉会 養護老人ホーム和光園園長。
柏木 孝夫(かしわぎ たかお) 東京工業大学 特命教授・名誉教授
1946 年東京生まれ。70 年、東京工業大学工学部生産機械工学科卒。79 年、博士号取得。1980~
81 年、米国商務省 NBS 招聘研究員、東京工業大学工学部助教授、東京農工大学大学院教授を経
て、2007 年より東京工業大学大学院教授、2009 年より先進エネルギー国際研究センター長、12 年より特
命教授・名誉教授。 2018 年より、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期 エネルギー・
環境分野プログラムディレクターに就任。現在、経済産業省総合資源エネルギー調査会基本政策分科会委
員など数多くの委員を務め、長年、国のエネルギー政策づくりに深く関わる。2017 年、エネルギー・環境分野で
最も権威のある国際賞「The Georg Alefeld Memorial Award」をアジアで初受賞。
おもな著書に「超スマートエネルギー社会 5.0」、「コージェネ革命」など。
辻 琢也(つじ たくや)一橋大学大学院法学研究科 教授
専攻は行政学、地方自治論。1962 年北海道生まれ。東京大学大学院博士号取得。東京大学助手、政
策研究大学院大学助教授等を経て、2005 年から現在に至る。この間、1996 から 1997 年まで米国ジョンズ
ホプキンス大学高等国際問題研究大学院ライシャワーセンター客員研究員、また、2014 年から 2018 年まで
一橋大学副学長を兼務した。現在、総務省「国地方係争処理委員会」委員のほか、国土交通省「社会資本
整備審議会」委員、国土交通省「国土審議会土地政策分科会企画部会」専門委員、総務省「基礎自治体
による行政の共通基盤の構築に関する研究会」座長、内閣府「地方創生推進交付金のあり方に関する研究
会」座長などを兼務している。主な著書は、『あたらしい自治体の設計』(共著)有斐閣、『自立と協働によるま
ちづくり読本』(共著)など。
ワーキングチーム分野別委員紹介
- 154 -
– 157 –
1 地域活性化プラットフォーム構築の経緯
①地域活性化の推進に関する連絡会議
・総理大臣補佐官を議長として、関係閣僚会議の連絡会議を開催(内閣官房地域活性化統合事務局)

《以下参考》
第 1 回 H25.12.26
地域活性化関連の政策のパッケージ化へ向けた取組支援のためのプラットフォームとして関係大臣会合、連絡
調整会議及び政策対応チームの設置等について
第 2 回 H26.1.23
新たな成長戦略に向けた地域活性化の取組等について
第 3 回 H26.2.28
プラットフォームの今後の運営について
第 4 回 H26.5.21
地域活性化プラットフォームワーキングチーム推薦案選定の経緯、今後のスケジュールについて
②地域活性化の推進に関する関係閣僚会合
・地域活性化に向けた取組を加速させるため、内閣官房長官を議長として、地方公共団体支援のプラットフォーム
として、関係閣僚会議の連絡会議を設置・開催(内閣官房地域活性化統合事務局)

《以下参考》
第 1 回 H26.1.28
閣僚会合構成員紹介、成長戦略改定に向けた地域活性化の取組、地方公共団体支援のプラットフォームの
推進体制について
第 2 回 H26.3.25
地域活性化モデルケース募集、ワーキングチーム等について
第 3 回 H26.5.29
地域活性化モデルケース選定案、プラットフォームの取組等について
第 4 回 H26.6.24
地域活性化モデルケース選定自治体から報告、「日本再興戦略の改定」における地域活性化方策(地域
再生法の改正に向けた検討含む)について
廃止 H26.9.12
関係閣僚会合の設置主旨がもともと、「日本再興戦略の改定へ向けて」とあるため廃止となる。(また、まち・
ひと・しごと創生本部の目的と重なるところもある。)
廃止後も引き続き地域活性化ワーキングチームは引き継がれ、引き続き地域の直面している「超高齢化・人口
減少社会における持続可能な都市・地域の形成」及び「地域産業の成長・雇用の維持創出」の2つの課題
の解決に向け、成功事例の創出及び共有に係る政府の取組に対して助言を行うため、地域活性化プラットフ
ォームワーキングチームが開催されている。
– 158 –
2 地域活性化プラットフォームワーキングチームの活動
【ワーキングチーム・政策対応チームによる選定】
H26.3.25~4.21 (地域活性化モデルケース応募期間)
H26.4.21~4.30 (1 次評価)
ワーキングチーム・政策対応チームによる書面審査(定量評価(5 段階)と定性評価)
H26.5.9(2 次評価)
ワーキングチームによるヒアリング対象の決定
H26.5.13~5.16 の内 3 日(3 次評価)
ワーキングチームによるヒアリング後、選定推薦案決定
H26.5.29(関係閣僚会議による地域活性化モデルケースの決定)
【地域活性化モデルケースのフォローアップ】
①ワーキングチーム及び政策対応チームによる現地コンサル
H26.6~H26.8 にかけて、全選定団体の現地を訪問しコンサルティングを実施
②ワーキングチームによるフォローアップ
H26. 10.29~11.28 第 1 回フォローアップ
H27.5.29~6.26 第 2 回フォローアップ
H28. 6.28~7.26 第 3 回フォローアップ
H29. 9.27~10.18 第 4 回フォローアップ
H30. 9.3~9.14 第 5 回フォローアップ
R1.7.23~7.29 第 6 回フォローアップ
③ワーキングチームによる現地訪問
H28、H29、H30 の各年度において各モデルケースの現地を訪問しコンサルティングを実施
- 155 -
– 157 –
1 地域活性化プラットフォーム構築の経緯
①地域活性化の推進に関する連絡会議
・総理大臣補佐官を議長として、関係閣僚会議の連絡会議を開催(内閣官房地域活性化統合事務局)

