震災 10 年後までに、石巻から 1000 人の IT 技術者を(宮城県石巻市)一般社団法人イトナブ|地域活性化100

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震災 10 年後までに、石巻から 1000 人の IT 技術者を
一般社団法人イトナブ
宮城県石巻市

宮城県石巻市の地域の概要

石巻市は宮城県東部に位置し、人口は平成 26 年 12 月時点で約 14 万 6 千人であり県内第二の人口を擁する市
である。平成 23 年の東日本大震災による津波により大きな被害を受けた地域であるが全国からの多くの支援によ
り復興の道を歩み以前の石巻の姿を取り戻そうとしている。しかし震災以前より地元の産業は少なく、若者が地元
に残りたいと思っても仕事を選択することが出来ず、地元を離れざるを得ない状況があり今もそれは変わらぬ問題
としてある。震災により全国からの注目が集まり復興の道のりを歩むなかで、震災からの年月の経過とともに以前
の石巻ではなくそれまでの問題を解決し、支援からの自立を目指す新たな石巻への変化が問われている。

取り組みの概要:震災 10 年後までに、石巻から 1000 人の IT 技術者を

「イトナブ」とは「IT」×「イノベーション」×「営む」×「学
ぶ」の造語であり、石巻の次世代を担う若者を対象にソフト
ウェア開発やウェブデザインを学ぶ拠点と機会を提供し、地
域産業× IT の観点から雇用促進、職業訓練が出来る環境づ
くりを目指している。
震災を経験した石巻というまちを、震災前の状況に戻すの
ではなく、新しいまちへとバージョンアップさせるために平
成 23 年 6 月に設立されたまちづくり団体「石巻 2.0」が活
動の始まりである。古山氏は団体での活動を通じて、町はつ
くるものではなく作られるものだと感じ、次のまちづくりと
は人づくりであると子供への教育の分野の活動を模索して
いった。
子供への教育分野の活動は平成 23 年の 12 月頃から活動
を初め平成 24 年の 1 月に「イトナブ」を設立。平成 25 年
の 12 月に社団法人化した。
石巻に子ども達が世界を見られる環境を作りたかった。古
山氏は「IT」にこだわった訳ではないが、場所に縛られず世
界とつながること、Facebook のように 1 つのアイデアで大
きな産業を生み出すことの出来る「IT」が単純で良いのでは
ないかと考えた。また IT 開発系の分野は職人気質の東北人
に適しているという。石巻に IT を学びたい若者が集まるよ
うにするため、Google の副社長など普通は会えない人たち
が石巻によく来るような環境を作っていった。人を連れてく
ることでつながりができること、それが大事であるという。
現在子供への教育として、小学生を対象とし
た「IT」をキーワードとした「IT ワークショッ
プ」の開催や、石巻工業高校でのソフトウェ
ア開発の授業の講義、東北地方のエンジニア
のボトムアップを目的として Google や楽天
から講師を呼び若者に技術講習を行う「東北
THEC 道場」などを開催。石巻最大の IT イベ
ントであり日本最大級の開発イベントの「石巻
Hackathon」も開催しており、平成 26 年の第
3 回「 石 巻 Hackathon」 で は 3 日 間 で 200 人
が参加した。
地方の情報発信にも問題を感じて、近年は情
報発信や映像コンテンツの活動も始めている。
イトナブは現在 9 名のスタッフと小学生から
大学生までの数 10 名で活動している。活動で
は学生が学生に教える事もある。子供たちに教
えることで教える側が得られるものは多いと言
う。石巻の若者が教え、そこで成長した子供が
次の石巻の子ども達へと教えていく。石巻でサ
イクルを回していくことで自立して新しいもの
を生み出していくことができるようになること
を目指している。

インタビュー:古山 隆幸 氏(一般社団法人イトナブ石巻 代表理事)「石巻から世界を見られる環境を作りたい」

石巻から世界を見られる環境を作りたい
古山 隆幸 氏
一般社団法人イトナブ石巻 代表理事
新しい地方都市、新たな石巻を目指す古山氏がこれまでの経験から大切なものを語ってくれた。
「カッコいい大人がいれば場所はどこでもいい」地方の若者は能力がある人が多いと古山氏は言う。しかし能力
のある若者は東京へと向かってしまう。古山氏は学生時代に東京の人には刺激を受けたが、東京の土地には刺激を
受けていないと語る。日本の新しいカッコいい大人たちを石巻に連れてくることで石巻にイノベーションが起こせ
る。たとえば、石巻のような地方の町ではチャレンジできるフィールドがあると思っている。東京のような大都市
では、一人の活動で町が大きく変えることは難しいが、石巻では 10 歩動くと町が 10 歩変わっていく。自分が町
に育てられていると感じる。
若者が何かを求めて石巻へ向かうような、「刺激的 I ターン」を巻き起こしたいと古山氏は語る。「イトナブ」ス
タッフの中にも I ターン者はいて、彼は「都内はごちゃごちゃして誘惑が多いが石巻では必要なものだけ求めてい
ける」と話してくれた。また、ありきたりの正しいことではなく子供が憧れを抱いてくれるのも大事。他人にすご
いと言われたいからがきっかけでも良い。そこから何かを見つけることができる。何でも良いからミッションを持
つこと。そのために努力が必要になる。石巻に 100 台のフェラーリが走ってたらカッコいいですよね。