林業の株式会社化 ~3人の構成員が10年で16人に~(三重県大台町)株式会社フォレストファイターズ|地域活性化100

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林業の株式会社化 ~3人の構成員が10年で16人に~
株式会社フォレストファイターズ
三重県大台町

三重県大台町の地域の概要

豊かな自然に恵まれ、大台ケ原山系を源流とする宮川や温泉など観光資源が豊富である。町域を貫く宮川は、
国土交通省の全国一級河川水質調査で第 1 位にも選ばれた清流。これらを資源とした村おこしも進められてき
ている。宮川支流の湧水を生かした「森の番人」(ナチュラルウォーター)、地元の農産物を原料にした加工食品
販売もある。

取り組みの概要:林業の株式会社化 ~3人の構成員が10年で16人に~

人口は 10,599 人(平成 22 年時点)と約 20 年間で 13% の減少をしている。高齢化率は 35.5% であるがフォ
レストファイターズが活動をする旧宮川村地域では 44.5% と特に高い。町域のうち森林面積 33,817ha で総面
積の 93% を占める。このうち杉などの人工林は約 57%であり、日本の平均的な人工林率である 41% を上回る。
木材需要の低下や価格低迷による林業の不振、地域の過疎・高齢化により、基幹産業であった林業従事者が減
少。森林が適正に管理できなくなり、荒廃した山が目立ちはじめていた。旧宮川村では新規に林業を始める希望
者もなく、林業離れが加速していた。
このような状況から、当時の宮川村村長が、将来に向けた林業振興と森林の維持管理を考え、若者に魅力のあ
る待遇と環境を整備した新しい会社として、旧宮川村、森林組合、農協、個人の出資により平成 5 年 10 月 1 日
にフォレストファイターズが設立された。
宮川と県道に沿った広大な敷地に、森林組合製材工場、プレカット工場である、株式会社(第3セクター)M
SP、そしてフォレストファイターズの事務所が立地している。
設立当初は、いわば地域の縁者であるUターン者の申し込みが中心であったが、県外からの応募も増え、その
後 I ターン者なども加わるようになった。社員3人のスタートから着実に採用を重ね、現在は 16 人、うち I ター
ン者が6人と半分程度を占めている。主業務は、伐採・搬出から保育など森林整備全般。プランターなどの木工
品も扱っている。また、三重県が「環境林」として認定された森林について、間伐などを行う森林環境創造事業
を行っており、平成 13 年度より(旧)宮川村がモデル地区として指定。約5千ヘクタールにわたる整備が進め
られているが、このような事業もフォレストファイターズを含む林業認定事業体が担っている。

インタビュー:井澤 俊彦 氏(株式会社フォレストファイターズ)「若者が林業を通して地域に魅力を感じて、家を建て、子供を設け、地域に定着することこそが最大の「地域貢献」」

若者が林業を通して地域に魅力を感じて、家を建て、子供を設け、地域に定着することこそが最大の「地域貢献」
井澤 俊彦 氏
株式会社フォレストファイターズ
会社は第3セクターで、もともとは旧村の出資でたちあげられた。当時の発想から、やはり林業者の後継の育
成、若者を呼び込むことが目的であった。
ここ数年も、6名連続で採用し、まちの雇用の場になっている。井澤氏も移住から20年ほどになるが、子ど
もこちらに住んでいる。井澤氏もファイターズの募集を見て採用されてこの地にやって来た。3 年ほど前からは
事務の方にまわっているが、現場は楽しかったと語る。今後は、さらに事業を発展させてバイオマス燃料(チッ
プ)の供給事業も考えているという。
フォレストファイターズの社員は皆、山岳救助隊に入っており、山で怪我をした人を助けに行く活動も行って
いる。また、同時に各地域の消防団にも所属している。こうした背景には、「社員は皆、地域にも入って役に立っ
てほしい」という社長の想いがあるからだ。
地域に定着していくこと、若い世代が地域に就職して、その人たちが山へ入りながら町内に住み、また、その
子供たちが大きくなっていくこと、これが何よりの地域貢献ではないか。