《以下参考》
第 1 回 H25.12.26
地域活性化関連の政策のパッケージ化へ向けた取組支援のためのプラットフォームとして関係大臣会合、連絡
調整会議及び政策対応チームの設置等について
第 2 回 H26.1.23
新たな成長戦略に向けた地域活性化の取組等について
第 3 回 H26.2.28
プラットフォームの今後の運営について
第 4 回 H26.5.21
地域活性化プラットフォームワーキングチーム推薦案選定の経緯、今後のスケジュールについて
②地域活性化の推進に関する関係閣僚会合
・地域活性化に向けた取組を加速させるため、内閣官房長官を議長として、地方公共団体支援のプラットフォーム
として、関係閣僚会議の連絡会議を設置・開催(内閣官房地域活性化統合事務局)

《以下参考》
第 1 回 H26.1.28
閣僚会合構成員紹介、成長戦略改定に向けた地域活性化の取組、地方公共団体支援のプラットフォームの
推進体制について
第 2 回 H26.3.25
地域活性化モデルケース募集、ワーキングチーム等について
第 3 回 H26.5.29
地域活性化モデルケース選定案、プラットフォームの取組等について
第 4 回 H26.6.24
地域活性化モデルケース選定自治体から報告、「日本再興戦略の改定」における地域活性化方策(地域
再生法の改正に向けた検討含む)について
廃止 H26.9.12
関係閣僚会合の設置主旨がもともと、「日本再興戦略の改定へ向けて」とあるため廃止となる。(また、まち・
ひと・しごと創生本部の目的と重なるところもある。)
廃止後も引き続き地域活性化ワーキングチームは引き継がれ、引き続き地域の直面している「超高齢化・人口
減少社会における持続可能な都市・地域の形成」及び「地域産業の成長・雇用の維持創出」の2つの課題
の解決に向け、成功事例の創出及び共有に係る政府の取組に対して助言を行うため、地域活性化プラットフ
ォームワーキングチームが開催されている。
– 158 –
2 地域活性化プラットフォームワーキングチームの活動
【ワーキングチーム・政策対応チームによる選定】
H26.3.25~4.21 (地域活性化モデルケース応募期間)
H26.4.21~4.30 (1 次評価)
ワーキングチーム・政策対応チームによる書面審査(定量評価(5 段階)と定性評価)
H26.5.9(2 次評価)
ワーキングチームによるヒアリング対象の決定
H26.5.13~5.16 の内 3 日(3 次評価)
ワーキングチームによるヒアリング後、選定推薦案決定
H26.5.29(関係閣僚会議による地域活性化モデルケースの決定)
【地域活性化モデルケースのフォローアップ】
①ワーキングチーム及び政策対応チームによる現地コンサル
H26.6~H26.8 にかけて、全選定団体の現地を訪問しコンサルティングを実施
②ワーキングチームによるフォローアップ
H26. 10.29~11.28 第 1 回フォローアップ
H27.5.29~6.26 第 2 回フォローアップ
H28. 6.28~7.26 第 3 回フォローアップ
H29. 9.27~10.18 第 4 回フォローアップ
H30. 9.3~9.14 第 5 回フォローアップ
R1.7.23~7.29 第 6 回フォローアップ
③ワーキングチームによる現地訪問
H28、H29、H30 の各年度において各モデルケースの現地を訪問しコンサルティングを実施
- 156 -
地域活性化モデルケース報告書(平成
25年度~平成
30年度)令和2年3月内閣府地方創生推進事務局
地域活性化モデルケース報告書
(平成 25 年度~平成 30 年度)
令和2年3月
内閣府地方創生推進事務局
令和元年度地域活性化プラットフォーム推進事業
地域活性化モデルケース報告書
令和2年3月
内閣府地方創生推進事務局
〒100-0014 東京都千代田区永田町 1-11-39
TEL 03-5510-2175 FAX 03-3591-8801